2020/11/13
顧客情報管理
顧客分析に基づいた営業戦略立てるには?5つの分析手法もご紹介
業務を始める前に、充分な戦略を立てることを仕事の基本としている経営者の方は多いでしょう。
営業の業界においても同じことがいえますが、その戦略を立てる際に、顧客分析を取り入れることは一般的になっています。
この記事では、営業戦略に顧客分析を取り入れるメリットと、具体的な方法を併せてご紹介します。
目次
営業戦略に顧客分析を取り入れるべき理由
営業戦略に顧客分析を取り入れるべき最たる理由は「自社の強みを客観的に認識できる」という点です。
顧客情報の分析を行えば、提供しているサービスや製品がどういった理由で高い売上を出しているか、どのような顧客にニーズがあるのか、どうフォローが必要なのかが見えてきます。
それらが把握できれば高いニーズを持った見込み顧客に適切なセールスを行い、収益につながりやすい営業活動ができるでしょう。
営業活動の効率化と売上の向上に大きな効果を期待できるため、顧客分析は非常に重要です。
新規顧客と既存客、どちらを分析対象にするべき?
顧客を分析するにしても、新規顧客と既存顧客、どちらを分析するべきなのかと疑問に思う方も多いかもしれません。
しかしどちらを分析するかによってメリットが異なるため、まずはどのようなメリットが発生するのかを把握しておきましょう。
新規顧客を分析するメリット
客視点で見た商品の強みを把握できることが、新規顧客を分析するメリットです。
企業が想定していた商品やサービスの強みと、顧客が実際に魅力に感じている強みに差があることは珍しくありません。
営業を行う場合には、提供する側が魅力的と思っている強みではなく、顧客視点で実際にそれを選ぶに足る強みを相手に売り込むことが重要です。
そして、顧客にとって強みと感じる部分を把握するには、新規顧客の分析こそが文字通り客観的で信頼できるデータとなります。
既存顧客を分析するメリット
既存顧客の維持は、会社の売上を維持する上で最も重要なポイントです。
既存顧客を維持する労力を1とした場合、新規顧客の開拓は5倍の労力がかかるという1:5の法則は、マーケティング業界でも非常に有名でしょう。
比較的少ない労力で利益を出しやすい既存顧客をいかに維持するかは、経営戦略の基本的な課題ともいえます。
既存顧客を分析すれば、それを維持する方法も見えてくるので、売上を落とさないためにも既存顧客の分析は疎かにできません。
顧客分析において必ず把握しておくべき情報は?
顧客分析を行うとさまざまな情報が見えてきますが、その中にも必ず把握しておくべきものと、それほど重要ではないものがあります。
特に必ず把握しておく必要がある情報が4つあるので、顧客分析を行うなら以下で解説する点を踏まえて分析を行いましょう。
購入の決め手となったトリガー
現代社会では競合相手の同業他社がいないことはまずありません。
「顧客がなぜその商品を購入することを決めたのか」というトリガーは、必ず知っておくべき情報です。
自社の強みを把握するには、この購入の決め手となったトリガーを分析することが一番の近道になります。
購入を決めた人物の特徴
どのような人物が購入を決めたという顧客の特徴も、正確に把握しておきたい情報です。
これを把握し解析すれば、その商品はどのような特徴のある人物に需要があるかというニーズが見えてきます。
提供している商品やサービスに対して、ニーズのある顧客へアプローチをかけるのがマーケティングの基本なので、そのニーズを把握するためには顧客の特徴も見るべきです。
アプローチから購入するまでの期間
近年ではアプローチを行ってから実際に購入に至るまでに顧客は比較や検討を行うので、アプローチを受けてから購入するまでの期間、いわゆるリードタイムが長くなりがちといわれています。
しかし、その間にアプローチを止めてしまえば、同業他社に顧客が流れてしまうことは避けられません。
そのためどれくらいアプローチを続ける必要があるかを予想するために、商品ごとに顧客のリードタイムは把握しておきましょう。
顧客獲得までにかかったコスト
たとえ商品が売れたとしても、その顧客を獲得するまでに売上以上のコストがかっていれば、当然ビジネスとしては失敗です。
そのため、顧客を分析する際にはその顧客を獲得するのにかかった人件費や通話料金などのコストを、顧客単価で計算して分析するべきでしょう。
売上はよくても収益は小さい場合、この顧客獲得単価が悪いことが原因ということは多いため、利益を高めるためには常に意識しておく必要があります。
営業戦略に活用できる顧客分析の5つの手法
顧客分析にもいくつかの手法がありますが、分析方法によって営業に活用しやすい・しにくいに差があります。
営業戦略活用するために顧客分析をするなら、そうしやすい方法で分析しましょう。
デシル分析
顧客全体を購入金額の多い順に並べ替え、それを上位から1/10ごとの人数でグループ分けし、全体の総売上に対して、各グループの購入金額の割合を計算する、というのがデシル分析です。
これを行うことで、売上に貢献してくれる顧客にのみアプローチをかけられるようになり、営業しても売上につながらない・つながりにくい相手へのアプローチを減らし、営業活動のコストを抑えることができます。
RFM分析
購入金額のみで並べ替えていたデシル分析に対し、RMF分析は購入金額だけではなく、購入の頻度、最後に購入した日付でも並べ替えてグループ分けする分析方法です。
頻度や金額が高くても最新購入日のランクが低ければ他社に流れた可能性が高い、頻度と最新日が高いけど金額が安い顧客は営業しても売上を伸ばしにくいなど、どういう顧客かをより詳細に分析でき、適切なアプローチをしやすくなります。
