2020/09/29
マネジメント
WFM(ワークフォース・マネジメント)とは?意味や機能、導入後の手順を紹介
コールセンターは現在、慢性的な人材不足に陥っており、最適な人員の確保が難しくなっています。
限られたリソースでサービス品質を維持するために必要な考え方が、WFM(ワークスフォースマネジメント)です。
この記事ではコールセンターにおけるWFMについて、重要性やWFMシステムの機能、メリットなどを解説していきます。
目次
WFM(ワークフォース・マネジメント)とは?
コールセンターにおける WFM(ワークフォース・マネジメント)とは、入電数に対して適正な人員配置を配置する考え方、あるいは人員配置を支援するシステムのことを指します。
WFMは時間ごとの必要人員の予測から、シフトの作成、勤怠まで、人的リソースに対する施策全般のことを指し、その代表として、入電数の予測に対して効率的な人員配置を行うなどの施策が挙げられます。
WFMは応対品質と業務効率の両立を目指すコールセンターにとっては、欠かせない存在です。
WFMが必要な理由とは?
WFMは労働力に対する依存度の高いサービス業やホスピタリティなどの労働集約型産業に応用することができるマネジメント手法です。
特に、時間や曜日、メディアの露出などによって業務量が大きく異なるコールセンターは、WFM導入の効果が非常に高いです。
着信数に対してオペレーターが不足していると、サービスレベルが下がり顧客満足も低下します。
AHT(Average Handling Time:平均処理時間)の削減によってサービスレベルの向上は期待できますが、オペレーターのスキルに大きく依存することや、応対品質の低下というリスクが発生します。
逆に、着信数に対してオペレーターが過剰しているとコールセンターの稼働率が下がり無駄なコストが発生しています。
WFMのポイントは、応対品質を維持させながら人件費の削減させる点です。
またオペレーターの経験年数やスキルにあまり依存することなく、コールセンターの稼働率を効率化することが可能です。
WFM導入のメリット
管理業務の工数削減
「年末年始は呼量が増えるから人員を増やそう」、「TVCMが流れたあとは呼量が増えるから休憩にいくのは控えるようにアナウンスしよう」など、シフト・人員管理が必要です。ですが、WFMシステムを導入すると、シフト管理を自動で実施してくれるため、管理工数が削減できます。
顧客満足度の向上
入電予測などの機能がついているWFMシステムを利用すれば、過去の呼量のデータをもとに、シフトを調整してくれます。よって、多くコールが入ってきても、対応できる体制を整えることができ、顧客側からみたときに、「電話がつながりにくい」ということが少なくなります。よって顧客満足度向上につながるでしょう。
シフト管理
過去の呼量データをもとに、シフト調整をしてくれます。呼量が多い日と少ない日の調整をしてくれるので、効率よくオペレーターを配置することができます。
人件費削減
管理工数、オペレーターの効率配置などにより、人件費の削除が見込めます。コールセンターのように人手がどうしても必要かつ、オペレーターの時給が高い部署としては、嬉しい限りですね。
WFMシステムの機能
着信が多いタイミングは長年の経験や勘からある程度把握することが可能ですが、それに伴う人員配置を考え、シフトを作成し、管理することは簡単ではありません。
そういった課題を解決できるのがWFMシステムです。
WFMシステムはCMSと連携し最適な人員管理を支援します。
近年ではCMS機能を持ったCTIが増えてきています。
またCTIは近年クラウド化が進んでおり、導入コストを抑えてWFMに役立つCTIを導入することが可能となっています。
ここからはシステムの主な機能とそれによって得られるメリットをご紹介していきます。
入電予測による必要人員の割り出し
WFMのメインの機能となるのが、入電の予測と、要員手配の管理です。
過去のデータをもとに、曜日、時間、製品など、多角的に分析し入電の予測値を抽出します。
また、その予測をもとにして、時間帯や曜日ごとの過不足を見える化し、修正することが可能になります。
- メリット
最適な数のオペレーターを配置することで、サービスレベルの向上→顧客満足度の向上が期待できる無駄な人件費を発見し、削減することが可能。
オペレーターのスキル登録
オペレーターそれぞれの勤務状況や、応対品質などスキルや社会保険加入有無、時給などのステータスも登録することが可能です。
入電の予測値による過不足に合わせて、最適なコストとなる人員配置を支援します。
- メリット
シフト表の作成支援だけでなく、コールセンター全体のスキルの傾向を把握することが可能。
シフト作成・管理
入電の予測値と、オペレーターのスキルレベルに合わせた最適なシフトを自動で作成します。
作成されるシフト表は、導入するシステムによって異なりますが、非常に見やすいものが多いです。
- メリット
管理者やSVのシフト作成にかかる負担を大幅に削減可能。
勤怠(作業)管理
出勤時刻と退勤時刻だけでなく、オペレーターの生産性などをリアルタイムで確認することが可能です。
コールセンター全体の稼働率を瞬時に把握できるため、突発的な人員不足などに対し早急に対処することが可能になります。
- メリット
管理者やSVの業務がわかりやすくなり負担を軽減できる。
WFMシステムを導入後の流れ
WFM同様に導入したあとはシステム導入の成果を出すためにも、WFMを活用していくことが肝要です。
ここからはコールセンターでWFMを導入してからのステップを確認していきます。
