2020/10/29
PBX/CTI
PBXの機能を一覧で紹介!種類や選び方のポイントも徹底解説
コールセンターの運営には欠かせないPBXですが、「PBXとは何か」「何ができるのか」といったことを詳しく説明できる方は、意外と少ないのではないでしょうか。
漠然とした理解のままPBXを導入している会社もありますが、その機能と種類をしっかり理解していれば、より良いPBXに乗り換えられるかもしれません。
この記事では導入前に知っておくべきPBXの機能について詳しく解説していきます。
目次
PBXの機能とは?どのような働きをするの?
PBXとは、オフィス内にある複数の電話機を統合・管理するシステムです。
PBXを導入することで主に以下のような機能を利用することができます。
・自社にかかってきた電話をコールセンターのすべての電話機からでも受け取れる
・着信先電話番号に応じて担当スタッフに自動で振り分ける
・担当者が不在のときにはほかの社員の電話機へ転送させる
このように、コールセンターや営業部署の運営をより効率的に進めることができるPBXは、「オフィスへの電話を柔軟で効率的に対応できるようにするシステム」といえるでしょう。
- 関連記事:PBXとは
PBXの機能一覧
PBXの機能ですが、どのような機能を持っているかはPBXの種類によっても変わりますし、PBXを提供しているベンダーによっても違いがあります。
代表的な機能を挙げますが、これらの機能をすべて揃えていないPBXは多く、これ以外の機能を持つPBXもあるでしょう。
ここからは、PBXに搭載されている機能の中でも特に重要度の高い8つの機能を、一覧でご紹介していきます。
①ACD機能
ACDは登録された電話機に対し、着信を自動で振り分けるシステムです。
手の空いているオペレーターの電話機にコールを振り分けるのはもちろん、着信番号とオペレーターを関連付けて割り振ることもできますし、オペレーターの処理能力にあわせて応対数を調節することもできます。
対応しきれず発信者を待たせている間は繋がりにくくなっていることを伝える音声を流すなど、IVRと連携させることも可能です。
複数人を待たせている場合、優先度を設定しておけば優先度の高い番号から繋がるようにすることもできます。
②IVR機能
IVR機能はオペレーターと繋がる前に「商品に関するお問い合わせは1番を、商品の返品・交換に関するお問い合わせは2番を……」などのガイダンスを自動的に流すシステムです。
IVR機能を活用することで、顧客の質問内容を通話が始まる前に予め把握できるようになるほか、ACD機能と連携することで顧客の質問に合わせて対応するオペレーターを振り分けることが可能になります。
また自動音声による案内だけで解決できそうな問い合わせであれば、オペレーターに繋げずに解決できるようにもなるため、コストの削減や応答率の向上も期待できるでしょう。
③パーク保留機能
通話を途中から上司や担当者に交代したい際に、保留からほかの電話機で通話に出ることができるパーク保留機能も、PBXの代表的な機能の一つです。
電話を代わる際に自己保留をする場合、交代して対応する人物を内線で呼び出し、一々席を移動させる必要がありますが、パーク保留機能を使えば移動の手間は必要なくなるのでよりスムーズに交代することができます。
④通話録音機能
PBXでは通話内容を自動で録音し、音声データとしてサーバーやPCに保存することができます。
録音された音声を聞き直すことで聞き漏らしも減らせますし、どういった内容の着信があったかを記録する後処理にも使用可能です。
SVや管理者も音声データを確認することで、それぞれのオペレーターが対応業務中に不適切な言葉遣いをしていないか、そのオペレーターの対応どういった問題点や改善点があるかを発見しやすくなります。
またCRMと連携することで音声データを顧客情報として活用することができます。
⑤通話モニタリング機能
通話している内容を、ほかの電話機で聞いて確認する、通話モニタリング機能もあります。
例えば、新人のオペレーターにベテランオペレーターの通話をモニタリングさせどのような対応をすればいいかの実例として聞かせたり、新人オペレーターの通話をモニタリングし、すぐにサポートに入れるよう準備するなど、SVや管理者が指導の一環として使うための機能です。
通話録音機能でも似たことは可能ですが、通話モニタリング機能を使ったほうがスムーズでしょう。
⑥ウィスパリング機能
ウィスパリング機能は、通話モニタリング機能が搭載されている場合一緒に搭載されているケースがほとんどです。
SVや管理者が通話モニタリング機能でお客様とオペレーターの通話を聞いている際に、SVまたは管理者の音声を対応しているオペレーターのみに聞かせる機能です。
これも電話対応に不慣れであったり問題点が多いオペレーターを指導し、それ以降の対応力を上げるための機能です。
通話中にアドバイスを送ることができるので、対応の改善に即効性も期待できます。
⑦CMS機能
多機能なPBXの中には、コールセンター業務の分析機能を持っているものもあります。
各オペレーターがどれだけの着信を処理したか、それぞれの対応にどれだけの時間をかけているかを記録し、一覧表示できるレポートへとまとめる機能が、CMS機能です。
コールセンター業務を直接助けるものではありませんが、SVの手間を減らし指導を行いやすくなることで、コールセンター全体の対応能力を底上げできるので、長期的に業務の効率化や顧客満足度の向上を図るなら無視できない機能でしょう。
PBXの種類
