2020/09/25
顧客情報管理
データ分析ツールとは?選び方やメリット・デメリットを解説
コールセンター業務を円滑に進める上では漫然と業務を行うのではなく、日々業務の分析を行い、改善を図ることが重要です。
この分析はエクセルで実行することもできますし、さらにツール導入で分析のステップアップを図ることも可能です。
今回の記事ではコールセンター業務で役立つエクセル分析やツールについてご紹介します。
目次
データ分析ツールとは何?
そもそも、データ分析ツールとはなんなのでしょうか。データの分析であれば、エクセルや紙の上での計算で可能ですが、それは多くの時間を要すため、何度も実施するとなった時に現実的な手法ではありません。また、データ量が多いときに全てのデータを対象に分析できない場合もあります。そこで、データ分析ツールを使えば多くのデータを簡単に分析できます。
7種類のデータ分析
ABC分析
ABC分析とは、複数あるデータ指標の中から優先順位を決めることです。
- Aランク:累積比率0~80%
- Bランク:累積比率81~95%
- Cランク:累積比率96~100%
Aの対応が終われば、Bへ、Bが終わればCへ、と順番に対応していくことが一般的です。
ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析とは、多くのデータから、結果の見込みを出すものです。例えば、受験生たちの合否について調べるとき、過去の受験生一人ずつの、勉強時間、TV閲覧時間、塾へ通っているか通っていないか、と合否のデータを分析し、これから受験する学生の合否の確率を求めることができます。
クロス集計
クロス集計は一般的な集計方法であり、集めた回答データを、設問を掛け合わせて集計することです。例えば、アンケート調査を「満足」「やや満足」「やや不満」「不満」といった1つの設問だけで分ける表をつくると、この設問ごとの結果はわかりますが、年齢や性別によって満足度に差があるかどうかがわかりません。行や列を増やして年齢別の満足度を出すことにより、年齢で満足度に差があるのかどうかが確認できます。
クラスター分析
クラスター分析は、顧客を習性ごとにわけ(値段が高めの高級品志向、コスパ重視のプチプラ思考)、彼らに合った情報を電話やメールで提供することです。
アソシエーション分析
アソシエーション分析は、一見関係なさそうなデータから関係性を見出すことです。例えば、A商品を購入する人は、B商品も購入する傾向にあるなどです。
バスケット分析
バスケット分析は、顧客の買い物カゴ(バスケット)から同時購入の関係性を見つけ出すことです。例えば、アボカドとモッツァレラチーズを一緒に買う顧客が多いとわかれば、商品の陳列時には、アボカドの横にはモッツァレラチーズを置くと、一緒に買う顧客が増えることでしょう。
時系列分析
時系列分析とは、トレンド、周期性、気候、株価などによって影響されることを加味して過去データを取り込んで、未来を予測することです。株価の予測が一番わかりやすい例です。過去の株価の増減データを取り込んで、未来を予測します。
エクセルによるコールセンターのデータ分析でできること
エクセルでは簡単な集計しかできないと考える方も多いですが、実は活用方法次第で深い分析を行うことも可能です。
業務を効率化するうえでは分析によるPDCAサイクルを回していくことが重要です。
例えば、これまで数字では見ていた内容であっても、複数のグラフを並べて比較することでこれまで見えなかった示唆に気づくことがあります。
ボタン一つで条件の絞りを変え、様々な条件でデータを見比べることもできます。
さらに、エクセルの機能を用いれば各種パラメータから相関分析を行うことも可能です。
まずは手軽なエクセル分析から始めてみると、コールセンターの業務改善に役立つ気づきが多いものです。
相関分析と業務の効率化について
そもそも相関分析とは何でしょうか。
相関関係というのは二つ以上の変量が存在する場合に、片方の変量が変化すると、その変化に応じてもう一方の変量も変化するという関係のことを指します。
それではこの相関関係を分析する相関分析がどのように業務の効率化につながるのでしょうか。
例えば、コールセンターでの応対にかかる時間が長いほうが何となく丁寧な対応をしているようなイメージを持ちがちです。ですが、コールセンター利用者のお客様アンケート結果を分析してみると、実は応対時間の短いほうが知りたい内容をスピーディに確認出来て高評価ということもあります。
相関分析を行うことで、顧客満足度向上に必要な要素を特定でき、効率化が可能なのです。
エクセルで行うコールセンター分析のポイントは可視化にあり!
