クラウド型コンタクトセンターの機能やメリットデメリット、選び方を解説【2024年最新】
コンタクトセンターシステム(コールセンターシステム)は、現代のビジネスにおいて顧客対応を効率化し、顧客満足度を向上させるための重要なツールです。
本記事では、コンタクトセンターシステムの基本から、CTIやPBXといった重要な技術、システムの種類や導入メリット、そして最適なシステムの選び方までを詳しく解説します。
そもそもコンタクトセンターシステム(コールセンターシステム)とは?
「コンタクトセンターシステム」とは、コンタクトセンター業務を行うために必要な機能を備えたシステムのことです。このシステムが一般化する前は、オペレーターが電話を受けて、話された内容をメモしながら対応していました。しかし、IT技術の進歩により、業務効率化を支援するシステムが開発されました。
このシステムは非常に多機能で、問い合わせ対応や電話の効率化だけでなく、顧客情報の管理やWeb上でのFAQシステムなども提供します。そのため、企業では複数のシステムを組み合わせて導入することが一般的です。
まずは、コールセンターシステムを理解するために、CTIとPBXの基本機能について説明します。
コンタクトセンターシステムで重要なCTI・PBXについて
CTIとは
CTIは、電話機とコンピューターを統合する技術で、1990年代に登場しました。この技術の登場により、着信の転送や録音などが効率的に行えるようになりました。最近ではCRMやIP-PBXと組み合わせて使われるだけでなく、ボイスボットを介した自動応答の導入も進んでいます。
こうした機能によりオペレーターの負担が軽減され、企業のイメージアップにも繋がります。スマートフォンの普及でコンタクトセンターの需要が増え、システムの機能も多様化しています。
PBXとは
PBXはPrivate Branch Exchangeの略で、企業内の電話交換機を指します。このシステムは、外部からの電話を複数の内線に同時につないだり、社内での内線通話を可能にしたりする役割を果たします。特に、コールセンターシステムでは、電話とインターネットを統合するために不可欠な存在です。
コンタクトセンターシステムの主な種類
インバウンド型
インバウンド型コンタクトセンターシステムは、顧客からの問い合わせやサポートリクエストを受け付けるためのシステムです。主な機能には以下があります。
- ACD: 自動着信分配機能で、顧客からの着信を空いているオペレーターに自動的に振り分けます。
- IVR: 自動音声応答システムで、顧客が電話をかけた際に自動的にガイダンスを提供し、適切な部門に振り分けます。
アウトバウンド型
アウトバウンド型コンタクトセンターシステムは、企業側から顧客に対して電話やメールなどで連絡を取るためのシステムです。主な機能には以下があります。
- ダイヤラーシステム: 自動的に電話をかけるシステムで、オペレーターが効率的に多くの顧客に連絡を取ることができます。
- キャンペーン管理: 特定のキャンペーンに合わせて、ターゲットリストを作成し、効果的な架電を行います。
クラウド型のコンタクトセンターシステムのメリット
クラウド型コンタクトセンターシステムは、従来のオンプレミス型システムにはない多くのメリットを提供します。
ここでは、クラウド型コンタクトセンターシステムの5つのメリットをご紹介します。
導入・運用コストの削減
クラウド型システムの最大の利点は、初期費用を抑制できることです。オンプレミス型のように専用機器を購入する必要がなく、比較的低コストで導入できます。
また、システムの保守や更新はサービスプロバイダーが担当するため、ライセンス料を支払うだけでメンテナンス費用はほとんど発生しません。
迅速な導入
従来のオンプレミス型システムでは、自社内にシステムを構築するため、導入までに数ヶ月以上かかることもあります。
一方、クラウド型システムは専用機器を設置する必要がなく、導入プロセスが少ないため、圧倒的にスピーディに運用を開始できます。
柔軟なコスト調整
多くのクラウド型システムは、利用量に応じた「従量課金制」を採用しています。使用した分だけ費用を支払うことで、繁忙期や閑散期に応じたコスト調整が可能です。これにより、導入コストだけでなく、ランニングコストの軽減も実現できます。
場所を選ばない
クラウド型システムは、インターネット接続があればどこでも利用可能です。専用の拠点を確保する必要がなく、リモートワークにも対応できます。自宅でコールセンター業務を行うことや、在宅型コールセンターの構築も簡単に実現できます。
クラウド型のコンタクトセンターシステムのデメリット
クラウド型コンタクトセンターには多くのメリットがありますが、いくつかの課題やデメリットも存在します。導入にあたっては、これらのマイナス面についても十分に理解しておくことが重要です。
長期的なコスト面の考慮
クラウド型は導入コストとランニングコストが低いとされていますが、月々の利用料が発生します。長期間にわたって運用すると、総コストが高くなる可能性があります。長期的な運用を検討している場合、オンプレミス型の方がコストを抑えられる場合もあります。
カスタマイズの難しさ
クラウド型システムは既製品として提供されるため、オンプレミス型のように自社の業務形態に応じて一からシステムを構築することは難しいです。そのため、特定のニーズに応じたカスタマイズが制限される可能性があります。特殊な機能や高度な調整が必要な場合、満足のいく結果が得られないこともあります。
