ビデオチャットとは?導入メリット・デメリットや比較ポイント、費用相場を解説
ビデオチャットは、現代のコミュニケーション手段としてますます重要になっています。この技術は、単なる音声通話を超え、視覚的な要素を加えることで、相手との信頼関係を深める手段として注目されています。特にコロナ禍を経て、オンラインでのビジネスや個人間のやり取りが普及する中、ビデオチャットの利用が急速に広がっています。
本記事では、ビデオチャットの基本的な定義、導入の利点や課題、さらには具体的な利用シーンについて詳しく解説します。
そもそもビデオチャットとは
ビデオチャットとは、通話をテレビ電話のような形で相手の顔やカメラが映している映像を見ながら通話をすることです。スマートフォンであれば、電話以外にビデオチャットのアプリケーションも搭載されていることが多いです。
ビデオチャットツールとは
ビジネスでのやりとりにおいて、2019年にコロナ禍になって以降、お客様先へ訪問して打ち合わせ、というよりもオンラインでの打ち合わせが主流になってきました。
企業と企業のやり取りのため、もちろん機密情報も含みます。企業はコロナ禍になってから、ビデオチャットツールの選定に翻弄されていました。また、使い勝手はもちろん、セキュリティ面で安心できるものを検討する必要がありました。
ビデオチャットのメリット
具体的な利用シーンをご説明したところで、次にビデオチャット導入のメリットについて記載します。
すぐに導入、利用ができる
コロナ禍になってから、いろいろなビデオチャットツールを目にするようになりました。無料で使えるものから、毎月利用料を支払って使うもの、追加料金を払うとオプションとして長時間利用できるものなど様々です。
どのサービスも手軽に使えるものばかりで、最短即日で利用開始できます。また、ビデオチャットを実際に利用するときは、ビデオチャットツールからアクセスURLを払いだし、お客様に送付、お客様がURLへアクセスするだけで繋がります。
移動時間の削減が可能
ビデオチャットツールを使うことで、移動時間を削減できます。お客様と会話をする際には基本的にはお客様先へ訪問します。しかし、ビデオチャットツールを利用すれば、移動時間は0分となり、ビデオ開始時にはURLをクリックするだけで商談が始まります。
今まで移動に充てていた時間を別の作業をすることで、効率よく仕事ができます。
音声だけでは分かりにくい内容が伝えらえる
コールセンターでは、音声のみでのコミュニケーションが主流ですが、これにはいくつかの課題があります。顧客は「言葉で説明するのが難しい」「説明がわかりにくい」と感じることが多く、状況を正確に伝えられずに不満を抱える可能性があります。
さらに、オペレーターも「顧客の状況がわかりづらい」「理解してもらうのに時間がかかる」といった問題に直面しており、結果的に問題解決に時間がかかってしまいます。こうした状況は、顧客満足度の低下につながる恐れがあります。
そこで、ビデオコミュニケーションの導入が有効です。映像を通じて相手の状況を確認できるため、たとえば故障状態をスマートフォンのカメラで撮影してもらうことで、オペレーターはその場で適切な対応を判断できます。このプロセスにより、対応時間を大幅に短縮できるだけでなく、顧客が抱える不安や疑問に迅速に応えることが可能になります。
顔を見てコミュニケーションをとれるため、安心感につながる
顧客にとって、ビデオコミュニケーションの最大のメリットは、オペレーターの顔を見ることができる安心感です。これは、店舗で商品を尋ねる際と同じように、オンラインでの接客においてもお互いの顔を見ながらやり取りできる点にあります。この視覚的なつながりが、相手との距離感を縮め、安心してコミュニケーションを行うことを可能にします。
さらに、オペレーターは顧客の表情を確認しながら対話を進めることができるため、顧客がどの程度困っているのかを直感的に理解できます。このように、顧客の反応を把握することで、説明内容の理解度を確認しながら、適切に話を進めることができるため、よりスムーズなコミュニケーションが実現します。
