2025/08/14
マネジメント
コールセンタのオペレーターに必要なスキルや向上ポイントを解説

コールセンターは顧客対応を主な業務とするため、オペレーターの話し方は非常に重要です。しかし、話し方だけで顧客満足度を向上させるのは難しく、顧客の問い合わせから問題をスムーズに解決するためにはさまざまなスキルが必要です。業務効率を向上させつつ、個々のスキル育成を行うことは難しいため、コールセンターの大きな課題と言えるでしょう。そこで今回は、システムを活用し効率よくスキル育成を行うポイントを解説します。
目次
コールセンターのオペレーターに必要なスキル
従来、コールセンターでは、顧客満足度を高めるために話し方や伝え方のスキル向上を目的とした研修が一般的でした。しかし、コロナ禍でコールセンターの需要が高まる中、放棄呼や待ち呼といった課題があり、話し方だけでなくつながりやすさそのものも顧客満足度に大きな影響を与えるようになりました。この背景から、コールセンターのオペレーターには話し方以外に事務作業能力やスムーズな問題解決ができるスキルが求められています。ここでは、オペレーターに必要なスキルについて詳しく解説します。
コミュニケーションスキル
オペレーターの主な業務は、顧客との電話対応です。コールセンターでは対面とは異なり、相手の表情を見られないため、声だけで顧客の状況や意図を正確に読み取る必要があります。適切な相槌や言葉選びのスキルを身につけることは、顧客満足度向上に繋がります。そのため、話し方だけでなくコミュニケーション全般のスキルは必須といえます。基本的な挨拶や正しい日本語はもちろん、明るく元気な話し方は清潔感があり良い印象を与えます。しかし、一方的な会話は顧客の印象を悪くするため、顧客の声に耳を傾け、寄り添う姿勢も重要になります。時々、商品・サービスクレームなどで心無い言葉を受けることもありますが、その場合でも冷静に対応できるよう、常に訓練しておくことが重要です。スーパーバイザー(SV)によるサポートやFAQの活用、CTIシステムの導入によって、アウトバウンド含めた業務の効率をさらに向上させることが可能です。
パソコンスキル
コミュニケーションスキルと同様に重要なのがパソコンスキルです。オペレーターは電話応対しながら顧客対応の履歴をCTIシステムに残す必要があります。扱う商品によっては、注文情報の入力も求められることがあるでしょう。そのため、育成の一環としてキーボード入力やタイピング速度などの基本的なパソコンスキルを身につける必要があります。タイピング速度が速いと、1件あたりの処理速度が向上し、より多くの問い合わせに対応できます。処理速度の向上で顧客を待たせずにスムーズに対応できるため、センター全体の応答率の改善にもつながります。
業務・商品知識
顧客の問題や課題をスムーズに解決するためには、センターで取り扱う商品やサービスの知識が必要になります。顧客からの問い合わせに対してスムーズに回答することができれば、コールセンターだけでなく、企業のイメージも高まるでしょう。一方で質問内容が読み取れず、何度も保留を繰り返し、回答までに時間を掛けてしまうと、顧客側に不信感を持たれてしまう可能性があります。
オペレーターは商品の種類や特徴など基本的な知識の把握、適切な説明ができることが必要でしょう。
コールセンターのオペレーターに必要なスキルを身につける3つの研修
オペレーターに必要なスキルを身につけるためには、コールセンター内でそれぞれのスキルについて研修を行う必要があります。一般的にコールセンターで行われる研修は、基本的なスキルを座学で習得した後、実戦形式のロールプレイングでスーパーバイザー(SV)による育成を通じて、コミュニケーションスキルや業務知識を深めていきます。また、現場でのフィードバックを通じて培った知識を確実に固めることで、オペレーターの質が高まり、業務効率化につながります。ここでは、オペレーターのキャリアやスキルに適した研修方法のポイントを解説していきます。
初期研修
初期研修はコールセンターのスタッフが入社後にはじめて受ける研修です。研修では以下の3つのことを座学で学びます。
- サービス・商品の理解
- 企業理念の理解
- コミュニケーションスキルの習得
座学でこれらの基礎知識を学んだ後、スーパーバイザーによる指導の下、実際の業務に近いロールプレイング形式でコミュニケーションスキルを身に着けていきます。現場ではマニュアルやFAQを確認しながら対応しますが、顧客を待たせることなく、正確な回答を伝えるためには、基本的な知識を正しく理解しておくことが重要です。初期研修では、オペレーターがコールセンターに欠かせない基礎的なスキルの習得はもちろん、良い印象を与える話し方やヒアリングスキルについても指導することが必要になるでしょう。
フォローアップ研修
フォローアップ研修は、初期研修を終えて現場で業務を開始したオペレーターに向けて行われる研修のことを指します。この研修では、スーパーバイザー(SV)や管理職が個々の応対スキルを観察し、必要なスキルの育成を目的として進められます。顧客対応に必要なスキル向上が主な目標となるため、指導時は通常CTIやモニタリング機能を活用しながら、的確なアドバイスを行うと効果的です。
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スキルアップ研修
