株式会社ヤマハミュージックジャパン(AmiVoice) コミュニケーターへの気づきを与える「AmiVoice」音声自動テキスト化で、応対の改善点が一目瞭然に!
導入目的
- AmiVoice Communication Suite provided by コラボス(以下AmiVoice)の導入で
コールの応対品質の向上及び業務の効率化を図る
導入後の効果
- 音声認識機能により、応対内容を記録、検索する時間や手間が大幅に削減した
- テキスト化機能の活用で、コミュニケーターが能動的に応対内容の改善が行えるようになった
- テキスト化機能の活用で、エスカレーションにかかる工数が劇的に軽減された
- 容量の小さなテキストデータに書き起こされるため、長期間の保存が可能になった
音声認識「AmiVoice」の導入を検討された背景を教えてください。
私たちカスタマーサポート部門の重要な役割は、お客様からいただいた声をしっかりと記録に取り、社内で共有するということです。
今回「AmiVoice」を導入した理由は、音声認識を利用することで、応対品質そのものを上げることが可能だと考えたためです。お客様とどのようなお話をしたかの情報共有が容易となり、コミュニケーターを交代しても負担が少なくスムースに応対を引継げることから、更に質の高いお客様応対が提供できる状態になりました。
私たちは、1件ごとの電話応対完了時にお客様と話した内容を記録に残しているのですが、以前は、人によってはその作業時に毎回録音データを再生するなどをして、電話応対した以上の時間がかかってしまうことがありました。
それが、あまりにも非効率的だということで音声認識・自動テキスト化機能が必要だったのです。この機能を利用することで、コミュニケーターの負担を軽減しつつ、もっとお客様に向き合った仕事ができる環境にしたい、そういった期待を込めて「AmiVoice」の導入に踏み切りました。
確実に記録を残すという点で、そういった機能がすごく便利だと社内での認識は一致していたのですが、音声認識機能システムの導入は料金が高めということが悩みでした。手ごろになったら是非にと考えていましたので、今回コラボス様にこちらの要件に合わせたプランをご提案いただき「これはやるしかない!」と導入に踏み切らせていただきました。
導入時の様子を教えてください。
社内の「AmiVoice」に対する認識が浸透していたため、スムースに導入ができました。もちろん導入にあたり、システム導入の目的であったサポートや応対品質の向上について筋道を立てて説明も行っていましたし、現在も社内へ浸透させる取り組みを続けています。ヤマハミュージックジャパンのカスタマーサポートは、実際にはいくつかの専門部門に分かれているため、社内認識のずれや実際に導入効果が出るかなどの不安はありましたが、その点はコラボス様に非常に助けていただきました。コラボス様にご説明いただいたおかげで「AmiVoice」の可能性や面白さを社内に周知させることができたと感じています。
実際に現場で使用するコミュニケーターからも、記録や検索・確認にかかる時間や手間が省け、作業効率が上がったと評判も上々です。今までの音声による記録、録音では検索性が低く、必要な情報を読み取ることに時間がかかりましたが、テキスト化された記録なら要点だけを拾って読み取ることが可能となりました。
「AmiVoice」を導入してどのような変化がありましたか?
「応対品質の向上」に関しては今後も継続して部門全体で行っていきたいと考えていますが、コミュニケーター自身が自動テキスト化機能を利用して自主的に改善を行い始めたのが面白い変化です。音声認識・自動テキスト化機能によって、お客様のおっしゃったことだけではなく、コミュニケーターがどのように応対したのかまでテキスト化されるため、客観的に確認・改善がしやすいようです。
文字列を見ながらのほうが、ああいったほうが良かった、今度はこのように対応しようなど自己シミュレーションがしやすいのでしょう。また、はっきりと発音しないと音声認識されません。音声認識されやすい話し方は、当然お客様にとっても聞き取りやすい話し方になるわけです。不明瞭な発音や話し方も合わせて自己チェックを行うことができるようになりました。結果的に、こちらが指摘して指導するという場面が減り、コミュニケーターが能動的に改善を行なっていく様子に注目しています。
システムを導入する前から、応対品質向上を目的とした「気づき」の機会を設けようと、応対内容を手作業で書き起こし、それをもとにディスカッションを行ってきました。しかし、書き起こすという作業が大きな負担になっていましたので、「AmiVoice」の導入で自動的にテキスト化されることはかなりの工数削減につながっています。一人ひとりのコミュニケーターに対して、システムの音声認識がどこまで正確に拾えているかの精査はシステムの運用を行いながら確認していく予定です。
「AmiVoice」で実感した効果を教えてください。
