コールセンターの応対品質管理のポイントとは?
企業の印象を左右するコールセンターには高いサービス品質が求められます。
SNSでの情報拡散などにより電話応対の内容ひとつで企業イメージが急落する可能性もある昨今、応対品質管理は業務における最優先事項といっても過言ではありません。
サービス品質の向上が求められる中、どのようにしてコールセンターの品質管理を行えばよいのでしょうか。
この記事ではコールセンターの品質管理のポイントをご紹介していきます。
コールセンターの応対品質管理とは?
コールセンターの応対品質管理とは、簡単に言えばコールセンターの主業務である応対業務の品質を向上させるための取り組みです。
応対品質とはオペレーターの言葉遣いや態度、電話のつながりやすさ、適切な情報の提供など、コールセンター全般の品質を指します。
応対品質管理がめざすのは顧客から見て使いやすく便利なコールセンターで在り続けることです。
応対品質管理を実践することで常に高いサービスレベルを維持できるようになり、顧客にとってもサービス提供側にとっても望ましいコールセンターに近づきます。
コールセンターの品質管理が重要な理由
なぜコールセンターの品質管理が重要なのでしょうか。
理由として最初に挙がるのが、顧客満足度の向上です。
コールセンターは直接的な利益を生み出す部門ではありません。
普通に考えれば最低限の品質が維持できればいいように思えますが、実際にはコールセンターの品質が企業イメージに直結するため、どの企業も品質管理を重要視しています。
コールセンターの業務では電話応対などを通じて顧客と直接コミュニケーションをとります。
コールセンターはまさに企業の窓口であり、顧客にとってはコールセンターの応対品質がそのまま企業イメージとなります。
もしぞんざいな応対をすれば企業そのものがぞんざいでいい加減だと思われてしまいます。丁寧で満足の行く応対をすれば顧客は企業に対して好印象を持ちます。
企業イメージ、ブランドイメージがますます重要になるなかで、企業の顔として機能するコールセンターの品質管理は重要であるとされ、各企業はこぞってサービス品質向上に向けた取り組みを行っています。
コールセンターの品質管理の方法
コールセンターの品質管理の方法としては「自己調査」「外部診断」「データ分析」の3つの方法が有力です。
自己診断ではコールセンターの運営が主体となって品質管理を行います。
主な方法としてはオペレーターへの聞き取り調査、個別面談、実務チェックなど直接的な方法で調査を行います。
管理側が直接サービス品質をチェックできるというメリットがある一方で評価される側が普段通りに業務しにくい、管理者の負担が重いといったデメリットがります。
外部診断では業務を評価する外部サービスを活用して品質管理を行います。
匿名で問い合わせを行ってサービス品質をチェックするミステリーコールやオペレーターの業務対応を専門基準で評価する業務診断などの手法が用いられます。
他社の品質管理も行っている調査会社に依頼することで豊富なノウハウをいかしたアドバイスや客観的評価が期待できます。
データ分析では業務を通じて蓄積されたデータを分析し応対品質を管理します。
コールあたりの応対時間や待ち時間、問い合わせの多い時間帯の分布など客観的にデータを分析することで隠れた課題を浮き彫りにします。
品質管理の方法はひとつではありません。複数の手法を組み合わせ、多角的に管理を行うことが応対品質の向上につながります。
品質管理を行うときのポイント
品質管理はただやるだけでは意味がありません。
適切な手法を正しい内容で実践することが重要です。
問題点をチェックするだけでなく改善に向けた取り組み提案や手法の評価など、全体を見て必要な対応をとることがサービス向上につながります。
継続的に行う
品質管理を行うにあたって重要なポイントが継続性です。
コールセンターの業務はその日その時に良いサービスが提供できればいいというものではありません。
毎日受ける問い合わせに対し常に丁寧に応対し高い品質のサービスを提供しなくてはいけません。
オペレーターにとっては数多い問い合わせのひとつであっても電話をかけてきた顧客は悩みを抱え、すがる思いで連絡してきているのです。数ある問い合わせのひとつだからとぞんざいに扱うことは許されません。
品質管理の取り組みとして行われるモニタリングを、継続的に行うことで調査結果のばらつきを減らし現状を公平に知ることができます。
サービス品質は時間帯や曜日によって変わるのが当たり前です。
シフトに入っていたオペレーターがたまたま優秀で良い結果が出ることもあります。
品質管理を継続的に行えば問題点を残さず洗い出せます。
サービス品質がばらつく原因を見つけ出せば品質向上のきっかけになります。
品質管理の取り組みを一時の結果だけで終わらせないためにも継続的に取り組みましょう。
KPIを設定する
品質管理の取り組みではKPIを設定しましょう。
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で日本語では「鍵になるような重要業績の評価指標」と訳されます。
KPIは最終目標達成のために必要な中間目標です。コールセンターの品質管理においては見直しが必要な各項目でどの程度改善が進んでいるのかを示す指標としてKPIが用いられます。
コールセンターの品質管理で設定すべきKPIとして最初に挙がるのが「オペレーターの対応力」です。
言葉遣いやコミュニケーション能力などオペレーターそれぞれの対応力をチェックしKPIを用いて評価します。