コールセンターの業務は顧客との口頭での対応がメインになるため、意識しないと定性的な情報しか手元に集まらず、分析がしにくいという状況に陥りがちです。
コールセンター分析をエクセルで効率的に行うためには、まず数字を集め、可視化することが重要です。
現状を把握できていないと適切な改善策は出てきません。
現状を把握できているように思っても案外データが散逸していたり、個人で管理していたりとうまく把握できていないものです。
情報量が人によって異なることで、コールセンターの現状に対する問題意識も変わってきます。
この状況を改善するにはまずはデータを集め、エクセルに一元化します。そして、現状について全員で同じ認識を持つことが重要です。
表からグラフへ移行するメリットについて
表で情報を管理しているコールセンターは多いですが、数表を眺めてイメージを持てるのは相当数字に強い人だけです。
数表の段階では何となくよさそうに見えていてもグラフに表してみると現状の問題点が見えてくることもあります。
例えば、応対時間のデータをグラフに表してみると入社年度が浅いオペレーターは応対時間が長い、お昼時は特に応対時間が長い、などといったことがつかめてきます。
その傾向をつかんだ上で、なぜそのような現象が起きているのかを追及することが可能です。
このように、数表ではなかなか見えてこない傾向感がグラフ化することで簡単に見えてくるケースがあります。
グラフ化はエクセルの機能で非常に簡単に対応できますので、数表しか利用していない方はぜひグラフ化してみることをお勧めします。
エクセルでコールセンター分析を行う時に覚えておくべき関数
エクセルには数多くの関数が登録されていますが、コールセンター分析を行う上で本当に抑えておくべき関数は多くありません。
基本的な関数を活用することでコールセンターの業務改善に役立つ分析は可能ですので、最重要関数をご紹介します。
SUMIF関数
- =sumif(範囲,合計範囲,検索条件)
SUMIF関数は特定の条件に当てはまる場合にのみ加算を行うという関数です。
「=sumif(範囲,合計範囲,検索条件)」と打ち込めば利用可能です。
コールセンター分析を行う場合、条件を絞って各データを加算していくことがあります。そのような場合に非常に便利な関数です。
活用例
例えば、応対時間を記録している数表で利用することができます。
入社年次でABCなどとランク分けしている場合にランクごとの応対合計時間を算出することができます。
どの年次で応対時間が長いのか特定できれば、入社後日が短く教育が不十分だから効率的に対応できないのか、経験があり知識が豊富な分丁寧に対応してしまい応対に時間がかかっているのか、などを考えることができます。
COUNTIF関数
- =COUNTIF(範囲,検索条件)
COUNTIF関数は特定の条件に当てはまる場合にのみ数を数えるという関数です。
SUMIFの場合には合計値を計算しましたが、COUNTIF関数の場合にはデータの個数を数えます。
「=COUNTIF(範囲,検索条件)」と打ち込めば利用可能です。
条件を満たす人を手が数える場合、数え漏れが発生しやすいですが、COUNTIF関数を活用すれば簡単かつ正確に数えることができます。
活用例
例えば顧客を利用金額でランク付けしている場合、特定のランクに属する顧客が何人いるのかを数えることができます。
また、COUNTIF関数の変形であるCOUNTIFS関数を利用すれば、複数条件で絞りをかけることが可能です。
利用金額と問い合わせ頻度で顧客を分ければ、コールセンターで重点的に対応すべき顧客か、あまり重要ではないクレーマー顧客かなど判定することができます。
DSUM関数
- =DSUM(データベース,フィールド,条件)
DSUM関数とは、条件を満たすセルの合計を求める関数です。
「=DSUM(データベース,フィールド,条件)」と打ち込めば利用できます。
SUMIF関数の場合には条件を一つしか設定できないという欠点があります。
一方、DSUM関数であれば複数条件を指定できるので活用の幅が広いです。
活用例
問い合わせ区分ごとに応対時間を記録している場合、各区分の応対時間合計を確認することができます。
クレーム対応に時間を使っているのか、利用方法の質問対応に時間を使っているのかなどを確認することができます。
時間を使うべきでない箇所に時間を使っている場合にはマニュアルを変更する等の対処が考えられます。
さらに、オペレーターのランクとクロス集計して問い合わせ区分ごとの応対時間傾向が全オペレーターで同一か、傾向感の違いがあるか等確認することも可能です。
コールセンターの分析に便利なエクセルのアイディア機能とは?
