コールセンターの稼働率とは?計算方法や向上させるメリット、改善のポイントを解説

コールセンターにとって重要な指標に「稼働率」があります。
稼働率を適正水準にすることは、コールセンターの運営における大きな目標のひとつです。

この記事では、コールセンターにおける稼働率の意味と指標にするメリット、さらに適正水準に近づけるためのアイデアを紹介します。

コールセンターにおける稼働率とは?

コールセンターの稼働率とはオペレーターが勤務時間中にどの程度の時間を業務に当てていかを示す数字です。

オペレーターは顧客対応が主業務です。しかし、勤務時間のすべてを顧客対応に当てているわけではありません。
顧客データの入力や業務上のミーティングなど顧客対応以外の業務もありますし、問い合わせの電話がかかって来なければその時間は待機時間になります。
オペレーターが顧客対応に当たる時間のことを「生産時間」と呼び顧客対応以外のさまざまな業務に当たる時間のことを「非生産時間」と呼びます。

稼働率は生産時間と電話を待つ待機時間の合計が、勤務時間中にどの程度の割合なのかを示す数字であり、オペレーターがどれだけ効率的に顧客対応を行っているのかを知るための指標として使われます。

稼働率と可動率は何が違うのか

稼働率とは「生産できる量(生産能力)のうち実際に生産された量の割合」を表す指標で、製造業等の生産現場の管理によく使用されます。

    稼働率の計算式

  • 稼働率(%)=実際の生産量÷生産能力×100
  • 可働率(%)=実際の稼働時間÷本来稼働すべき時間×100

例えば、ある工場で通常1か月で車を100台造れますが、不景気のため当月は70台の生産にとどまった場合、その工場の当月の稼働率は70%となります。
稼働率が100%前後で推移していれば「効率良く生産できている」ということになります。

稼働率・可動率の計算方法の例

ここからは稼働率の計算方法について、計算式及び計算方法の例をいくつかご紹介いたします。

稼働率の計算方法の例1

例えば、コールセンターで働くAさんの1日を例に計算してみたいと思います。
Aさんは今日、8時間勤務をし、休憩は1時間でした。
通話時間は4時間30分、保留時間は15分、後処理時間は1時間、待機時間は15分でした。
この場合、
稼働率=(通話4時間30分+保留15分+後処理1時間+待機15分)÷7時間×100となり、
稼働率の計算結果は、86%となりました。(小数点以下は四捨五入)
稼働率の観点からみると、適正な人員配置が行われているように見受けられます。

稼働率の計算方法の例2

2つ目の例として、Bさんをあげます。
Bさんは、3時間勤務、休憩なし。
通話時間は2時間30分、保留時間5分、後処理時間10分、待機時間は0分でした。
この場合、
稼働率=(通話2時間30分+保留5分+後処理10分)÷3時間×100となり、
稼働率の計算結果は92%となりました。
稼働率の観点からみると、Bさんは業務にひっ迫されているように見受けられるため、人員が足りていないか、Bさんに仕事が集中しているように思われます。

稼働率と占有率の違いと計算方法

稼働率と並んでコールセンターで用いられる指標として「占有率」というものがあります。稼働率と占有率は混同されることがありますが全く別の指標です。

稼働率が示すのはオペレーターの勤務時間における顧客対応業務の割合です。
オペレーターの勤務時間(給与支払いの対象となる時間)には顧客対応をしている時間のほかに、電話を待つ待機時間やデータ入力や記録整理などの後処理業務の時間、ミーティングなどの別業務の時間や休憩時間があります。稼働率は「労働時間中に占めている顧客対応時間と電話を待つ待機時間の割合」を示す数字です。

それに対し占有率は、「顧客対応時間と電話の待機時間をあわせた時間のうち顧客対応時間が占める割合を示します。

    稼働率・占有率の計算方法まとめ

  • 稼働率=(対応時間※1+待機時間)÷労働時間
  • 占有率=対応時間※1÷(待機時間+対応時間※1)

※1通話時間+保留時間+後処理時間

占有率は顧客対応のために電話と向き合っている時間のうち、実際に顧客対応している時間がどの程度なのかを知るための指標として機能します。

稼働率と応答率の関係性

コールセンターに応答率という指標もあります。

応答率とはコールセンターに寄せられる問い合わせ電話のうちオペレーターが対応した割合を示す数値です。応答率が100%ならすべての電話に、50%なら半分の電話に対応したということになります。
応答率が高いほど問い合わせ電話がつながりやすいコールセンターということになります。

    応答率=オペレーターが対応できたコール数÷コールセンターに掛かってきたコール数

稼働率と応答率はそれぞれ強く影響しますが直接的な関係性はありません。
例えば、同じ稼働率であっても待機時間が長ければ応答率が上がる余地はあります。
しかし、ぎりぎりの人員で対応時間が多くを占めていればこれ以上応答率は上げられません。
それぞれの数値が示す意味合いを正確に理解しないと、現状を正しく把握できないので注意してください。

応答率と稼働率

稼働率が高い 稼働率が低い
応答率が高い オペレーターが次から次へと電話対応をしており、休む暇がない状態 人員が多すぎる状態
応答率が低い 抱えているオペレーターが処理できる以上のコールが鳴っている状態 コールセンター全体の効率が悪い状態

稼働率の適正値は?

