2022/09/13
マネジメント
コールセンタのオペレーターに必要なスキルや向上ポイントを解説
コールセンターは顧客対応をメイン業務とするため、オペレーターの話し方は重要視されます。ですが、話し方だけでは顧客満足度をあげることは難しく、顧客の問い合わせから問題解決をスムーズに行うためにはさまざまなスキルが必要になります。業務の効率もあげながら個々のスキルアップを行うことは難しく、コールセンターの大きな課題ともいえるでしょう。そこで今回はシステムを活用しながら効率よくスキルを身につけるポイントを解説していきます。
目次
コールセンターのオペレーターに必要なスキル
従来、コールセンターでは、顧客満足度を高める話し方や伝え方のスキル向上のための研修を行うのが一般的でした。ですが、コロナ禍によりコールセンターの需要が高まる中、放棄呼や待ち呼など、話し方だけではなく、つながりやすさ自体も顧客満足度に大きな影響を与えています。こうした背景からコールセンターのオペレーターには、話し方の他にも事務作業やスムーズな問題解決ができるスキルが求められるようになりました。ここでは、オペレーターに必要なスキルについて詳しく解説していきます。
コミュニケーションスキル
オペレーター業務のメインは、顧客との電話対応が基本です。コールセンターでは対面接客とは異なり、相手の表情を見て対話ができないため、声だけで顧客の状況や意図を読み取ることが必要になります。場面に応じて適切な相槌や言葉選びのスキルを身につけることが顧客満足度につながるでしょう。そのため話し方だけでなくコミュニケーション全般のスキルは必須といえるでしょう。基本的な挨拶や正しい日本語はもちろん、明るく元気な話し方は清潔感があり好印象を持たれます。ですが、一方的に話すだけでは顧客からの印象が悪くなるため、顧客の声に傾聴し寄り添う姿勢も大切になります。
時に、商品・サービスクレームなど心無い言葉を掛けられることもありますが、その場合でも冷静に対応ができるように常日ごろから訓練しておくことがコールセンターの運営として大切になります。
パソコンスキル
コミュニケーションスキルと合わせて必要になるのがパソコンスキルです。オペレーターは電話応対と並行しながら顧客との対応履歴をシステムに残します。また、扱う商品によっては注文情報の入力を必要とすることもあるでしょう。そのためキーボード入力やタイピング速度など、基本的なパソコンスキルを身に着ける必要があります。
タイピング速度が速くなると、1件あたりの処理速度が速くなるため、より多くの問い合わせに対応できます。処理速度が速くなることで顧客を待たすなく、スムーズに対応ができます。その結果、センター全体の応答率の向上にもつながります。
業務・商品知識
顧客の問題や課題をスムーズに解決するためには、センターで取り扱う商品やサービスの知識が必要になります。顧客からの問い合わせに対してスムーズに回答することができれば、コールセンターだけでなく、企業のイメージも高まるでしょう。一方で質問内容が読み取れず、何度も保留を繰り返し、回答までに時間を掛けてしまうと、顧客側に不信感を持たれてしまう可能性があります。
オペレーターは商品の種類や特徴など基本的な知識の把握、適切な説明ができることが必要でしょう。
コールセンターのオペレーターに必要なスキルを身につける3つの研修
オペレーターに必要なスキルを身につけるには、コールセンター内でそれぞれのスキルについて研修を行う必要があります。一般的にコールセンターで行われる研修は、基本的なスキルを座学で習得した後、実戦形式のロープレを繰り返すことでコミュニケーションスキルや業務知識を深めていきます。また、現場でのフィードバックを通して今まで得た知識を確実に固めていくことでオペレーターの質が高まり業務効率化につながります。ここでは、オペレーターのキャリアやスキルに適した研修方法のポイントを解説していきます。
初期研修
初期研修はコールセンターのスタッフが入社後にはじめて受ける研修です。研修では以下の3つのことを座学で学びます。
- サービス・商品の理解
- 企業理念の理解
- コミュニケーションスキルの習得
座学でこれらの基礎知識を学んだ後、実際の業務に近いロールプレイング形式でコミュニケーションスキルを身に着けていきます。現場ではマニュアルを確認しながら応対しますが、顧客を待たすことなく正確な回答を伝えるためには、基本的な知識を正しく理解しておくことが重要です。
初期研修ではオペレーターがコールセンターに欠かせない基礎的なスキルの習得はもちろんのこと、良い印象を与える話し方やヒアリングスキルについても指導することが必要になるでしょう。
フォローアップ研修
フォローアップ研修は、初期研修を終え、現場で業務を開始したオペレーターに向けて行われる研修のことをいいます。スキルを実際に一人一人の応対をSVや管理職が見ながら、必要なスキルの底上げを目的に行われます。顧客対応に関わるスキル向上が主になるため、指導を行う際は基本的にモニタリング機能を活用して的確なアドバイスしていくと良いでしょう。
