2022/06/24
マネジメント
インバウンドコールセンター オペレーターが抱える3つの苦悩
コールセンターは顧客と企業をつなぐ重要な窓口として、さまざまな業種が運営をしています。
中でも「インバウンド」と呼ばれる顧客から寄せられる問い合わせ専門のコールセンターは年々増加しています。
ですが、インバウンド業務に従事するオペレーターの離職率は高く、コールセンター業界内でも深刻な人手不足の大きな原因となっています。
今回はインバウンドコールセンターで働くオペレーターの抱える悩みやコールセンターの円滑な運営方法などを詳しく解説します。
目次
インバウンドとアウトバウンドの違い
コールセンターには大きく分けて顧客からの問い合わせに対応する「インバウンド業務(受電)」と企業や一般家庭に自社のサービスや商品を紹介する「アウトバウンド業務(架電)」の2つがあります。
文字通り、電話を「受ける」「掛ける」以外にもそれぞれの業務内容は大きく異なります。
具体的なインバウンド・アウトバウンド、両者の業務内容の違いをご紹介します。
インバウンド業務
インバウンド業務は自社のサービスや商品に対する問い合わせの対応を行います。
顧客から寄せられる問い合わせ内容は、業種によって多岐にわたるため、それぞれ専門の窓口がおかれるのが一般的です。
インバウンド業務の代表的な窓口には、商品やサービスに対する取り扱い方法や購入手続きなどを案内する「カスタマーサポート」と主にシステムに関する不具合の解消や接続方法などを案内する「テクニカルサポート」に分けられます。
その他、問い合わせ業務全般を総称し「テレフォンオペレーター」と呼ばれることもあります。
アウトバウンド業務
アウトバウンドは企業や一般家庭に商品やサービスの案内の電話を掛け購入を勧める、いわゆる営業活動を行うが業務のことをいいます。
営業担当者が商談のためのアポイント取りや、資料送付の手続きを行う「テレアポ」と自社の商品のサンプル使用者や購入者を対象に商品の感想や満足度などのアンケートを行い、定期購入などを勧める「テレマーケティング」がアウトバウンド業務の代表例として知られています。
インバウンドコールセンターで働くオペレーターの悩み
一般的にコールセンターの仕事は「ノルマがきつい」「クレーム対応で心が折れる」などネガティブなイメージを持たれがちです。
インバウンド業務は営業ノルマのあるアウトバウンドと比べ、比較的ストレスの少ない業務に思われますが、イメージ通り顧客からの感情的なクレームや心無い言葉で精神的なダメージを負うオペレーターも多いのが実情です。
そのほかにもインバウンド業務を担当するオペレーターは、給与や業務体制などさまざまな悩みを抱えています。
オペレーターが抱える悩みについて詳しく解説します。
業務内容と時給が見合っていない
アウトバウンド業務に比べて営業ノルマがない分、インバウンド業務の時給は100~200円ほど低いのが相場です。
ですが、数多くの呼量に対応しなければいけない・顧客のクレーム対応に精神的な負荷が掛かるなど一般事務などと比較すると負担の大きい業務といえます。
また、専門的な知識の習得や通話内容の入力など事務作業も多く、業務量の多さに見合った給与が支払われていないと感じるオペレーターも少なくありません。
ピーク時にはトイレ休憩すら取れない
繁忙期やピークタイムには顧客からの入電が殺到するため、トイレにすら行けないと不満を持つオペレーターも少なくありません。
通販サイトなどTVCMなどを放映する企業のコールセンターでは、CM放送直後の呼量数はオペレーターの数を大きく凌ぐケースも多くみられます。
ピークタイムにつながらなかった呼量はそのまま呼損に直結するため「せっかく掛けたのにつながらなかった」とクレームにもつながります。
そのため、ピーク時の対応はオペレーターにとって肉体的にも精神的にも大きな負荷となるのです。
専門用語など覚えることが多すぎる
カスタマーサポートやテクニカルサポートのオペレーターは、商品やサービスについてはもちろん、それらに関わるさまざまな知識を習得しなければなりません。
また、センターの印象を良くするためにビジネスマナーや礼儀についても高いレベルを要求されます。
それらの知識習得は受電対応と並行して行わなければならないため、コールセンターの求めるレベルについていけずに、退職を考えるオペレーターが増える原因にもなっています。
悩みを抱えたまま退職するオペレーターは多い
さまざまな悩みを抱えるオペレーターですが、悩みを解決できないままセンターを去るケースが後を絶ちません。コールセンターの離職率は他業種と比較しても高く、中には離職率30%を超えるセンターも珍しくありません。
コールセンターの離職率が高い原因は、在籍数に対して入電数が多すぎる・オペレーターの指導や管理を担当する正社員の数が足りておらず、十分な研修やサポート体制が整っていないなどが考えられます。
また、呼量に見合う人員を確保しないといけないため、人件費が掛かり、本来の業務量に見合うだけの給与が支払われにくいといったことも離職率の高さに関係しているでしょう。
クラウドコールセンターがインバウンド業務の課題を解決
インバウンド業務に限らず、コールセンターのオペレーターの抱える悩みを解決するツールとして、クラウドコールセンターがあります。
クラウドコールセンターシステムは、顧客からの問い合わせの1次対応を自動音声システムが担当します。24時間365日運用が可能なため、ピークタイムを含めオペレーターだけでは対応が難しい時間帯などでも迅速な対応が可能です。
また、インターネット回線を利用したシステムなら低コストでの運用も可能なので、大幅なコスト削減も期待できるでしょう。
ここからはクラウドコールセンターに実装されている機能について詳しく解説します。
業務の偏りをなくすACD
ACDと呼ばれる着信振り分け機能は、センターの稼働状況に合わせて対応が可能なオペレーターに自動で電話をつなぐ役割を持っています。
ACDの活用で一部のオペレーターに業務が集中することを防ぎます。
また、スムーズな対応により、呼損を減らすこともできるので業務の効率化や顧客満足度の向上も期待できるでしょう
IVRが業務の負担を軽減
オペレーターに変わり音声システムが顧客の問い合わせに対応する機能のことをIVRといいます。
問い合わせに対する回答や、商品の購入手続きやサービス内容の変更など簡単な手続きはIVRでも対応が可能です。
込み入った内容の相談や専門的なサポートについては、オペレーターが対応しなければなりませんが、オペレーターの受け持つ件数が少なくなるため、1人当たりの業務負荷を軽減することができます。
まとめ
今回はインバウンドコールセンターで働くオペレーターの抱える悩みや、コールセンターの円滑な運営に欠かせないクラウドコールセンターの特徴や活用などを詳しく解説しました。
コールセンターは企業と顧客をつなぐ重要な拠点といえます。とりわけ、インバウンドコールセンターで働くオペレーターに求められるハードルは高いといわざるを得ないでしょう。
そのため、心身ともに強いストレスを抱えたオペレーターの離職率は上昇し、深刻な人手不足を招くのです。
こうした悪循環を断ち切り、円滑なセンター運営を行うためにもクラウドコールセンターの導入を検討してみるのも良いのではないでしょうか。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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