コールセンターの最適な人数は?規模に合わせた計算方法を紹介!

コールセンターの大きな課題のひとつが人員の最適化です。

対応力アップのために人数を増やせばコストがかさみ、減らせば品質が低下してしまうため運営者は常に最適水準を求めて頭を悩ませています。

今回は、コールセンターの運営に最適な人数を割り出すために必要な考え方や具体的な計算方法を紹介します。


コールセンターの必要人数を把握するには?

コールセンターの業務効率を改善するためには必要人数を適切に把握する必要があります。

人員が多ければ顧客一人あたりへの応答時間は増えサービス品質は上がりますが人件費がかさみ運営コストが上昇します。

人数が少ないと顧客をさばききれずサービス品質の低下を招いてしまいます。

人員が多すぎても少なすぎてもコールセンターの業務効率は低下します。

業務効率を理想的な水準に近づけるためには過不足ない適正な人員配置を目指すことが大切です。

必要人数の算出方法”アーラン式C”とは

コールセンターの必要人数を算出する方法として用いられているのが「アーラン式C」です。アーラン式Cを用いることで現在のコールセンターに必要な人数を簡単に割り出せます。

アーラン式とは?

アーラン式とは情報処理の「待ち行列」という理論に用いられる手法で、簡単にいえば多くの問い合わせを処理するのに最適な人員数を割り出すための技術です。

コールセンターのように問い合わせがつながるまで顧客が待ち続けるような状況下における必要人員数を割り出すための手法として広く用いられています。

コール数や応答時間などデータを数式に当てはめることで最適な水準を割り出すことができます。

アーラン式Cに必要なKPI

実際にアーラン式Cを用いて必要人数を計算するには3つのKPIが必要です。

KPIとは業績を評価した指標のことで実際のコールセンター業務をモニタリングして得られたデータが用いられます。必要な3つのKPIは以下のとおりです。

AHT(平均処理時間)

オペレーターが顧客からの問い合わせを処理する時間の平均です。平均通話時間+平均後処理時間で構成されます。

顧客から寄せられた問い合わせを処理するのにオペレーターが必要とする平均時間がAHTです。AHTは問い合わせ1件につきどの程度の時間がかかっているのかを示すもので、平均通話時間と平均後処理時間の合計で算出されます。

単位時間あたりのコール数

コールセンターに寄せられる単位時間あたりのコール数を集計しKPIとして用います。単位時間は一般的に30分を1単位とし、CRMなどのシステムに記録されたデータから割り出されます。

ASA(平均応答速度)

ASAは顧客が電話をかけてからオペレーターとつながるまでの所要時間です。20秒以内に80%のコールに対応できるのが一般的な水準とされています。時間帯や日付による変動が大きいためある程度の期間を集計して平均を出さないと正確性を欠いてしまうので注意が必要です。

アーラン式Cの計算方法

アーラン式Cは以下のような計算式にKPIを代入して必要人数を算出することができます。

以上の計算式にKPIを代入すれば必要人数が算出できるとはいえ、一般的な数学の知識では計算式を活用することは難しいでしょう。

ただし、3つのKPIを集計したらアーラン式Cを無料で試算できるサイトは複数あります。

実際にアーラン式Cで必要人数を計算する場合は、そういったサイトを活用することをおすすめします。

アーラン式Cを使う際の注意点

コールセンターの必要人数を把握するのにアーラン式Cはとても役立ちます。ただし、アーラン式Cは完璧なものではありません。2つの注意点を認識しておきましょう。

①放棄率0%という前提の数字しか出ない

アーラン式Cでわかるのは放棄率0%という前提の数字です。

放棄率とはオペレーターにつながる前に顧客が切断したコールの割合を示す数値です。

一般的なコールセンターでは常に一定割合で放棄呼が発生しており、放棄率0%というのは現実的ではありません。

放棄率が高いコールセンターほどアーラン式Cで求められた結果と現実的に必要な人数とのズレが大きくなるので注意してください。

②実働人数と在籍人数にはズレがある

コールセンターにおける人数の考え方には実働人数と在籍人数の2つがあります。

実働人数とは実際に顧客対応を行うオペレーターの数、在籍人数とは研修など顧客対応以外の業務についているスタッフを含めて集計した人数です。

実働人数だけではコールセンターの仕事は回りません。

必要な雑務やアクシデントによる交代などに備えての待機なども大切な業務なので必要人員数は在籍人数で考える必要があります。

アーラン式Cを使って必要人数を求める場合、実働人数と在籍人数で必ずズレが生じます。正確な結果を知るためには2段階に分けて試算を行ってください。

コールセンターの最適人数が把握できる稼働率とは?

