生産性の高いコールセンターに欠かせないストレスチェックとは?実施方法や活用ポイントを解説
コールセンターの課題として離職率の高さが挙げられます。その原因の1つとしてクレーム対応や長時間労働、業務に対して覚えることが多いことなど、精神的なストレスが挙げられます。多くのコールセンターが離職防止のため、環境改善によるストレス軽減に取り組んでいますがすぐに効果的な対策を打つのは難しいのではないでしょうか。
そこで今回は、ストレスの原因調査に役立つストレスチェックや業務の負担を軽減するCTIについて詳しく解説していきます。
コールセンターでストレスチェックを行うメリット
コールセンターでストレスチェックを行うことのメリットは、オペレーターが現在抱えているストレスを数値化できることです。過度なストレスを抱えたままの業務はオペレーターにとって大きな負担になります。こうしたストレスを放置しておくと最悪の場合、休職や退職につながる恐れがあります。
定期的にストレスチェックを行うことで、オペレーターがどのような業務でどの程度のストレスを感じているが把握できるので、配置転換や研修など適切な対応が可能になります。
オペレーターがストレスを溜め込むことでもたらす影響
オペレーターがストレスを溜め込むことは、本人だけではなくコールセンター全体にも大きな影響を及ぼします。ここではストレスを溜め込むことでもたらす、以下3つの影響について詳しく解説していきます。
- 顧客満足度の低下
- 遅刻や欠勤など勤怠の悪化
- 離職率の増加
顧客満足度の低下
ストレスが溜まることで、オペレーター本来の能力が発揮できず、普段の行っている業務でもミスをしてしまうことがあります。ミスを繰り返すことで精神的な余裕がなくなるため、さらに大きなストレスを抱えてしまうことになります。ストレスによりメンタル面が安定していない状態で顧客との応対を行うと誤った案内や配慮の欠ける発言など、クレームにつながる可能性があり顧客満足度の低下となるでしょう。
また、別のオペレーターにも負担がかかり、コールセンター全体の生産性にも影響がでます。オペレーターのパフォーマンス低下は、社内への影響だけではなく顧客満足度の低下にもつながります。
遅刻や欠勤など勤怠の悪化
ストレスによる心身の不調は、遅刻や欠勤など勤怠にまで影響を及ぼします。オペレーターが1名でも遅刻や欠勤するだけでセンター全体の応答率は下がり、顧客満足度が低下します。また、別のオペレーターへの負担が増えることで業務効率が下がります。その結果、クレームの発生や生産性の低下の原因となり、オペレーターのさらなるストレスの原因となるでしょう。
離職率の増加
コールセンターの課題である高い離職率の最も大きな原因がオペレーターの精神的ストレスです。業務の生産性だけを追求してしまうとオペレーターの抱えるストレスに気付けず、結果として離職者を生むことにつながります。
1人でもオペレーターが欠けることで、残されたオペレーターの業務量が増えることになります。また、退職者が出ることでセンター内の運営方針などに不安を持つきっかけにもなるでしょう。結果として過度なストレスや離職率の増加につながります。
離職による欠員を補うため、新人を採用しても教育するための時間や人手が足りず、基本的な教育ができていない状態で顧客との応対にあたらせることになります。応対の基礎ができていない状態ではクレームを引き起こすことになり、さらなるストレスにさせるといった悪循環が起こります。
ストレス原因の早期発見につながるストレスチェックの実施
ストレスチェックとは、定期的にオペレーターや責任者など従業員のストレスを測定し適切なケアを行うための制度です。従業員が50名以上の会社は、年に1回のストレスチェックが厚生労働省から義務づけられています。
ストレスチェックの目的は、ストレスによるメンタルヘルス不調の1次予防です。ストレスを調査するだけではなく、大きなストレスを抱える従業員には医師の面談などを実施することで、メンタルヘルス不調を未然に防ぐことができるでしょう。
ストレスチェックの注意点
ストレスチェックの実施は産業医や保健師に限られており、企業に該当の従業員が在籍していない場合は、外部に委託しストレスチェックを実施します。ストレスチェックの対象は社員だけではなく、パートやアルバイトも含まれます。また、ストレスチェックの義務は企業側にのみあり、従業員側には義務ありません。
そのため、ストレスチェックを実施する際は、従業員の同意を得る必要があります。その他、プライバシーと保護の観点から、ストレスチェックの結果は従業員に直接通知され、本人の同意なく企業が結果を知ることができません。
コールセンター業務でオペレーターが感じるストレス