稼働率は高くても低くても問題があります。

稼働率が適正水準から外れているというのは、業務の最適化が実現していないことを意味します。
単に稼働率を高めるもしくは下げるのではなく適正な水準をめざすことが業務の最適化につながります。

一般的なコールセンターでは稼働率の目標を80%としているところが多いです。
稼働率が80%前後だと業務効率を確保しながらもオペレーターに過度な負担がかからないことから理想的な運営が実現する目安とされており、85%までなら優秀な実績です。

しかし、85%を超えるとオペレーターの負担が重くなり、90%を超えると危険とされています。
稼働率は常に変化するので、ある一定の期間の平均的な稼働率を基準に業務を見直す必要があります。

稼働率を算出したらチェックしたい項目

稼働率を算出したら、コールセンター全体の見直しをしていきましょう。
確認したい項目は下記がメインとなるでしょう。

  • コールに対して人員配置が適切かどうか
  • 全体と比較して極端に稼働率が低い、高いオペレーターがいないかどうか

稼働率は顧客満足度(応対品質)との両立が重要!

稼働率の適正化は重要課題です。
しかし大前提として応対品質そのものを維持する必要があります。

稼働率ばかりに気を取られて対応品質が下がれば顧客満足度の低下を招いてしまいます。
適正水準の稼働率達成と応対品質維持の両方を達成して初めて、業務効率改善が実現するのです。

両立のために必要なのは業務の最適化です。

単に稼働率だけを上げるためだけの施策では応対品質に問題が生じるリスクも上がってしまいます。
オペレーターの労働環境や電話回線の数、インターネットやFAXなど電話以外のチャネル拡大や、コールセンターシステムを更新し作業効率を改善するなど、総合的な改革を通じて稼働率と顧客満足度の両立をめざしてください。

稼働率を向上させるメリット・デメリット

メリット

稼働率を適切な85%程度に維持することは、顧客満足度の向上、スタッフの健康維持、そして効率的なコスト管理に寄与します。迅速な顧客対応が可能となり、スタッフの過労を防ぎつつ、無駄なコストを抑えることができます。

デメリット

稼働率を無理に上げると(85%を超える状態になると)、オペレーターの業務量が増え、スタッフの過労やストレスが増加し、長期的には離職率の上昇やサービス品質の低下を招く可能性があります。また、必要以上に稼働率を上げると、非効率な運用となり、コスト増加の原因となることもあります。

稼働率を無理に高めた場合のリスク

無理に稼働率を高めると、人と設備に想定以上の負荷がかかるため、悪影響が発生することも多々あります。
コールセンターの場合によく見られる、「顧客満足度(応対品質)低下」、「オペレーターの離職」の2例をご紹介いたします。

生産性や応対品質の低下

稼働率を無理に高めると、オペレーターが勤務時間のほとんどの時間をお客様対応に割いている状態となります。これにより、本来充てるべき休憩時間はもちろん、研修や面談時間、情報共有の時間が不足してしまう可能性があります。

少ない休憩時間はオペレーターのミスの増加に、不十分な研修や面談時間もオペレーターの品質や作業効率の悪化につながり、生産性や応対品質を低下させてしまうリスクが高まってしまいます。
その結果、お客様に与える印象も悪くなってしまい、顧客満足度の低下や企業やブランドのイメージ悪化につながってしまいます。

離職率の上昇

通常でも心理的ストレスが高いと言われるオペレーター。前述の通り無理に稼働率を高めると休憩やスーパーバイザーへの相談、研修時間などが十分に取れず、精神的ストレスの増加にもつながります。その結果、より良い就業環境や職場環境を求めるオペレーターの離職につながってしまいます。