スキルアップ研修
スキルアップ研修は基本業務を問題なく行えるオペレーターを対象にした新しいスキルを獲得する研修です。スキルアップ研修を行う際は、スキルマップを活用することでオペレーターのスキルを可視化させ、オペレーターの自信につなげます。新しいスキルを得て業務の幅が広がるとさまざま案件の対応ができるようになるため、生産性の向上につながります。
オペレーター研修を行う注意点
オペレーター研修を行う目的はオペレーター一人一人のスキル向上です。通常、研修は1度に複数のオペレーターに向けて行われます。そのため、理解度やスキルにばらつきが生じやすくなるでしょう。そうしたばらつきをなくし、全体の品質向上をさせるために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
データベース化された業務マニュアル
研修では基本的な応酬話法や基本接遇などのマナーをはじめ、商品・サービス知識など幅広い内容を扱います。そのため、1度の研修だけでは必要なスキルを身に着けることは難しいでしょう何度も繰り返し研修を行いオペレーターのスキルアップを目指すことも必要ですが、少人数のセンターなどでは、こうした研修に割く時間も限られるでしょう。
そこで、研修に必要な内容をマニュアルにまとめデータベース化しておき、現場で必要に応じて確認できる環境を整えておきましょう。
特に過去に寄せられた問い合わせ内容や商品・サービスに関する情報は定期的に更新し、常に最新の情報をまとめておくとよいでしょう。
SVによるモニタリング
1回の研修では、オペレーターのスキルや課題を把握できたとしても本質的な課題の改善まではできません。オペレーターのスキルを効率的に向上させるためには、SVによるモニタリングを継続的に実施することが必要です。定期的なモニタリングを行うことでオペレーターのクセや不足しているスキルを明確にし、課題改善に向けての提案ができるようになります。
また、モニタリングを実施する際のポイントは、いくつかの過去の録音音声から共通して問題となりやすい部分をピックアップし、課題を明確化することです。異なる応対記録を聞くことで、オペレーター自身が気づいていないクセや課題がはっきりします。
モニタリングは最低でも月1回は実施すると、指導前と指導後にどのような変化が生じたのかを確認することができます。
徹底的なフィードバック
オペレーターのスキル向上には徹底的なフィードバックが有効です。コールセンターでは顧客の要望に合わせて臨機応変な対応が求められます。臨機応変な対応力を身に着けるには、定期的にフィードバックを行いオペレーターの経験に合わせた対応方法を指導すると良いでしょう。その都度必要な指導を行うことでオペレーターのスキルは向上するため、品質向上にもつながります。
フィードバックを行う際は、前回のフィードバックを踏まえた内容で行うことでさらに幅広い対応ができるオペレーターに育ちます。例えば、前回は顧客対応についてフィードバックだったのであれば、今回はさらに高品質な対応に欠かせない商品知識についてのアドバイスや、応答率の向上に欠かせない事務処理方法などがこれにあたります。
顧客満足度の高いコールセンターの特徴
顧客にとって良いコールセンターとは、オペレーターの印象の良い対応や、スムーズに問題を解決してくれるセンターではないでしょうか。
コールセンターは顧客からのサービスや商品に関する質問、契約内容の確認、時にはクレームなどさまざまな要望に対応しなければなりません。その際、問題解決ができない、もしくは対応に問題がある・そもそも電話がつながらないという事態が発生してしまうと顧客満足度は低下してしまうでしょう。顧客の立場になり、最善を尽くすことができた時に、はじめて顧客満足度アップにつながります。また、顧客満足度の高さは自社のファン作りにも欠かせない要素ともいえるでしょう。
印象の良い言葉遣い
コールセンター業務で言葉遣いは重要です。コールセンターは顧客と企業を結ぶ重要な窓口であり、企業の顔となるため印象の良い言葉遣いが求められます。対応したオペレーターの印象次第では、企業や商品自体のイメージはもちろん、サービスの継続や売り上げに大きな影響を与えるでしょう。
コールセンターは基本的に声のみで対応するため、正しい敬語の使い方やコールセンターならではの接遇用語が求められます。
正しい敬語は、尊敬語・謙譲語・丁寧語、二重敬語があり、それぞれ理解する必要が。
また、接遇用語はクッション言葉が最適です。クッション言葉とは、本題の前にクッションのように置く言葉です。相手へ依頼をする時、断る時、尋ねる場面でよく使われます。
依頼の場合 | 断る場合 | 尋ねる場面 |
---|---|---|
恐れ入りますが | お気持ちはありがたいのですが | お尋ねしたいのですが |
お手数をおかけしますが | ご意向に沿えず、申し訳ございません | 差し支えなければ |
