コールセンターでの話し方のコツは?顧客満足度を高める話し方について紹介

人は話し方が9割」という本がベストセラーになるほど、人の印象は話し方で大きく変わります。
特にコールセンターでは、各オペレーターの話し方が重要なポイントといっても過言ではありません。
この記事では、顧客満足度を高める話し方の特徴やコールセンターに必要な電話応対の方法について詳しく解説します。
また、避けるべき話し方や改善のコツもあわせてご紹介します。


話し方でコールセンターの印象の9割が決まる

顧客と声でやり取りを行うコールセンターでは、話し方でそのセンターの印象がほぼ決まってしまいます。
電話では相手の顔が見えないため、声の高さや話すスピード、言葉遣いでイメージが大きく左右されます。
安心感のある話し方を意識するだけでコールセンターや企業のイメージ向上や顧客満足度の向上につながります。

良い印象を持たれるオペレーターの特徴

良い印象を持たれるオペレーターにはいくつかの特徴がありますが、共通しているのが「顧客の立場に立った話し方」をしていることです。
その代表的な特徴を3つご紹介します。

声の印象

明るく元気な声やはきはきとした話し方は、相手に好印象を与えます。
「笑声」ともいわれるように、声の印象でも笑顔が伝わる話し方のオペレーターは顧客からの信頼度も高いでしょう。
また、話すスピードを顧客のペースに合わせることで、顧客も安心して話をすることができます。

言葉遣い

声の印象と同様に言葉遣いも良い印象を与える重要な要素です。
丁寧な言葉遣いを心がけることはもちろん、正しい日本語を使いこなせるオペレーターは顧客からの信頼度も高くなります。
丁寧語や謙譲語など敬語の使い分けや柔らかい印象を与えるクッション言葉など、正しい言葉遣いは顧客から好感を持たれやすくなります。

顧客の立場に立った対応

顧客のお話を最後まで聞いた上で説明をする・お急ぎの場合は、わかりやすく簡潔な説明を意識するなど、常に顧客の立場に立った対応を心がけているのも特徴といえるでしょう。
コールセンターでは、正確な案内はもちろんのこと、こうした配慮のある・なしでは印象が大きく変わってきます。

コールセンターの話し方のコツ

明るくやわらかい声を意識して話し始める

オペレーターの第一声は、お客様の印象を大きく左右します。電話に出るときの第一声は、明るくやわらかい声を意識するようにしましょう。

電話ではお互いの顔が見えないため、電話をかけるお客様も緊張している場合があります。オペレーターの声が明るくやわらかであれば、お客様も安心して話しやすくなるでしょう。また、内容がクレームだった場合は、不満や怒りを緩和する効果もあります。

声のトーンをコントロールする

声色も、お客様の印象を左右する重要な要素です。
オペレーターの中には、高い声と低い声があります。声質に応じて、ゆっくり話すことやトーンを調整することが大切です。
声が高い人は、速く話すと軽率に聞こえることがあります。声が低い人は、トーンや抑揚に気を配ることで、好印象を与えることができます。

話すスピードをコントロールする

話すスピードは、1秒間に5~6文字程度を目安にするとよいでしょう。この速度は年齢に関係なく聞き取りやすいとされており、テレビのアナウンサーも同様の速度でトレーニングしています。

電話対応では、緊張して無意識のうちに早口になることがあります。早口になると、説明が一生懸命でもお客様には理解しにくくなってしまいます。

原稿を用意し、文字数を確認しながら練習することで、適切なスピード感を身につけることができます。

結論から話す

お客様への説明で大切なのは、結論を先に伝えることです。

例えば、「合計金額は〇〇円です。内訳は~」といった具体例で、結論を先に述べることでお客様が内容を理解しやすくなります。結論が後回しになると、お客様が待ち遠しく感じることがありますので、結論から話す習慣を身につけることが重要です。

初めは結論が即座に出てこないこともありますが、練習を重ねることで徐々に慣れていきます。日常的にマニュアルに基づいてイメージトレーニングを行うことで、本番でもスムーズにコミュニケーションが取れるようになるでしょう。

確認事項を復唱する

確認事項は必ず復唱してください。

コールセンターのオペレーターは、顧客の話を正確に聞くことも重要です。確認事項を復唱することで、聞き間違いを防ぐだけでなく、相手の話をしっかりと聴いているという印象を与えることもできます。

