顧客分析の基本的な7つの手法をご紹介
コールセンターの運営において、顧客分析は重要です。
顧客分析を通じてコールセンターがどのような顧客と向き合っているのか確認し、顧客の求めるものを特定することで、効果的に顧客にアプローチすることが可能です。
顧客分析は闇雲に行うものではなく、方法論に基づいて実施します。
この記事では、顧客分析の基本的な手法について解説していきます。
顧客分析とは?
顧客分析を通じてどのようなことがわかるのでしょうか。
顧客の性別、年代、職業等を把握することで、どのようなライフスタイルの顧客がいるのかわかります。
顧客の属性情報を各顧客の購買データや問い合わせ内容等と結び付けることにより、どのようなニーズを持った顧客がいるのか理解することができます。
顧客分析で顧客像をつかむことにより、よりターゲットを絞った新商品開発につなげることも可能です。
また、顧客が潜在的に持っていると考えられる不満を特定し、不満に対処できるようなサービスを考案することもできます。
現代ではモノやサービスが増えており、顧客はそれぞれのニーズに応じたサービスを選択しています。
このような状況下では万人に向けて作ったサービスが顧客に受けるというのは難しいといえます。
具体的なペルソナを想定し、具体的な悩みを解決できるサービスを開発する必要があります。
自社に関心を持っている顧客はどういう人で、どのようなニーズを持っているのか、という点を理解することで、顧客に刺さるサービスを生み出したり、効率的に広告配信などを行うことが可能になります。
顧客分析を行うことで、新規顧客の開拓と既存顧客の維持を行うために有効的なマーケティング施策を立てることができるのです。
顧客分析の主な7つの手法
顧客分析には主に7つの手法があり、状況ごとに効果的な手法が異なります。
複数の手法を組み合わせて分析を行うこともあります。
どのような手法があるのか概要を知っておき、適切な手法を選択して分析してみてください。
1.セグメンテーション分析
セグメンテーション分析は顧客をセグメントに分けて分析する手法です。
性別や年齢、居住地に分けて行動履歴を分析します。
すると、特定のセグメントのみ別の挙動をしていることもあります。
このようなセグメントの傾向に気づけるのがセグメンテーション分析です。
セグメンテーション分析は比較的イメージしやすく、取り組みやすい手法です。
ですが、セグメンテーションの可能性は無数にあり、人力で全てを検証するのは難しいところです。
セグメンテーション分析を行うにあたってはあらかじめ何らかの仮説を持っておき、分析で仮説を検証するのが望ましいといえます。
2.デシル分析
デシルとはラテン語で10を意味する言葉です。デシル分析とは全ての顧客を購入金額の高い順に等分にグループ化して分析する手法です。
サービスの売上順に顧客を並べ、グループに分けます。
非常にシンプルな手法ですが、この手法でどのグループが売上に貢献している優良顧客か見極めることができます。
デシル分析とコールセンターの問い合わせ履歴を組み合わせると現状の対応が適切かどうか検討することもできます。
あまり利益に貢献していない顧客に長時間対応しているようであれば、コールセンターの運用方法を検討し、利益を生む顧客により時間をさけるようにする必要があります。
デシル分析は取り組みやすく、手始めに取り掛かるのによい分析手法だといえます。
3.行動トレンド分析
行動トレンド分析とは、行動のシーズン性に注目して分析する手法です。
サービスは常に一定の頻度で利用されるとは限らず、季節や時間帯で利用が集中することがあります。
行動トレンド分析では季節、曜日、時間帯などのシーズンに分けて顧客の行動を分析します。
行動トレンド分析活用することを効率的なタイミングで広告を表示することが可能です。
また、シーズンごとに顧客の行動が変化する背景にはシーズンごとに顧客が別のニーズを持っているという事情もあります。
そのニーズを深堀することで新サービスの開拓につなげることも可能です。
4.RFM分析
RFM分析は「最新購買日(Recency)」「購買頻度(Frequency)」「累計購買金額(Monetary)」の3つの指標で顧客をランク付けして分析する手法です。
「最新購買日(Recency)」は直近で商品を購入した顧客が上位、「購買頻度(Frequency)」は高頻度で商品を購入する顧客が上位、「累計購買金額(Monetary)」は合計利用金額が高い顧客が上位にランク付けされます。
このランク付けにより、合計金額は同じであっても少額を高頻度で購入する顧客と高額を低頻度で購入する顧客などが見えてきます。
このような顧客の特性ごとにふさわしい営業施策を実行できます。
例えば、高頻度で購入する顧客にはより上位のものを買ってもらうような提案をして、単価アップにつなげます。
顧客の特性ごとの施策提案につながりやすいのがRFM分析です。
5.CTB分析
CTB分析は「分類(Category)」「テイスト(Taste)」「ブランド(Brand)」の3つの指標で顧客をグループに分けて分析する手法です。
「分類(Category)」とはサービスの価格帯、サービスの種類などの切り口です。
例えば、スマートフォンを探している人とフィーチャーフォンを探している人は異なるカテゴリーになります。
「テイスト(Taste)」は商品の大きさやデザインなどの切り口です。
大きいバッグが欲しいのか小さいバッグが欲しいのか、かわいらしいバッグが欲しいのか大人らしいバッグが欲しいのか等の分類が可能です。
「ブランド(Brand)」は企業ブランドの切り口です。CTB分析は定性的なデータを扱うこともあり気軽に実行するのが難しいところがありますが、顧客の志向をつかんで商品開発等につなげることができます。
