2023/01/31
マネジメント
ヘルプデスクとは?社内外やコールセンターとの違いは?スキルや業務内容を解説
ヘルプデスクとは、商品やサービスのトラブル発生時に電話やメールで問合せを受ける窓口のことです。社内向けであっても、社外向けであっても、ヘルプデスクといいます。
目次
ヘルプデスクとは?
ヘルプデスクとは、商品やサービスについての、使い方、トラブルを受け付ける窓口です。技術的な事項もきかれることがあるため、幅広い知識が必要になります。
社内・社外向け、どちらのヘルプデスクも存在します。
社外ヘルプデスクの主な業務
社外ヘルプデスクでは、自社のシステムやソフトウェアなどを利用しているユーザーからの問い合わせを受け、調査を実施(もしくは社内関連部署に依頼)、回答することが主な業務となります。
関連記事:社内ヘルプデスクとは?業務内容や効率化を進めるポイント CTIシステムについて解説
社内ヘルプデスクの主な業務
社内ヘルプデスクでは、自社内で使用されているシステムや、ネットワーク、業務で利用するPCやアプリケーションに関する問い合わせを受け付け、回答することが主な業務となります。また、問い合わせ受付後、調査を行うこともあるため、エンジニアのスキルなどを必要とする場合もあります。
監視オペレーターの主な業務
監視オペレーターは、サーバーやネットワーク機器の稼働などを、専用の監視ツールなどを用いて監視を行うことが主な業務となります。異常を検知した場合は、社内外へ状況を共有し、調査や復旧作業などを行います。
ヘルプデスクと他の職種との違い
ヘルプデスクとコールセンターは共通点が多く混同される方も多い部署ですが、はっきりとした違いがあり、それぞれ役割が異なります。
まずは、それぞれの設置目的や果たす役割をご紹介していきます。
コールセンター
疑問を解決することに特化したヘルプデスクと比べ、コールセンターの役割は多岐に渡ります。コールセンターの業務は大きく分けてインバウンドとアウトバウンドの2種類に分類することができます。
インバウンド業務は顧客からの問い合わせに応える場合もあり、予約受付からヘルプデスクのように相談窓口としての役割を担うコールセンターも非常に多いです。
一方アウトバウンド業務とは、テレアポやテレフォンマーケティングなどを指し、営業活動を行うケースがほとんどです。電話営業などの部署もコールセンターと呼ばれることからもわかるように、コールセンターとは、業務内容ではなく電話を利用した業務形態そのものを指す言葉となっています。
ここで一度まとめると、ヘルプデスクは「相談窓口としての職種」コールセンターは「電話を利用した業務形態」ということがいえるでしょう。
サービスデスク
コールセンターやヘルプデスクと似たような言葉に「サービスデスク」というものがあります。
サービスデスクは社内外問わず課題解決を行ったり、マーケティングや情報の提供などを行う総合窓口のような役割を果たす部署を指します。トラブルシューティングに特化しているヘルプデスクとは異なり、サービスデスクはあらゆる問い合わせに対応するという違いがあります。総合的な知識が必要なので高いスキルが求められる業務です。
サービスデスクはヘルプデスク同様、職種を指す言葉なので業務形態を指すコールセンターとは言葉の使われ方が違います。また、電話やメールなどのチャネルを活用してサービスデスクの役割を果たすコールセンターも存在することを覚えておきましょう。
テクニカルサポート(サポートデスク)
テクニカルサポート(サポートデスク)の業務内容は、基本的にヘルプデスクと似ている部分が多く、ユーザーからの問い合わせ対応が主な業務となります。ただし、ヘルプデスクに比べて、より専門性を求められる問い合わせを受け付けることが多く、問い合わせ受付後、そのまま技術的な調査から回答まで行うことが多いため、よりエンジニアのようなスキルを求められることが多い業種となります。
関連記事:サポートデスクとは?仕事内容や役割は?ヘルプデスクとの違いも徹底解説
プログラマー
プログラマーは、作成された設計書をもとに、プログラミングを実行し様々な機能を実装することが主な業務となります。実装後の不具合(バグ)がないかチェック、修正を行うことも業務の一部となります。
ヘルプデスク業務とは違い、かなり専門的な技術のスキルが求められるため、プログラミング言語やプログラミングに関するスキルを身に着ける必要があります。
SE
プログラマーは、作成された設計書をもとに、プログラミングを実行し様々な機能を実装することが主な業務となります。実装後の不具合(バグ)がないかチェック、修正を行うことも業務の一部となります。
ヘルプデスク業務とは違い、かなり専門的な技術のスキルが求められるため、プログラミング言語やプログラミングに関するスキルを身に着ける必要があります。
社内SE
社内SEは、IT機器の管理やシステム開発の企画、プロジェクト推進など幅広く業務を行っています。そのためヘルプデスク業務よりもさらに広範な知識を必要とします。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、システムのベースとなるサーバーやネットワークなどのインフラ基盤を設計、構築することが主な業務となります。SEなどと同様、ヘルプデスク業務よりもより専門性の高い知識を要求される業務といえるでしょう。
ヘルプデスクとコールセンターに求められるスキルの違いとは?
