オペレーター育成や応対品質向上に役立つモニタリング機能とウィスパリング機能とは?
離職率の高いコールセンターでは、オペレーターの育成や応対品質の向上が課題とされています。しかし、コールセンターの責任者業務は非常に多く、育成や応対品質の向上まで十分に着手しきれていないのではないでしょうか?そこで今回は効率的な研修や品質チェックが可能なモニタリング機能とウィスパリング機能のメリットと活用する際のポイントについて詳しく解説していきます。
モニタリング機能とウィスパリング機能
モニタリングとは、遠隔から様子を観察・記録・指導することを意味しており、オペレーターと顧客の通話内容をリアルタイムに確認・把握できる機能です。三者間通話とは違い、顧客にはモニタリング実施している責任者(第三者)の声は聞こえません。
ウィスパリングとは、遠隔から必要に応じて指示・アドバイスを送ることを意味しており、通話に参加していない責任者(第三者)が遠隔からオペレーターに指示やアドバイスを出せる機能です。顧客側には、責任者(第三者)の声は聞こえませんが、対応中にオペレーターが責任者の声に返事するなど不自然な対応をしてしまうと、スムーズな応対が難しくなることもあります。ウィスパリング機能を活用する際は、自然な受け答えできるように事前に研修しておくことが重要になります。
モニタリング機能のメリット
モニタリングは、オペレーターの日常的な対応力・話し方の把握に役立ちます。モニタリングが不十分だとオペレーターの応対が把握できず、センター全体の顧客満足度が低下する可能性があります。
応対品質は日々の実践の積み重ねで向上していきます。モニタリングを行うことでその場に合った切り返しなどオペレーターの感覚的な部分を評価できます。
ここではモニタリングを行う、3つのメリットについて詳しく解説していきます。
- オペレーターの応対品質に問題がないか確認できる
- ベテランオペレーターの応対を新人に聞かせることができる
- 顧客満足度の向上に活かせる
オペレーターの応対品質に問題がないか確認できる
モニタリングはオペレーターと顧客の応対を録音やリアルタイムで確認することができます。応対内容に課題があった場合、その場で具体的な改善策を伝えることでオペレーターの応対品質の向上につながります。
また、トークスクリプトの改善点も発見しやすく、引っ掛かりやすい言葉や言い回しや、顧客が質問する部分が多い箇所など訂正をすることで業務効率にもつながります。モニタリングは、オペレーターの応対品質を向上に直接つながる、最適な方法といえるでしょう。
ベテランオペレーターの応対を新人に聞かせることができる
モニタリング機能は、一般的に電話対応を行う新人オペレーターに対して責任者が監視・指導するために使用します。それ以外の効果的な使い方にベテランオペレーターの応対を新人オペレーターに聞かせる活用方法もあります。
ベテランオペレーターが実際に応対している音声を新人オペレーターがリアルタイムでモニタリングすることで、応対の方法を学び新人研修の時間削減にもつながります。実際にベテランオペレーターの応対を聞くことで、イレギュラー対応時の話し方・伝え方やサービスの細部の質問に対しての受け答えを学ぶことができ知識習得できるでしょう。
顧客満足度の向上に活かせる
顧客満足度の向上に繋がる応対品質は数値化することが難しいでしょう。そのため、モニタリング機能を活用しオペレーターと顧客の通話内容を聞くことで、話し方が暗・言葉遣いが悪い・声が小さいなどの問題を明確にする必要があります。問題に対して適切な指導ができるようになるため、コミュニケーションスキルの向上ができ、顧客満足度向上につながります。
モニタリング実施のポイント
モニタリングを行うことで応対品質の改善、顧客満足度の向上につなげることができます。しかし、ただ音声を聞いているだけでは意味がありません。明確なチェックルールやフィードバックなど、ポイントを押さえ正しく活用することで、オペレーターのスキル向上につながります。ここでは、モニタリング実施の重要な、以下の5つのポイントについて詳しく解説していきます。
- チェックシートの作成
- 継続的な実施
- 公平性の担保
- フィードバックを行う
- 結果を基にオペレーターと一緒に改善策を考える
チェックシートの作成
モニタリングをスムーズに行うためには、予め応対品質向上に必要な6つのチェック項目を含めたチェックシートを準備しておきましょう。
- 言葉遣い
- 顧客のニーズの把握
- 的確な受け答え
- 分かりやすいトーク構成
- 問題点の解消
- 電話応対マナー