一番はアラートに対して効果的な応対ができるようになったことです。今まではコミュニケーターが困っているとSVが認識してからモニタリングを行なっていましたが、その状態に至るまでの経緯が即時に確認できませんでした。そのためモニタリングをし始めてからの会話から前後の経緯を読み取らねばなりませんでした。こちらもコミュニケーターにアドバイスしにくいですし、本人も応対中なので状況説明ができません。音声認識と自動テキスト化の機能があることで、会話の流れをすぐに把握でき、コミュニケーターと代わるべきかそのまま任せて大丈夫かなどの判断も容易になりました。
また、音声ですと一つの応対しかできませんが、テキスト化したものを「見る」ことは、慣れれば瞬間的に内容が把握できるため、同時に複数確認することができます。そのため、慣れたSVは「Speech Visualizer」上で一人のコミュニケーターの通話内容を確認しながら、別のコミュニケーターに対してチャットで指示を与える運用方法で、業務効率を上げています。
コミュニケーターから相談があがった際も、ある程度の状況を認識したうえで対応することができます。特に、お客様から苦情のお申し出をいただいた際には、ご要望を聞き逃していないかを、本人の報告だけに頼らず実際の会話をテキストで確認できることは非常にありがたいです。
以前は、苦情申し立てがあった際は、会話内容を録音で聞き直すという作業が必要でしたので、コミュニケーターの工数も掛かりますし、お客様には瞬時に対応しなくてはならないなど、かなりの負担になっていました。さらに経緯状況を踏まえた報告書を書かなければならず、録音を聴きながら書き起こすという業務も発生します。「AmiVoice」では、不完全とはいえ、ある程度テキスト化された状態でアウトプットされるため、お客様の対応やエスカレーション対応にかかる時間が以前の5分の1以下と大幅に削減され、SVの業務負担が大きく軽減しました。
さらに、テキストデータなら録音データと比べ、格段に少ない容量で記録しておくことが可能です。今までは容量の大きい録音データは定期的に削除していましたが、容量の少ないテキストデータなら限られたストレージの中でも長期間の保存が可能となり、将来のための記録ができるようになると期待しています。もちろんテキストデータに起こしてしまうと、会話の温度感は失われてしまうわけですが、それでも会話した内容が確認できるのは大きな利点です。
「AmiVoice」を今後どのように活用していく予定ですか?
現在はまだ導入が完了したばかりですので、「AmiVoice」が持つ機能の全てを生かし切れているわけではありません。運用を通して、一つひとつの機能を習熟し、組織的な応対品質向上や業務効率化に役立てていきたいと考えています。
今最も活用していきたいと考えている機能が音声ボットです。SNSやメールなどのコンタクト手段も増え、利用者数こそ減ってはいますが、電話にもまだまだ需要があります。ボットに全ての応対ができるとは考えてはいませんが、受付内容の振り分けや一次振り分けだけでもしてくれれば、お客様をお待たせすることなく、コミュニケーターの負担を大きく減らすことができます。
私たちは楽器や音響設備など幅広い商材を取り扱っているため、ときには専門的な知識が必要とされる場面もあります。そのための専門チームを構成しておりますが、限られた人員で迅速に応対できるよう、専門知識が必要とされるお問い合わせと、受発注やお届け日の変更などのすぐにお答えできるお問い合わせを、音声ボットのほうで振り分けられるように整えていきたいと考えています。
今後のAmiVoiceの発展次第では、そのような音声ボットのもとになるテキストデータの自動生成もしてくれるのでは、という期待があります。
「AmiVoice」に対するご要望等がありましたらお聞かせください。
商品やサービスを深く理解しているコミュニケーターは、お客様との会話の中で、お客様のおっしゃりたいことを的確にくみ取り、端的にメモに残すことが可能です。誰でも遜色なくそのような作業ができるように、「AmiVoice」のような音声認識・自動テキスト化機能を搭載したシステムが必要とされたのですが、単純なテキスト化ですと言い方は良くありませんが、雑談の部分まで文字起こしされてしまいます。
そこが悩ましいところでもあるため、自動要約機能が付いてくれたらすごく助かりますね。構文の整理だけではなく会話の中に点在する本来の要点をとらえ、的確に要約できる優秀なAIができたら業務はもっと楽になるだろうと。そういった点で今後のAIの進歩には興味が尽きません。
機能面でいえば、品質評価における話すスピードの評価はすぐに活用できると感じました。早口かどうかを教えてくれる機能ですね。これに加え、お客様のお話に被せて話していないかを評価する機能をもう少し使いやすくしていただけると嬉しいです。今は相槌までお客様のお話に被せて話していると評価されてしまいます。お客様にとって心地良い相槌がマイナス評価から除外できるようになるともっと便利になります。
今後AI機能の向上でこういった課題が解決できるであろうことを期待しております。
インタビューへのご協力、ありがとうございました。