6.LTV分析
LTVとはLife Time Valueの略で、顧客生涯価値と呼ばれています。
LTV分析は顧客がサービスに対し、生涯どれくらいの額を使えるのかの指標であり、サービスを長期的に利用している顧客ほどLTVは高くなります。
LTVを分析することで、優良顧客を見つけ出しフォローすべき顧客を把握することが可能です。
平均購入単価 × 購入頻度 × 継続購入期間でLTVは算出できます。
LTVは新規顧客の獲得に力を入れているタイミングで下がりやすいため、新規サービスの立ち上げの際などは確認しておくべき数値と言えるでしょう。
LTV分析を行うと離脱数が減ってLTVが下がる場合や、離脱数が増えてLTVが下がる場合など、さまざまなパターンが発生します。
離脱数が減っている場合、購入単価を上げるためにアップセル・クロスセル施策を打つ。逆に離脱が増えていえる場合は優良顧客のフォローに回るなど、分析結果に応じたマーケティング施策を打つことができるのです。
- 関連記事:そもそもLTVとは
7.CPM分析
CPM分析とは、Customer Portfolio Managementの略で、顧客をグループ分けし、それぞれの属性に合った施策を行う方法です。
顧客の購入回数、購入総額、在籍期間(初回購入日から最終購入日までの日数)、離脱期間(最終購入日からの経過日数)といったデータをもとに、10のグループに分類します。
分類したグループごとに、そのグループの特徴に沿ったアプローチをすることによって、リピーターを増やすことにつながります。
例えば、直近で購入をしてくれている顧客に対しては、購入後のフォローや関連商品を紹介し、昔購入したが、現在は離れている顧客に対しては、再購入すると割引になるなどのキャンペーン情報を流すなどのグループに合わせた戦略で施策を打ち出すことができます。
リピーター、優良顧客になる可能性の高い顧客を可視化し、優良顧客にするためのアプローチをすることで、売上を上げることを目指す分析方法といえます。
顧客分析を行う際のポイント
顧客分析を効果的に行うには、顧客分析の手法を正しく理解し、適切な手法を適切なタイミングで利用する必要があります。
どのような手順で顧客分析を進めていけばよいかご紹介します。
ペルソナを設定する
ペルソナとは架空のユーザー像のことです。新商品を開発するとき、既存の商品を改善するときなどに用いられる手法です。
ペルソナをもとに分析を行っていきますので、ペルソナの作りこみは顧客分析の要ともいえます。
ペルソナを設定するときは具体的に検討することが大切です。
例えば、「都市部に住んでいる30代女性で、営業として働いている、年収は400万円、趣味はライブ鑑賞、毎日のルーティンは朝6時に起床し…」といったようなイメージで検討します。
実在する人間のようなレベルで作りこむ必要があります。
このペルソナを設定することにより、ペルソナの目線で想像力を働かせられるようになり、顧客ニーズに近づける利点があります。
顧客のニーズを掴む
ペルソナを設定した後はペルソナの目線になって具体的に思考していきます。
ペルソナを詳細に設定したため、ペルソナの持っている悩みやニーズはイメージできる状態になっています。
自社の新商品や既存商品について、ペルソナはどのような感想を抱くだろうかということを思考実験します。
ある程度ニーズの仮説ができた段階で、実際のペルソナに近い人にインタビューすることもあります。
仮説と実際の声が重なっていれば顧客のニーズはある程度適切につかめていると考えられますし、仮説とは全く違う声があれば仮説を修正します。
顧客のニーズは方程式に当てはめて簡単に答えを導き出せるものではないので、試行錯誤が必要です。
顧客の意思決定プロセスを把握する
次に顧客の意思決定プロセスについて検討します。
サービスを顧客が利用するかどうかを決める際に、どのような項目が判断基準になりそうかを特定します。
価格、デザイン、機能等の項目を挙げたあと、ペルソナを想起して、サービス選びにおいてそれらの項目の優先順位を想定します。
ただし、本当にその通りとは限らないというのが注意すべきポイントです。
ペルソナはあくまで自社で作った想定であり、本当のターゲットがペルソナと同じような思考をするかは定かではありません。
ペルソナを信じ込みすぎ、実際の顧客を置き去りにしてはいけません。
顧客の意思決定プロセス把握においてもある程度仮説ができたタイミングでアンケート調査やインタビュー調査を実施し、仮説を検証することが有効です。
AIを活用した顧客分析とは?
顧客分析を人力で行うと勘に頼る部分が出てしまい、本当に顧客をとらえた分析とはならないこともあります。
最近では、ビッグデータと相性がいいAIを活用した顧客分析ツールも増えてきており、あらゆる組み合わせをハイスピードで検証可能です。
AIを活用した顧客分析ツールを使うには高度な知識は必要なく、IT初心者であっても問題ありません。
昨今はAIサービスが発達しており、人力で対応するよりも低価格でAIを活用した顧客管理ツールを利用することができます。
料金がネックになりAI導入をためらっていた方もぜひご検討ください。
顧客分析ならGOLDEN LIST
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この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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