2023/05/22
PBX/CTI
コンタクトセンターとコールセンターの違いとは?役割や仕事内容を解説
みなさんは「コンタクトセンター」という言葉を耳にしたことはありますか。
昨今、メールやチャットボットといった、電話以外のコミュニケーションツールが充実してきたことにより、電話問い合わせ対応のみならず様々なコミュニケーションチャネルがお問い合わせ対応窓口に導入されています。こういったソリューションツールを有したお問い合わせ窓口をコンタクトセンターといいます。本記事では、コールセンターとの違いや、コンタクトセンターに求められる役割についてご説明いたします。
目次
コンタクトセンターとは?
コンタクトセンターとは、電話対応だけでなく、メールやチャット、FAXやはがきなど様々なコミュニケーション手段を活用し問い合わせ対応を行う部署・部門を指しています。あらゆる要因から、顧客とのコミュニケーション手段が多様化しつつある現代、それを包括的に対応していくのがコンタクトセンターであるといえます。
多様なチャネルで柔軟に対応
コンタクトセンターでは、電話だけでなくメールやチャット、FAX、郵便物など、様々な媒体を通してお客様とコンタクトを取ります。そのためお客様の運用に合わせて柔軟に対応することが可能です。
顧客との良好な関係構築
コンタクトセンターはお客様の声を直接聴くことができる業務でもあります。またその対応が企業の評価につながることもあります。品質の高い対応を続けることで、顧客満足度の向上やリピーターを増やすことも期待できます。
コンタクトセンターの運用形態とは?
オンプレミス型
オンプレミス型は、自社が所有するサーバーにシステムを導入して運用する方法です。
メリット
- カスタマイズが容易: 自社のニーズに合わせたシステム設計ができるため、細かい調整が可能です。
- 情報セキュリティの強化: 自社で全てのシステムを管理できるため、外部からの脅威に対しても強くなります。
デメリット
- 導入に時間がかかる: 自社専用のサーバーを準備するには時間が必要です。
- 高い導入費用と維持費: サーバーの設置や光熱費など、コストがかさむことがあります。
- 拡張性と可用性が低い: 繁忙期や閑散期に応じた回線数の調整が難しく、災害時にシステムが停止するリスクもあります。
クラウド型
クラウド型では、クラウドサービス提供者から仮想サーバーを借りてシステムを構築します。
メリット
- 迅速な導入: 短期間でシステムを立ち上げられます。
- 高い拡張性と可用性: 繁忙期や閑散期に応じて簡単にリソースを増減できます。
- コストの抑制: 利用した分だけの料金なので、初期投資や維持費を低く抑えられます。
- 在宅での利用が可能: ネットワークさえあれば、どこからでもシステムにアクセスできます。
デメリット
- カスタマイズが難しいことがある: クラウドサービスは既存の機能の組み合わせで提供されるため、自社専用のシステムほど柔軟にカスタマイズできない場合があります。
- 情報セキュリティ対策が必要: インターネット経由で利用するため、セキュリティ対策を強化する必要があります。
コンタクトセンターとコールセンターの違い
まずコールセンターについてご説明します。コールセンターは、自社で提供している商品やサービスに対する問い合わせを、主に電話で受け付ける専門の部署になります。問い合わせの中には使用に関する質問だけでなく、時にはクレームなどもあります。
対する「コンタクトセンター」は、業務内容自体はコールセンターとさほど変わらないものの、電話問い合わせ以外にも、WEBサイト経由やチャット、FAXなど様々なツールからの問い合わせに対応しています。ただし、様々なツールを使用して問い合わせ対応を行っている部署をコールセンターと呼んでいることもあり、呼び名はまだ十分に浸透していないのが現状です。
コンタクトセンターが重要視されるようになった背景
現在企業において、コンタクトセンターは重要視されてきています。
次の項目では重要視されるようになった背景について、ご説明していきます。
顧客への対応手段の多様化
コンタクトセンターが重要視されるようになった背景の一つに、顧客への対応手段の多様化があります。元々は電話が主流でしたが、顧客のニーズに合わせてメールやチャットなど手段が多様化してきました。様々なコミュニケーション手段を用意している企業は、幅広い顧客層へ対応することができるようになります。
顧客の価値観が変化
