2020/12/21
顧客情報管理
CRMの導入に失敗する企業の共通点と成功させるポイント
顧客情報の管理を通じて業務効率改善を実現するCRMはマーケティングを強力にアシストするシステムです。CRMの導入で大幅な効率化に成功した企業がある一方で、導入したのにほとんど成果が見られない失敗例も少なくありません。
今回は、CRMの導入に失敗する企業に見られる共通点と成功のポイントを紹介します。
目次
CRM導入前の失敗
CRM導入に失敗する原因のうち企業の準備不足、つまりCRM導入の前段階でつまずいているケースはよく見られます。CRMは導入すればいというものではありません。どんなシステムを選ぶのか、導入後システムをどう活用するのかなど導入後のビジョンが曖昧ではどんな優れたCRMも宝の持ち腐れになってしまいます。きちんと準備を整えることがCRM導入成功への第一歩です。導入前に見られる失敗の共通点を知り今後の参考にしてください。
CRM導入が一番の目的になってしまっている
失敗する企業でよくあるのがCRM導入が一番の目的になってしまっているため、導入が完了しただけで満足してしまうケースです。
CRMは業務効率向上に高い効果が期待できるシステムですが、それは機能を十分に理解し使いこなすのが大前提です。導入後にしっかりと定着させて、顧客情報を分析し、行動に移さなければ業務の改善はできません。
CRMは業務効率改善のための手段であり目的ではありません。導入後の目標を先に定めておくことで、導入が目的になってしまうことを防げます。
CRMを比較せずに選んでいる
CRMを比較せずに選んでしまうのもよくある失敗原因です。
CRMとひとくちにいっても各社からいろいろなシステムが提供されています。基本的な機能は共通していても具体的な使い勝手や性能、コストやふさわしい使い方はそれぞれ違いが見られます。
それぞれのCRMを比較することで強みや弱み、メリットやデメリットがわかります。CRM導入を焦る企業ほど決定を急いでしまうため、各CRMを十分に比較しないまま導入する製品を決定しがちです。
数社から見積もりをとって、機能面とコストの費用対効果を重視して選ぶと良いでしょう。
自社にあっていないシステムを選んでしまう
自社にあっていないシステムを選んでしまい予想ほどの成果が得られず失敗するケースもよくあります。
入力が必ず必要な項目がなかなか見つからないなど、自社に合っていないCRMは作業工数を増やしてしまい、定着に繋がりません。
どんなに評判のいいCRMも自社のニーズにマッチしていないシステムでは、使い勝手が悪く成果は期待できません。
自社の都合とCRMとのミスマッチを避けるためにも導入決定前に現状を徹底的に分析し、CRMに何を求めるのかを明確にしておきましょう。
現場にメリットが伝わっていない
現場のメリットが伝わっていないことが原因でCRM導入が進まないといつまでたっても成果は見られません。
経営者はCRMの導入に積極的でも現場も同様に熱意があるとは限りません。CRMのメリットや魅力を全社で共有できていなければコストを払って導入したところで現場の熱意は低く、CRMの習熟にも消極的になってしまいます。
CRMの効果は現場がどの程度使いこなせるかにかかっています。CRM導入のメリットが現場に繋がっていなければ積極的に使おうとする意欲に欠け、せっかく導入しても放置同然になります。CRMが自分たちにどんなメリットをもたらすのか、現場の理解を深めておくことが重要です。
CRM導入後の失敗
事前に十分に準備をしてもCRM導入に失敗する可能性は残されています。
CRMは導入すれば終わりではなく使いこなして初めて効果を発揮します。積極的に活用しようという意欲があっても運用方法に問題があればCRMの効果は期待できません。CRM導入後に失敗する原因のほとんどは運用方法に問題があったケースです。導入後に見られる失敗原因の共通点を知り今後の参考にしてください。
入力の規則が統一されていない
入力の規則が統一されていないことが原因でCRMの運用に混乱をきたす企業は多く見られます。
CRMにはさまざまなデータを入力します。顧客情報や購買履歴、時系列データなど多様なデータを一括で処理分析できるのがCRMの最大のメリットです。
入力の規則が統一されていないとせっかく入力したデータを均一に扱うことができません。大文字と小文字の違いや半角と全角の扱いなど、バラバラの入力方法でインプットするとCRMはそれらを別のものとして扱ってしまう恐れがあります。
正しくCRMを運用するために入力に関するルールを統一しマニュアルや研修で正しい入力を徹底させましょう。
管理者が決まっていない
管理者が決まっていないとCRM関連の業務が混乱する可能性があります。
スタッフ間でシステムを共有するCRMではそれぞれのスタッフがデータを入力し、更新が行われます。管理者を置かずにCRMを運用していると、システムの全体を把握している人員がおらずなにかトラブルが合った時に復旧が困難になってしまいます。
CRMを安全に運用するためにも責任と権限を持つ管理者を決めてください。CRM関連の業務は管理者を通じて行うようにすることで安定した運用が実現します。
導入後のフォローがない
導入後のフォローが少ないのも失敗企業に共通する特徴のひとつです。
どんなに優れたシステムも導入後すぐに使いこなすことは不可能です。新しいシステムを使いこなすには習熟期間が必要で研修やマニュアルを通じてのスキルアップが不可欠です。
CRMを導入しただけで運用は現場任せでは、導入が失敗に終わってしまうでしょう。
必要な知識を教育したりトラブルに対応したりといったフォローを十分に行うことで習熟を進めながら時間をかけてCRMに慣れていくことが導入成功に求められる姿勢です。