コールセンターの最適人数を把握するのに重要な数字が「稼働率」です。

稼働率はコールセンターのKPIのひとつです。稼働率は最適人数に大きく影響します。最適人数把握への第一歩として稼働率がどの程度なのかを確かめてください。

稼働率とは

稼働率とはオペレーターの就業時間(給与支払の対象時間)のうち顧客対応に当てられた時間の割合を示すものです。

就業時間の全てを顧客対応に当てていれば稼働率は100%、全く顧客対応をしていなければ0%となります。

コールセンターの主業務は顧客対応ですがそれ以外にもさまざまな業務があります。

ミーティングや研修、休憩時間など、勤務時間中の顧客対応には含まれない時間が多ければ多いほど稼働率は低下します。

ただし、通話の保留時間やデータ入力など対応後の後処理時間、電話待ちの待機時間などは顧客対応している時間にカウントされます。

稼働率はオペレーターが顧客対応をしている時間がどの程度の割合を占めているのかを把握できる数値です。

稼働率が高いほど主業務である顧客対応に専念できているということになります。

稼働率は「顧客対応時間÷就業時間」で計算できます。

就業時間が8時間で顧客対応時間が6時間の場合は「6÷8=0.75」となり稼働率は75%です。

応答率との関係性

稼働率と並んでよく用いられる指標に応答率というものがあります。

応答率とは問い合わせ着信に対して実際にオペレーターが電話を受けて応答した割合を示します。

応答率が高いほど寄せられた問い合わせをオペレーターが受けている「つながりやすいコールセンター」ということになります。逆に低い場合は電話をかけてもつながらない「サービス品質の低いコールセンター」だということがわかります。

稼働率が高いからといって応答率も高いとは限りません。

人手不足でオペレーターが応答業務にフル稼働しているのに問い合わせ電話の全てに対応しきれていないような状況では稼働率は高くても応答率は低くなります。

稼働率と応答率は計算に用いるKPIが異なるため必ずしも似たような結果が出るとは限りません。

稼働率の最適値は?

一般にコールセンターにおける稼働率の最適値は80%~85%とされています。

稼働率は高すぎても低すぎても問題が発生します。稼働率が高すぎると研修など顧客対応以外の業務が不十分になり、低すぎると余剰人員による人的コストが問題になります。

稼働率で重要なのは最適水準を目指すことです。

80%よりも低い場合は多すぎる人員を見直したり無駄な業務がないかチェックしたりといった取り組みが求められます。

85%より高い場合は人手不足で顧客対応以外の業務がおろそかになっている可能性があります。

研修付属によるスキルの低下や情報共有の不備などが発生しないよう人員増強を含めて配置を見直す必要があります。

コールセンターの人材不足を解消するには?

稼働率を適正水準に近づけるためには人員増強が必要なケースもあります。

しかし、コールセンター業界は慢性的な人材不足に悩まされて降り簡単には人は増やせません。

限られた条件の中で人材不足を解消するためにはどのような取り組みが必要なのでしょうか。

呼量予測を行う

人材不足の解消を目指す取り組みとして勧められているのが呼量予測です。

コールセンターに寄せられる問い合わせは季節や時間によって大きく変動します。

空調などの季節商品はシーズンに問い合わせが急増しオフシーズンには激減します。

1日の中でも夜中に発生したトラブルの問い合わせが集中する朝や、昼休みを利用して電話をかけてくる正午すぎは、コール数が急増しますがそれ以外の午前中や昼すぎは比較的コール数が少なめです。

時期や時間に合わせて変動するコール数に合わせるようオペレーターのシフトを組むことでサービス品質を維持しながらも限られた人員でやりくりが可能です。

オペレーターのスキルを把握する

オペレーターのスキルを把握しそれぞれの能力に合わせて配置するWFM(ワークフォース・マネジメント)という考え方を導入することで業務効率の改善が期待できます。

過去の応答実績や身につけている専門知識など、オペレーターのスキルを詳しく把握すれば初心者からの質問が多い月曜日には初心者オペレーターを多く配置し、専門的な問い合わせが多い夕方から夜にかけてはベテランオペレーターを重点的に配置するといったシフトを組むことができます。

それぞれの能力を活かすことで応答効率が改善し人員はそのままにサービス品質を高められます。

コールセンターシステムの利用で業務効率を向上させる

人員を増やすのではなくコールセンターシステムの利用で業務効率を向上させることで人材不足を解消するという方法もあります。

人員を増やすのは現状の人数では処理能力が不足しているからです。

逆に考えれば一人あたりの処理能力を向上させれば人員を増やす必要はなくなります。

着信に対し自動で音声案内を行うIVR機能やオペレーターの稼働状況にあわせて着信を割り振るACD機能、登録された電話番号からデータを検索し着信と同時に必要な情報が自動でPC画面表示されるポップアップ機能などを活用して処理能力が向上すれば人材不足の問題は解消されます。

人材不足対策のコールセンターシステムならコラボス

コールセンターの最適人数を達成するのに役立つのが、コラボスが提供するクラウド型コールセンターシステムです。

クラウドを通じて利用できるコールセンターの各種機能はオペレーターの処理能力を大幅に向上させます。

着信から個人情報の管理、通話録音やデータの共有、オペレーターの稼働率レポートまで必要な機能は全てクラウド上で処理されるので大型設備を設置することなくコールセンターシステムを構築できます。

人員の最適化に大きな効果をもたらすコールセンターシステムの導入をお考えならぜひコラボスまでお問い合わせください。

この記事の執筆者

    コラボスブログ編集部

    株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
    960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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