ビデオチャットのデメリット
これまで、ビデオチャットツールのいいところばかりを紹介してきましたが、デメリット=「悪いところ」について確認しましょう。
対面でしかコミュニケーションを取れない
face to faceで顔を合わせることによって、信頼関係が築けたり、ビデオチャットツール利用時の商談では話せない雑談ができます。雑談から仕事につながることもあるので、ビデオチャットツールに頼りすぎるのではなく、状況によって対面とオンライン、使い分けるとよいでしょう。
導入に費用がかかる
ビデオチャットの導入には、初期費用や月額料金がかかる場合があります。特に多機能なツールや大人数での利用を想定したツールは、無料版では対応できないことが多いです。
また、セキュリティやサポート体制が充実している有料ツールを選ぶことが推奨されます。
これにより、企業の予算に負担がかかる可能性があります。
対処法としては、導入前に無料トライアルを利用し、複数のツールを比較検討することが重要です。
また、ビデオチャットの利用頻度や目的に応じて、最適なプランを選択することでコストを抑えることができます。さらに、交通費や移動時間の削減効果を考慮し、費用対効果を検討することも有効です。
抵抗を感じる顧客への対応が必要
ビデオチャットに抵抗を感じる顧客も存在します。特に年配の方やITに不慣れな方は、対面でのコミュニケーションを好む傾向があります。ビデオチャットの利用に対する不安や抵抗感があると、顧客満足度が低下する可能性があります。
対処法としては、顧客に対してビデオチャットの利便性を説明し、無料体験を提供することで、抵抗感を和らげることができます。
また、使い方を丁寧に説明し、サポート体制を整えることで、顧客が安心して利用できる環境を作ることが重要です。
インターネット回線の整備が必要
ビデオチャットの利用には、安定したインターネット回線が必要です。回線が不安定だと、通信が途切れたり、音声や映像が遅延することがあります。これにより、スムーズなコミュニケーションが妨げられる可能性があります。
対処法としては、高速で安定したインターネット回線を整備することが重要です。
また、ビデオチャットを利用する際には、周囲の環境にも注意し、ノイズや干渉を避ける工夫をすることが推奨されます。さらに、ツールの設定を最適化し、必要に応じて技術サポートを受けることで、通信品質を向上させることができます。
ビデオチャットの主な利用シーン
ここでは、ビデオチャットの利用用途についていくつか例を挙げて説明します。
内見や内覧
賃貸住宅を借りるときには、不動産屋へ訪問し、いくつか物件情報を確認し、実際に内見に行くと思います。
この工程がビデオチャットで出来てしまえば楽になると思いませんか。日程を不動産屋と事前に調整し、時間になったらビデオ通話を開始する。それだけで、わざわざ内見先に足を運ぶことなく、家から物件を確認することができます。
見積もり
例えば、引っ越し業者に引っ越し作業を依頼する際の見積もりです。通常であれば、引っ越し業者が事前にお宅に伺い、家具の数を数えたり、ざっくりといくつのダンボールを用意するかなど確認し、見積もりを出してくれます。ですが、これもビデオチャットツールでつながり、お客様はスマートフォンをもって部屋中を映してもらえさえすれば、引っ越し業者もわざわざお宅まで足を運ぶ必要がなくなります。
本人確認
また最近は、何かの契約の際に本人確認としても利用ができます。なにか大きな契約をする場面に、本人確認が必要ですが、対面で実施することがほとんどです。ですが、家にいながら、オンラインでつないで、実施することができれば手間が省けます。
損害確認
例えば、車の事故にあったときに、損害保険の会社は、社員が駆けつけてくれることが多いでしょう。ですが、高速道路内や、田舎道での事故であると、駆けつけるまでに時間がかかってしまいます。こちらも、ビデオチャットで、損害保険企業と事故にあった現場を繋ぎ、事故部分(たとえば、車の損傷部分)をカメラで映して連携することで、現地に行かなくても、事故状況を確認することができます。