セグメント分析
顧客を、それぞれ性別・年齢・性格・使用率など、一つの要素に対して特徴ごとにグループ分け=セグメント化して、どのセグメントの売上が高いかを見分ける分析方法です。
これを行うことでどういった特徴の顧客にニーズがあるのか、どのような顧客向けの商品なのかの実態が判明します。
セグメントごとのニーズの高さがはっきりすれば、どこに営業活動を集中させればいいかが見えるでしょう。
コホート分析
コホート分析は顧客を特徴や時期ごとに分類分けし、その顧客がどのような行動を取ったかを分析する方法です。
このキャンペーン中に購入した客は継続購入していない、この特徴を持った顧客はこのタイミングで乗り換えることが多いから他所に流れないようアプローチをかけるなど、顧客の動向から問題点を予想し、対策することが可能となります。既存顧客の維持を目的とした場合に最適な分析手法といえるでしょう。
CTB分析
CTB分析は購入した商品というカテゴリー、購入商品の色やサイズといったテイスト、購入商品のメーカーやキャラクターといったブランドで顧客をグループ分けする方法です。
これによって分類された顧客の趣味嗜好まで把握しやすくなり、この顧客にはどういった商品を勧めるべきかなど、顧客一人一人に最適化されたマーケティングを行うことが可能になります。
営業戦略に顧客分析を取り入れる際のポイント
各分析方法がどのように活用しやすいかがわかっても、取り入れる際の注意点を把握しておかなければ、活用するのは難しいでしょう。
特にどのようなサイクルをどのように回すかは重要なポイントです。
KPIを設定しPDCAサイクルを回す
営業戦略に顧客分析を取り入れるなら、分析した結果を活かせているかの指標を決め、PDCAサイクルを回す必要があります。
あまりKPIが多すぎても混乱を招くため、まずは以下のような3つ程度の重要な要素をKPIとして設定しましょう。
・RFM分析やセグメント分析を基に決めた各グループへのアプローチ件数
・どれだけ営業を成功させたかの成約件数
・どれだけ売上につながったかの平均購入額
これらの数字を基に、どうすれば効果的な営業活動ができるかの計画・アプローチの実行、営業活動が計画に沿っているかのチェック・沿わなかった部分や問題の改善などを行い、また改善案も加味した計画立てPDCAサイクルを回していきましょう。
戦略策定に時間をかけすぎない
「早く結果を出すためにはできるだけ穴の少ない戦略を立てる必要がある」「そのためには入念な分析が必要」と思う方も多いでしょう。
しかし実際に顧客分析をいち早く営業活動に活かすには、それよりも実際に試行錯誤を行うほうが結果につながることが多いです。
確かに分析が正確であるに越したことはありませんが、それにばかり時間をかけすぎていては、いつまで経っても営業活動が改善できない状況になりかねません。
効率的な顧客分析のためのセミナーを受けノウハウを身につける、各種ツールを使って分析の効率性を上げるなど、分析に必要な時間を短縮するための工夫が必要となります。
顧客分析を効率的に行うCRM/SFAとは?
顧客分析はエクセルを使って行うこともできますが、やはり専用のツールを使ったほうが圧倒的に効率が良いですし、より効果的な資料を作成しやすくなります。
顧客分析をするには顧客情報管理が前提となることを考えると、CRMのような顧客情報を管理し活用するためのシステムツールを導入するべきでしょう。
CRMとは?
CRMは顧客関係管理(customer relationship management)の頭文字であり、顧客情報を集積し、それをさまざまな形で総合的に活用するためのシステムツールです。
顧客情報を活用する営業ツールとしてSFAという言葉を聞いたことがあるかも知れませんが、SFAはCRMの一部であるともいえます。実際にCRMにはSFAの機能も含んでいるサービスも少なくありません。
性質上顧客分析をするための顧客情報を効率的に集めやすい機能もありますし、顧客分析機能自体を最初から搭載しているものもあります。
AIを活用した顧客分析ツールの導入もおすすめ
CRMにも顧客分析機能を含んでいるものは確かにありますが、より効率的で効果的な分析結果を求めるのなら、AIを活用した顧客分析ツールの導入をおすすめします。
それ専用に開発されたツールのほうがやはり対応できる分析方法も多いですし、AIを使ったものなら分析を行うごとに顧客分析の正確性も増していきます。
時間をかけすぎずにPDCAサイクルを回して試行錯誤するべきという、営業戦略に顧客分析を取り入れる際のポイントにも噛み合っているため、より効率を高めるのであれば、顧客分析ツールの導入も検討しましょう。
顧客分析ツールならコラボス
コールセンターで営業活動を行うための顧客分析ツールをお探しなら、ぜひコラボスのGolden Listをお試しください。
1レコードあたり20円で利用でき、クラウド型なのでシステム構築も不要です。
過去実績をアップロードし業務内容を設定するだけで精度の高い分析を行い、分析結果をダウンロードすることができます。
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AIを活用した精度の高い顧客分析を、コストを抑えて行うのであれば、ぜひコラボスまでお問い合わせください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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