ヘルプデスクに向いている人と必要なスキル
ヘルプデスクの担当者は、商品やサービスの知識についてよく知っていることはもちろん、システムを使うときに利用しているネット回線など、幅広い知識が求められます。その知識をもとにして、トラブルの原因を追及します。
また、知識だけでなくそれを上手に説明するスキルも求められます。
①コミュニケーション能力
顧客に寄り添って問題解決に協力するヘルプデスクには高いコミュニケーション能力が必要です。
ヘルプデスクにコンタクトをとるユーザーはトラブルに直面して困っています。思うようにいかず不安なユーザーや、腹を立てているユーザー、すがるような思いで頼ってくるユーザーもいます。
不安な思いを抱えてヘルプデスクを頼ってくる顧客に対し、ヘルプデスクがまずしなければいけないのが心の距離を縮めることです。コミュニケーションを通じて顧客に寄り添うことで求めている情報は何なのか、悩みの本質はどこにあるのかを見つけられなければ適切な回答は提供できません。
ヘルプデスクには相談者の心を開かせるようなコミュニケーション能力が求められます。
②サービス・商品についての知識
サービス・商品についての知識が不足していれば顧客からの質問に応えることができません。あらゆる質問に答えられるよう、自社の提供するサービス・商品についての知識の習得が必要不可欠です。
もちろんサービス・商品についての知識の全てを詰め込むのは不可能ですが、よくある質問や頻出する事例については最低限知っておく必要があります。
知識がなくともFAQデータベースから情報を調べることも可能ですが、その場合はデータ整備は必要不可欠です。
関連記事:FAQシステムとは?メリット・デメリットや導入事例をご紹介
③説明能力
知識があっても相手に伝えられなければ意味がありません。
顧客満足度向上のためにヘルプデスクを設置するのであれば、顧客に分かりやすく伝えられる説明能力が必要です。
電話越しの声だけで情報を伝えるというのは想像以上に難しい作業です。
顔を合わせていればジェスチャーや図などを使って説明できますが、電話の声のみで分かりやすく伝えるのはかなり高度なスキルが必要です。
とはいえ、オペレーター全員が高度なスキルを取得するよう教育するのは現実的ではありません。
こちらもトークスクリプトを用意することで、個人のスキルに依存することなく、高い応対品質の維持が可能になりますが、日々の修正・確認が必要となります。
関連記事:トークスクリプト
④ヒアリング能力
話を聞くという作業は考えている以上に高度な作業です。
行ったり来たり要領を得ない説明を聞いて相手が何を言いたいのか、どこで困っているのかを正確にヒアリングするのは簡単ではありません。
ヘルプデスクにはどんな人の声にも真摯に耳を傾け、どこで困っているのかをピンポイントで把握できる高度なヒアリング能力が求められます。
困っているポイントを正確に理解できればヘルプデスクの仕事の8割は達成されたといっても過言ではありません。
ただし、FAQデータベースを整備しておけば、過去の似たような事例を素早く参照し、スムーズに顧客の疑問を解決することができます。
⑤臨機応変に対応する能力
ヘルプデスクには様々な問い合わせ内容が集まります。中には今までにないようなトラブルが発生し、問い合わせやクレームを受ける可能性もあります。どのような状況下でも、お客様の状況をしっかりとヒアリングし、対応する必要があります。そのため突発的なことにも臨機応変に対応できるようなスキルが必要とされるのです。
⑥スケジュール管理・調整能力
ヘルプデスクでは、ユーザーからの問い合わせを受けた後、場合によっては社内の各部署間とやり取りをする必要が出てくることがあります。その際に各部署の担当者の予定を確認し、スムーズにスケジュールを調整、管理することで早期解決につながることもあります。
⑦英語などの語学力
企業によってはユーザーが外国人であることもあります。外国の方からの問い合わせを受けても、ある程度の語学力があれば対応できる可能性があります。語学力を身に着けることでより幅広いヘルプデスク業務を対応することが可能となります。
コールセンターに向いている人と必要なスキル
コールセンターの担当者は、商品やサービスについての幅広い知識と、寄り添った顧客対応ができるスキルが求められます。迅速な問題解決能力はもちろん、顧客に失礼のない高いコミュニケーション能力が求められます。
①コミュニケーション能力