スキルアップ研修は、基本的な業務を問題なく遂行できるオペレーターを対象に、新たなスキルを獲得させる研修です。スキルアップ研修時には、スキルマップを利用してオペレーターのスキルを可視化し、それが自信につながるよう支援します。新しいスキルを得て業務の幅が広がることで、アウトバウンド業務も含めたさまざまな案件の対応が可能となり、生産性の向上に寄与します。
オペレーター研修を行う注意点
オペレーター研修の目的は、オペレーター一人一人のスキルの育成です。通常、1度に複数のオペレーターに向けて研修が行われるため、理解度やスキルにばらつきが生じやすくなります。このばらつきをなくし、全体の品質向上を図るためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
データベース化された業務マニュアル
研修では、基本的な応酬話法や基本接遇などのマナー、商品・サービス知識といった広範な内容を扱います。このため、1度の研修だけでは必要なスキルを身につけることは難しいでしょう。オペレーターのスキルアップを目指し、何度も繰り返し研修を行うことも必要ですが、少人数のセンターではこうした研修に割く時間が限られるかもしれません。そこで、研修に必要な内容をマニュアルにまとめてデータベース化し、現場で必要に応じてスーパーバイザーやオペレーターが確認できる環境を整備しましょう。特に、過去に寄せられた問い合わせ内容や商品・サービスに関する情報は、定期的に更新し、常にFAQとして最新の形でまとめておくとよいでしょう。
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SVによるモニタリング
1回の研修では、オペレーターのスキルや課題を把握できたとしても、本質的な課題の改善には至りません。オペレーターのスキルを効果的に向上させるためには、SVによるモニタリングを継続的に実施することが必須です。定期的なモニタリングを行うことで、オペレーターのクセや不足しているスキルを明確にし、育成のための課題改善に向けた具体的な提案が可能になります。また、モニタリングを実施する際は、過去の録音音声やCTIシステムを利用して、共通して問題となりやすい部分をピックアップし、課題を明確化することがポイントです。異なる応対記録を聞くことで、オペレーター自身が気づいていないクセや課題が明らかになります。モニタリングは、最低でも月1回は実施し、指導前と指導後の変化を確認することができます。
徹底的なフィードバック
オペレーターのスキル向上には徹底的なフィードバックが非常に有効です。コールセンターにおいては、顧客の要望に応じた臨機応変な対応が求められます。こうした対応力を身に着けるためには、SVが定期的に適切なフィードバックを行い、オペレーターの経験に応じた対応方法を指導すると良いでしょう。指導をその都度必要に応じて行うことで、オペレーターのスキルは向上し、ひいてはアウトバウンド活動などを含む全体の品質向上にも貢献します。フィードバックを行う際には、前回のフィードバックを踏まえた内容をもとに行うことで、より幅広い対応ができるオペレーター育成が可能です。例えば、前回が顧客対応についてのフィードバックであったならば、今回はより高品質な対応に不可欠な商品知識についてアドバイスを行うことや、応答率の改善に関する事務処理方法の指導などがこれにあたります。
顧客満足度の高いコールセンターの特徴
顧客にとって良いコールセンターとは、オペレーターの印象の良い対応や、スムーズに問題を解決してくれるセンターではないでしょうか。
コールセンターは顧客からのサービスや商品に関する質問、契約内容の確認、時にはクレームなどさまざまな要望に対応しなければなりません。その際、問題解決ができない、もしくは対応に問題がある・そもそも電話がつながらないという事態が発生してしまうと顧客満足度は低下してしまうでしょう。顧客の立場になり、最善を尽くすことができた時に、はじめて顧客満足度アップにつながります。また、顧客満足度の高さは自社のファン作りにも欠かせない要素ともいえるでしょう。
顧客にとって理想的なコールセンターとは、オペレーターの印象が良く、スムーズに問題を解決してくれるところではないでしょうか。
コールセンターは、顧客からサービスや商品に関する質問、契約内容の確認、さらにはクレーム対応といった多岐にわたる要望に応える必要があります。もしこれらの問題が解決できなかったり、対応に問題があったり、電話がつながらない場合、顧客満足度は著しく低下します。顧客の視点に立ち、最善を尽くすことができたときに初めて顧客満足度アップに繋がります。さらに、顧客満足度の高さは自社のファン作りにも欠かせない要素であると言えるでしょう。
印象の良い言葉遣い
コールセンター業務では、言葉遣いが非常に重要です。コールセンターは顧客と企業をつなぐ重要な窓口であり、オペレーターが企業の顔となるため、印象の良い言葉遣いが求められます。対応したオペレーターの印象次第では、企業や商品自体のイメージ、サービスの継続、そして売り上げに大きな影響を与えるでしょう。
コールセンターは通常、音声のみでの応対となるため、正しい敬語の使い方やSVの育成において、コールセンター特有の接遇用語が求められます。
正しい敬語には、尊敬語・謙譲語・丁寧語、二重敬語があり、それぞれ理解する必要があります。また、接遇用語としてはクッション言葉が最適です。
クッション言葉とは、本題の前にクッションのように置く言葉で、相手に依頼をする時、断る時、尋ねる場面でよく使われます。
依頼の場合 | 断る場合 | 尋ねる場面 |
---|---|---|
恐れ入りますが | お気持ちはありがたいのですが | お尋ねしたいのですが |