CRMのデータを分析できていない
CRM導入に失敗する企業の多くはシステムから得られたデータを分析できていません。
CRMとは顧客データを収集しそのデータを分析することで得られる戦略を業務効率向上に役立てるためのシステムです。データ収集は手順に従うだけで実行できますが、どれだけデータを収集しても分析し戦略立案に用いなければ、ただただデータが積み上がっていくだけです。
CRM導入に失敗する企業はデータ分析の能力に欠けているという共通点があります。データ利用の意識が低ければCRMを使いこなすことは不可能です。
CRM導入を成功させるポイント
多くの失敗企業の例を参考に失敗の原因となる共通点について学んできましたが、重要なのは失敗例をどのようにCRM導入に活用するかです。
CRM導入を成功させるには過去の失敗例をふまえた上で適切な準備と対処を行う必要があります。CRM導入を成功させるためにも導入のポイントをおさえておきましょう。
CRM導入の目的を明確にする
一番最初にやる必要があるのがCRM導入の目的を明確にする作業です。
何のためにCRMを導入するのか、目的を明確にすることで方向性がわかります。CRMの導入準備には多くの人が協力して作業を進めますが、スタッフ全員の意識統一にも目的の明確化が大きな効果をもたらします。
それぞれが別の方向を向いていては作業は混乱しますし導入もはかどりません。最初の段階で目的を明確にしておくことでめざすべきゴールがはっきりします。CRMの有効活用のためにまずは目的を明確にすることから初めてください。
CRMを複数比較し、検討する
CRMを複数比較し検討するのも重要なポイントです。
CRMにはそれぞれ異なる特徴があります。メリットもデメリットもあるCRMの中から最高の結果を得るには複数を比較し検討した上で最適な物を選ぶのが一番の近道です。導入検討段階で出来る限りのCRM情報を集めて比較検討してください。比較作業を行うことでCRMの特徴や具体的な活用方法に対する理解がより深まります。
本命の製品があるからといって比較検討作業を怠ると思わぬ落とし穴にはまる恐れがあります。複数を比較して検討する作業それ自体がCRM導入成功への大切なプロセスとなるので、時間と手間を惜しまずじっくりチェックしてください。
自社に合った項目があるものを選ぶ
CRMの選定では自社に合った項目があるものを選びましょう。
CRMはそれぞれ異なる特徴を持っています。単純なメリット、デメリットだけではなくインターフェースなど使い勝手に影響する部分などにも違いが見られるため、全てのニーズにマッチする一本は存在しません。
重要なのはCRMがどれだけ自社の事情にマッチしているかです。自社に合った項目が多いほどベストマッチに近く導入後も大きな効果が期待できます。機能や性能に細かく目を通し、自社にとって良い結果をもたらす項目が多いシステムを選んでください。
現場の意見も取り入れる
CRMを実際に運用する現場の意見も大切にしましょう。選定にあたっては経営陣だけで判断するのではなく現場の意見も積極的に取り入れてください。
CRMの有用性はどれだけ使いこなせるかにかかっています。どんなに優れたシステムでも現場が使いこなせなければ効果は期待できません。現場の声はCRM活用に大きく影響します。コストや導入事例など資料やデータだけで判断するのではなく、どんな機能が必要か、どんなシステムが使いやすいのかなど、現場からの意見を積極的に取り入れることで運用しやすく使いこなしやすいCRM導入につながります。
入力の規則や管理者を前もって決めておく
入力の規則や管理者を前もって決めておくのもポイントです。
CRMの導入前にあらかじめ運用に必要とされる役割やルールを決めておくことで導入後の混乱を回避できます。じっさいに触れてみないとわからないこともありますが、どのように運用していくのか基本的なルールや責任を明確にしないまま導入してしまうと効率改善どころか現場の混乱で業務が停滞する恐れもあります。
入力の規則や管理者など事前に決められることは先に決定し、体制を整えた上でCRMを導入することで新しいシステ無への習熟がスムーズに進みます
導入後のフォローがあるベンダーを選ぶ
ベンダー選定の際は導入後のフォローがあるかに注目しましょう。
どんなに性能が優れていてもコストが低くても安心して使えないCRMには価値がありません。安心してシステムを運用していくためには、導入後のきめ細やかなフォローが絶対条件です。24時間対応のメンテナンスサービスや気軽に問い合わせできるヘルプデスク、バージョンアップへの対応や規模拡大への柔軟性など十分なフォローが期待できるかどうかを確認してください。
CRMの評価指標を設定する
導入の成果をはっきりさせるためにCRMの評価指標を設定するのも大切です。
CRMの導入に失敗しているのか成功しているのかを明確に判断するのは意外と難しい作業です。なんとなくの感覚でCRMの価値を評価してしまうと正確な現状認識からズレが生じるおそれがあります。CRMの成果を正しく知るために具体的な評価指標を設定しましょう。
たとえば、「顧客リピート数」「顧客育成率」などを数値として設定し、CRM導入後の効果を可視化できるようにしておきましょう。
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この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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