2024/04/3
通話録音・活用
テキストマイニングとは?意味や効果、分析方法を簡単に解説
テキストマイニングは、自然言語処理を用いて単語の出現頻度や相関関係を明らかにします。音声認識技術により、音声データをテキスト化して分析することも一般的になり、より多様なデータソースからの情報収集が実現しています。
今回はテキストマイニングの効果や分析手法、そして実施するポイント等を解説していきます。
目次
テキストマイニングとは何か?
テキストマイニングとは、膨大なテキストデータから価値ある情報を抽出する技術をいいます。この技術は、自然言語処理を用いて大量のテキストデータを分析し、単語の出現頻度や相関関係を明らかにすることで、有益な情報を見つけ出します。
ビッグデータの分析においてもテキストマイニングは重要で、数値などの形で表現される定量データとは異なり、感覚的な要素を含むテキスト等の定性データの解析に役立ちます。
テキストマイニングは、定量データよりも複雑で解釈が難しい定性データからの情報収集において、その可能性を広げる注目分野となっています。
テキストマイニングが注目されている背景
テキストマイニングが注目されている背景には、ビッグデータ時代の到来と、自然言語処理技術の進化が挙げられます。現代では、コールセンターの記録、WEBページの問い合わせ、アンケートの自由記述文など、企業内外で蓄積されるテキストデータの量が爆発的に増加しています。これらのデータは、市場の動向や消費者の意見をリアルタイムで反映しており、ビジネスにおいて迅速な意思決定を行うための重要な情報源となっています。
また、音声認識技術の向上により、音声データをテキスト化して分析することも一般的になり、より多様なデータソースからの情報収集が実現しています。
AIが言葉を理解し、分析する能力が向上したことで、顧客のコメントやSNSへの投稿など、従来は人の手による確認が必要だったデータも、テキストマイニングによって効率的に分析できるようになりました。これにより、顧客の満足度や不満点を把握し、製品やサービスの改善につなげることが容易になっています。
このように、テキストマイニングは、ビッグデータを活用し、ビジネスの意思決定を迅速かつ効果的に行うための重要なツールとして、その価値が高まっています。
テキストマイニングを活用する効果・メリット
テキストマイニングは、顧客のレビューやフィードバックから得られる貴重な情報を抽出し、隠れた顧客のニーズを理解するのに役立ちます。これにより、企業は機会損失を防ぎ、より効果的なマーケティング戦略を策定することができます。
また、テキストマイニングは、消費者の声をリアルタイムで捉え、それに基づいてサービスや商品を改善することで、顧客満足度を高めることができます。SNSのコメントやオンラインのレビューなど、さまざまなソースからのデータを分析することで、企業は顧客の好みやトレンドを把握し、新しい商品やサービスを開発することが可能になります。
テキストマイニングを活用することで、企業は顧客のフィードバックを迅速に分析し、PDCAサイクルを効率的に回すことができます。これにより、企業はより良いサービスを提供し、顧客満足度を向上させることが可能になります。さらに、テキストマイニングは、製造業や飲食店など、あらゆる業界の企業が顧客の声を拾い上げ、新しい商品やサービスを開発することを可能にします。
テキストマイニングの分析手法
テキストマイニングの分析手法には、主にセンチメント分析・共起分析・対応分析・主成分分析の4つがあります。以下ではそれぞれの分析手法について解説します。
①センチメント分析
センチメント分析は、テキストデータから顧客の感情を分析する手法です。
具体的には、コールセンターの応対履歴等のテキスト情報から対象者の感情を分析し、ポジティブ・ネガティブの2パターンに分類します。
②共起分析
共起分析は、テキストデータから単語同士の関連性を可視化する手法です。テキストマイニングでよく用いられ、文章中で一緒に出現する単語をネットワーク図で表現します。
例えば、「待ち時間」、「長い」、「不満」などの単語が一緒に頻繁に出現する場合、これは顧客が待ち時間に不満を感じている可能性を示唆しているなどの気づきをもたらします。
③対応分析
対応分析は、テキストデータから単語同士の関連性を散布図で視覚的に表現する手法です。
例えば、顧客の問題(製品の故障、誤請求など)とそれに対する解決策(製品の交換、請求の訂正など)の間の関連性を理解するのに役立ちます。
④主成分分析
主成分分析は、膨大なデータを分析する際に、テキストデータ上の多数の変数を少数の合成変数(主成分)に圧縮する手法です。
