【完全保存版】いまさら聞けないコールセンター運営に欠かせない用語を解説
コールセンターを運用する際、運営に関わるさまざまな用語を理解しておく必要があります。しかし、コールセンターの業界用語は非常に多く、システムなど専門的な用語もあるため、すべてを理解している人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、コールセンターを運営する上で押さえておきたい基本的な用語を解説するとともに、コールセンターシステムの用語や機能、活用方法を紹介します。
コールセンター運営で重要な顧客満足度を表す用語
コールセンター運営で重要な顧客満足度とは、自社のサービスに顧客がどれだけ満足したかを数値で表したものです。コールセンターの顧客満足度はサービスに対しての満足度を測る指標で、総称してCSと呼ばれています。ここでは、顧客満足度を表す各用語について詳しく解説していきます。
CS(顧客満足度)
CSとは(Customer Satisfaction)の略称で顧客満足度を意味します。顧客満足度は、顧客がサービスをどの程度満足したかを数値化した指標です。一般的に、満足度を5段階に分けて表します。顧客獲得競争が難しくなり、コールセンターでは目に見えるマーケティング指標が必要になりました。
その結果、定期的な満足度調査を行っている企業が増えてきています。企業が安定した利益を獲得するために顧客満足度がコールセンター運営において重要な役割になるでしょう。
CX(顧客経験価値)
CXとは(Customer Experience)の略称で顧客体験価値を意味します。商品そのものの価値だけでなく、サービスや商品に関わるユーザーとの接点を含めたすべての体験を表す言葉です。CXはサービスに関するあらゆる体験が、どれだけ顧客とって価値を感じられるかが重要視されます。商品やサービスの価格・機能だけでは自社のファンを獲得することは難しいといわざるをえません。
顧客の立場に立った応対品質の向上やアフターフォローなどCXを高めるため取り組みを行うことで、顧客のニーズに合わせたサービスを作ることが可能となります。CXを高めることは、競合との差別化を図るだけではなく、顧客ロイヤリティ向上につながるため、企業にとって大きなメリットになります。
CD(顧客感動)
CDとは(Customer Delghit)の略称であり、顧客の期待値以上のサービスや品質を提供することで顧客に感動や歓びを与えることを指します。顧客の期待値とパフォーマンスの関係性は、以下の3つに分類されます。
- 期待>パフォーマンス=不満
- 期待=パフォーマンス=満足
- 期待<パフォーマンス=感動
顧客の期待値以上のサービスを提供することで、期待を超えた感動や次への期待を感じてもらうことは、カスタマーロイヤリティを獲得する上ではとても重要といえるでしょう。
コールセンターの業績改善に役立つフレームワーク
フレームワークは枠組みという意味で、経営戦略において問題解決に活用する考えを指します。業務改善する上でフレームワークは、さまざまな要素を分析し改善点を見つけるために効果的な手法です。ここでは、フレームワークに関する用語について詳しく解説していきます。
PEST分析
PEST分析のPESTとは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの頭文字を取ったもので、マクロ環境分析するためのマーケティングで用いられるフレームワークです。
自社を取り巻くマクロ環境が、現在または将来どのような影響を与えるのかを把握・予測し環境の変化に従い、時代のニーズに合わせたサービスに変えていくことで、安定した企業運営が行えます。マクロ環境を認識することで、社会の動きや流行などの外部環境が自社にどのように影響を与えるのかを知るための手がかりとして、PEST分析が必要となるでしょう。
SWOT分析
SWOT分析のSWOTとは、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunity(機会)、Thread(脅威)の4つ頭文字から取っています。SWOT分析では内部環境と外部環境の良し悪しを明確に表していきます。
内部環境とは、商品開発力・ブランド力・価格など自社の環境を指します。対して、外部環境は市場規模・社会動向・ユーザーの好みなど自社でコントロールできないもののことをいいます。内部環境と外部環境の側面にある強み・弱み・機会・脅威の軸から自社が置かれている状況を評価していきます。
4P分析(マーケティングミックス)
4P分析とは、企画・立案する際に用いられる分析法を指します。自社サービスを4つの視点から分析し、強みや最大限発揮できるアピールポイントに活かすフレームワークです。4P分析で用いられる4つの視点とは、Product(自社サービス)・Price(価格)・Place(販売・提供方法)・Promotion(販促活動)です。
4P分析を活かした戦略として、顧客ニーズに沿った商品開発や価格設定、より初級力の高い販促活動などの戦略が挙げられます。さまざまな視点から自社サービスを分析し、戦略的な販売につなげていくのが4P分析の重要な役割といえるでしょう。
PDCA
PDCAとは、企業が業務改善を行うために多くのビジネスシーンで活用されているフレームワークです。Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字を取った略称で、業務改善や業務効率化を図り、生産性を高める考え方です。