実際にモニタリングを実施するときは、オペレーターと顧客の会話を聞きながらチェック項目に沿って評価します。モニタリング中で優れた伝え方や会話の切り返しを見つけることも重要になります。優れた伝え方などをまとめてトークスプリクトとしてマニュアル化することで、コールセンター全体で応対品質の向上や生産性の向上につなげることができるでしょう。
継続的な実施
不定期なモニタリングだけでは、状況の把握はできたとしても本質的な課題の改善ができません。応対品質の向上には、モニタリングを最低でも月1回は行うなど、定期的に活用することが必要です。期間内で、課題をあぶりだし改善・効果の検証を繰り返すことで、応対品質は向上するでしょう。
また、さまざまな業務をしているオペレーターの場合、最低3ヶ月に1回のペースでモニタリングを行うことで全施策での応対を把握することができます。コールセンターはオペレーターの入退職・トークスクリプトの変化に影響を受けやすいため、日々の記録を蓄積することが安定した応対品質維持につながります。
公平性の担保
モニタリングは正当な評価ツールとして活用する際、公平性の担保が必要です。たとえば、顧客満足度とトークスクリプトの正確性でオペレーターを評価することで、公平性は保たれます。評価が低かった場合も、チェック項目に沿って正当な理由を示し、具体的な改善策をオペレーターに伝えることで効率よく改善することが可能です。
また、チェック項目を設けることで、初めてモニタリングを実施する責任者でも公平性を担保した評価ができます。責任者のレベルも高める必要があるため、研修と検証を何度も繰り返し、コールセンター全体の基準を合わせていくことが大切です。
フィードバックを行う
モニタリングを実施した後、該当オペレーターにフィードバックする必要がありますが、モニタリング結果の評価を伝えるだけでは改善につながりません。責任者とオペレーターで現状の課題について一緒に改善策を打ち出し、具体的なアドバイスを行うことで効率化が図れます。評価結果を一方的に伝え完了にするのではなく、オペレーター自身で考えてもらうことでより高い応対力が身に付きます。
結果を基にオペレーターと一緒に改善策を考える
フィードバックを基にオペレーターと一緒に具体的な改善方法を考えることで、センター全体の応対品質向上につながります。しかし、一方的なフィードバックのみでは、オペレーター個人で改善策を見出すことができないため、改善は難しいでしょう。
責任者がオペレーターと一緒に録音音声をモニタリングすることで、何が問題点になっているかを気づかせることができます。問題点に対してアドバイスをするだけではなく、どのようにすれば応対品質としてよくなるかを一緒に考え、その場でロープレを繰り返し行うことで応対中に同じ事案が発生しても自信を持った応対が可能になります。その結果、応対品質やモチベーションの向上にもつながり、離職率低下になるでしょう。
ウィスパリング機能のメリット
ウィスパリング機能とは、顧客とオペレーターが応対している時に、責任者がオペレーターだけに聞こえるように指示を伝える機能です。オペレーターの応対中に指示出しが行えるので、その場でスムーズな問題解決ができます。ここではウィスパリングを行う3つのメリットについて詳しく解説していきます。
- 応対中のオペレーターに直接アドバイスができる
- オペレーターの教育研修に活用できる
- エスカレーションの削減につながる
応対中のオペレーターに直接アドバイスができる
新人オペレーターは電話応対に慣れていないため臨機応変な対応が取れないでしょう。さらにイレギュラー対応が求められたときや失敗したときにモチベーションが下がり、応対に自身が持てず離職につながる可能性があります。
オペレーターでは対応困難な案件が発生した場合、ウィスパリング機能を活用することで、応対中でも直接アドバイスができるため、オペレーターの自信につなげることができます。
もちろん失敗をして学ぶことも大切ですが、コールセンターの特性上、失敗が許されないことも多いでしょう。ウィスパリング機能を活用することで失敗を最小限に抑えることができ、顧客満足度やオペレーターのモチベーション向上につながります。
オペレーターの教育研修に活用できる
モニタリング機能は、オペレーターの教育研修に活用できます。たとえば、新人オペレーターは座学やロープレで十分な研修を受けたとしても、実践でどのような応対をしないといけないのか想像ができず、大きな不安を抱えることがあります。モニタリング機能を活用し、ベテランオペレーターの応対をリアルタイムで聞かせることで温度感や話し方を学ぶことができ不安を軽減できます。