ご面倒でなければ | 失礼ですが | よろしければ |
スピーディーな応対処理
コールセンターには、スピーディーな応対処理速度が生産性の向上や質の高いサービスが求められます。応対処理が遅い場合、「つながりにくい」とのイメージを持たれてしまい、その結果、企業イメージのダウンにつながります。対して、応対処理時間を短縮することができれば、電話の対応数は自然と増えていき、顧客の利便性の改善や満足度の向上につながるでしょう。
スムーズな問題解決
問い合わせから問題解決までの時間が短いほど、顧客満足度は向上します。問い合わせの多くはトークスクリプト通りの対応で解決することがほとんどですが、中には緊急性の高いものや専門的な問い合わせなども含まれます。こうした問い合わせに臨機応変な対応ができない場合、顧客満足度が低下するでしょう。
こうしたリスクを避けるためには、顧客から寄せられた問い合わせ情報をコールセンター内で共有し、対応マニュアルを作成することが必要になります。マニュアルは作成後も何度もブラッシュアップを行うことで、さまざまな顧客対応ができるようになるでしょう。オペレーター全員が臨機応変な対応ができるようにすることでどんな問い合わせにも即座に対応が可能になります。その結果、顧客満足度の向上につながります。
オペレーターのスキルアップに役立つCTIシステム
コールセンターにおいてオペレーターのスキルアップにはCTIシステムの活用が役立ちます。たとえば、オペレーターが顧客対応に問題がある場合は、モニタリング機能やウィスパリング機能などを活用し顧客に聞こえないようにアドバイスを送ることでスムーズに対応完了まで導くことができます。また、通話中の会話を録音できるので、音声フィードバックを通してスキル向上にもつながります。また、CTIシステムを導入することでオペレーターのスキルアップはもちろんコールセンター自体も業務の効率化が可能になります。CTIシステムを活用するメリットには、大きく分けて「処理時間の短縮化」「応対品質の向上」「オペレーターの負担軽減」が挙げられます。
処理時間の短縮
処理時間の短縮を行うためにはタイピング速度に加え、顧客からの質問に対する回答までの時間を削減することが必要になります。実際に削減するためには、システムを活用し効率よく業務を進めると良いでしょう。
時間短縮に有効なシステムとしてFAQシステムがあります。従来の紙マニュアルの場合、知りたい情報を探すのに時間がかかるだけでなく、新しい情報の追加や更新が難しいといった課題がありました。対してFAQシステムは、顧客から寄せられるよくある質問などをPC上に表示させることができるシステムなので、対応時間の短縮に役立ちます。また、情報の追加や更新もPC上で簡単に行えるため、コールセンター全体での情報共有も容易に行えます。
応対品質の向上
応対品質向上にはIVR(音声自動応答装置)の活用が効果的です。顧客は何度も同じ話をさせられると不快と感じマナークレームに発展するリスクが高くなります。その結果、顧客満足度の低下やクレーム処理による業務量の増加などデメリットが生じる可能性があります。IVRの導入で、顧客がどのような要件で電話をしたのかを事前に把握できるため、スムーズな顧客対応が可能になります。
また、CRMと連携させることで顧客から電話があった際、事前に過去の対応履歴を確認できます。そのため、オペレーターは適切な対応ができるので、応対品質の向上にもつながります。
オペレーターの負担軽減
CTIシステムには、オペレーターの稼働状況を認識し入電を振り分ける電話制御機能があります。機能を活用することで、自動的に入電先を振り分けることが可能になり、1人のオペレーターへ呼量が集中しないためオペレーター間の業務量の差を均等にできます。その結果、個々の負担軽減につながり質の高い対応が提供できるでしょう。また、CRMとの連携で必要な顧客情報を素早く確認できることでスムーズな対応が可能となり、別部署への確認や履歴を探すといった時間が不要になることからコールセンター全体の負担軽減にもつながるでしょう。
まとめ
今回は、オペレーターに必要なスキルについて解説しました。コールセンターではオペレーターの会話や接客スキルが重視されがちです。しかし、スムーズな顧客対応には処理速度を高める事務スキルや商品やサービスに関する専門知識など幅広い業務知識も欠かせません。こうしたスキル向上には、オペレーターの能力に合わせたきめ細かい研修を行うことが必要でしょう。コラボスでは、オペレーターのスキルアップはもちろん、業務改善や業務効率化に役立つシステムを提供しております。コールシステム導入をお考えの際は、コラボスまでお気軽にご相談ください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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