パーソナルデータとは?個人情報との違いやメリット、活用事例を紹介
取扱いが厳しい個人情報ですが、顧客の行動が多様化する現代においては、その行動を把握し、それぞれの顧客に合うようにカスタマイズしたアプローチが必要です。ではその情報の扱い方、注意点などを確認し、正しく使う方法を学んでいきましょう。
パーソナルデータの定義
ずいぶん前から、「個人情報」というワードはよく耳にしてきましたが、「パーソナルデータ」に関しては聞きなじみのない方も多いのではないでしょうか。「パーソナルデータ」とは、個人に関する全てのデータを指します。氏名住所生年月日から、携帯電話の位置情報、健康情報をも指します。
パーソナルデータと個人情報は何が違う?
「パーソナルデータ」と「個人情報」の違いですが、「個人情報」は「パーソナルデータ」の中に含まれます。「パーソナルデータ」は例えば、
- スマートフォンから取得した位置情報サービス
- ウェアラブル端末から取得した情報
- 移動履歴、購入履歴
など個人に関する様々な情報のことです。
「個人情報」は、氏名、年齢、生年月日、パスポートナンバーなど、個人を特定できる情報のことを指します。
ビッグデータとは
「パーソナルデータ」は、ビッグデータの一種として扱われます。そもそもビッグデータとは読んで字のごとく、「大量のデータ」という意味です。通常、人間の手では扱えないような、大量のデータのことを指します。
オープンデータ
オープンデータとは、政府や地方自治体が公開するデータのことです。国民の誰もが確認できます。人口の分布や、地図、感染症の状況などがオープンデータにあたります。
ノウハウのデータ
ノウハウのデータは、企業がこうすればうまくいく、といった、パーソナルデータではないデータのことです。事業のことから、会社の管理まで様々なノウハウを指します。
ストリーミングデータ
ストリーミングデータとは、システムのログイン履歴、サーバの稼働履歴といった、その機器やシステムが動き続ける限り、蓄積されていくログのことを指します。
パーソナルデータ
パーソナルデータは、個人情報を含む、個人に関する情報のことを指します。個人の購入履歴、位置情報、Webページの閲覧履歴等がそれにあたります。
パーソナルデータの用途は?
パーソナルデータは、どんな場面で使われているのでしょうか。一例を記載します。
- ユーザが興味のあるニュース記事を表示させる
- 通販サイトで、過去購入した商品と似たものをおすすめ欄に表示させる
- スマホの位置情報データから昼夜人口推移マップを作る
昨今では、コロナウイルス感染症の影響により、個人のスマホの位置情報を取得して、マップ上に混雑情報を転記し、なるべく人がいない(空いている)時間帯にその場所を訪れよう、といった政府による取り組みがありました。
パーソナライゼーションとの関係性
パーソナルデータと似た言葉に、「パーソナライゼーション」という言葉があります。これは、「パーソナライズ」という個人に最適化するという意味の動詞の、名詞系です。つまり、顧客の購買履歴や閲覧履歴に基づいて、最適な情報を提示すること、となります。
パーソナルデータを使用するメリット
パーソナルデータを使うと、色々な統計がとれるのはわかりましたが、パーソナルデータを使うメリットとはなんでしょうか。
ひと昔前であれば、顧客はなにか物を購入するとき、お店に見に行って購入する、という流れが一般的でありました。しかし今は、情報収集の段階から、複雑化しています。顧客は情報収集手段として、雑誌、テレビ、SNS、など様々な方法をもちあわせています。情報収集の手段だけではなく、購入方法も多岐に渡ります。
今まで通り店頭で購入、ブランドのサイトで購入、大手通販ショッピングサイトで購入する方法など。このように顧客の行動が多岐に渡ることから、サービス提供側も様々な方法でのアプローチが必要です。顧客一人一人に最適なアプローチのために、パーソナルデータは必要だと言えるでしょう。
パーソナルデータを使用時の注意点
さて、パーソナルデータを利用するメリットばかりをお伝えしてきました。ここでは取扱い時の注意点について記載します。
パーソナルデータが広く利用されるようになってきたのはここ最近であり、まだ明確にルールが定まっていない部分も多数あります。パーソナルデータは個人を特定できない情報ではありますが、個人に関する情報であることには違いないため、取扱いには十分注意しなくてはなりません。
パーソナルデータを取り扱う事業者の義務
パーソナルデータと似た言葉に、匿名加工情報という言葉があります。これは、特定の個人を識別できないように個人情報を加工、また復元できないようにした情報のことを指します。
個人情報保護委員会が匿名加工情報に関する事業者の義務として下記のことを定めています。
- 適切に加工すること
- 安全措置を実施すること(加工方法が漏洩しないようにすること、苦情がきたときの適切な処理)
- 公表義務(作成したときと、第三者に提供する際にそれぞれ公表しなくてはならない事項があります)
- 識別行為の禁止(匿名加工情報を本人を識別するために、他の情報と照合すること)
仮名加工情報について
匿名加工情報とは別に、仮名加工情報というものがあります。仮名加工情報は、「他の情報照合しない限り特定の個人を識別できないように加工した個人に関する情報」です。匿名加工情報は、個人の特定ができないように加工した情報なので、仮名加工情報のほうがセキュリティの面では緩いものになります。
パーソナルデータの実際の活用事例3選
テレマティクス保険
1つ目の事例として、テレマティクス保険を挙げます。テレマティクス保険とは、自動車に装備されている端末で走行距離や、運転速度やブレーキのかけ方といった、情報を取得して、事故リスクを分析、結果によって保険料を算定する保険の仕組みです。海外では主流の仕組みですが、近年日本でも広がりつつあります。
人口統計データ
2つ目の事例として、人口統計データを挙げます。これは、個人のスマホの位置情報をリアルタイムで獲得し、ドットマップとして表現し、どの町・さらにどの建物に人が多く集まっているのかを示すものです。コロナウイルスが蔓延した際に、人込みをなるべく避けるために、こういったマップをみてから行動した方も多いのではないでしょうか。
SNS広告
3つ目の事例として、SNS広告を挙げます。例えば、インスタグラムでは、ユーザの年齢や過去に見たものに合わせて表示する広告を変えています。筆者のインスタグラムは、美容関連(脱毛やエステ、ダイエットのためのジム)の勧誘広告が多いです。他人のインスタグラム広告を除くと、全く違った広告が表示されます。
パーソナルデータについてのQ&A
行動データとは?
行動データとは、ユーザ・顧客の行動履歴のことです。インターネット上で、このページにアクセスした、この商品を購入した、といったログのことを指します。このデータを利用し、最適なアプローチを実施します。
パーソナルデータの活用は安全なのか?
個人を簡単に特定できないといっても、自分の位置情報などを他人に知られることは抵抗があると思います。最近の若者は友達同士で位置情報を共有する、と聞いたことがありますが、少なくとも筆者は抵抗があります。テレマティクス保険のような画期的な仕組みに活用されることは嬉しいことではありますが、その企業が情報漏洩する危険性も0ではない状況において、心配要素が残ることは確かです。その企業が信頼できるのか、どんな情報が提供されるのかはサービスの利用前に確認することが自分自身の情報を守る第一歩でしょう。
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この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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