買取査定
なにか、物を売る際には、査定をしてもらう必要があります。査定には商品の状態の確認、傷などがないか確認が必要です。
持ち運びが容易なもの(バッグや時計)であれば、店に持っていけばよいですが、例えばタンスや冷蔵庫など、大きな家具であれば、査定のために、業者がお宅へ伺う必要があります。
こちらも、ビデオチャットで実施してしまえば、業者の移動工数は削減でき、より多くの買取品の査定が短時間でできるようになります。
オンライン診察や面会
体調が悪いとき、普通ですと、病院に行って診察を受けます。ですが、体調が悪いときに、病院まで行くことが辛い場合もあります。そうした場合は、ビデオチャットで医師と患者を繋ぎ、オンライン上で診察をします。体調についての問診の実施後、薬は郵送で送る場合が多いです。昨今のコロナ禍により、電話診療など、対面以外での診療が増えました。患者の移動の負担、病気が移るリスクの低減が期待されています。
住民相談
区役所での手続きや、地域の住民からの相談を受ける際には、実際に区役所・市役所に伺って、対面で会話をすることが主です。ですが、こちらも、ビデオチャットを利用して実施が可能です。訪問の手間が省けるので、住民の負担は減少します。
カスタマーサポート
カスタマーサポートとは、商品・サービスを販売している企業が、商品・サービスを利用してくれているお客様に対して、相談にのったり、使い方のサポートをすることです。電話のみで伝わる内容であれば、電話のみで問題ないですが、実機があるもの(例えばWifiルータや、ウォーターサーバーなど)であれば、実際に機器を見て話したほうがスムーズな場合があります。その場合は、お客様側のスマートフォンのカメラで実機を映し、オペレータも同じ映像をみて会話をするとスムーズな解決となるでしょう。
コールセンターでのビデオチャットの導入成功事例
株式会社エビデントの事例
株式会社エビデントは、業務効率化と顧客満足度向上を目指し、2022年4月にビデオチャットツール「TechSee」を導入しました。
この導入は分社化に伴い、電話やメールだけでなくビジュアルサポートの強化を目的としています。導入後、顧客とのコミュニケーションが効率化され、従来3ステップかかっていた対応が1ステップに短縮されました。
また、顧客からは便利との評価を得ており、特に顕微鏡などの複雑な製品サポートで効果が発揮されています。現在は二次受けチームが主に活用していますが、一次受けチームへの展開も計画中で、さらに一次解決率の向上が期待されています。
今後は発信型サポートや納入点検への活用を検討し、サービスの差別化を図る予定です。
TechSee(テックシー) > TechSee(テックシー)の導入事例一覧 > 株式会社エビデント
株式会社パシフィックネットの事例
株式会社パシフィックネットは、ビデオチャットツール「TechSee」を導入し、遠隔サポートを実現しました。同社はPCレンタル、IT事業、ITAD事業を展開しています。全国に7拠点を持ち、社員が現地に行かずにパートナーがサポートを行う体制を整えることで、業務の効率化を図りました。
TechSeeの導入により、品質担保が可能になり、パートナー企業の業務を可視化し、顧客満足度を向上させる狙いです。また、シンプルなインターフェースと特別な準備不要の接続方法が、ユーザーにとっての利便性を高めました。今後は、TechSeeを活用して新たな地域へのサービス提供を目指し、業務の拡大を計画しています。これにより、パートナーだけでは難しかったオンサイト対応が実現する見込みです。
TechSee(テックシー) > TechSee(テックシー)の導入事例一覧 > 株式会社パシフィックネット
【目的別】ビデオチャットツールの選び方
「ビデオチャットツール」とネットで検索すると、色々なツールがでてきますが、どのツールを使うといいのか、検討方法について確認してみましょう。
顧客対応
顧客対応は接客にあたると思いますので、相手方のデバイスは、おそらくスマートフォンが多いでしょう。スマートフォンでも利用できる、使いやすいサービスの検討が必要です。