コールセンター業務は、さまざまな商品・サービスの知識や電話応対だけではなく、情報入力の作業など非常に多くの業務があります。業務量の多さからオペレーターは疲弊しストレスを抱えることになります。ここではオペレーターが感じる、以下5つのストレスついて詳しく解説していきます。
- 覚えることが多い
- クレーム対応
- 鳴り続ける顧客からの電話による長時間の拘束
- 不十分なサポート
- 旧システムによる使いづらさ
覚えることが多い
コールセンター業務では顧客からの問い合わせに対して、素早く的確な受け答えが求められます。オペレーターはこうした問い合わせに答えるため、商品やサービスについての「深い知識が」必要になります。しかし、取り扱う商品やサービスが多いと覚える量も増えるため、深い知識を付けることはオペレーターにとって課題といえるでしょう。
また、オペレーターの業務は顧客と電話で話すだけではなく、応対内容を分かりやすく整理し、システム上に入力する作業があります。オペレーターはより多くの電話応対を行うため、顧客と通話しながら入力作業が行えるよう高いPCスキルも求められます。求められる知識レベルや、電話応対を行いながらの入力作業など、覚えることの多さがストレスの1つとなっています。
クレーム対応
オペレーターが感じるストレスの1つとして、「クレーム対応」が挙げられます。特に顧客からの問い合わせに対応するインバウンド業務では、クレームの発生率が高く大きなストレスの原因となっています。クレームには、「オペレーターの応対品質や商品・サービスに関するクレーム」と「企業やオペレーター個人に非のないクレーム」の2種類があります。
応対や商品・サービスに原因がある場合、誠意のある姿勢で応じることが大切です。また、企業や個人に非のない理不尽なケースであったとしても、顧客の気持ちに寄り添い一言一句、細心の注意を払い応対する必要があり精神的なストレスの原因となっています。
鳴り続ける顧客からの電話による長時間の拘束
コールセンターでは応対品質を保つため、一定の間隔で休憩を取ることを推奨されています。しかし、インバウンド業務では顧客満足度に影響する応答率を下げないためにも、鳴り続ける顧客からの電話に応答する必要があり、オペレーターは休憩を取ることができなくなります。自由にトイレにも行けない、しっかりとした休憩が取れない環境は大きなストレスとなり結果的に応対品質の低下につながります。
不十分なサポート
商品やサービス、システム操作を覚えるためのマニュアルが不足していると充分な知識を持たずに顧客応対を行うことになります。知識が不足している状態で顧客対応を行うとシステムの操作に時間が掛かり、顧客を長時間待たせてしまったり、質問に回答なかったりとクレームに発展することがありストレスの原因となるでしょう。
また、責任者は業務の工数が多く、オペレーターに対してのサポートが手薄になる場合があります。コミュニケーションの不足は、職場環境や業務への不安につながり大きなストレスとなります。
旧式システムによる使いづらさ
業務内容や人間関係以外でのストレスに、顧客情報の検索や応対履歴を残すためのシステムの使いづらさが原因となることがあります。旧式のシステムだと顧客から問い合わせが入った際にどの顧客からの問い合わせなのか、氏名や電話番号、住所などをヒアリングして顧客情報を検索する必要があります。
電話を通してヒアリングするため、聞き取りづらいこともあり、すぐに検索することができず何度もヒアリングすることも少なくないでしょう。こうした旧式システムの利用は顧客、オペレーターどちらにとっても大きなストレスとなっています。
オペレーターのストレスを軽減する方法
オペレーターのストレスはパフォーマンス低下を招き、顧客満足度の低下や勤怠の悪化、離職率の増加など企業にとって大きな悪影響を及ぼします。ここではオペレーターのストレスを軽減する、以下3つの方法について詳しく解説していきます。
- 責任者(SV)の育成
- マニュアルの充実化
- 最新システムの導入
責任者(SV)の育成
責任者による商品・サービスの知識やPCスキル、顧客との応対を想定したロールプレイングなど研修の充実化など、オペレーターが抱える業務に対しての不安を解消させることが重要です。
また、オペレーターでは対応しきれないクレームの代理対応やオペレーターの稼働状況のモニタリングを行うことで、信頼関係の構築ができ職場環境に対するストレスの軽減になります。こうしたフォローアップを行うためにも責任者のスキルアップや責任者となる人材の育成がストレスの軽減につながっていくでしょう。
マニュアルの充実化
業務を行う上で商品・サービスに関するマニュアルやFAQの不足は、オペレーターが業務を行う上で大きな不安やストレスとなります。最新の情報や顧客からの問い合わせ内容をFAQやマニュアルに反映し、センター全体で共有することで安心して業務に取り組むことができ、オペレーターのストレス軽減にもつながるでしょう。