クッション言葉を使いこなす

コールセンター業務では、適宜クッション言葉を使うことが推奨されます。

クッション言葉は、相手にお願いやお断りを伝える際に会話の冒頭に加える言葉です。これにより、お客様への配慮や丁寧さを示すことができます。代表的なクッション言葉には以下があります。

<依頼する場合> ・「誠に恐れ入りますが」 ・「お手数をおかけいたしますが」

<お断りする場合> ・「誠に申し上げにくいのですが」 ・「ご期待に添えず申し訳ございませんが」

<申し出や提案をする場合> ・「差し支えなければ」 ・「ご迷惑でなければ」

これらのクッション言葉を適切に使うことで、コミュニケーションが円滑になり、お客様との関係をより良好に保つことができます。

敬語を正しく使う

コールセンターでは、正確な敬語の使い方が求められます。間違った敬語表現は、相手に対して失礼となることがありますので、注意が必要です。

敬語には次の3つがあります。

丁寧語: 「~です」「~ます」「~ございます」などの丁寧な表現方法です。
尊敬語: 「お尋ねになる」「ご利用になる」など、相手を敬う表現方法です。
謙譲語: 「拝見する」「うかがう」など、自分や身内をへりくだって表現する方法です。

クレーム対応のコツ

相手の話を最後まで聴く

相手の話を遮らず、最後までしっかりと聴くことで、相手の不満や怒りを和らげることができます。

共感とお詫びを示す

相手の気持ちに共感し、誠意を持ってお詫びすることが重要です。

事実確認を行う

クレームの内容を正確に把握し、事実確認を丁寧に行います。

解決策や代替案を提示する

具体的な解決策や代替案を提示し、相手に納得してもらえるよう努めます。

再度お詫びと感謝を伝える

最後に再度お詫びをし、クレームを伝えてくれたことに対して感謝の意を示します。

 

コールセンターの応対に欠かせない正しい日本語の使い方

コールセンターでは状況に応じた正しい日本語が使えるかで印象が大きく変わってきます。
中でも敬語の使い方は重要です。
敬語の正しい使い分け方や間違いやすい敬語について詳しく解説していきます。

敬語の正しい使い分け

敬語には「丁寧語」「謙譲語」「尊敬語」の3種類があり、それぞれ使い方が異なります。
間違った使い方を覚えているオペレーターも少なくありません。
正しい敬語の使い方を理解し、顧客に失礼のない話し方を身に着けることが重要です。

丁寧語

相手に敬意を表すときに使うのが丁寧語です。
「です」「ます」「ございます」などは、丁寧語の代表例といえるでしょう。
「顧客」「お待たせいたしました」など、美化語と呼ばれる言葉の頭に「お」を付ける言葉も丁寧語に含まれます。

する します
言う 言います
行く 行きます
来る 来ます
見る 見ます
聞く 聞きます
伝える 伝えます
思う 思います
待つ 待ちます
わかる わかります

謙譲語

謙譲語は主に自分の行動を表す時に使う言葉です。
相手を敬い、自分がへりくだるという意味があり、自分や社内の関係者が主語の場合に謙譲語を使います。
具体的な使い方としては「わたくしがうかがいます」「申し上げます」「頂戴する」などがあります。

する いたす・させていただく
言う 申し上げる
行く うかがう・参る
来る うかがう・参る
見る 拝見する
聞く 拝聴する・うかがう
伝える 申し伝える
思う 存じる
待つ お待ちする
わかる 招致する

尊敬語

尊敬語は相手の行動を表す時に使います。
主に相手が主語の場合、尊敬語を使います。
使い方の例として「おっしゃる」「おいでになる」「ご理解いただく」などが挙げられます。
「御社」「ご担当者様」など相手を表す言葉も尊敬語といえます。

する なさる・される
言う おっしゃる
行く いらっしゃる
来る いらっしゃる・おいでになる
お越しになる
見る ご覧になる
聞く お聞きになる
伝える お伝えになる
思う お思いになる
待つ お待ちになる
わかる お分かりになる・ご理解いただく

