2020/07/30
顧客情報管理
CRM施策とは?重要性や具体例、戦略の立て方、おすすめツールを徹底解説
現代では顧客のニーズは多様化しており、顧客と長期的に良好な関係を築くうえで欠かせないマーケティング手法がCRMです。良好な関係を実現するため、システムやツールとしてのCRMを導入しようかと検討している企業が多くいます。
この記事では今CRMの導入を検討している方に向けて、CRMの基本から、施策内容までご紹介していきます。
CRM施策とは?
CRMとは、「Customer Relationship Management」の頭文字を取ったものであり、日本語では「顧客関係管理」やシンプルに「顧客管理」といいます。顧客毎の情報を蓄積・管理・分析を行い、それぞれ合ったサービスを提供することで、顧客満足度アップやブランドロイヤリティの向上を目指すマーケティング戦略や仕組みのことです。
これは、不特定多数の人を対象とするマス・マーケティングから顧客を特定、それぞれの顧客のニーズに合わせたマーケティングを行う「One to Oneマーケティング」が主流になった時代により提唱されるようになったマーケティング手法です。分析を行うことで、消費者一人一人にそれぞれのアプローチをすることが可能になることに加え、収益増加に繋げることも可能というのが基本的な考え方になります。
CRMの機能
CRMシステムには、様々な機能が搭載されています。主な機能としては、CRMのベース機能となる顧客管理・データベースの機能。また、その顧客管理情報をもとに、顧客へのアプローチ手段として活用可能なメール配信機能、さらに顧客接点の重要なポイントといえる、問い合わせフォームの作成機能、CRM以外の外部ツールと連携するためのシステム連携機能などが備わっています。
マーケティングに効果的なCRM施策の具体例
ここからは、マーケティングに効果的なCRM施策について、具体例を挙げながらご説明してまいります。
①問い合わせフォーム
ほとんどのCRMツールで、問い合わせフォームの作成が可能となります。また、問い合わせフォームに入力された情報は、自動的にCRMツールへ登録されていきますので、より多くの顧客情報の蓄積に役立てることができます。
②メール配信
CRM上に登録されている顧客に対し、メール配信を行うことが可能となります。セミナー実施後のメールや、商品・サービスに関するメール配信など、顧客をカテゴリ分けしたのちに、その分類ごとに適した内容のメール配信を行うことが可能です。
③流入経路の把握
CRMでは、顧客の動きを可視化することが可能です。流入経路を把握することで、WEB上でどのような動きをしているのか、どのような検索ワードが多く使用されているのか把握でき、成約につながりやすい流入経路の分析などに役立てることができます。
④ポイントカード
ポイントカードを発行している場合、その発行時に登録された情報をCRMに蓄積していくことが可能です。これにより、商品の購買行動データなども管理することが可能となり、よりその顧客にあった内容のDMなどを送ることが可能となります。
⑤LINE公式アカウント
LINEにて企業の公式アカウントを作成することで、運用を行っている企業も増えつつあります。メールと比較して使いやすいため、開封頻度も多く見込むことができますが、送信頻度を誤ると顧客離れにもつながる可能性があります。
⑥同梱物
商品を送付するのと同時に、親和性の高い別サービスのチラシや、体験版などを同梱することによって、ピンポイントに顧客にアプローチすることができます。
⑦問い合わせ対応
顧客から問い合わせがあった際に、CRMに情報が蓄積されていると、その情報を確認しながら顧客対応することができるため、よりスムーズに正しい方向へ顧客を導くことが可能となります。
CRM施策をすすめるメリット
では、記載したCRM施策を行うことによるメリットはどのようなものがあるのでしょうか。4点にわけて解説していきます。
①新規に依存しないビジネスモデルの確立
CRM施策のポイントの一つとして、既存顧客との関係性構築があります。既存の顧客の顧客満足度を向上させていくことで、リピーター顧客にしていくことが重要です。新規顧客の場合は多大なコストが発生するうえに、想定している結果を得ることができるか、不安定な部分があります。リピーター顧客が増えることで、安定した売り上げを確保することができるため、新規の顧客に依存することなく、売り上げを上げていくことができるビジネスモデルが確立できるのです。
②ブランド力の向上
現在、WEB上には比較サイトなども多く存在し、簡単に他社システム、サービスとの比較を行うことが可能になっています。そのため、他社との差別化を図り、自社のブランド力を向上させていく必要があります。CRM施策を実施することで、自社のサービスの特徴を、様々なチャネルを用いてアプローチすることで、他社との差別化を図ることが可能になります。また、CRM上で顧客を分類し、よりそれぞれにマッチしたアプローチを行うことも可能です。
③顧客情報の一元管理
CRMシステムで顧客情報を一元管理することで、部署間の連携をスムーズに取ることができます。マーケティング部門と営業部門で情報を共有できることによって、より効率的に戦略を練っていくことも可能です。Excelなどで管理している場合に発生するファイルを誤って更新してしまうなどの人的ミスを防ぐことも可能となります。
④顧客情報の蓄積
基本的な顧客情報だけではなく、問い合わせの履歴や購入した商品、契約サービスに関してなど、情報を蓄積することによって、問い合わせがあった際のスムーズな顧客対応が可能になったり、顧客へのアプローチ方法を検討する際の重要な指標となります。
CRM施策をすすめる手順
CRMは、顧客と長期的な良好関係を築くための手法です。ここからはCRMで具体的に何をするのか、その結果何がわかるのかをご紹介していきます。