もう一つは顧客の価値観の変化です。コンタクトセンターのニーズが増しているのは、顧客がサービスや商品を利用した時だけではなく、購入時や購入後の対応などにも価値を見出すように変化していったためです。そのため、顧客の声を直接拾い上げることができるコンタクトセンターを設けることが重要視されてきているのです。
顧客の声を社内で共有・活用できる
企業にとって、顧客の声は重要な情報源です。顧客の意見を活用することで、サービスの改善や新商品の開発に役立てることができます。
顧客の困りごとや要望を直接聞ける場として、コンタクトセンターがあります。ここで集めた情報を開発部や営業部と連携して共有することで、売上を向上させるだけでなく、顧客満足度やブランド力の向上にもつながります。
コンタクトセンターの業務内容
ではコンタクトセンターの業務内容はどのようなものがあるのでしょうか。大きくインバウンドとアウトバウンドの2種類に分けて説明していきます。
インバウンド業務
インバウンド業務は受信業務の事を指しています。通常の問い合わせ業務や注文問い合わせ、またサービスや商品に関する必要やクレーム対応なども含まれます。業務範囲が広いため、臨機応変に柔軟な対応力が求められます。
アウトバウンド業務
アウトバウンド業務は発信業務の事を指しており、サービスの紹介やキャンペーンのご案内などの営業電話やアンケートなど調査の実施、督促に関する架電、テレアポ業務などが含まれます。
コンタクトセンターの設置がおすすめな企業とその理由
コンタクトセンターは、事業改善や顧客満足度向上に役立つ重要な施設ですが、すべての企業に必要というわけではありません。この項では、コンタクトセンターの設置をおすすめする企業の特徴を紹介します。
コンタクトセンターの設置がおすすめな企業とその理由は以下です。
企業の特徴 | 理由 |
---|---|
顧客対応が多岐にわたる企業 | 電話、メール、チャット、SNSなど複数のチャネルでの対応が必要なため、顧客満足度を向上させることができる。 |
大規模な顧客基盤を持つ企業 | 多くの問い合わせに迅速かつ効率的に対応するため、オペレーターの負担を軽減し、顧客満足度を高めることができる。 |
カスタマーサポートが重要な企業 | 顧客の声を収集し、製品やサービスの改善に役立てることができるため、企業の成長に寄与する。 |
24時間対応が求められる企業 | 深夜や休日でも問い合わせ対応が可能となり、顧客の利便性を向上させる。 |
コンタクトセンターの設置が不要な企業の特徴は以下です。
- 問い合わせが少ない企業: 顧客からの問い合わせが少ない場合、コストをかけてコンタクトセンターを設置する必要はありません。
- 単一チャネルでの対応が十分な企業: 電話のみで十分に対応できる場合、複数チャネルを扱うコンタクトセンターは不要です。
- 自動化が進んでいる企業: AIやチャットボットなどの自動化ツールで十分に対応できる場合、コンタクトセンターの設置は不要です。
コンタクトセンターの運用に必要な機能
ここからは、コンタクトセンターの運用に必要な機能をご紹介していきます。自社の運用に合わせて、最低限どのような機能が必要か、検討してみてください。
ACDシステム
ACD(Automatic Call Distributor)は、着信自動分配装置ともいい、着信があった際にオペレーターの空き状況を確認し、振り分ける機能の事を指しています。この機能を使用することで、顧客にとってもオペレーターにとってもスムーズな問い合わせ対応を実現することができます。
CTIシステム
CTI(Computer Telephony Integration)は、文字通り、コンピューターと電話を連携させる機能となります。CTI機能を使用することで、CRM連携をしていた場合は画面上に顧客情報をポップアップさせながら、顧客対応を行うこともでき、より品質の高い対応を行うことができます。
CRMシステム
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客管理システムの事を指しており、顧客の基本的な情報から、過去の購買履歴やオペレーターのとこきゃくのやり取りなども蓄積することができます。そのため、改めて問い合わせがあった際にも蓄積されている顧客情報を確認しながら対応することができるため、よりスムーズに顧客のニーズに合った対応を実現することができます。
IVRシステム