Plan→Do→Check→Actionまでを1つのサイクルとし、このサイクルを回すことで各工程の問題点の洗い出し・改善を行います。こうすることで業務の効率化や生産性の向上が図れます。PDCAサイクルを高速で回転させることでKPIを確実に達成させ会社全体の業績目標を達成が可能となります。
3C分析
3C分析とは、マーケティング環境を3つの視点から分析するフレームワークを指します。3C分析は、Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の頭文字の略称です。
3C分析は、客観的なマーケティング環境の情報を集積することに主軸を置いた分析で、3つのCを分析することで、マーケティング環境を確実に把握できます。3C分析とSWOT分析はどちらも内外環境の分析を行うため、混同されがちですが、それぞれ分析の対象が異なります。
3C分析は、顧客や市場を中心とした環境分析を行うフレームワークです。対して、SWOT分析は、3C分析などで得た外部環境の結果を基に、自社の戦略を検討するための環境分析です。
コールセンター運用に必要な目標設定
コールセンターは顧客にとって企業と直接コミュニケーションが取れる唯一の場です。そのため、コールセンターでの対応によっては企業のイメージを大きく左右することにもなるでしょう。しかし、コールセンターの目標は顧客満足度向上や応対品質など。そこで目標設定として使われる代表的な用語を解説していきます。
目標設定として使われる用語 | ||
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ACW | 合計後処理時間÷総応答呼数 | ACWは1コールあたりに要する後処理時間を指す |
AHT | (総通話時間+総後処理時間+総保留時間)÷総応答呼数 | AHTは平均処理時間を指す |
CPH | 対応呼(件)÷稼働時間 | CPHは対応件数を稼働時間で割った数値で、オペレーターを評価する指標 |
KGI | 重要目標達成指標 | 事業やプロジェクトの最終的な目標を定量的に評価する指標 |
KPI | 重要業績評価指標 | 企業や組織の目標を達成するために行う日々の活動の具体的な行動指標 |
NPS | 推進者(9~10)−誹謗者(0~6) | 顧客ロイヤリティを評価する手法 |
応答率 | 対応呼(件)÷着信呼(件)数×100 | 着信呼数に対して、オペレーターが対応した数の割合を指す |
稼働率 | (会話時間+後処理時間+その他時間)÷(総ログイン時間−離席時間) | オペレーターの稼働時間(ログイン時間)のうち、電話やデータ作業、メール対応などを行う時間の割合のことを指す |
放棄呼率 | 放棄呼(件)÷着信呼(件)数×100 | 着信呼数に対する放棄呼数の割合のことを指す |
コールセンターシステムや機能に関する用語
コールセンターシステムでは、日常的に専門用語が活用されます。ここでは、コールセンターシステムや機能に関す用語について詳しく解説していきます。
オンプレミス型
オンプレミス型とは、社内にサーバーやシステムを構築し、事業者に頼らずに自社で運用を行います。また、プレミス(Premises)構内や建物という意味を派生させた用語になります。クラウド型がリリースされるまでは、システム導入といえばオンプレミス型がメインでした。しかし、低コストやセキュリティー管理の高さから現在多くのコールセンターではクラウド型システムの導入が進んでいます。
クラウド型
クラウド型とは、オンライン上のサーバーで提供されているシステムやサービスを、自社ではなくサービス提供事業者が管理する形態です。従来のオンプレミス型では、自社でサーバーを構築して運用するため、高いコストや導入までの日数がかなりかかることから導入するハードルが高く、見送る企業が多くありました。対して、クラウド型は、自社でサーバーなどを用意する必要がなく、低コストかつスムーズに導入ができることから導入に対するハードルが下がり、現在多くの企業に普及しています。
PBX
PBXとは、Private Branch eXchangeの略称で、電話交換機を意味します。PBXには外線を内線につなぐ機能と、各電話機を外線につなぐ機能があります。たとえば、さまざまな企業は代表電話にかけると、PBXにつながり内線に転送されます。また、PBXは外線から発信された着信を内線に振り分ける以外にも、さまざまな機能がいくつかあります。
PBXの機能 | |
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着信制御 | 契約された電話番号を親番号に設定し、回線共有している別の番号を子番号として追加する機能 |
発信制御 | 外線への発信を制御する発信制御機能 |
代表番号着信機能 | 代表番号への着信を事前に登録したグループの電話機などにつなぐ機能 |
転送機能 | 不在時や通話中の際に、他の電話機などに転送する機能 |
パーク保留機能 | 通話中にパーク保留ボタンを押すことで、任意の電話機で外線を受けられます。外線を誰に転送すればわからず保留しても、他の電話機で保留から再開が可能 |
ダイヤルイン機能 | 契約している電話番号以外に対応できる電話番号を増やす機能 |
CTI
CTIとは、コンピュータと電話を連携するシステムです。PBXのほか、CRMシステム(顧客管理システム)やSFA(営業支援ツール)を連携させることで、コールセンターの電話対応業務の効率化が可能となります。また、過去の応対履歴などをシステム上で共有することで、顧客満足度の向上やオペレーターの作業効率にもつながります。