間違えやすい敬語の使い方

最も間違いやすい敬語に「二重敬語」「失礼な表現」「ファミコン言葉」などがあります。
間違った敬語はさまざまシーンで耳にするので、会話の中で無意識に使ってしまいがちですが、間違った敬語は、顧客に不快感を与えることにもなりかねません。
それぞれの間違いと正しい使い方をご紹介します。

二重敬語

具体的なものとして「ご覧になられる」という使い方がありますが、これは「見る」の尊敬語である「ご覧」と「する」の尊敬語の「なられる」が混じってしまったものです。
「ご覧になる」が正しい使い方です。

間違った使い方 正しい使い方
おっしゃられる おっしゃる
お越しになられる お越しになる

失礼な表現

目上の方に対して「おわかりいただけたでしょうか」という表現は、相手に対して失礼な表現にあたるので間違った敬語といえるでしょう。
正しくは「ご理解いただけたでしょうか」と表現します。

間違った使い方 正しい使い方 補足
了解しました 承知しました かしこまりました 「了解」は同僚や部下に対して使われる言葉なため
お世話様です お世話になっています 「お世話様」は身近な人に感謝伝える言葉なため
なるほどですね おっしゃるとおりです 「なるほど」は同僚や部下に対して使われる言葉なため
おわかりいただけたでしょうか ご理解いただけたでしょうか 「わかりましたか」というニュアンスになるため
どうしますか いかがいたしますか 「どうする」自体が敬語ではないため
させていただく しております 相手に了承を得る
相手にとって便宜を図るときにのみ使う
こちらの都合で何かを行うときには使わない

ファミコン言葉

「ファミコン言葉」と呼ばれるファミリーレストランやコンビニでよく使われている表現も間違いやすい敬語の代表例です。
具体的な表現として「こちらのほう」「よろしかったでしょうか」などがあります。
「こちらのほう」は「こちらです」「よろしかったでしょうか」は「よろしいでしょうか」が正しい表現です。

間違った使い方 正しい使い方 補足
~のほう
例)私のほうで担当いたします
私が担当いたします 「~ほう」は日本語として誤っているため
~になります ~でございます 「~なる」は敬語ではなく物事の変化を表す言葉なため
存じ上げております 存じております 「あげる」は人に対して用いる言葉
人以外を指す場合は使わない
役職名+様
例)社長様・会長様
〇〇社長
社長の〇〇様
役職に様を付けるのは
日本語として誤っているため
お名前を頂戴できますか お名前をうかがってもよろしいでしょうか 「頂戴する」は物に対して使われる表現
とんでもございません とんでもないです 「とんでもない」が1つの言葉として使われるため
「とんでも」に敬語である「ございません」を付けるのは誤り

柔らかい印象を与えるクッション言葉

「恐れ入りますが」「失礼でございますが」など、会話の初めにクッション言葉と呼ばれる相手を気遣う言葉を挟むことで、顧客に柔らかい印象を与えることができます。
また、顧客からの要望に対して、こちらの提案を行う際には「イエス・バッド法」や「イエス・アンド法」を使うことで、オペレーターの提案が受け入れられやすくなります。

イエス・バッド法

「~なのですね。ですが~」のように相手の意見を受け入れた上で、反対の意見を述べる際に使われる表現です。
顧客のご要望に対応できない場合やお断りする際に使います。

イエス・アンド法

「~なのですね。でしたら~はいかかでしょうか」と相手の要望に対して、別の提案を行う際に使われる表現です。
顧客の希望と異なる提案を行う際に使うとスムーズに会話が進みます。

印象を悪くする話し方の特徴

良い印象を与える話し方がある一方、顧客が不快に感じる話し方にも特徴があります。
オペレーター自身も気づかないちょっとしたクセも、コールセンターではお叱りを受けるきっかけになります。
話し方の特徴を知った上で、日ごろから意識して改善するようにしましょう。

話を遮る

顧客の話を遮ることは、マナー違反であり不快な印象を与えます。
相手が話し終わったのを確認したのち、話はじめるように意識しましょう。
話の途中で相槌を入れると真摯な態度が伝わるのでさらに印象が良くなります。