コールセンターの稼働率を改善するためのポイント

コールセンターの稼働率を適性値で保つにはどうすればいいのでしょうか。さまざまな要因で変化する稼働率で適正水準を維持するためには継続的な努力が求められます。

重要なのはコールセンター全体としての業務改善です。オペレーターの勤務状況や問い合わせへの対応状況を常にチェックし問題点を改善しましょう。

適切な人員配置が必要

稼働率の適正化にもっとも重要なのが適切な人員配置です。

稼働率に直接影響するのはオペレーターの人数です。オペレーターの人数が増えるほど電話対応力は増強され稼働率と応答率は上昇します。

しかし、人員が多すぎれば待機時間の占める割合が増え、占有率が低下し業務効率は下がります。適切な人員配置をめざすためにはWFMの導入をおすすめします。

WFMとはWorkforce Managementの略でサービスを維持しながら最適な人員配置を戦略的に行うという考え方です。オペレーターのスキルや稼働状況、問い合わせ電話が増える時間帯などあらゆるデータを参考にして最適な人員配置をめざすことで稼働率の適正化が実現します。

待機時間の有効活用

稼働率には応対時間だけではなく電話を待つ待機時間も含まれます。

極端にいえば電話が一本もなく、すべてのオペレーターが待機している状態でも稼働率にカウントされるということです。稼働率が見かけ上高くても、占有率が低く待機時間が長い状態では、実質的な労働効率は低下しています。待機時間を無駄に使わず有効活用することできれば業務効率はさらに改善するでしょう。

待機時間が多い場合は研修や教育の時間として活用しましょう。
無駄に消費されている待機時間を有効活用してスキルアップが実現すれば、業務効率は改善するでしょう。非生産時間に有効活用することで見かけ上の稼働率を実質値に近づけることもできます

オペレーターのステータス管理

稼働率は顧客対応時間と電話の待機時間の合計によって示される指標です。
より効率的な管理を実践するためにもオペレーターがどのような業務にどれだけ時間を当てているのか、ステータス管理を行って詳細な労働状況をチェックしましょう。

一口に待機時間といっても実際にはいろいろな状況が考えられます。
着信待ち、応答の後処理作業中、離席中、研修中、業務内容の確認中など、待機時間としてひとまとめにされている時間も細かく見ればいろいろな業務に分類されます。待機時間がどのように使われているのかを分析することで、より正確な稼働率の把握が可能になりオペレーターの効率的運用が実現します。

ステータスの見える化

オペレーターのステータス管理からさらに一歩進んだ施策として有効なのがステータスの見える化です。これまでわからなかったオペレーターのステータスを数値化し、誰でもわかるよう見える化することで管理効率の大幅な向上が見込めます。

ステータスの見える化に役立つのがCRMのレポーティング機能です。

CRMは顧客関連の情報を統括的に管理し関係構築に役立てるシステムです。CRMには必要な情報を抽出し自動でレポート化するレポーティング機能があります。
日々登録されるデータを元にリアルタイムで記録されるレポートによりオペレーターのステータスの見える化が実現します。

レポートを参考に業務の無駄をなくすことで稼働率を適正値に近づけることができるでしょう。

オペレーターのメンタルケア

コールセンターのオペレーターはお客様から無理難題を言われたり、罵声を浴びせられることもしばしばあり、精神的に苦痛な時もあります。そこで、オペレーターを監視するばかりではなく、メンタルケアもコールセンターを維持・運営する上で必要な対応といえるでしょう。具体的には、下記のようなことを実施するとよいでしょう。

  • よい行いをしたオペレーターを褒めること
  • 定期的、もしくは変化を感じた時に面談を実施すること

オペレーターのステータス管理ならコラボス

オペレーターのステータス管理ならぜひコラボスが提供するコールセンター向けクラウド型顧客情報管理システム「」をご利用ください。
「COLLABOS CRM」は顧客応対の情報を統括的に処理し自動で顧客情報と紐付けることが可能です。

さらに記録された情報から稼働率を算出するレポーティング機能を使えばオペレーターの状況をリアルタイムで把握することができます。

導入事例紹介

COLLABOS CRMの導入事例を1つご紹介します。
キャンプグッズの販売をメインとしている企業様で、販売商材に関するお問合せを受けるコールセンターを運営されています。

以前はエクセルで管理をしていたそうですが、顧客が増えたこと、商材が増えたことにより、エクセルだけでは管理が難しくなったところで当社のCRMをご導入いただきました。

「汎用マスタ」という機能を利用し、商材のリストを作成、簡単に閲覧ができるような構成に。また、キャンプ用品という季節によって繁忙閑散がある業務のため、月ごとに契約ID数の変更ができるところもご評価いただいております。

まとめ

コールセンターの稼働率とはオペレーターが勤務時間中にどの程度の時間を業務に当てていかを示す数字です。稼働率は高くても低くても問題があり、適切な稼働率を維持にはコールセンター全体視点での継続的な業務改善が必要です。

その第一歩は現状の適切な把握、数値化となります。稼働率の適正化にお悩みならぜひコラボスまでお問い合わせください。

この記事の執筆者

コラボスブログ編集部

株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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