クラウド型のコンタクトセンターシステムを、コールセンターに導入するメリット
オペレーターの負担が軽減される
コールセンターでは、電話だけでなく、専用フォームやチャット、SNSなど、さまざまな受付方法が利用されています。オペレーターがすべてに対応するのは大変です。
コールセンターシステムを導入すると、CTIシステムが自動で担当オペレーターに着信を振り分けます。また、自動音声案内で対応できる場合もあり、オペレーターの負担を軽減できます。さらに、クラウド型システムならPCとインターネットがあれば簡単に運用でき、業務フローを大きく変えずに短期間で導入可能です。
顧客満足度が向上する
市場の急速な変化に対応するには、顧客満足度を上げることが大切です。商品やサービスの質だけでなく、顧客の問題をすぐに解決し、信頼関係を保つことが求められます。
コールセンターシステムの「ACD」を使うと、問い合わせ内容に応じて専門部署や特定のオペレーターに自動で振り分けられます。これにより、顧客は待たされずに質の高い対応を受けられます。
また、問い合わせと同時に顧客情報が表示されるため、過去の問い合わせや購入履歴を参考にスムーズに対応できます。
さらに、熟練オペレーターの対応を記録・共有することで、新人オペレーターの教育に役立ち、応対品質の向上と標準化が図れます。
顧客データを活用できる
最近、企業では社内の顧客データなどを有効活用する取り組みが広がっています。特にコールセンターでは顧客の声を直接聞くことができるため、この貴重な情報をビジネスに活かさないわけにはいきません。
コールセンターシステムとCRMシステムが連携することで、問い合わせを通じて得られた顧客情報を保存し、将来のマーケティングや営業戦略に役立てることができます。顧客のニーズや属性を理解し、オペレーターのパフォーマンス向上にも役立てることができるため、コールセンターシステムに蓄積されたデータには多くの可能性があります。
たとえば、コールセンターに蓄積された音声は、顧客が何に興味・関心を持っているかを調べるデータとして活用することができるでしょう。
ニーズのある在宅勤務に対応できる
最近では、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務やテレワークが急速に増えました。企業にとって、ワーク・ライフ・バランスを重視する社風や在宅勤務の柔軟性が魅力となっています。コールセンターにおいても、適切なセキュリティ対策や情報共有手段を整えれば、オペレーターが在宅で業務を行うことが可能です。
クラウド型のコールセンターシステムを利用すれば、インターネットを通じてオペレーターが自宅から業務を遂行できます。また、小規模な期間限定のプロジェクトにも対応可能な製品が多く存在し、試験的な運用や繁忙期の一時的なコールセンター立ち上げにもスムーズに導入できます。
コンタクトセンターシステムの選び方
コンタクトセンターシステムを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。
- 目的と機能: 自社のニーズに合った機能を持つシステムを選びましょう。例えば、ACDやCTI、CRMなどが含まれます。
- ユーザーインターフェース: 使いやすいインターフェースは、オペレーターの効率を向上させます。直感的で操作しやすいシステムを選びましょう。
- インバウンド型・アウトバウンド型: 顧客からの問い合わせ対応(インバウンド)か、営業活動(アウトバウンド)か、どちらを重視するかを明確にします。
- クラウド型かオンプレミス型か: クラウド型は初期費用が低く、拡張性に優れていますが、オンプレミス型はカスタマイズ性が高く柔軟に機能を実装することができます。
- システム連携: 既存のシステムとの連携が可能かを確認します。例えば、CRMとの統合がスムーズに行えるかが重要です。
- サポート体制: 導入後のサポート体制が充実しているかも重要なポイントです。
- セキュリティ: 顧客情報を扱うため、データのセキュリティ対策がしっかりしているシステムを選ぶことが重要です。
これらのポイントを考慮して、自社に最適なシステムを選びましょう。
コンタクトセンターシステムの導入ならコラボスへ
VLOOMは、AI技術を活用した多機能性によりオペレーターの負担を軽減し、柔軟なコールフロー設定で顧客対応を迅速化します。クラウドベースのシステムで在宅勤務にも対応可能で、顧客データの活用によりパーソナライズされたサービス提供が可能です。こういった機能を用いることで、顧客満足度が向上し、効率的なコンタクトセンター運営の実現に寄与します。コンタクトセンターシステムの導入をお考えの方はぜひ、VLOOMの導入を検討してみてください。
まとめ
コンタクトセンターシステムは、企業の顧客対応を支える重要なインフラです。CTIやPBXといった技術を活用し、インバウンド型やアウトバウンド型、クラウド型・オンプレミス型など多様なシステムが存在します。
これらのシステムは、オペレーターの負担軽減や顧客満足度の向上、顧客データの活用、在宅勤務対応など、多くのメリットを提供してくれます。最適なシステムを選ぶためには、自社のニーズに合った機能やコスト、セキュリティ、スケーラビリティなどを総合的に考慮することが重要です。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
会社情報について詳しくはこちら