早口で話す

早口で話されると会話の内容が聞き取りにくい上、「迷惑がられているのではないか」と相手を不安にさせてしまいます。
焦らず落ち着いて話すことを意識するようにしましょう。
顧客と同じテンポもしくは、少し遅く感じるくらいのスピードを意識すると聞き取りやすくなり、安心感を与えることができます。

馴れ馴れしい言葉遣いをする

コールセンターでは顧客が親しみを感じる話し方も重要ですが、馴れ馴れしい言葉遣いは不快感を与える原因になります。
さらに「です~」と語尾を伸ばす話し方は、相手に失礼な印象を与えかねません。
語尾は伸ばさず、丁寧な言葉遣いを意識するだけで印象が大きく変わります。

好印象を持たれる話し仕方のコツ

顧客から好印象を持たれる話し方にはコツがあります。
言葉遣い以外にも、声のトーンなどを工夫するとさらに顧客からの印象が良くなります。
具体的な話し方のコツを4つご紹介します。

口角を上げて話す

オペレーターの表情は声で伝わります。
笑顔を作るように口角を上げることで声のトーンが上がり、明るく元気な印象になります。

相手に伝わるようにはっきりと話す

ぼそぼそとした小さな声や早口では会話の内容が聞き取りにくく、何度も聞き返すことになるので、問い合わせを面倒に感じる顧客もいるでしょう。
こうした手間を避ける方法として、口を大きく開け1語1語をはっきりと発音することや大きな声で話す練習をしておくことが挙げられます。
また、はっきりと話すことで早口で話すクセが改善されるので、日ごろから意識すると聞き取りやすいスピードで話すことができます。

相手にテンポに合わせて話す

話のスピードやテンポは人によってさまざまです。
相手のテンポに合わせて話すスピードや会話の内容を変えると、相手も落ち着いて話ができます。
特に困りごとやご相談などの話は、相手の気持ちに寄り添って話す意識を心がけることで顧客の安心にもつながります。

話を簡潔にまとめて話す

まとまりがなく長い説明では、相手が何を言いたいのかわからないとオペレーターに不信感が持たれる可能性があります。
顧客満足度を高めるためには、話す内容をわかりやすく簡潔にまとめることが重要です。
要点を押さえた話し方は、相手に伝わりやすいのはもちろん、手短に話すことで効率の良い応対ができるので、オペレーター自身の負担も軽くなります。

コールセンターにおける話し方の注意点

相手の話をさえぎらない

相手の話を途中で遮らないことが基本です。お客様の話を遮ることは失礼にあたりますので、特に電話応対では注意が必要です。もし話題に迷ったときは、「他には何かございますか」と確認することが大切です。確認なしに話を始めると誤解を招くことがありますので、注意してください。

また、話が重なった場合には、一呼吸置いてから相手に再度話してもらうか、「どうぞお話ください」と声をかけるとスムーズです。

語尾を伸ばさない

語尾を伸ばす話し方にも注意が必要です。「ですー」「ましたー」などの語尾の伸ばし方は、相手に不快感を与えることがあります。ビジネスシーンでは適切ではありませんので、クセになっている場合は特に気をつけましょう。録音した声を聞いたり、上司や同僚に客観的なフィードバックをもらうことで改善できるかもしれません。

なれなれしくしない

馴れ馴れしい話し方にも要注意です。親しみを込めて話しているつもりでも、お客様からは馴れ馴れしいと感じられることがあります。一般的には丁寧な表現を心がけることが重要です。

特に、以下の言葉は馴れ馴れしい印象を与えやすいため、適切な言い換えを検討しましょう。

  • 「そっち」 → 「そちら」
  • 「ちょっと」 → 「少々」
  • 「どんな」 → 「どのような」
  • 「うん」 → 「はい」

まとめ

コールセンターの印象はオペレーターの声や話し方で決まります。
顧客満足度を高めるためには、顧客の立場に立った対応が重要といえるでしょう。
こうした対応をするために、オペレーター全員が明るく元気な声や正しい日本語を使うなどを意識する必要があります。
日ごろから正しい敬語の使い方や好印象を与える話し方の研修を行うなど、センター全体でスキルアップを図る機会を作ることが重要になります。
今回ご紹介した話し方のポイントや改善のコツをぜひ参考にしてみてください。

この記事の執筆者

コラボスブログ編集部

株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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