IVR(Interactive Voice Response)は、アナウンスによる自動応答のことを指しています。問い合わせがあった際に、顧客側にアナウンスを流すことで、適切な窓口、オペレーターに誘導することができ、効率的に対応することができます。
チャットボットシステム
チャットボットは、基本的に24時間365日問い合わせに対応することができるツールです。通常はボットが対応しますが、ボットで対応できない難易度の問い合わせには、オペレーターにエスカレーションすることも可能です。
録音機能
基本的にどのコールセンターシステムにも録音機能が搭載されています。言った言わない問題や、お客様とのやり取りを聞き返すために、どの業務においても必須の機能といえるでしょう。
SMS送信機能
SMS送信機能は、顧客との迅速かつ確実なコミュニケーションを実現するための重要なツールです。高い開封率と即時性を持ち、支払いリマインダーや予約確認、キャンペーン通知など多用途に利用できます。自動送信機能やAPI連携により、オペレーターの負担を軽減し、顧客満足度を高めることができます。
コンタクトセンターにおける課題
ではコンタクトセンターにおける課題はどのようなものがあるのでしょうか。ここからは企業が抱えやすい課題をいくつかご説明していきます。
業務効率化
コンタクトセンターにおける業務は、基本一つの問い合わせではなく、商品やサービスに関すること、クレーム対応、注文受付など多岐にわたります。また一日の受電数が多いセンターではどのように効率的に運用していくかが重要な課題となるため、コンタクトセンターにおける業務効率化はシステム導入なども含めて検討していく必要があります。
複数チャネルでの対応
コンタクトセンターは複数の業務を行うことが多いため、問い合わせを受け付けるツールも複数用意しておく必要があります。またその複数チャネルを扱える人材の育成や、複数チャネルで受け付けたデータの一括管理ができるツールの使用も検討する必要があります。
オペレーター教育
最後にオペレーターの教育です。オペレーターへの教育が進むことで、応対品質が上がり顧客満足度の向上につながります。しかし、マニュアルが整っていなかったり、研修制度が不十分で合ったりと、教育体制への課題を抱えている企業は多くあります。そのため、採用を実施する前などに教育・研修体制が十分かどうかを検討する必要があります。
コンタクトセンターの品質向上の方法
コンタクトセンターの品質向上の手法はいくつかあります。例えばIVRを使用して、顧客をスムーズに適切な窓口へ自動的に案内する方法や、CRMシステムで顧客情報を一元管理し、CTI連携した状態でお客様の情報を見ながら応対することで、よりそれぞれのお客様に沿った対応を実現することができます。
コンタクトセンター構築に向けて
実際にコンタクトセンターを立ち上げる際には、まずそのセンターの目的や業務内容の明確化を行います。その目的に向かって適切なKPIを設定し、必要な設備、システムの選定、人材の確保や体制の構築を進めていきます。重要なのは、そのセンターが何を目的に作られるのか、どのような姿を目指すべきなのかを明確化することです。その目的に沿って必要なシステムや人材、環境は変わってきます。
いわゆる「コストセンター」にならないように注意していく必要があります。
コンタクトセンターのことならコラボス
コラボスでは、先述したようなCTIシステムやチャットボット、CRMなどコールセンター周りに関する様々なシステムをご提供することが可能となっております。そのほかにもFAQツールや分析ツール等、ありとあらゆる課題を解決すべく、いろんな角度からアプローチできるようなサービスを展開しておりますので、是非一度、コラボスへご相談いただければと存じます。
まとめ
本記事では、コンタクトセンターとは何か?というところから、求められている背景や、役割など様々な観点からご説明してきました。これからコンタクトセンターを立ち上げるという方には是非参考にしていただければと存じます。またすでにコンタクトセンターを運営されている方にも、現在のセンターの運用や課題を今一度ご検討いただく機会になれば幸いです。お困りごとがございましたら、コラボスまでご相談ください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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