2020/08/25
顧客情報管理
コンタクトセンターとコールセンターの違いとは何か?需要や構築時のポイントを解説
高品質のサービスを提供する顧客対応窓口として近年注目が高まっているのが「コンタクトセンター」です。新しい時代にふさわしい顧客対応を行う組織としてコンタクトセンターを組織する企業が増えています。注目が高まる一方でコールセンターとの違いや、仕事内容など疑問を持っている方も多いでしょう。
この記事では、コンタクトセンターの特徴から運営のポイントまで、わかりやすく解説していきます。
目次
コンタクトセンターとは?
コンタクトセンターとはこれまで企業における問い合わせ業務を担ってきたコールセンター部門をさらに発展させた顧客コミュニケーションシステムとそれを担う部門を指す言葉です。
従来のコールセンターでは主に電話で顧客対応を行ってきましたが、コンタクトセンターは電話以外にもメールやチャット、SNSなど多用なチャネルを通じて顧客対応を行います。
現在、IT化が進む中、企業に対する問い合わせ方法も多様性が求められています。これまで問い合わせといえば電話が主流でした。現在でも電話は主要な問い合わせ方法とて広く用いられている一方で、企業に対してメールやSNSなどを利用しての問い合わせ対応を求める声も高まっています。
コンタクトセンターは多様なチャネルでの顧客対応を実現します。顧客対応サービスの質を高めることで、顧客満足度を高め企業価値をあげる役割も期待されています。
コンタクトセンターとコールセンターの具体的な違い
コンタクトセンターは、顧客からの問い合わせを受ける部署になりますが、基本的に電話以外のFAXやメール、WEBサイトの問い合わせやチャットボット対応も行うことが特徴といえます。コールセンターも、顧客問い合わせを受ける専門部署にはなりますが、基本は電話問い合わせ対応をメインとしています。また問い合わせ内容も、仕様に関する質問だけでなく、クレーム対応なども含まれます。
上記のように「電話も含む複数チャネル」での対応か「電話メイン」での対応か、という違いがあります。企業や業界によって呼び方は異なりますが、目的や業務内容は基本的には同じです。また、製品トラブルや技術的な問い合わせをメインとするヘルプデスクや、こちらもまた電話以外の問い合わせ窓口があるカスタマーサポートなどもあります。
コンタクトセンターが重要視される理由とは?
現在、多くの企業でコンタクトセンターが注目されています。これまでもコールセンターによって顧客対応を大切にしている企業はありましたが、顧客対応に対する意識は急速に高まってきているのです。
ここからはコンタクトセンターが重要視されている理由をさらに詳しくご紹介していきます。
人手不足
一つの理由は人手不足によるものです。
これまでのコールセンターは多数のオペレーターを用意する人海戦術で顧客対応業務に対応してきました。しかし、近年深刻化しつつある人手不足により従来のような人海戦術は取れなくなっています。働き手が確保できなくても顧客対応のサービス品質を下げるわけには行きません。
限られた人材リソースの中で質の高いサービスを提供するために、新技術や新システムを導入したコンタクトセンターが求められているのです。
コミュニケーションの多様化
コミュニケーション手段の多様化も理由のひとつです。
昭和の時代、企業に問い合わせをする手段といえば電話か手紙でした。特に素早い対応を求められる案件に関しては、ほぼ100%電話による問い合わせで、企業側も寄せられる電話に対応するために多くの回線とオペレーターを用意したコールセンターを設置していました。
スマートフォンが普及した現在、主な連絡手段として使われるのは電話からメールやSNS、チャットなどに移行しつつあります。顧客が気軽に使えるさまざまなチャネルを問い合わせ窓口として用意することは、会社としての社会的責務となりつつあります。
消費者の価値観の変化
消費者の価値観が変化している点にも注目です。
従来の消費者は購入した商品という「モノ」に対して価値を見出していました。しかし、最近の消費者は購入したという事実や使用したという体験など、形のないいわゆる「コト」に価値を見出す傾向が見られます。
コミュニケーション窓口としてのコンタクトセンターを設置させることで顧客体験価値(カスタマーエクスペリエンス)が高まります。
顧客体験価値の向上は商品だけでなく会社の価値向上にもつながるため、窓口となるコンタクトセンターは重要な役割を果たします。
コールセンターからコンタクトセンターへ進化するには?