また、録音音声を何度も聞くことでサービスの内容や顧客の質問に対しての回答方法を学べるため、リアルに近い応対の研修を受けることができます。その結果、研修時間を削減でき、業務改善にもつながるでしょう。
エスカレーションの削減につながる
オペレーターだけでは対応が難しい時、責任者へエスカレーションを行います。しかし、クレーム対応などで顧客が感情的になっている場合、スムーズに責任者につながらないケースも少なくありません。その場合、ウィスパリング機能を使って責任者が即座に状況を判断し、適切な指示をオペレーターに伝えることができるため、スムーズな解決が行えます。その結果、センター全体のエスカレーション削減にもつながるでしょう。
ウィスパリング実施のポイント
ウィスパリングを行うことで応対品質や顧客満足度の向上、エスカレーション削減、オペレーターの育成につなげることができます。しかし、顧客との応対でオペレーターでは対応困難な案件がいつ発生するかは予測することができません。
あらかじめウィスパリングの実施タイミングを伝える手段を決める、ウィスパリングにて対応完了後にしっかりとフィードバックをすることで、ウィスパリング機能のメリットを最大限に活かすことができます。ここでは以下の3つのポイントについて詳しく解説していきます。
- 実施タイミングのハンドサインを決める
- 顧客の声に被らないようにアドバイスする
- フィードバックを行う
実施タイミングのハンドサインを決める
オペレーターが対応困難な問い合わせやクレームが発生するタイミングは予測することができず、保留や折り返し対応にできない案件もあります。そのため、声を出さなくても責任者が気付けるように事前にウィスパリングを希望するハンドサインを決めることは大切です。
コールセンター全体のルールとして、どの内容でのウィスパリング希望かをハンドサインで決めておくことで、優先度を確認することができスムーズな対応が可能になります。
顧客の声に被らないようにアドバイスする
ウィスパリング担当の責任者は>顧客の声に被らないようにアドバイスするように注意しましょう。顧客の声を気にせずオペレーターにアドバイスを送り続けると、オペレーターは顧客の声が聞こえず、適切な対応ができなくなることがあります。その結果、重大なマナークレームにつながる可能性も考えられます。
責任者はオペレーターと顧客の会話のタイミングを把握し、顧客の声に被らないように短い言葉で適切にオペレーターへアドバイスを送る必要があります。
フィードバックを行う
ウィスパリングを行い顧客応対が完了した後、オペレーターへのフィードバックが必要です。難しい案件が完了したとき、オペレーターはその場が収まった安堵感に包まれ、責任者からのアドバイス内容が頭に残っていない可能性があります。
応対後はすぐに内容のフィードバックを行い、具体的な改善策を責任者とオペレーターで共有することでオペレーターの自信につながります。また、同様の案件が発生する可能性があるため、内容はすぐにまとめFAQの更新や社内共有するようにしましょう。万が一同じ案件が発生した際、応対情報を共有することで他のオペレーターもスムーズに対応することができるため、コールセンター全体の業務効率化につながるでしょう。
モニタリング機能とウィスパリング機能の導入ならクラウド型CTI
モニタリング・ウィスパリング機能は、CTIシステムに搭載されている機能になります。モニタリング・ウィスパリング機能を活用することで、新人オペレーターの応対品質やリスクヘッジ、時間削減をしながらの教育・研修ができるでしょう。
CTIシステムにはオンプレミス型とクラウド型の2種類がありますが、クラウド型CTIシステムは従来のオンプレミス型に比べて低コストかつスピーディーな導入が可能なため、多くの企業が導入を進めています。
まとめ
モニタリング機能とウィスパリング機能を活用することで、コールセンターの課題である新人オペレーターの育成や応対品質の向上を図ることができます。コラボスではこれらの機能を搭載したクラウド型CTIシステムのコラボスフォンを提供しています。
クラウド型システムは、従来のオンプレミス型と比べてコストを抑えた上でスピーディーに導入することが可能です。また、拠点の分散化や在宅コールセンターの普及により直接的な研修が行いにくい課題もクラウド型であればインターネット回線上での研修や指導も可能です。自社のオペレーターの育成や応対品質の向上をお考えの際は、ぜひコラボスまでお問い合わせください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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