コールセンターでロープレ研修を行う重要性とは?効果的に実施する方法も

コールセンターでオペレーター業務を行う場合、状況に応じた柔軟性と対応力が求められるため、業務マニュアルだけでは処理できないケースは少なくありません。顧客の要望ごとにどのような対応が望ましいのか、経験を積まなければ分からないことも多いでしょう。

そこで重要となるのがロールプレイング(略して”ロープレ”)による研修です。

さまざまな場面を想定したロープレを行っておくことで、実際の業務でも冷静に対応できるようになります。新人オペレーターの不安解消・ストレス軽減にも繋がるため、コールセンター運用において重要な要素です。

そこで当記事では、コールセンターにおけるロープレの必要性から実施方法について、詳しく解説いたします。

 

ロープレとは?

ロープレとは「ロールプレイング/Role Playing」の略で、役を演じるという意味を持つ言葉です。

業務上で起こりうるさまざまな場面をシミュレーションし、疑似体験することで、現場で必要となる対応力などのスキルを養う目的で行われます。

主に営業など顧客と直に接する職種で実施される研修方法です。

 

コールセンターにおけるロープレの重要性とは

コールセンターのオペレーターは、顧客との会話に正解が存在しないため、業務マニュアルだけで適切な対応はできません。また顧客と1対1でコミュニケーションを行うのが基本なので、会話の中でSVや上司がオペレーターをフォローすることもできません。

一方で、顧客は窓口のオペレーターが「プロ」であるという前提で問い合わせを行っています。顧客の問いに対し、オペレーターは適切な対応をしなければなりません。そのため経験年数を問わず、現場のオペレーターには一定以上の対応力が求められるのです。

 

そこで重要となるのがロープレ研修です。

ロープレ研修を通じて予め業務を疑似体験すれば、実際の対話でも戸惑うことなく対応できることの幅が広くなります。

イレギュラーな場面も含めて、多種多様なシミュレーションを行っておくことで、現場での対応力を養えるのです。

 

ロープレ実施の手順

質の高いロープレを実施するためには、事前準備をしなければなりません。

ロープレを行う目的から全体の流れまでをオペレーターがしっかりと理解しているか否かで、実施後の効果に大きな差が生まれるためです。

まずはロープレを実施する際の基本的な手順を解説します。

 

実施目的の共有

ロープレを実施する目的について、研修を受けるオペレーターに共有します。

そもそもオペレーターの仕事は何のために行うのか、ロープレを通じてどのような効果を見込んでいるのかなど、研修の目的を明確にしておくことが大切です。

 

全体の流れの解説

トークを行うときの全体的な流れについて解説しておきます。

ここでいう流れとは、顧客との会話の運び方や商品説明のタイミングなどが主軸です。

例えば「コールを受けたら、まずは挨拶と個人情報の確認を行い、用件に耳を傾けて…」など、あくまで概要の説明にとどめておきましょう。セリフの指定などあまりに細かな指示を出してしまうと、会話の全体像を掴む余裕がなくなってしまいます。

 

トークスクリプトの説明

使用頻度が高いトークスクリプトについて、ひとつずつ内容の意味を説明します。そうしなければ、基本となる流れ以外が自己流のオペレーションになってしまうためです。

より現場に近い環境を想定して研修を行うため、スクリプト以外の内容は話してはいけないと、明確にルールを定めておきましょう。

 

ロープレの実施

事前に説明した内容をベースに、講師が顧客役としてロープレを実施します。

実際に声出しを行いながら、1人ずつ研修を行っていきましょう。その後二人一組で顧客役・オペレーター役に分かれ、それぞれロープレを行います。

 

重要なのは顧客役・オペレーター役がそれぞれの役割になりきるということです。

現場と同じ環境に寄せて状況を再現することで、双方の心境も理解しやすくなり、都度どう対応すればいいのかがお互いに分かるようになります。

 

質の高いロープレを実施するためには?

顧客満足度向上に繋がる、質の高いロープレを実施するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

オペレーター本人の姿勢はもちろん、指導を行う講師側も意識すべき点がいくつかあるので、注意しておきましょう。

ここからは、より高品質なロープレを行うために重要なポイントについて、詳しくご紹介いたします。

 

シーンの設定を詳細に

ロープレを実施する際は、顧客の要望や属性などコールシーンを詳細に設定することが重要です。

具体的に顧客の年齢・性別・性格・家族構成をはじめ、自社商品の使用歴・コールセンターの利用回数など、ペルソナ像を細かく決めておきましょう。

そして事前に決めた設定はオペレーターには伝えず、ロープレを実施するのです。

こうすることでより良質な疑似体験を生み出し、オペレーターの育成にも大きな効果が期待できます。

 

真剣にロープレに挑む

ロープレを通じてオペレーターの対応力を伸ばすには、可能な限り実際の業務と同じ雰囲気に近づけなければなりません。

そのためには、顧客役の演技力が強く求められます。ロープレの雰囲気がリアルであればリアルであるほど、練習としての質が高くなるのです。

これはオペレーター側も同じで、真剣に取り組まなければ練習の意味がありません。もし双方におざなりな雰囲気が出始めた場合は、すぐに仕切り直しが必要です。

 

フィードバックを適切に

ロープレではフィードバックによる見直しがとても大切です。

例えば、商品説明が上手くできるか否かなど、オペレーターの知識に重点を置いたロープレだけを行っている場合、スキルアップは難しいかもしれません。もちろんこれらの説明も大切ですが、さまざまな顧客に対応するための対応力を身に付けることにつながらないためです。

オペレーターのスキルアップに繋げるためには、対応力が必要となるさまざまなシーンの設定と、実施後のフィードバックを具体的に行う必要があります。

フィードバックを行う際にも、改善点の指摘だけでなく、良かった点も評価するなど、オペレーターのモチベーションをアップさせる工夫も大切です。

 

段階的にOJTへ移行していく

どんなに質の高い疑似体験を繰り返していても、現場経験を積まなければ、一定以上の成長は見込めません。新人オペレーターの教育では、ロープレを行いながらも段階的にOJTへ切り替えていくようにしましょう。

ただし不慣れな実業務では、緊張や不安から十分なパフォーマンスを発揮できない可能性が高くなります。SVが適宜サポートを行いながら、OJTとロープレを並行して研修を進めていくといいでしょう。

 

まとめ

ロープレはオペレーターの練習だけでなく、現段階のスキルがどの程度か把握するためにも役立つ研修方法です。また、さまざまなタイプの顧客を設定し、対応させることで、日常の業務だけでは難しい対応もできるようになります。

ロープレの研修は参加者の業務を止めて行われます。そのため、1回1回のロープレでどれだけ効果的にオペレーターのスキルを上げられるかが重要です。

オペレーションと同じく、ロープレに絶対的な正解はありません。顧客役の変更やシーンの見直しなど、試行錯誤を繰り返しながら、最大限効果が見込める方法を探してみてください。

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