電話応対が中心のコールセンターですが、これからの時代に企業がめざすのは、より多用な機能が期待されるコンタクトセンターへの進化です。コールセンターからコンタクトセンターへ進化するにはどのような変化が必要なのでしょうか。
コールセンターシステムの導入
コンタクトセンターを実現する上で必要なのが、様々なチャネルに対応したコールセンターシステムの導入です。コンタクトセンターはコールセンターシステムの発展形ですので、業務は多用になりますが、あくまで運用の中心となるのは従来型のコールセンター業務です。
コンタクトセンターを設置するため、業務の核となるコールセンターシステムの導入が必要です。
まずはコールセンターシステムを導入し顧客と企業を結ぶ窓口を設置しましょう。コールセンターシステムは専門の業者が提供しています。部署設置に際してはコンサルティングも行っているので、想定している規模や予算などを伝えて相談してください。
コールセンターシステムには外線と内線電話を交換器で接続するPBX、着信した電話をコンピューターとつなぐCTI、顧客情報やコミュニケーション履歴まで統括管理するCRMなどがあります。専門業者に相談することで希望を実現するコールセンターシステムが導入できます。
①CTI
CTIとは、Computer Telephony Integrationの略称で、文字通りコンピューターと電話を繋いで、オペレーションを効率するシステムを指しています。CT連携を行うことによって、電話番号と顧客データを紐づけることができ、着信時に情報をポップアップさせることが可能です。
また、オペレーターごとの通話時間や、対応件数の管理を行うこともできるため、CTIを導入することで顧客とよりスムーズにやり取りすることができ、顧客満足度の向上にも繋がります。
②CRM
CRMとは、Customer Relationship Managementの略称で、顧客情報を一元管理することができるシステムを指しています。CRMシステムでは、顧客データだけでなく、コンタクト履歴などの管理を行うこともできるため、顧客対応品質の向上にもつなげることができます。またその蓄積されたデータを使用して、今後のマーケティング戦略や商品開発にも活かすことができます。
③ACD
ACDとはAutomatic Call Distributorの略称で、顧客から入電があった際に、事前に設定していた条件に沿って自動で管理・運用ができるようになるシステムを指しています。スキル別や待機時間別など、条件設定の方法は様々あるため、問い合わせ内容に応じた担当者へ誘導していくことが可能です。よって、顧客の課題解決までの時間を短縮することができるため、顧客満足度の向上を見込むことができます。
④IVR(自動音声応答システム)
IVRとはInteractive Voice Responseの略称で、自動音声応答機能を指しています。電話したにも関わらず、オペレーターが対応するまでの待ち時間が長かったり、問題解決に時間がかかったりすると顧客の不満は募っていきます。
そこでIVRを活用することで、問い合わせ内容によっては自動応答のみで解決することができる場合もあります。また解決できない場合も、自動音声によって適切な窓口に誘導することで、顧客満足度の向上も期待できます。
コンタクトの取れる経路の確保
電話がメインのコールセンターシステムからコンタクトセンターへと進化させるには顧客とコンタクトがとれるあらゆる経路を用意する必要があります。
具体的には、Webの問い合わせフォームや電子メール、チャットやSNSなど電話以外のチャネルも問い合わせ窓口として用意する必要があります。
また、より幅広い顧客層に対応するならIT以外の問い合わせ経路も必要です。高齢層が使い慣れている手紙やFAXなど従来型の手段による問い合わせ窓口を設置すればコンタクトセンターを利用する顧客層が広がります。
チャットボットの導入
チャットボットは、対話(チャット)ができるロボットの事を指しています。顧客によっては電話での問い合わせよりもテキストベースでのやり取りのほうが問い合わせしやすいという方もいます。
そのような場合、チャットで問い合わせできる窓口を設けておくことで、お客様の問い合わせを取りこぼすことなく受け取ることができます。また、チャットボットで自動的に返答してくれるため、24時間365日対応することが可能となり、オペレーターの業務負担も軽減することができるでしょう。質問に対してもスピーディーに返答があるため、電話やメールに比べて時間がかからず手軽に問い合わせできるという点もポイントです。
LINEやメールなど、顧客との経路を増やすならコラボス
LINEやメールなどコンタクトセンターを実現して顧客との経路を増やしたい企業様はぜひ、コラボスへご相談ください。
弊社ではお客様相談室や問い合わせセンターなどのコールセンター業務に必要なシステムをクラウドサービスという形態で提供するしています。電話システムや顧客情報管理システムなどコールセンターシステムを月額料金制でご利用いただけます。
クラウド型コールセンターシステムではユーザーである企業は専用の設備や機材を保つ必要がありません。設備や機材の購入が不要なので初期投資を大幅に節約できます。運用中のメンテナンスもサービス会社側が保守管理費用はかかりません。
弊社ではコンタクトセンターの立ち上げの提案からシステム構築、運用までトータルでサポートいたします。希望や条件に応じて最適なサービスを提案いたしますので、ゼロからのコンタクトセンター立ち上げでもお気軽にご相談ください。必要な機器類の準備やメンテナンスも全て任せられるので最小限のコストで本格的なコンタクトセンターを設置できます。
企業が自前で複数チャネルを持つコンタクトセンターをゼロから立ち上げるのは簡単ではありません。規模やサービス内容などを自由に選べるコラボスなら企業の強みとなるコンタクトセンターが迅速かつ低コストで実現します。
まとめ
コンタクトセンターは、企業の問い合わせ窓口として顧客からの印象を決定づける文字通り会社の顔となる部門です。
丁寧な対応は顧客からの評判を高め企業価値向上をもたらします。反対に対応がまずければ悪評が広まり企業価値が下がるリスクがあります。顧客に良い印象を抱いてもらうための窓口として高品質のコンタクトセンターはこれからの企業運営に欠かせない部門です。
コラボスのクラウド型コールセンターシステムなら多くのチャネルを備えたコンタクトセンターが月額制の低コストで実現できます。コンタクトセンター設置に興味を持たれた方はぜひコラボスへご相談ください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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