2022/06/24
マネジメント
コールセンターの正社員の将来とは?年収やキャリアップなど実態をご紹介
コールセンターで働くスタッフのほとんどがアルバイトや派遣社員で、正社員の占める割合は約10%程度といわれています。そのため、正社員の業務内容や待遇などの実態はあまり知られていません。
コールセンターの正社員の業務内容や待遇、キャリアップなどを含めた将来性などその実態について詳しく解説します。
目次
一般オペレーターと正社員の違い
コールセンターで働くスタッフの多くが電話応対業務を専門とした一般オペレーターです。一般オペレーターの業務内容は求人サイトなどでも紹介され、多くの方にとっても馴染みのある業務であるといえるでしょう。ですが、アルバイトや派遣社員をはじめとする一般オペレーターと正社員の違いを理解している方は少ないのが実情です。
コールセンターの正社員と一般オペレーターと比較して、業務内容や待遇面などその違いについて詳しく解説します。
正社員の業務内容
コールセンターの正社員の主な業務は、センターの円滑な運営に関わる運営体制や組織作りです。現場のオペレーターを指導・管理するSVやチームのマネジメントを行うマネージャー、センターのシステム管理やオペレーターの教育を担当するトレーナー、センターの運営の責任者であるセンター長などさまざまな役職者が携わっています。
正社員の代表的な業務である以下の3つの業務内容をご紹介します。
スタッフの教育・管理
コールセンターのオペレーターと呼ばれるスタッフの教育や管理は主にセンター部門のSV(スーパーバイザー)やトレーナーと呼ばれるサポート部門の担当者が行います。
SVがオペレーターの通話内容のモニタリングや対応全般のチェックをはじめ、勤怠管理など幅広い管理を行うのに対し、トレーナーは未経験者を含む新人オペレーターの初期研修や、リーダーなどベテランオペレーターのスキルアップを目的とした定期的な研修を担当します。
また、近年ではセンター全体の品質向上のために会話やコミュニケーション面での指導や、フィードバックを行うQAと呼ばれる専任の担当者チームを編成するコールセンターが増えてきています。
顧客対応
顧客からの問い合わせ業務も正社員の重要な仕事です。正社員が顧客対応を行うケースは、エスカレーションと呼ばれるオペレーターでは対応しきれないクレームや専門的な問い合わせなどです。一般的に未経験者や新人オペレーターが対応できない事案については、勤務年数の長いベテランオペレーターが対応することもありますが、値引き交渉や重大なクレーム対応はSV以上の役職者が担当します。
エスカレーションの件数が増加すると、センター運営に関わるその他の業務にも影響を及ぼすことになりかねません。そのため、必要以上のエスカレーションを減らす工夫も正社員の業務になってくるでしょう。
具体的な業務としては、経験に浅いオペレーターでも対応ができるFAQの作成や定期的な研修などのフォローアップ体制の整備などが挙げられます。
数値管理
効率的なセンター運営に欠かせないKGIやKPIと呼ばれる数値設定や進捗管理などの数値管理を行います。主にマネーシャーやセンター長が担当する業務です。
KGIとは、Key Goal Indicatorの略称で「重要目標達成指標」の意味です。センター全体が達成すべき目標を具体的な数値に置き換え、目標達成に必要な施策を立てます。KPI(Key Performance Indicator)はこのKGI達成までの中間目標のことで「重要業績評価指標」とも呼ばれています。
コールセンターでは応答・接続品必や顧客満足度や生産性など多岐に渡る項目についてのKPIが存在しています。これらを数値化し進捗を追うことで、業務の無駄を省き生産性の高いセンター運営が可能になります。
正社員の待遇
コールセンターの正社員の待遇について、年収と休日の2つの側面から詳しく解説します。
年収
コールセンターの社員の年収は平均471万円です。年齢別では20代が333万円、30代で494万円、40代になると600万円が平均した年収となっています。40代の平均年収が高い理由は、年齢的に管理職・マネージャークラスの社員が全体的に多いことです。20代・30代でも管理職・マネージャークラスの年収は一般社員と比べて高い傾向にあり、100~130万円程度の差があることが人材派遣会社の調査によって分かっています。入社1~3年目の一般オペレーターの年収270~310万円であるのに対し、センター長クラスは550~650万円と役職が上がるほど給与も高くなります。
休日
業種にもよりますが、コールセンターの正社員の休日は年間120日以上といわれています。ですが、就業時間が明確に決まっているアルバイトや派遣社員に比べ、休日出勤や残業など突発的な業務の対応を求められることも少なくありません。
比較的年間休日の多い情報通信業で118.8日であるのに比べ、コールセンターを含むサービス業(その他に分類されないもの)は109.9日と10日程度短い傾向にあります。
また、正社員は総合職なので、全国に拠点を持つコールセンターの場合、転勤を伴う異動もあります。この辺りは他業種の正社員とあまり変わらないといえるでしょう。
コールセンターの正社員に求められるスキル
コールセンターの正社員に求められる主なスキルは以下の3つです。それぞれのスキル別にどのような能力が求められるのかをご紹介します。
コミュニケーション力
顧客との応対に必要な電話応対のマナーや一般的なビジネスマナーに加えて、どんな人とも円滑に意思疎通ができるだけの高いコミュニケーション力が求められます。
また、アルバイトや派遣社員などセンターで働くスタッフの指導や教育も重要な業務なため、SVやマネージャー、センター長などのセンター部門の社員は特に指導力を含む対人スキルの高さも要求されるでしょう。
マネジメント力
コールセンターはもちろんのこと、組織を運営していくにはさまざまな運営管理能力が必要になります。クレームなどの問題が発生した際、何が原因でどのような解決策があるかを探すための状況判断力や、業務改善に必要な課題発見スキルなど、これらの能力に加えて状況を冷静に判断できる理論的思考も管理職以上の社員には求められるでしょう。
マーケティング力
商品やサービスの販売を目的としたアウトバウンド業務はもちろん、顧客からの問い合わせに対応するインバウンド業務においてもマーケティング力が必要になります。
特にECサイトなどサンプルや資料送付を求めてきたユーザーに対して、商品の購入や定期購読の申し込みなど、どのようすれば自社の売り上げを拡大できるかなどの提案がこれに当たります。
また、顧客から寄せられる声を基に商品開発やマーケティング部門と連携し、サービスの改善や新商品の開発などのサポートなども求められることもあります。
これらのスキルは主にセンター部門の社員に求められるスキルで、サポート部門の担当者はこれと別に自社の商品やサービスに関する専門知識や、センターで使用するシステムについての知識やITスキルなど幅広い知識とスキルが求められます。
まとめ
コールセンターの正社員は自社の商品やサービスの専門的知識や、顧客との対応などに必要なコミュニケーション力、さらにはセンターを円滑に運営するためのマネジメント能力など、一般事務や営業職に比べ、さまざまなスキルや幅広い知識を求められます。
その分、他の職種よりも年収が高く、センター全体の運営に関わる裁量権も大きい非常にやりがいのある仕事を任されるといった魅力もあります。
生産性の高いコールセンター運営を目指し、より高いスキルを身に着けていきましょう。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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