有効性のある顧客分析を行う
CRMで一番重要といっても過言ではないのが、自社顧客の状況を把握するための顧客分析です。自社の受注データを基に、購買データ分析を行うことで、「いつ」「どんなものを」「どれくらいの値段で」「何回購入された」などが、見えてくるようになります。
こういった部分を分析することで、さまざまなものが見えるようになるのです。
例えば、通販企業ならば「定期購入の〇回目に解約が多い」などの顧客の傾向が数値として見えきます。課題を浮き彫りにすることで、改善とアプローチができるようになります。このように現状を把握することで次の一手が見えるようになるのです。
必要に応じたCRM改善
顧客分析によって自社の現状を知ったら、その次に行うべきは改善策の模索になります。
原因を理解し、商品の利用推進や、商品の使用前と使用後のビフォーアフターを伝えることなど、細かな情報を顧客に伝えることで改善に繋がります。顧客の自然発生的な購入を待つのではなく、こちらから顧客に提案を行っていくことで、より素早く、より効率的に改善策を打つことができるでしょう。
PDCAサイクルを回す
顧客分析を行い、CRM改善を行ったあとは、その効果の検証をします。
その検証をなんとなくで行わず、どこが良くなったのかが具体的にわかれば、PDCAサイクルが回しやすくなります。「継続的にどれだけ改善されたか」や「逆にどこがあまり改善されていないか」など、改善率が悪いところから見直しを行い、さらなる改善へと繋げます。
こういった施策はCRMに限ったことではなく、新規獲得を目指すマーケティングや、自社製品の見直し、顧客対応の改善など、さまざまな場面でいえることです。PDCAサイクルを回し、実際どうだったのかをしっかりと把握することで、今後の展開が変わってくるでしょう。
CRMツールの導入ポイント
CRMツールとは、「顧客と長期的な良好な関係を築き上げ、売上を拡大させることを目的としたシステム」のことをいいます。
ただし、こういったツールを導入すれば即座に問題解決できるとは限りません。あくまでもツールの一つであり、適切なツールを導入することが重要です。
そこで、導入するうえで重要なポイントを紹介します。
導入目的や課題が明確になっているかどうか
自社の現在の課題をしっかりと把握し、導入目的や課題が明確になっていることが大前提です。
それらを解決するためにツールを導入したほうが良いので、細かいところまで明確にすると良いでしょう。その解決に対し、必要な機能が備わっているかどうかを見極めることも大切です。
顧客情報を管理できるかどうか
CRMツールによって管理する顧客情報はさまざまですが、ツールによっては管理できる範囲が異なってきます。導入しようと考えているCRMツールが自社の考えている領域をカバーしているかどうかをしっかりと確認しておきましょう。
万が一、自社が求めている領域をカバーしていなかった場合、無駄となってしまうので注意が必要です。
操作性やカスタマイズ機能の有無
実際にCRMツールを活用して入力などの操作を行うのは、現場のオペレーターです。
「操作性に優れているか」や「自社のスタイルに合っているか」など、その点も導入するうえで重要なポイントになります。操作しやすさや入力項目のわかりやすさなど、活用する人たちにとって良い設計になっているかどうかが比較するポイントといえるでしょう。
また、社内で業界用語などがある場合は、項目名変更などが可能かどうか、資料を一覧でまとめることができるかどうかなど、カスタマイズ機能も大切な要素の一つです。
CRM施策の導入事例
ここでCRMの導入事例を紹介します。CRMを導入することでどんなメリットがあったのか、どんな風に変わったのかなどをまとめました。
応答率90%へ!
関西を中心にホテルや旅館、スポーツレジャーなど幅広く事業を展開しているため、問い合わせのときなどの電話が繋がりにくいという声があり、顧客満足度の低下が懸念されていました。「COLLABOS CRM」を導入した結果、顧客専用窓口を設立し、レポート機能により、各時間帯の着信数の傾向の把握が可能となり、入電数にあわせて適切な人員配置が実現されました。
その結果、応答率を90%まで引き上げることに成功しました。
すべてのオペレーターの対応品質の向上!
マツダグループにおいて、マツダディーラーや自動車整備事業者、部品商といった企業向けに純正部品や用品を提供するマツダパーツ株式会社。
コールセンターにおける人員や運営にかかるコスト、均一したサービス品質の提供など課題を抱えていたマツダパーツ株式会社ですが、「COLLABOS CRM」を導入し、さまざまな課題の改善に成功しています。「COLLABOS CRM」とCTIを連携させることにより、オペレーターの負担が減少し、役割や習熟度に応じた最適な人員を配置できるようになったのです。
また、システム化によって、顧客情報が統一化し、以前されたことがある問い合わせ情報の検索が簡単になりました。
まとめ
CRMツールの導入し、上手に使いこなすことができれば、基本的には「顧客満足度」はアップし、業績に貢献することができます。ただし、CRMツールはあくまで業務改善を担うツールであり、しっかりとデータ蓄積と分析を行うことで、課題が明確になり、的確な次の一手を打てるようになります。
コラボスではコールセンターでの利用に特化したクラウド型の顧客情報管理システム「COLLABOS PHONE」とアウトバウンド業務に特化した「COLLABOS CRM Outbound Edition」をご提供しています。サービスに関するお問い合わせや、お見積もりも受けてつけております。ぜひご気軽にご相談ください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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