2020/08/25
顧客情報管理
顧客分析とは?必要な理由や活用するべきフレームワークを紹介
消費者の価値観やニーズが多様化した今、ビジネスの発展や事業拡大などをするためには、顧客分析が必要不可欠です。
しかし、それらを効率的に行うためには、顧客分析の目的や手段を理解する必要があります。
この記事では顧客分析について、必要な理由やフレームワークについて解説していきます。
目次
顧客分析とは?
顧客分析とは、自社の商品やサービスについて購入、利用した顧客の性別や年齢層などをもとに、どんな理由で購入や利用したのかなどを分析することをいいます。
例えば、年齢層、職種、性別など、さまざまな情報を一定量収集し、それぞれ合ったグループ分けを行います。
顧客分析では、どのようにグループ分けするかが何よりも重要であり、グループ分けることによって、求められているニーズをある程度把握することが可能となるのです。
的確な商品やサービスを提供することで、効率的かつ効果的なアプローチが行え、さらには顧客との関係を深めることができるでしょう。
顧客分析が必要な理由
上記で説明したこと以外にも、顧客分析が必要な理由や目的があります。
ここからは顧客分析が必要な理由を3つに分けてご紹介します。
顧客の行動・ニーズを知ることができる
顧客分析を行うことで、顧客の行動やニーズを知ることが可能で、現状を把握することができます。
一口に現状把握といっても「どんなものが人気で、どんなものが人気ないのか」という単純なものではなく、「人気ないものはなぜ人気ないのか」「どうして人気が出ないのか」などといった一歩踏み込んだ現状を把握することです。
顧客の購入や利用などの情報を数値化することで、人気の理由と人気ない理由がより把握しやすくなります。
顧客の属性や傾向を、目で見て確認できるようになれば、持続的なマーケティング施策の立案が可能となるのです。
施策の評価
マーケティング施策の評価を行うことも重要な目的の一つです。
顧客分析を行うことで、マーケティング施策の評価も行えるようになり、既存顧客へのアプローチ方法や、新規顧客の開拓方法に問題はないかを検証できるようになります。
「どのようなことでどのような効果を得られたのか」や「どのような部分を改善すれば良いか」など、これらを明確することによって、新たな顧客ニーズの創出と課題解決が可能となります。
業績の底上げにつながる
顧客分析は、業績の底上げにつながるという重要な役割を担っています。
上記2つを行うことで強固な事業基盤を構築することができ、売上の維持や顧客獲得にもなり、その結果として業績アップになるのです。
マーケティング施策を適切に評価することができれば、より効果の高い施策だけに集中することが可能になるため、費用の削減にもつながります。
それと同時に、顧客のニーズを的確に捉えることもできるため、顧客離れを防ぐことにも役立てることができるでしょう。
顧客分析のポイント
顧客分析を行うにはポイントが3つあります。
このポイントを押さえておくことで、より具体的な顧客ニーズを捉えることができるでしょう。
市場規模を把握する
顧客分析において大切なことの一つとして挙げられるのが、市場規模を把握するということです。
市場規模とは「需要サイズを把握すること」を指し、販売の際に金額設定や販売数量など、市場規模に関する状況を把握することで、どのようなものが必要とされているのかがわかるようになります。
その情報をもとに、顧客が必要としているものを理解し、先駆けて市場展開することが成功への道となるのです。
また、事業規模に関する情報に関しては、常に把握しておくことで、事業戦力やマーケティングへ活かすことが可能となります。
また、BtoB企業の場合は、ターゲットとなる企業が所属する市場規模も把握する必要があります。
市場規模の現状と、現状がいつまで続くのか、成長の期待値なども把握することで、よりデータをマーケティング戦略の策定に活かすことができるでしょう。
市場規模の調査を行うことが難しい場合は、外部の調査会社に依頼するのも一つの手段です。
より鮮度の高い情報をいち早く手に入れることができるほか、調査にかかるコストや負担を結果的に抑えられるため、調査会社に依頼することも視野に入れておくことをおすすめします。
明確なペルソナを設定する
商品やサービスを提供するためには、「誰に提供するのか」「誰に向けた商品か」など、ペルソナ(ターゲット)を明確にする必要があります。
男性や女性、若者や高齢者など、ペルソナが明確になることで、より効果的に顧客分析を行うことが可能です。
一方で、ペルソナが明確になっていなければ、いくら優良な商品を提供しても、顧客が欲していない可能性があり、業績アップを実現することは難しいでしょう。
購買意思決定のプロセスを把握する
購買行動には意思決定までのプロセスがあり、そのプロセスを把握する必要があります。
人が何かを購入しようと考えるときは「1.注目」「2.関心」「3.欲求」「4.行動」の4段階を経ているといわれており、この流れのことを「AIDAの法則」といいます。
具体的には
- 1.噂で聞いて商品に注目
- 2.その商品のことが気になり関心を持つ
- 3.その商品の情報収集し、その結果欲しくなる
- 4.実際に購入
となり、このようなステップを知らずに経て、人は商品を購入しているのです。
これらのプロセスをしっかりと把握しておくことで、顧客分析で得たデータをより的確に活用することが可能になります。
顧客分析に活用できるフレームワーク
顧客分析のフレームワークはさまざまな種類があり、企業の目的に応じて有効なフレームワークを選ぶ必要があります。
フレームワークによって特徴や活用方法が異なりますので、以下で詳しくご紹介します。
RFM分析
RFM分析は、「Recency(直近の購入した日)」「Frequency(購入頻度)」「Monetary(購入金額)」という意味を持ち、この3つを指標にして、顧客をグループ分けする手法です。
3つの指標に沿って分けられたグループの性質を知ることで、それぞれのマーケティング法を検討することが可能になり、それぞれに合ったアプローチができるようになります。
この手法の一番のメリットは、直近の購入した日と購入金額で分けることができ、定期的に利用する顧客とたまに利用する顧客を分けられ、顧客の購買行動に応じたグループを可視化できる点です。