エクセルのアイデア機能とは、データに応じたグラフを自動的に表示してくれる機能です。
データ範囲セルを選択し、ホームタブにあるアイデアボタンを押すだけという非常にシンプルな操作で、データを適切なグラフで示してくれます。
気になる項目があった場合にはクエリボックスを活用することで、データの見せ方を変え、内容を深堀することも可能です。
データをグラフ化し、適宜データを絞ってみたいデータを探す、ということを実行するにはそれなりにエクセルスキルが必要ですので、実行をサポートしてくれるアイデア機能の活用はお勧めです。
コールセンターを効率化するならツールの導入もおすすめ
ここまでご紹介してきたように、エクセルでもかなり分析ができ、業務改善が期待できます。
ただし、エクセル分析では関数を理解して使いこなす必要があり、スタッフごとの習熟度に差が出やすいです。
誰でも手軽に扱えるというわけではないのがエクセル分析の難点だといえます。
一方、分析に特化したツールがあり、そのようなツールを利用すれば操作が簡単でだれでも利用可能です。
また、エクセル分析以上に高度な分析を実行することも可能です。
データ分析ツールを使用するメリット
多くのデータを活用できる
1つ目に、多くのデータを活用できる点です。手作業では、扱えるデータ量には限度があります。比較してツールでは、より多くのデータをCSVなどで取り込むだけで、自動で分析してくれます。今まで使えていなかったデータを利用できるようになり、分析の精度があがります。
作業工数の削減
2つ目に、工数削減です。今まで手作業でエクセル等で分析していたのであれば、ツールの導入により、作業工数は各段に減ります。多くのデータを作業時間を短縮して分析できるようになるので、まさに一石二鳥です。
整ったダッシュボードを出力し、さらに社内で共有できる
3つ目に、ダッシュボードです。多くの分析ツールはブラウザで利用でき、アカウントさえ払い出してもらえば、社内の誰でも分析結果を閲覧できます。より多くの部署で結果を共有することで、結果を踏まえて、新しい施策のアイデアが生まれるかもしれません。
データ分析ツールを使用するデメリット
コストがかかること
デメリットとしては、1つ目にコストがかかることを挙げられます。より多くのデータ量を扱えることと、作業工数の短縮はもちろんいい点ですが、対して、毎月コストがかかることは企業としてはデメリットになります。せっかく導入し、あたらしい施策を回しても、赤字であったり、ツールの費用が売上の大半を占めてしまったら意味がありません。ここは導入前に予測をたてて、慎重に導入しましょう。
導入後、上手く使えないことがある
2つ目のデメリットとしては、導入しても上手く使えないことがある点です。素敵な機能が備わっているツールですが、分析して、整ったダッシュボードを出力して満足してしまうことも少なくありません。せっかく導入しても結果を生かしていかなくては意味がないため、体制を事前に整える必要があります。
データ分析ツールの選択基準
目的を明確にする
1つ目に、目的を明確にすることです。ツールをいれることによって何を実現させたいのか。誰のどのくらいの工数を削減したいのか、を事前に明確にしておくべきでしょう。
比較検討する
2つ目に、比較検討することです。分析ツールといってもいろいろあり、コールセンター向けであったり、人材向けであったり、いろいろな業界に向けたものがあります。自社の使い方を考えた時に、マッチしているツールを選びましょう。
導入後のサポートが自社にあっているか確認する
3つ目に、ベンダーのサポートについてです。導入後、放置されてしまうケースは少なくありません。導入後にもツールの使い方について相談にのってくれるようなベンダーを欲している場合は導入後のサポートについても確認しましょう。逆に、自社内に分析に強い人材が確保できているのであれば、サポートは必要ないかもしれません。
コストを確認する
4つ目に、コストです。当たり前ですが、サービスを利用するためにはコストがかかってきます。(無料のものも中にはあります)継続的にその費用を払い続けたときに費用対効果が得られるのかどうか、事前に確認しましょう。
AIを活用したコールセンターのデータ分析とは
AIを活用してコールセンターのデータ分析を行うことにはどのような魅力があるのでしょうか。
エクセル分析を精度高く実行するには高い習熟度が必要ですが、AIを活用すれば初めての人でも簡単にデータをまとめ、コールセンターの業務効率化につなげることができます。
AI分析とは?
コールセンターのデータ分析にAIを活用するとはどういうことでしょうか。
エクセル分析を行う場合には①データの見やすい形を考える。②どの切り口であれば示唆を生み出せそうか考える。③関数を組む。といったプロセスが発生します。
一方、AI分析はそのようなプロセスをすべて引き受けてくれます。手元のデータを読み込ませるだけで精度の高いデータを示してくれるのです。
AI分析でできること
AI分析を活用すると、顧客を適切に分類し、顧客ごとの適切な対応を検討することができます。
このことにより、利益を生む顧客により多くの時間を割くことができます。
AI分析は最初から完成しているものではなく、結果のフィードバックをもとにさらに制度を高めていくことが可能です。
コールセンターごとに特色や状況の違いはありますが、その違いを反映してベストな提案ができるのがAI分析なのです。
コールセンターのデータ分析ならGOLDEN LIST!
コールセンターのデータ分析を行うのであればぜひ「GOLDEN LIST」をご活用ください。
クラウド型のコールセンターアウトバンドリスト解析ツールであるGOLDEN LISTでは過去の架電結果をアップロードし、業務内容を設定するだけでデータマイニングを行い、顧客の特徴を見つけることが可能です。
操作には専門知識不要なので、機械が苦手な方でも問題なく利用可能です。
フィードバックを行うことで二回目以降はより精度を上げた示唆を行ってくれます。
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この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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