また、スマートフォン側にアプリのインストールが必要であると、顧客は手間に感じてしまうかもしれません。ブラウザで使えるものの方が都合がよいでしょう。
よってスマートフォンで利用しやすい、インストール型ではなく、ブラウザで利用できるものがよいでしょう。
Web会議
Web会議の場合は、社内外の対話になりますので、双方のデバイスはPCの場合が多いと思います。
PCで利用できるもの、かつ機密情報が含まれる会議が多いため、セキュリティ面でも守られているものである必要があります。社外商談の場合は、相手方に利用ツールを聞いて、相手に合わせて複数ツールを利用してもよいでしょう。
オンライン商談
オンライン商談は、対企業に営業をかけるイメージです。双方のデバイスはPCが多いでしょう。
営業をかけるので、資料の共有や、スクショ機能、録音の機能なども有するとより役立つでしょう。
ビデオチャットツールを比較する際のポイント
ビデオチャットツールを比較する際のポイントとしては主に以下の3つになります。
一度に利用できるユーザー数
ビデオチャットツールによっては、利用ユーザー数に制限を設けている場合があります。作成ユーザー数、同時接続ユーザー数、などカウントに違いがありますので、どんな使い方をするかを社内にヒアリングし、最適な課金体系を探し、シュミレーションしてみましょう。
機能や特徴の違い
機能や特徴の比較ポイントについては、ツールによって大きな違いは正直ないですが、カメラのオンオフが可能か、画面共有ができるか、できるとしたら、ツールを契約していない側もできるのか、など使い方によって必要な機能が変わってくるため、事前に確認しましょう。
通信容量や通信品質
通信容量や通信品質について。通信容量による制限をかけているツールもあるため、利用する機会が多いのであれば、容量の制限も気にするとよいでしょう。
予算に合う料金で選ぶ
ビデオチャットツールを料金を重視して選ぶ際には、利用目的を明確にすることが重要です。
例えば、社内会議や顧客対応、ウェビナーなど、用途によって必要な機能が異なります。
料金が安いツールは、参加人数や会議時間に制限があり、録画機能や画面共有などの高度な機能が利用できないことが多いです。
一方、料金が高いツールは、多機能で大規模な会議にも対応可能であり、24時間365日のサポートや高度なセキュリティ機能が提供されます。
予算を設定し、必要な機能をリストアップした上で、複数のツールを比較検討することが推奨されます。無料トライアルを利用して実際に使ってみることで、自社に最適なツールを選ぶのもよいでしょう。
有料のビデオチャットツールの費用相場
有料のビデオチャットツールの費用相場は、ツールの機能や提供されるサービスによって異なります。
一般的に、基本的な機能を提供するツールの月額料金は、1ユーザーあたり数百円~数千円程度です。
より高度な機能や大規模な会議に対応するツールの場合、月額料金は数万円以上になることがあります。
選ぶ際には、利用目的や必要な機能を明確にし、複数のツールを比較検討することが重要です。
ビデオチャットに関する相談はコラボスに
当社では、ビデオチャットツールとして、「TechSee(テックシー)」というサービスを販売しております。こちらは、コールセンター向けのシステムとなっておりまして、通話のみでは伝えきれない相談をするためにご利用いただくことが多いです。お客様側のスマートフォンのSMSにURLを送信し、そのURLをアクセスするとブラウザが立ち上がり、ビデオが開始される仕組みです。
- 関連記事:TechSee(テックシー)について
まとめ
いかがでしたでしょうか。ビデオチャットツールと一言に言っても、コールセンター向け、商談むけ様々あります。使い方や予算を確認し、最適なツール探しをしましょう。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
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