また、3つの指標を基準に顧客を分けることで、将来性の有無や優良顧客かどうかをグループで分けることができ、優良顧客や離反顧客をデータ化や資料化することで、それぞれに合った効率的なアプローチを行えるという強みを持っています。
さらには、「この日はこれがこれだけ売れる」などを把握できれば、商品の入れ替えや人気商品の追加などがしやすくなり、顧客が購入しやすい環境づくりにもつながります。
RFM分析を活用することで、マーケティングプランの最適化を計り、効率的で効果的なアプローチができるようになるでしょう。
セグメント分析
セグメント分析は「分割する」という意味を持ち、その名の通り市場全体を細分化する手法です。
性別、年齢、職業などからなる特定の基準を定め、その基準から市場を分割していくことで、適切なマーケティング展開が可能となります。
そうすることで、新しいニーズやターゲットを明確かつ具体的に浮かび上がらせることができ、新たビジネスチャンスへつなげることができるでしょう。
さまざまな分析手法があるなかで、最もシンプルな手法で、比較的簡単であることから人気があり、顧客分析を初めて導入するという新規事業や設立したばかりの会社には、非常におすすめです。
デシル分析
デシル分析は、購入金額などで顧客を10等分のグループ分けする手法です。
デシルとはラテン語で「10分の1」という意味であり、この分析手法の名称は購入金額などを軸に10分の1クラスでグループ化できることに由来しています。
デシル分析は、RFM分析に比べて高度な分析が可能であり、また、エクセルでも簡単に使えるという利便性を兼ね備えています。
手順も比較的簡単であり、
- 1.購入金額ごとに顧客を並べる
- 2.10等分になるようにグループ分けする
- 3.各グループの合計購入金額を算出
- 4.全体の購入金額に対し、グループごとの合計売上金額を比率で算出
- 5.上位グループから累計で購入金額を比率で算出
と、5つの工程で完了します。
データさえあればエクセルの簡単な関数のみで行えるため、初めて顧客分析を行う方におすすめの手法となっています。
また、10等分は厳密な数で割り切る必要がないため、利用金額が少ないグループから調整することも可能です。
これほど簡単な分析手法にも関わらず、どの層にどんなアプローチをすべきかが見えてくるため、有益な分析手法といえます。
CTB分析
CTB分析は、「Category(カテゴリー)」「Taste(テイスト・サイズなど)」「Brand(ブランド)」の意味を持ち、この3つを指標として、顧客が今後どのような商品を購入するのかを予測するための分析手法です。
売れ筋商品を割り出すことができる「POSデータ分析」や購入履歴のデータ分析でも、SKU単位や品番単位で分析できますが、それだけでは力不足が否めず、相乗効果を期待することはできません。
そのために3つの指標からグループ分けをし、それぞれをカテゴリー別にする必要があるのです。
カテゴリー分けされたグループに対し、販売戦略を立てやすくなるというメリットがあり、顧客の趣味趣向に合わせたアプローチが可能となります。
さらには「顧客がどんなものを購入したか」「どういった傾向があるか」という細かい点まで分析することができるのもメリットの1つといえます。
そのデータを基準に、売り場づくりや環境づくりをすることで、今後の売れ筋を予測することが可能となり、先回りでの対策もできるようになるでしょう。
NPS
NPSは、「Net Promoter Score」の略であり、商品やサービスをほかの人におすすめしたいかどうかを数値化した指標です。
顧客に対しアンケートを実施し、商品やサービスをおすすめしたいレベルに応じて、0~10点の計11段階で評価してもらいます。
9点~10点は推薦者(Promoters)、7点~8点は中立者(Passives)、そして0点~6点は批判者(Promoters)となり、この3つのグループに分けられます。
今まで計測が難しかった「企業やブランドに対して、どれくらい愛着や信頼があるか」を数値化することで、顧客体験の評価と改善に活かされていきます。
このNPSが高ければ高いほど、商品やサービスを推奨している顧客が多いということになり、長きにわたり良い顧客であり続てくれる可能性が高いといえます。
顧客分析の方法
上記で説明したフレームワークを用いて顧客分析する方法は主に2つあります。
エクセルで管理
顧客分析は、エクセルで作成することが可能です。
エクセルにはSUMなどの三角関数を中心として、COUNTなどの系統関数や、IFなどの論理関数、DCOUNTなどのデータベース関数など、数値を取り扱ううえで便利な関数が多く存在しています。
また、エクセル上で利用できるプログラミング言語VBA( Visual Basic for Applications)も活用すれば、費用を抑えて顧客分析を行うことが可能です。
ただし、精度の高い顧客分析を行う場合、大量のデータを参照することになるため、エクセルでは動作が重くなる可能性が非常に高いです
また、エクセルはマイクロソフトのソフトウェアとなるため、マーケティングツールや広告ツールなど外部ツールとの連携がむずかしいケースもあります。
分析結果をフル活用するのであれば、エクセルではなく顧客分析ツールを利用することをおすすめます。
顧客分析システム
顧客分析システムとは、顧客管理データと連動し自動で顧客分析を行うシステムのことを指します。
顧客分析システムを利用するメリットとしては以下の項目が挙げられます。
- エクセルなどでフォーマットを1から準備することなく利用できる
- CRM(顧客管理ツール)と連携できる
- エクセルと比べてより深い分析を行うことができるなど
最近ではAIを活用した顧客分析システムも登場しており、架電するべきタイミングや優良顧客の発掘など、より精度の高い分析が可能となっています。
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この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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