PBXの機能について触れる前にまずは、PBXの種類についておさらいしておきましょう。
PBXは大きく以下の3種類に分けることができます。
- PBX(レガシーPBX)
- IP-PBX
- クラウド型PBX
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
PBX(レガシーPBX)
レガシーPBXとも呼ばれるPBXは歴史が長く、100年以上前から利用されてきた古いタイプのPBXです。
構内交換機を利用して、1つの電話回線を複数の電話に繋ぐレガシーPBXは、主装置と呼ばれる専門機器を拠点内に設置するオンプレミス型となっており、導入に50万円〜数千万円の費用が発生します。
しかし、電話回線を利用して通話を行うため高音質での通話が可能となっているため、多くの問い合わせを受け、尚且つクリアな音声が求められるコールセンターや、ホテルの内線などに向いているタイプとなります。
ただし、レガシーPBXは仕組みが複雑なうえ、メンテナンスも必要となるため、運用の難しさやコストがデメリットとして挙げられるでしょう。
IP-PBX
IP-PBXは、着信をIP電話へと変換し、インターネット回線を利用した内線ネットワークへ接続させるという形のPBXです。
現在使われている多くのPBXが、このIP-PBXとなります。
PCやネット回線と繋ぐため、電話振り分けだけではない、さまざまな機能を追加しやすいというメリットがあります。
また電話回線とLAN回線を統一できるので、場合によっては配線コストを削減することも可能です。
IP-PBXは中小規模のコールセンターの運営に向いているタイプといえるでしょう。
PCと連携できることや、レガシーPBXと比べてコストが抑えられるなどのメリットのあるIP-PBXですが、近年ではクラウド型PBXの登場により、導入のメリットが少なくなってきたPBXともいえるため、導入の際にはメリットをよく比較しておくことをおすすめします。
クラウド型PBX
現在主流となりつつあるPBXの種類がクラウド型です。
クラウド型PBXの大きな特徴は拠点内に主装置などを設置する必要がないという点です。
インターネットを通じてクラウド上からPBXの機能を利用するため、導入コストを大幅に削減できるだけでなく、拠点の分散や在宅ワークにも対応できるという大きなメリットが発生します。
PBXの連携機能とは?
PBXを導入するに際し、今まで使っていたシステムやサービスや、業務に役立ちそうなほかのシステムと連携させたいと考える方は多いですが、PBXと直接連携できるシステムというのはあまりありません。
ですが、CTIシステムを橋渡し役として連携することで、さまざまなシステムと連携させることができるようになります。
また近年では、CTIとPBXがセットになっているサービスも増えてきているため、導入の際にはそういったサービスも確認しておくことをおすすめします。
PBXと連携させている企業が特に多いシステムと言えば顧客関係管理システム、いわゆるCRMです。
コールセンターは顧客と直接会話することが業務なので、CRMに必要な顧客情報を収集する場として最適の部門と言えます。
またコールセンター業務もPBXを連携させてCRMを利用することで、過去にどんな問い合わせをしてきた相手なのかなどを確認しながら応対でき、それにより話をスムーズに進めることが可能です。
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PBXの選び方のポイント
本当にPBXの基礎の基礎的な機能だけが必要ならば、コスト面だけで決めてもよいですが、PBXは必要に応じた多機能化をしており、PBXの持つ何らかの機能がビジネスの屋台骨となっている企業もあります。
そのため、コストだけを見て短絡的に決めず、PBXに自社の業務に必要な機能が揃っているかどうかは必ずチェックしておかなければ、後々になって不便さや物足りなさに後悔することになるでしょう。
またPBXは電話対応が必要となる企業には必要不可欠ですが、だからこそPBXにトラブルが起きたときには、致命的な影響が出かねません。
万が一に備えて、充実したサポートをしっかり受けられるかも確認しておくべきです。
これから導入するならクラウド型PBXがおすすめ
もしもこれからPBXを導入するのなら、クラウド型のPBXを導入することをおすすめします。
デフォルト状態でカスタマイズが不要なほど機能が充実して使いやすいPBXもありますし、導入コストが安く、導入するための手間も少ないので、手軽に導入できるものクラウド型PBXの特徴です。
カスタマイズ性こそ低いものの、事業拡大やオフィスの移転にも対応しやすく柔軟に運用することができます。
クラウド型PBXならコラボス
クラウド型PBXをお探しなら、コラボスのサービスをご利用ください。
コラボスはコールセンター向けの様々なクラウド型サービスを提供しているパイオニアとして、750拠点以上の様々なニーズに応えてきた実績があります。
PBXやCTIにはどのような機能が求められているか、どのようなシステムと連携させたいかという声を受け、それを満たす関連システムも提供しているので、これからクラウド型PBXを導入したいとお考えなら、ぜひコラボスまでお問い合わせください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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