お手数をおかけしますが | ご意向に沿えず、申し訳ございません | 差し支えなければ |
ご面倒でなければ | 失礼ですが | よろしければ |
スピーディーな応対処理
コールセンターには、スピーディーな応対処理速度が重要で、生産性の向上や質の高いサービスの提供が求められます。応対処理が遅い場合、「つながりにくい」とのイメージを与え、その結果、企業イメージのダウンにつながります。
しかし、CTIを活用し、応対処理時間を短縮できれば、電話の対応数は自然と増加し、顧客の利便性の改善や満足度の向上につながるでしょう。
スムーズな問題解決
問い合わせから問題解決までの時間が短いほど、顧客満足度は向上します。問い合わせの多くはトークスクリプト通りの対応で解決することがほとんどですが、中には緊急性の高いものや専門的な問い合わせも含まれます。こうした問い合わせに臨機応変な対応ができない場合、顧客満足度が低下する可能性があります。このようなリスクを避けるためには、コールセンター内で寄せられた問い合わせ情報を共有し、対応マニュアルを作成することが必要です。マニュアルは作成後も何度もブラッシュアップをすることで、さまざまな顧客対応が可能になります。オペレーター全員が適切に育成され、スーパーバイザーの指導のもと臨機応変な対応ができることで、どんな問い合わせにも即座に対応が可能になります。その結果、顧客満足度の向上につながります。
オペレーターのスキルアップに役立つCTIシステム
コールセンターにおけるオペレーターの育成やスキルアップにはCTIシステムの活用が役立ちます。たとえば、オペレーターが顧客対応に問題がある場合は、モニタリング機能やウィスパリング機能を活用し、顧客には聞こえないようにアドバイスを送ることでスムーズに対応完了まで導くことができます。また、通話中の会話を録音できるため、音声フィードバックを通じてスキル向上にもつながります。CTIシステムを導入することで、オペレーターのスキルアップとともにコールセンター自体の業務効率化も可能になります。CTIシステムを活用するメリットには、「処理時間の短縮化」「応対品質の向上」「オペレーターの負担軽減」といった要素が挙げられます。
処理時間の短縮
処理時間の短縮を行うためには、タイピング速度に加え、顧客からの質問に対する回答までの時間を削減することが求められます。この目標を達成するために、システムを使って効率的に業務を進めることをお勧めします。時間短縮のために効果的なシステムとしては、FAQシステムの利用が挙げられます。従来の紙マニュアルは、必要な情報を探し出すのに多くの時間がかかり、新しい情報の追加や更新が手間であるという課題がありました。しかし、FAQシステムでは、顧客からのよくある質問をPC上に表示できるため、対応時間の短縮が期待できます。また、FAQシステムにより情報の追加や更新も容易になり、コールセンター全体での情報共有がスムーズに進みます。さらに、CTIの活用によりオペレーションの効率化が可能です。
応対品質の向上
応対品質向上のためには、IVR(音声自動応答装置)を活用することが効果的です。顧客が何度も同じ内容を説明しなくて済むようにすることで、不満やクレームが発生するリスクを減らせます。これにより、顧客満足度の向上を図れ、対応量の効率化が可能になります。IVRの導入により、顧客がどのような要件で電話をしているのかを事前に把握することができるため、スムーズな顧客対応が実現します。また、CRMシステムと連携させることで、顧客からの電話があった際に、過去の対応履歴を確認できるため、オペレーターがより適切な対応を行うことが可能となり、応対品質の向上につながります。アウトバウンドコールによる顧客フォローにも効果があります。
オペレーターの負担軽減
CTIシステムには、オペレーターの稼働状況を確認し、入電を効果的に振り分ける電話制御機能があります。この機能を活用することで、自動的に入電先を振り分け、1人のオペレーターに呼量が集中しないため、業務量の差をスーパーバイザーや管理者の監督のもとで均等に調整可能です。このため、オペレーター1人ひとりの負担軽減につながり、質の高い対応が提供できると考えられます。また、CRMと連携することで、必要な顧客情報を素早く確認でき、スムーズな対応が可能になり、別部署への確認や履歴を探すといった時間が削減されることで、コールセンター全体の負担軽減にもつながるでしょう。
コラボスでお手伝いできること
コラボスでは、オペレーターのスキルアップに役立つサービスを複数ご用意しております。
以下のような課題感をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください!
まとめ
今回は、オペレーターに必要なスキルについて解説しました。コールセンターではオペレーターの会話や接客スキルが重視されがちです。しかし、スムーズな顧客対応には処理速度を高める事務スキルや商品やサービスに関する専門知識など幅広い業務知識も欠かせません。こうしたスキル向上には、オペレーターの能力に合わせたきめ細かい研修を行うことが必要でしょう。コラボスでは、オペレーターのスキルアップはもちろん、業務改善や業務効率化に役立つシステムを提供しております。コールシステム導入をお考えの際は、コラボスまでお気軽にご相談ください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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