ヘルプデスク同様、コールセンターにおいてもお客様とのコミュニケーション能力は必要なスキルとなります。
お客様がどのような要望で問い合わせてきているのか、お客様がうまく説明できない場合も言葉を言い換えて言語化したりして、要望を汲み取る必要があります。
②幅広い業務に対する知識
コールセンターへの問い合わせは、製品の問い合わせや、注文、予約受付など、その業務内容は多岐にわたります。
一人のオペレーターが複数の業務を受け付けることも多いため、幅広い業務に対する知識が必要となります。
③対応スキル
コールセンターでは、問い合わせだけでなくクレーム対応などの受付、さらにアウトバウンドで架電業務を行う場合もあります。
それぞれの業務スタイルに合った対話、対応スキルを身に着ける必要があります。
ヘルプデスクの業務でありがちな不満や課題
ヘルプデスク業務は、先に説明してきた通り、幅広い知識を要し顧客の問題を解決していかなければならない、重要な役割を担っています。そのような中で、多くのヘルプデスクが抱えている課題をいくつかピックアップして紹介いたします。
問い合わせの予測ができない
ヘルプデスク業務では、お問い合わせがくるタイミングを予測することは非常に難しいため、いつお問い合わせが来るかわからない緊張感を常に持っていないといけません。また、問い合わせに都度都度対応することになるため、一日のスケジュールを立てたり、スケジュール通りに進めることが難しく、心的負荷がかかるケースがあることはよく上げられる課題となります。
業務範囲が不明確
ヘルプデスクは明確に業務範囲が決まって居ないケースも多く存在します。どこからどこまでの範囲をヘルプデスクに依頼する、ということが明確に決まっていないと、とりあえずヘルプデスクに任せよう、というケースが増えすぎてしまい、ヘルプデスク担当者の業務を圧迫してしまうことも多くあります。
難易度の高い問い合わせ
ヘルプデスクで受ける問い合わせには、システムトラブルなど対応が難しい案件も存在します。解決することが難しい案件や、時には理不尽な問い合わせ内容を受けることもあるでしょう。また、ヘルプデスクに問い合わせてくる方のIT知識も人によって様々です。そのため、相手によって、説明の方法や言葉の選び方などを変えて相手に伝わるよう説明していく必要があります。
ヘルプデスクを設置するメリット
多くの企業では顧客満足度向上への取り組としてヘルプデスクを設置しています。また、相互窓口となるコールセンターとは別に独立したヘルプデスクを導入する企業も非常に多いです。
しかし、なぜ企業は積極的にヘルプデスクの導入を進めるのでしょうか。
ここからはヘルプデスクを設置することで発生するメリットについて、解説していきます。
簡単な質問で他のコールセンター業務を圧迫させない
ヘルプデスクを設置するメリットとして第一に挙げられるのが「コールセンターにかかる負担の分散」です。
多様な問い合わせが寄せられるコールセンターですが、その多くはとても簡単な質問が占めています。
回答する難易度の低いよくある質問に特化したヘルプデスクを設置し、対応を一任することでコールセンターの業務負担は軽減され、重要な契約や営業活動などの重要な業務を妨げる心配がなくなります。
顧客がどこへ連絡すればいいかわからない場合の一次受付になる
ヘルプデスクはどこへ連絡するべきか悩む顧客に対して、一時受付窓口として機能します。
はじめに全ての問い合わせがヘルプデスクに繋がるようになり、そこで振り分けを行うことで、無駄な転送が削減され業務の負担軽減につながります。
顧客側も受付窓口が明確になることで、複数の部署があってもたらい回しを避けることができます。
従業員のモチベーション向上につながる
ヘルプデスクを設置することによって、従業員のモチベーション向上につなげることができます。ヘルプデスクにはお客様が直面している問題やトラブルに関する問い合わせも多くあります。ヘルプデスクでは、その問題を円滑に解決するために、社内外を調整したりする必要があります。
非常に重要で難しい役割ではありますが、自分自身が動き社内の部門間を調整、問題をスムーズに解消することで、お客様から感謝されたり、社内の調整役として評価されることもあります。そういった社内外からの評価が、仕事のモチベーションにつながると考えられます。
従業員のコミュニケーションスキルを伸ばせる
