2025/12/16
顧客情報管理
カスタマーサポートとは?役割・業務内容・カスタマーサクセスとの違いをわかりやすく解説
企業が安定した経営を続けていくためには、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係性を強化し、継続利用やリピート率を高めることが不可欠です。その中で重要な役割を担うのが「カスタマーサポート」です。近年は、電話による問い合わせ対応だけでなく、メール・チャット・FAQ・チャットボットなど複数チャネルを組み合わせたカスタマーサービスが主流となり、顧客体験(CX)を左右する重要な接点となっています。一方で、
・カスタマーサポートとコールセンターの違いが分からない
・どこまでの業務を担うべきか判断できない
・在宅対応やツール導入をどう進めればいいか悩んでいる
といった課題を抱える企業も少なくありません。
本記事では、カスタマーサポートの役割・業務内容・他部署との違いを整理しつつ、現代のサポート業務に欠かせないCTIシステムについても詳しく解説します。
目次
カスタマーサポートとは
カスタマーサポートとは、既存顧客からの問い合わせや相談に対応し、課題解決を支援する専門部署です。自社の商品・サービスを利用している顧客に対し、疑問点の解消やトラブル対応、アフターフォローを行うことで、顧客満足度の向上と継続利用の促進を目的としています。
電話・メール・チャットなど複数の対応チャネルを通じて顧客と接点を持つため、単なる問い合わせ窓口ではなく、企業の印象を左右する「顧客対応の要」ともいえる存在です。
カスタマーサポートの主な業務内容
カスタマーサポートの業務は多岐にわたります。
- 商品・サービスに関する問い合わせ対応(電話/メール/チャット)
- 操作方法や利用方法の案内
- トラブルシューティング
- クレーム・要望への対応
- FAQやマニュアルの改善
近年では、チャットボットやFAQによる自己解決支援を組み合わせ、顧客の利便性を高めながらオペレーターの負荷を軽減する取り組みも一般化しています。
目的と役割
カスタマーサポートの最大の目的は、顧客の不安・不満・疑問を迅速に解消し、安心してサービスを利用してもらうことです。
自社のリピーターを獲得するには、商品を購入してもらったら終わりではなく、購入された商品を長期的に利用してもらうことが大切です。長期的に自社商品やサービスを利用してもらうためには、顧客の悩みや要望に応えるアフターフォローの体制を作っておくことが大切です。
しかし、顧客の悩みや要望は簡単なものばかりではありません。たとえば、商品の故障に対する修理依頼や思ったようなサービスが受けられなければ改善依頼が寄せられることもあります。また、商品の利用方法が難しければ利用方法のサポートを要望されることもあります。カスタマーサポートは、こうした顧客からの幅広い要望に応じる専門部署の役割を持っています。自社のファン化を進めることで継続的に自社のサービスを利用してもらえるようになり利益拡大につながるでしょう。
対応内容
カスタマーサポートの対応内容は、既存顧客からのサービスに対する質問だけではなく、クレームなどさまざまな問い合わせがあります。たとえば、サービスに不具合が出た場合、顧客から修理や改善、交換対応依頼が寄せられます。こうした要望に適切な対応をするために、オペレーターは単に回答するだけでなく、顧客の状況に寄り添った対応が求められるため、専門知識と高いコミュニケーション能力が必要です。
具体的な対応内容の例として以下の3つがあります。
- サービスの初期設定・操作方法に関する問い合わせ
- 利用中のトラブルや不具合への対応
- クレームや改善要望への対応
カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違い
カスタマーサポートが「顧客からの問い合わせを起点とする受動的な対応」であるのに対し、カスタマーサクセスは「企業側から働きかけ、顧客の成功体験を能動的に支援する活動」です。
つまり、カスタマーサポートはお客様からのアクションが起点となり、反対にカスタマーサクセスはサービスの供給者から発信するアプローチとなります。
両者は役割が異なりますが、土台となるのは確実なカスタマーサポート対応であり、問い合わせ対応が不十分な状態でサクセス施策を進めても効果は限定的です。
カスタマーサポートとヘルプデスク・テクニカルサポートとの違い
ヘルプデスクやテクニカルサポートは、主に技術的な問い合わせ対応に特化した役割を担います。一方、カスタマーサポートは、技術面に限らず、顧客体験全体を支える幅広い対応を行う点が特徴です。
また、調査が必要であったり、回答が難しい場合については各担当部隊に引継ぎが行われる等、社内各部門との仲介的役割を担うこともあります。
カスタマーサポートとコールセンターの違い
カスタマーサポートとコールセンターは混同されがちですが、目的と役割が異なります。
- 目的とターゲット
- コミュニケーション
- 効果
カスタマーサポート:既存顧客向け /満足度向上・継続利用
コールセンター :新規・既存顧客/問い合わせ受付・販売・獲得
カスタマーサポート:電話・メール・チャットなど多様
コールセンター :電話が中心
カスタマーサポート:顧客満足度、LTV向上
コールセンター :売上拡大、業務効率化
カスタマーサポートを成功させるためのポイント
カスタマーサポートを成功させるためのポイントは下記4点あります。
顧客対応のマニュアル化
まず1点目は、顧客対応のマニュアル化です。対応品質を安定させるためには、対応フローやFAQを整備し、属人化を防ぐ仕組みが欠かせません。過去の問合せ内容や解決方法、また良質な対応を行うオペレータの対応内容をマニュアル化することで、スタッフ間での対応ばらつきを防ぎ、良いカスタマーサポートに繋がります。
外部のサポート体制を充実させる