最新システムの導入
最新のコールセンターシステムを導入はオペレーターの負担軽減につながります。顧客から問い合わせがあった際、顧客情報や過去の応対履歴をPC上に表示しながら応対ができるため、スムーズ応対やクレーム対応に役立ちます。また、応対後の入力作業を簡潔にする機能で業務負担を軽減することが可能です。
最新のコールセンターシステムには、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。オンプレミス型は専用サーバーの構築やインフラ設備が必要なため、導入には高いコストが必要です。一方、クラウド型はインターネット上のシステムを利用するため、サーバー構築やインフラ設備が必要なく、導入コストを抑えることができます。そのため、多くのコールセンターでクラウド型システムの導入が進んでいます。
業務の負担軽減に役立つCTIシステム
CTIシステムとは、電話やFAXをPCと連携できるシステムのことです。コールセンターでは顧客満足度の低下や離職率の高さが課題とされており、その原因の1つが業務量の多さから来るストレスです。
そのため、オペレーターのストレス軽減に取り組むコールセンターが増えていますが、人手不足などさまざまな課題を抱えているのが現状です。CTIシステムは業務の効率化によるオペレーターの負荷軽減ができるシステムで多くのコールセンターで導入が進んでいます。
CTIシステムの主な機能
CTIシステムにはさまざまな機能が搭載されており、業務の効率化によるオペレーター負担軽減ができます。ここではCTIシステムの代表的な、以下5つの機能について詳しく解説していきます。
- ささやき機能(ウィスパリング)
- ACD機能
- IVR(自動音声応答機能)
- 統計管理機能
- ポップアップ機能
ささやき機能(ウィスパリング)
ささやき機能とは、オペレーターが顧客と応対している際、責任者からオペレーターにだけに聞こえるアドバイスや伝言ができる機能です。まだ顧客応対に慣れていない新人オペレーターは顧客との応対に大きな不安を抱えています。
ささやき機能を活用することで応対中にリアルタイムでアドバイスができるため、安心して顧客との応対ができます。また、クレーム対応中のオペレーターにも適切な回答のアドバイスができるため、クレーム対応によるストレスも軽減されます。
ACD機能
ACD機能とは、スキルや担当に応じてあらかじめ設定した優先度に合わせて着信の振り分けを行う機能です。ACD機能を活用することで、一定のオペレーターに着信が偏ることを防ぐことができ業務量の違いによる不満が発生しにくくなります。
また、スキルに応じて振り分けることもできるため、オペレーターは自身のスキル外の着信を受ける必要がなくなりストレスの軽減につながります。
IVR(自動音声応答機能)
IVRは営業時間外や問い合わせが混み会った際に、自動音声にて1次応答ができる機能です。コールセンターの業務はスムーズかつ的確な対応が求められるのと同時に、クレーム対応などもありメンタル面への負荷が大きい業務です。
しかし、問い合わせが増えるとオペレーターは休憩を取ることができず、メンタル面への負荷が増え応対品質を維持することができなくなります。IVRを活用することで、電話がつながりにくいことでの顧客の不満を防ぐだけではなく、オペレーターへのストレス軽減にもつながるでしょう。
統計管理機能
統計管理機能はコールセンターを運用する上で重要な着信数や応答数、応答率などのデータを可視化できる機能です。データを可視化することで、着信数が多い時間帯や応答率が悪い曜日などが把握できます。
データを基に今後の予測を立て、着信数の多い時間帯に人員を配置するなどシフトの調整を行うことでオペレーターの負荷を軽減できます。
ポップアップ機能
ポップアップ機能は顧客からの入電があった際、電話番号を基に顧客情報を検索して、PC画面に表示できる機能です。電話を受ける前にあらかじめ、名前や住所を確認してから応対に入ることができます。オペレーターが顧客から情報をヒアリングした上で顧客情報を検索する手間が省けるためストレスの軽減につながります。
まとめ
コールセンターの課題である離職率を軽減するためには、ストレスチェックを実施しどの業務に対してどの程度のストレスを抱えているのか把握することが重要です。ストレスの原因を把握することで適切な対応や環境改善を行うことができるからです。
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この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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