CTI機能一覧 | |
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CRM連携 | 顧客情報を管理するCRMとCTIを連携することで、より詳細に相手の状況を把握しながら応対が可能 |
IVR機能 | 入電時にガイダンスを流し、プッシュされたダイヤルボタンに応じた動作の設定が可能 |
ウィスパリング | 通話に参加していない管理者などが遠隔からオペレーターにだけ聞こえるアドバイスや指示を出せる機能 |
ポップアップ機能 | 電話番号をもとに顧客情報を検索し、コンピュータに表示する機能 |
レポート機能 | 架電・受電に関する様々な統計レポートを作成する機能 |
通話録音機能 | 通話の録音データを、CRMなどに入力した応対履歴と紐付ける機能 |
通話モニタリング機能 | モニタリング機能とは、管理者がオペレーターの稼働状況や通話内容を確認できる機能 |
CRM
CRMとは、Customer Relationship Managementの略称で顧客関係管理を指します。自社に蓄積されている膨大な顧客情報を管理することでスムーズな応対が可能になります。長期にわたって円滑なコールセンター業務を続けていくためにもCRMシステムは重要なシステムといえるでしょう。
CRM機能一覧 | |
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MA(マーケティング オートメーション) | マーケティング活動に視点を置いているソリューション |
SFA(営業支援システム) | 営業担当者が属人的に抱えていた情報を記録し、可視化することで、企業全体で売上までのプロセスを把握できるようにするもの |
メール配信管理機能 | ターゲットとなる顧客に対し自動で配信 |
プロモーション管理 | 購買金額や購買頻度など、さまざまな条件で顧客を抽出ができます。抽出した情報をもとにターゲットとなる顧客にメルマガやDMの配信が可能 |
顧客管理機能 | CRMがツールとして機能するための土台となる情報 |
顧客分析・マーケティング支援 | 詳細な顧客データベースをもとにさまざまな分析ができ、マーケティングの精度を高めていくことが可能 |
FAQシステム
FAQシステムとは、よくある質問を、整理・検索できるシステムです。システムを活用することで、業務の効率化や顧客満足度の向上、ナレッジの蓄積が可能になります。
FAQシステムは、想定する顧客によって、以下の3種類に分類されます。
- 一般顧客向け
- コールセンターのオペレーター向け
- 社員向け
また、FAQシステム導入のメリットとしては、入電数の削減につながる・顧客満足度の向上が高まる・オペレーター間でナレッジの共有ができるが挙げられます。
チャットボット
チャットボットとは、「チャット」をする「ボット=ロボット」を組み合わせた言葉で、自動会話プログラムを指します。近年チャットボットは、問い合わせ対応などに活用することが多く、顧客や社員の疑問を解決するなど、様々な用途で使われています。
チャットボットを導入するメリットは、オペレーターの負担軽減や多くの問い合わせに対してもスムーズに対応できるなどが挙げられます。また、問い合わせ以外にもチャットでの商品購入やサービスの追加などが手軽に行えます。その結果、アップセル・クロスセルができるようになります。
効率的な運営に欠かせないコールセンターシステムの活用方法
コールセンターの責任者業務は顧客対応や分析、オペレーターの育成、マニュアル・FAQの作成など非常に多くの業務があります。責任者がさまざまな業務に追われ、顧客満足度の向上や業績改善のための対策を打つことができていないコールセンターが多いのではないでしょうか。
CTIやCRMなどコールセンターシステムの導入により、業務効率化や顧客満足度の向上や業績改善のための分析を行うことができます。例えば、CTIのレポート機能やCRMの顧客分析機能を活用することで分析業務を効率的に行うことはできます。
また、IVRやポップアップ機能、顧客管理機能を活用することで顧客満足度の向上につながります。さらに、FAQシステムやチャットボットなどを連携することでより効率的なコールセンター運営が可能になるでしょう。
まとめ
今回は、コールセンター運営に欠かせない用語を解説しました。それぞれセンターの運営に重要な役割を果たすものが多いため、円滑な運営を行うために各用語を正しく理解する必要があるでしょう。
また、業務効率化や顧客満足度の向上のためにコールセンターシステムを導入する企業は急増しています。ですが、さまざまなサービスの登場により、どのようなシステム・機能が自社に必要なのかが分かりづらいという担当者も多いのではないでしょうか。
近年、注目されているクラウド型であれば低コスト且つ導入までの期間が短いことから多くの企業が導入を進めています。コラボスでは、クラウド型に対応したコラボスフォンを提供しております。低コストでの顧客満足度向上や業務効率などお考えの際はぜひコラボスまでお問い合わせください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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