続いては、外部のサポート体制の拡充です。日々の業務に追われ、顧客管理や共有が難しい場合は、アウトソースし、外部委託での対応も一つの選択肢です。近年は、在宅オペレーターや外部委託を活用し、柔軟なサポート体制を構築する企業も増えています。
顧客情報の一元管理
顧客情報の一元管理は、絶対条件です。カスタマーサポートでは、特定の顧客と何度かやり取りを行う場合もありますので、過去の問合せ履歴へもアクセスすることが可能な環境を整えることが必要です。顧客情報を管理する、CRM・CTIの仕組みを取り入れ、簡単に顧客情報共有出来る状態を作ることが重要です。
自己解決率を向上させる仕組みづくり
最後のポイントは、自己解決率を向上させる仕組みづくりです。チャットボットやFAQの充実により、問い合わせ件数そのものを減らすことも重要です。問合せ件数が多いと、顧客一人一人とじっくり向き合って対応することが難しく、サポート品質の低下に繋がるため、そもそもの問合せ件数を削減する取り組みにも力を入れることは重要なポイントといえるでしょう。
カスタマーサポートに必要な能力とは
カスタマーサポートには、顧客対応を円滑に行うために以下の5つの能力が求められます。
- コミュニケーション能力:顧客の立場を理解し、分かりやすく伝える力
- ヒアリング能力 :顧客の要望や課題を正確に引き出す力
- 問題解決能力 :原因を整理し、最適な解決策を提示する力
- 技術的知識 :製品・サービスを理解し、正確に案内する力
- 自己管理能力 :多忙な環境でも安定した対応を行う力
カスタマーサポートの育成のポイント
安定したサポート品質を維持するためには、育成体制の整備が欠かせません。特に重要なポイントは以下の3つです。
- 製品・サービス知識の習得:顧客の質問に迅速かつ正確に対応するため
- マニュアル・FAQの整備:対応品質の均一化と業務効率化を図るため
- 定期的な研修の実施 :知識や対応スキルを継続的にアップデートするため
属人化を防ぎ、誰が対応しても一定の品質を保てる体制づくりが重要になります。
カスタマーサポートを運営すべき理由
カスタマーサポートは、顧客と企業の最初の接点となる重要な役割を持ちます。商品やサービスについて顧客が抱える課題に応えることで満足度は高まります。その結果、企業に対する評価に大きな影響を与える部署であり、運営すべき主な理由は以下の3つです。
- 問題や不満を早期に解決できる
- 顧客の声をサービス改善に活かせる
- 顧客満足度を高め、信頼関係を築ける
特に近年では、顧客の声(VOC)を分析し、プロダクト改善や業務改善につなげる取り組みが重視されています。
また、カスタマーサポートを設置することで、企業には以下のようなメリットもあります。
- 企業イメージの向上:丁寧な対応が評価され、口コミや評判につながる
- リピート率の向上 :顧客満足度が高まり、継続利用を促進する
- 利益への貢献 :既存顧客のLTV(顧客生涯価値)向上につながる
カスタマーサポートはコスト部門ではなく、企業価値を高める重要な役割を担っています。
カスタマーサポートの品質向上のために意識するべきKPI
カスタマーサポートの品質を高めるためには、適切なKPIの設定と改善が欠かせません。カスタマーサポートの品質向上のために意識するKPIは、下記3点となります。
- サービス継続率(リピート率):顧客がサービスを継続利用しているか
- 入電の応答率 :顧客がストレスなく問い合わせできているか
- 課題解決率 :顧客の問題が適切に解決できているか
近年では、これらに加えて一次解決率(FCR)や顧客満足度(CSAT)など、顧客体験を重視した指標も重要視されています。
コラボスのツールでカスタマーサポートを支援できます!
カスタマーサポートの品質向上には「顧客の声を正しく把握すること」と「現場の応対品質を安定させ、改善を継続すること」が欠かせません。コラボスでは、これらを実現するために VLOOM と GROWCE という2つのツールを提供しています。
電話サービス「VLOOM」:顧客の声を「見える化」し、改善につなげる
VLOOMは、通話音声を起点に顧客対応の実態を把握できるクラウド型のコールセンターシステムです。音声認識やAIによる要約・分析機能を活用することで、
といった取り組みを支援します。属人的になりがちなカスタマーサポート業務をデータで捉えることで、KPI改善やサービス品質向上につなげることが可能です。

CRMサービス「GROWCE」:顧客対応・情報管理を一元化し、運営を効率化
GROWCEは、電話・メール・問い合わせフォームなど、複数チャネルの顧客対応を一元管理できるCRM型プラットフォームです。チケット管理や顧客情報の蓄積を通じて、
を実現します。現場の負担を減らしながら、安定したカスタマーサポート運営を支援します。
VLOOMとGROWCEを組み合わせることで、「顧客の声の把握」から「現場改善・育成」までを一貫して支援できる点が、コラボスの強みです。
まとめ
本記事では、カスタマーサポートの役割や業務内容、カスタマーサクセス・コールセンターとの違いを整理しながら、現代のカスタマーサポートに求められる考え方や運営ポイントについて解説しました。
カスタマーサポートは、単なる問い合わせ対応の窓口ではなく、顧客満足度やリピート率、LTV向上に直結する重要な部門です。電話・メール・チャットなど複数チャネルを活用しながら、顧客の声(VOC)を正しく把握し、サービス改善や業務改善につなげることが、これからのカスタマーサポートには求められます。そのためには、対応マニュアルの整備や人材育成、KPIを意識した運営に加え、CTIやCRMなどのツールを活用し、顧客情報と対応履歴を一元管理することが欠かせません。カスタマーサポート体制の見直しや改善を検討している企業は、自社の課題に合った仕組みづくりから取り組んでいくことが重要です。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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