例えば、発生したクレームを「商品が届かない」という要素にまとめて、単語同士の関連性を可視化することで、テキストデータの要約や特徴把握に活用されます。
テキストマイニングのやり方・手順
テキストマイニングの具体的な手順は以下の通りです。
1.データ収集: 分析対象となるテキストデータを収集します。これらのデータは、コールセンターに入ってきた電話やメールなど、さまざまなソースから得られます。
2.データ整理: 収集したデータを整理します。不要な情報を取り除き、分析に適した形式にデータを変換します。
3.非構造化データから構造化データへの変換: 自然言語処理技術を用いて、非構造化テキストデータを構造化データに変換します。このステップでは、形態素解析を行い、文章を単語やフレーズに分割します。
4.データ分析: 構造化されたデータを分析します。単語の出現頻度、単語間の関連性、感情分析など、目的にあわせてさまざまな分析手法が用いられます。
5.アクションの実行: 分析結果を基に、具体的なアクションを実行します。これは、マーケティング戦略の改善、製品開発の方向性の決定、顧客サービスの改善など、具体的なビジネスアクションにつながります。
これらの手順を通じて、テキストマイニングは企業が膨大なテキストデータから有益な情報を抽出し、ビジネス上の意思決定を支援します。
テキストマイニングを実施する際のポイント
テキストマイニングを実施する際のポイントは以下の通りです。
- 用途の明確化: テキストマイニングを行う目的を明確に設定します。顧客満足度の向上や課題解決の迅速化等目的によって分析手法や使用するツールが変わるため、このステップは重要です。
- データソースの確認: 分析対象となるデータソースがどのようなものかを確認します。データの種類や量、品質などが分析結果に影響を与えます。
- データの構造化: テキストデータは非構造化データであるため、分析可能な形式(構造化データ)に変換する必要があります。このためには、自然言語処理技術等の技術が必要となります。
- 辞書機能の活用: テキストマイニングでは、特定の単語やフレーズに対する辞書機能が重要です。辞書機能を活用することで、より精度の高い分析が可能となります。
- 分析結果の活用: テキストマイニングの結果は、具体的なアクションを実行するための情報源として活用します。分析結果を基に、ビジネス戦略の策定やサービス改善を行います。
音声とテキストを組み合わせた「音声マイニング」ならコラボスへ
音声マイニングとは、音声データから重要な情報を抽出するための技術です。具体的には、音声認識技術を用いて音声データをテキスト化し、そのテキストデータをテキストマイニング技術で解析することで、有益な情報を見つけ出します。
音声マイニングは、特にコールセンターなどで大量に生成される音声データの分析に有効で、顧客の声(通話録音)から顧客ニーズを可視化し、顧客の興味・関心をAIで解析することが可能です。これにより、顧客の不満やニーズ、興味・関心のポイントを把握し、それらを基にしたビジネス戦略の策定やサービス改善が可能となります。
「UZ(ウズ)」は、株式会社コラボスが提供する音声マイニングツールです。このツールは、音声認識と感情分析機能を搭載しており、顧客とオペレーターの通話をテキスト化し、通話からトラブルや課題と思われる箇所、顧客の興味・関心ポイントを時刻で可視化することが可能です。また、AI技術により、興味・関心ポイントを自動抽出し、それを基に広告テキストやトークスクリプトの作成が可能です。これにより、コールセンターの業務効率化や売上向上に貢献します。
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まとめ
本記事ではテキストマイニングの定義からメリット、分析方法など様々な観点で解説してきました。
テキストマイニングは、自然言語処理を使って大量のテキストデータから価値ある情報を抽出する技術であり、ビッグデータ時代の到来や自然言語処理技術の進化により注目されています。センチメント分析や共起分析などの手法を用いて、顧客の感情やニーズを理解し、ビジネス戦略やサービス改善に活用していきましょう。
また、音声マイニングも進化し、音声データからの情報抽出を可能にし、ビジネス上の意思決定を支援することが可能となっています。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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