ヘルプデスクは社内外様々な人物や、職種の方と会話する機会があるため、自然とコミュニケーション能力が身についていきます。なかなかコミュニケーションに苦手意識のある方でも、一度ヘルプデスクを経験することによって、コミュニケーションスキルを伸ばしていくことができるかもしれません。このように仕事だけでなく、普段の私生活でも役に立つスキルを身につけることができるのもメリットの一つになるでしょう。
従業員のITスキルを向上できる
ヘルプデスクには様々な内容の問い合わせが集まってきます。中にはITスキルがないと解決できないような内容も少なくないでしょう。そのため、その問題を解決できるよう自然と学習しようという動きになるため、ヘルプデスクを設置することによって、従業員のITスキルの向上を見込むことができるでしょう。
ヘルプデスクの業務を効率化させる方法
ここからはヘルプデスクの業務を効率化させる方法をご紹介します。方法としては主に以下の3点が挙げられます。
- データの蓄積、改善
- オペレーター1人当たりの対応量を増やす
- 迅速かつ正確な回答
上記の方法別に詳細をご案内していきます。
データの蓄積、改善
問い合わせデータを蓄積していくことで、そのデータを活用し様々な業務効率を図ることができます。
例えば、蓄積データからFAQを作成し、より迅速に正確な回答ができる環境を整えることができます。また、そのFAQデータを社内に共有することで、回答の隔たりを防ぐことができ、より均一的で質の高いサービスの提供が可能になります。
オペレーター1人当たりの対応量を増やす
オペレーター1人当たりの対応量を増やすことで、センター全体の業務効率化を実現することができます。ただし、計画性も無く業務を増やしてしまうとかえって効率が悪くなります。
業務量の増加を行うには、全体の業務量の可視化を行い、オペレーターのスキルごとの業務分担や、FAQ、チャットボットの導入などを並行して行うなどの工夫が必要です。
迅速かつ正確な回答
迅速かつ正確な回答を行うことによって、対応時間の削減を実現し、業務効率化と顧客満足度の向上を実件することができます。
そのためには、よくある問い合わせ内容とそれに対する回答をまとめたマニュアルを用意したり、回答が難しい場合はすぐに対象の部門へ引き継げるように社内外のフローを整備したりする必要があります。
ヘルプデスクを効率化させるシステムのご紹介
ヘルプデスクは顧客対応の第一線を張り、企業の顔としての役割がある部門です。
顧客満足度向上のためにヘルプデスクを設置しても、オペレーターにスキルがなければ、逆効果になってしまう可能性があります。また、ヘルプデスクは求人が集まりにくい傾向があるほか、離職率も非常に高いため、オペレーターのスキル開発に時間をかけても無駄になってしまう可能性が高い職種です。
そのためヘルプデスクは、いかにオペレーターのスキルに依存せずに高い応対品質を維持できるかがの効率的な運用の鍵となります。
ここからは、コラボスが提供するヘルプデスクの効率化に役立つシステムを2つご紹介していきます。
社内外のよくある質問をまとめておくFAQシステム「CollasQ」
「CollasQ」はユーザーからの質問データをまとめ、よりデータを使いやすい形にするFAQシステムです。
顧客からの質問をまとめた外部FAQとして、適切な情報を顧客に提供するだけでなく、内部FAQとして社内研修にもご活用いただけます。FAQをうまく活用することで、顧客対応がより効率的に行えるほか、トークスクリプトの修正にも役立てることが可能です。
また、チャットボットとの連携機能を利用すればオペレーターを増員することなく対応力を強化できます。FAQシステムの導入には一般的に初期費用として数十万円〜、月額費用として数万円のコストが発生しますが、CollasQは初期費用不要で、月額30,000円からご利用いただけます。
また、コラボスでは現在、CollasQの無料トライアルも実施しております。システムを実際に利用して比較したいという方はぜひ、コラボスのCollasQをお試しください。
まとめ
ここまでヘルプデスクの役割や求められるスキル、効率化を図る方法などをご紹介してきました。新しくヘルプデスクを開設される場合も既存のヘルプデスク運用をより良いものにしていきたい方も、是非参考にしていただければと存じます。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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