知名氏:通話内容をリアルタイムでテキスト化して表示しているので、オペレーターから管理者への「ヘルプ機能」の際にも、ヘルプ前の通話内容を管理者がテキストで確認でき、双方チャット等でやり取りができるので、管理者に対して引継ぎがスムーズに行えています。導入前は、口頭で管理者に状況を一から説明し、それからお客様に追加ヒアリングの上、もう一度保留にするといったケースも発生しており、お客様をお待たせしたり、対応時間や通話時間が長くなる傾向もありました。グラフの通り、導入前の2019年2月と比較すると、導入後は、平均通話時間が21秒も短縮されていることから、管理者からのフォローがリアルタイムに実施されることで、大幅な通話時間短縮という効果が表れていることが分かります。

ザ・プロアクティブカンパニー株式会社
「資料の自動表示機能」や
「通話自動評価機能」により、
平均通話時間の短縮、評価の透明性、
クレームの早期発見を実現。
会社概要
テレビコマーシャルでお馴染みのニキビケアシステムを提供しているザ・プロアクティブカンパニー株式会社は、「ニキビ悩みのない、明るい未来へ」をモットーに、お客様の肌への効果とやさしさに徹底的にこだわり、成分や処方を一から見直して開発された全く新しいニキビケアシステムを輸入、製造販売しています。
同社には、2015年10月から、株式会社コラボス(以下、「コラボス」)の電話システム「@nyplace(エニプレイス)」を継続してご利用いただいておりますが、今回は、同社のお客様コールセンターにコラボスの音声認識システムを導入した経緯とその費用対効果について、カスタマーコンタクトセンターマネージメント及びカスタマーサクセスの推進を担当されている知名正則氏にお話を伺いました。(※2020年9月現在)
貴社コールセンターにはどのような問い合わせがありますか。
知名氏:お客様からの注文・解約・相談等の電話を月間17,000件程度受けています。受付時間は、月曜日から土曜日の9時~18時(土曜日は9時~17時)です。
音声認識システムの導入経緯を教えてください。
知名氏:当社では、オペレーターの管理・教育、トラブル発生時の確認、クレームの対応のために、お客様とオペレーターの通話を録音しております。コラボスの音声認識システム「AmiVoice Communication Suite provided by コラボス」、(以下「AmiVoice(アミボイス)という)を導入する前は、お客様の声を後から確認する際には、通話録音を1件1件聞く必要があり、非常に時間がかかり、効率面から限界を感じておりました。そんな時にコラボスの営業担当の方から、お客様との会話をテキスト化でき、後から検索も容易な「AmiVoice(アミボイス)」をご紹介いただき、事前にPoC(概念実証)において、実現可能性、効果や効用、技術的な観点から検証を行い、2019年8月頃に本導入しました。
音声認識システムの導入前の課題と導入後の効果を教えてください。
知名氏:導入によって、クレームの早期発見、クレーム対応のスピード化、エスカレーションの効率化等、センター管理の効率化に寄与しています。具体的には、以下となります。
オペレーターの評価に費やす管理者の工数を、合計23.3時間削減できた。
知名氏:これまで、オペレーターの「評価対象通話」を抽出する際には、1件1件音声を聞き起こし、内容確認を行った上で、評価に適した音声であるかの判別を行っていました。「AmiVoice(アミボイス)」の導入により、通話内容が自動でリアルタイムに文字化され、可視化されているため、通話の聞き起こし作業が不要となりました。また、評価すべき対象通話を絞り込みできる機能があり、容易に抽出することができるようになり、その結果、無駄聞きがなくなり管理者の作業工数の削減を実現できました。例えば、今までは評価対象の音声抽出に最低でも1件あたり30分かかっていましたが、最低で15分程度にすることができ、約半分の時間短縮につながりました。さらに、その後の「応対評価」についても、自動評価を参照することで、1件あたり約10分程度短縮することができ、全体として23.3時間の工数削減につながりました。


「自動評価機能」により評価の透明性を実現。オペレーターの評価への納得感を高めることができた。
知名氏:「AmiVoice(アミボイス)」には、オペレーターの通話を、予め設定する採点基準にもとづいて自動評価する機能もあります。評価者による主観的な評価ではなく、客観的評価となり評価の透明性を実現できるため、オペレーター自身でも「自分の通話品質がどうだったのか?」を振り返る事ができるので、自己分析や自己学習を促すことができました。例えば、評価の際にオペレーター自身の通話内容画面を見せ、文字でも通話の確認をさせることができます。その際、正しく変換されていない部分は「発音が曖昧だった」、「繰り返し同じことを言っている」等の気づきにつながっています。また、どの部分でNGワードを発しているか等を目で見て確認できるので、評価への納得感もあります。
「感情解析機能」により顧客とオペレーター双方の感情起伏をグラフ表示でき、オペレーター自身で自己分析も可能。
知名氏:「AmiVoice(アミボイス)」には、感情解析機能もあり、怒り・悲しみ・喜び等、随時変動する顧客とオペレーターの双方の感情起伏をグラフ表示することができます。感情の可視化によって、ポジティブにお客様が最後に期待感を持って終話できたことが目で見て分かるので、オペレーターのモチベーションアップにもつながっています。そして、オペレーターの感情が、「積極的」や「活動的」といったポジティブが多かった場合等には、オペレーターを褒めるきっかけにもつながっております。

クレームを防止し、オペレーターのストレスを軽減できた。
知名氏:お客様側から上席対応希望をほのめかす言葉や、乱暴な言葉等の「キーワードアラート」を事前に登録しておき、シートマップ機能(座席表)において、管理者がリアルタイムで、「キーワードアラート」を検知することで、クレームを早期発見することができます。そして、クレーム化する前に管理者がチャット等でフォローをすることで、クレーム数を大幅に防止することができています。また、お客様側からの乱暴な言葉を検知した時点で、速やかに管理者からフォローを行えることが、オペレーターのストレス軽減にもつながっています。
平均通話時間の短縮に成功。お客様をお待たせすることなく、お客様の問題を早期に解決できている。

キーワードに紐づいた資料の自動表示により、会話を中断することがなく解約防止率も向上した。

知名氏:キーワードスポッティング(通話フィルタ)機能により、キーワードに紐づいた資料が自動表示されるため、オペレーターのスキルの平準化や、オペレーターの育成期間短縮の一助となります。また、資料検索時間や保留時間を短縮することができ、平均通話時間を短縮することもできました。
また、トークスクリプトを自動表示することで、会話の流れが寸断されることなく、トークに集中することができ、解約を阻止しやすい雰囲気のまま終話まで進めることができ、解約防止率もグラフの通り、33.7%から38.46%へ向上しております。
貴社サポートセンターの今後の構想、展望についてご教示ください。
知名氏:「AmiVoice(アミボイス)」により、テキストで蓄積したデータをより詳細に分析することにより、お客様からの問い合わせのすべての内容を具体的に把握し、それに対してスピーディーに問題解決を図るスキームを構築してまいります。今後は、「AmiVoice(アミボイス)」の認識機能の精度のより一層の向上と、要約化の機能等もあれば、よりセンターの効率化を実現できるのではないかと考えております。
-本日は、インタビューへのご協力、ありがとうございました。
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