WFM活用のステップは主に5つのプロセスに分けられます。
過去データのセットと検証
過去のコール数など、どれだけの業務量が発生したかをシステムに学習させます。そして、そのデータを用いて、これからどれくらいのコールが発生するかを予測します。
そして、その予測が正しいかどうかを検証します。
窓口単位で業務の設定を行う
どの業務にどの人員を割り当てるかを決めます。
例えば、コールセンターでは、問い合わせ対応や商品説明など、さまざまな問い合わせ窓口が存在する場合が多いため、それぞれの窓口を「業務」として登録しておきます。
スキル定義と業務の割り振り
各業務をこなすために必要な能力(スキル)を定義します。
例えば、英語で電話対応ができるか、特定の商品について詳しいかなど、それぞれのオペレーターがどんなスキルを持っているかを適正に応じて登録します。
スタッフ情報を登録する
オペレーターの名前や所属部署、経歴、対応可能な言語、技術スキルなどをシステムに入力します。
これにより、どのオペレーターがどの仕事に最適かを判断できます。
KPIを登録する
KPIとは「重要業績評価指標」のことで、目標を設定し、その達成度を測るための指標です。
例えば、コールセンターでは、どれだけ早く電話に出られるか(応答率)、1時間にどれだけの件数を対応できるかなどがKPIとして設定されます。
これをWFMに登録することで、オペレーターのパフォーマンスを評価できます。
WFMシステムの選び方
課題を確認する
1つ目に、まずはWFMシステムを入れたい理由を考えてみましょう。シフト管理をしたい、作業管理、呼量予測、などWFMシステムでできることはさまざまありますが、自社が今、なにが不足しているかまずは考えましょう。そして、WFMシステムベンダーに課題を伝え、解決策を提案してもらいましょう。
必要な機能があるかどうか
2つ目に、必要な機能が本当に備わっているのか、本当にその機能を使ったら現状の課題を克服できるのか、課題1つずつに対して確認しましょう。時間に余裕があれば、要件表のような表をつくり、複数社のWFMシステムを比較してもよいでしょう。
コストは適切かどうか
3つ目に、WFMシステムは継続して利用するものですから、どんなによい機能が備わっていたとしても、費用が高く、最終的に赤字になってしまったり、利益を大幅に占有してしまうのであれば意味がありません。最低利用期間なども含め、先を見据えて導入しましょう。
自社の規模にあっているか
最後に、そもそもWFMが自社の規模にマッチしているかの確認も重要です。
FMシステムは、中規模から大規模な企業に特に効果的です。
こういった企業の場合、多数のオペレーターを管理し、複数の業務を効率的に割り当てる必要があります。
コールセンターの生産性向上ならシステムの導入がおすすめ!
WFMでは最適な人員配置によって、コストを抑えつつコールセンターの生産性を向上させる考え方です。
しかし、人員配置によって効率化できる部分は限られており、さらなる効率化を望むのであればコールセンターシステムの導入が必要です。
ここからは、コールセンターの生産性向上が期待できるシステムをご紹介していきます。
CTI
コールセンターの運営に欠かせない存在がCTIです。
CTIとはComputer Telephony Integrationの略でPCと電話を連携させる技術のことを指します。
CTIを導入することで、PBX(構内交換機)機能を利用できるほか、ACD(着信振り分け)、IVR(音声自動応答)、CMS、モニタリング機能なども利用することが可能です。
入電に対する応答率などを自動的にデータとして収集できるほか、IVRによってATT(平均通話時間)を短縮できるなど、コールセンターの生産性向上が期待できます。
CRM
CRMとは、Customer Relationship Managementを略したもので、一般的には顧客管理システムのことを指します。
CTIと連携することで、入電と同時に顧客情報を画面にポップアップさせることができるため、顧客情報を検索する時間(顧客を待たせる時間)を削減し、大幅な効率化が見込めます。
また、後処理も一部自動化することができるためACW(平均後処理時間)の削減も期待できます。
音声認識システム
最近では音声認識の精度が上がり、リアルタイムで音声をテキスト化できるシステムが増えてきています。
通話内容をテキスト化することで、フィードバックの際に音声を全て聞く必要がなくなるため、SVの負担を削減することが可能です。
また、顧客情報と通話データを連携させることで、過去の通話内容をすぐに確認できることや、リアルタイムでのテキスト化によって聞き返しの手間がなくなるというメリットがあります。
コールセンターシステムならコラボス!
コールセンターでWFMを導入し、生産性を向上させるのであれば、ぜひコラボスのコールセンターシステムの導入を検討してください。
コラボスは2001年からクラウド型コールセンターシステムのパイオニアとして、750以上の拠点でシステムをご利用いただいてきました。
長年培ったコールセンターに関するノウハウを活用したシステムで、コールセンターの生産性や顧客満足度の向上、売上アップを支援いたします。
コールセンターのWFMやシステムに関する疑問がございましたらぜひ、コラボスまでお問い合わせください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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