「つながりやすさ(サービスレベル)」もKPIとして設定すべき項目です。
いつまでたってもつながらないコールセンターほどいらいらするものはありません。
電話をかけてオペレーターにつながるまでの待ち時間などつながりやすさを、応答率などを基準にしてKPIを設定し評価します。
また、問い合わせをしたのに満足の行く回答が得られなければ顧客満足度は上がりません。
提供される情報がふさわしい内容なのか「情報の正確性」についてKPIを設定し品質管理を実践します。
KPIを設定することでチェック項目を客観的に評価できます。品質管理の効果を最大限に引き出すためにも適切なKPIを設定してください。
必ずフィードバックする
品質管理でもっとも重要なのが業務へのフィードバックです。
どれだけ時間と費用をかけてチェックを行っても情報を集めただけでは意味がありません。
モニタリングや外部評価などを通じて集めた情報を分析し、改善に向けて業務にフィードバックすることで初めて品質管理の効果が発揮されます。
チェック作業を医者の診断に例えるならフィードバックは治療行為に該当します。
問題点を洗い出しただけで満足してしまってはサービス品質の向上は望めません。
チェック項目で明らかになった問題点に対して、改善に向けたアイデアを出し、さらにフィードバックを通じて業務品質の向上ができ、初めてコールセンターの応対品質管理に意義が生まれます。
コールセンターにおける品質管理の課題
コールセンターの業務品質向上に欠かせない品質管理ですが、実践するにあたって解決すべき課題もあります。
まず、品質管理を行うためには費用がかかります。
コールセンターの規模にもよりますが品質向上に効果が期待できる取り組みを継続的に行うとなると費用負担はそれに応じて膨らみます。
必要な支出を惜しむべきではありませんが、経緯削減が叫ばれるなかで充分な予算を確保するのは大きな課題です。
公平性を保つための客観性も重要課題です。
品質管理のための業務評価では余談を挟まない客観的な評価が必要です。
しかし、運営者が客観的な評価を行うのは簡単ではありません。
外部サービスを活用しても客観性の確保には限界があります。
生産性とのバランスも課題のひとつです。
一人あたりの応対時間を増やして丁寧にサービスするなど品質向上のための取り組みは生産性の低下を招きます。
生産性を落とすことなくいかに品質を向上させられるかは永遠の課題です。
コールセンターの応対品質をさらに向上させるには?
コールセンターの応対品質をさらに向上させる方法として、効果的なのがコールセンターシステムの導入です。
コールセンターシステムを導入することで改善項目のひとつであるつながりやすさは大きく進歩します。
待ち時間の案内やオペレーターへの振り分け、データ分析を通じた最適なシフト案の作成などコールセンターシステムを導入すれば様々な課題が解決されます。
CTIとCRMを連携させれば電話を受けるだけで顧客情報が画面に表示されます。
個人情報を確認してから情報を検索する手間が不要になるため、待ち時間短縮や適切な情報提供に大きな効果を発揮します。
顧客情報の管理も一括で行えます。見えない不満やニーズを掘り起こすのに顧客情報の分析は欠かせません。
通話を録音した音声データも後からチェックできるので応対マニュアルの作成などオペレーターの育成にも役立ちます。
コールセンターシステム選びのポイント
コールセンターシステムはいろいろな企業が提供しており選択肢は豊富です。
システム選びではいくつかの候補を比較して希望条件を満たすシステムを探してください。
機能で選ぶ
コールセンターシステムの機能に注目するのは基本中の基本です。
通話録音やコンピューターとの連携など基本的な機能をチェックするのは当然ですが、具体的に導入するシステムを選ぶ場合は、コールセンターでの活用を想定して必要な機能をピックアップする必要があります。
例えばコールセンターシステム以外に外部サービスを活用する予定であれば、連携できるかどうかは重要なポイントです。
基本情報以外にも顧客情報を記録できれば更なるビジネスチャンスにもつながります。
稼働状況をリアルタイムで分析できれば生産性の改善に役立ちます。
機能が豊富でも必要な機能がないシステムでは無意味です。
必要な機能が利用できるかどうかに注目しましょう。
コストで選ぶ
コールセンターシステムの導入にはある程度のコストがかかります。
会社の規模やコールセンターに求める役割に対してコストが適切かどうか、きちんと見極めることが重要です。
コールセンターシステムは導入すれば終わりというものではありません。
維持運営していくにはランニングコストがかかります。
初期費用と維持費用を合わせて総合的なコストを確認してください。
将来性で選ぶ
導入時は最新のシステムであっても使い続ければ古くなるのは当然です。
ひとつのシステムを長く使い続けられるかどうか、将来性に注目しましょう。
ソフトウェアのアップデートやシステム更新などサポート体制が万全であればシステムの継続利用も難しくありません。
コストが安くてもサポートが不十分だとすぐに古びてしまう可能性があります。
今後の更新計画を踏まえながら将来の利用を考えてシステムを選びましょう。
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この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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