2020/11/18
マネジメント
コールセンターシステムの選び方|4つのコツと7つの比較項目まとめ
既存顧客の重要度が高まっている現在、会社を運営するにあたりコールセンターの業務を改善することは、サービスの質や営業効率の向上につながります。
そんなコールセンターの改善に欠かせないものがコールセンターシステムです。
しかし、コールセンターシステムは多くのベンダーが提供しており、どのシステムを導入するべきか迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、コールセンターシステムの導入を検討中の肩に向けて、コールセンターシステムを選ぶ際に把握しておくべき比較材料を4つ、確認必須項目7つを紹介していきます。
目次
コールセンターシステム選びの4つのコツ
コールセンターシステムにはいくつの種類があり、特徴を把握してニーズに合ったシステムを導入しなくてはいけません。
まずはコールセンターシステム導入前に把握しておきたいコールセンターシステムの種類を4つ取り上げて導入するメリットを紹介したのち、選び方について紹介していきます。
①コールセンターシステムの種類を把握する
コールセンターシステムを選ぶ際、1つ目のポイントとなるのが、種類を把握することです。
まずは、コールセンターシステムを構築する4つピックアップし、特徴と機能をご紹介しましょう。
コールセンターシステム | 機能 |
CRM | 顧客情報やトークスクリプト、応対履歴の管理|オペレーター向けの情報管理システム。お客様へとのスムーズな対話、適切な対応が可能となる |
PBX/CTI | 電話機とPCやFAX、内線などの連携。CRMシステムとの連携で質のよい応答が可能となる。 |
FAQシステム/チャットボット | 疑問点の自己解決を促す。よくある質問や疑問を準備し、問い合わせ件数の減少やスムーズな解決方法の提示が可能となる。 |
音声認識システム | 通話内容をテキスト化する。会話内容に応じて自動でFAQや資料を表示することも可能。 |
以上が、コールセンターシステムの主な機能です。
ちなみに、コールセンターを運営するにあたってすべての機能を導入する必要はなく、必要に応じてシステムを追加導入していく方法でも構いません。
②導入の目的を明確化する
コールセンターシステムを選ぶ際、2つ目のポイントとなるのが「導入する目的を明確にする」ことです。
コール数に対してオペレーターが足りず呼損が多い、オペレーターによって応対品質が異なる、オペレーターの負担が多く離職率が高いなど、コールセンターが抱える課題や問題点を洗い出しましょう。
コールセンターシステム導入の目的が明確になれば、必要なコールセンターシステムを絞り込むことができ、必要最低限の運用コストでコールセンターシステムを導入できるでしょう。
③必要な機能を書き出す
問題点を具体的にしたなら、続いて必要な機能を選別していきましょう。
注目しておきたい機能を、具体的に例を挙げて紹介しておきましょう。
- オペレーターの稼働状況によって着信を自動で振り分ける機能→ACD機能
- オペレーターのスキルに応じて着信を自動で振り分ける機能→スキルルーティング
- お客様を待たせる際の音声機能→コールキューイング機能
- お問い合わせ時のトラブル回避や対応品質の向上→通話録音機能
- オペレーターの管理システム→プレゼンス管理機能
ここで挙げた例はあくまでコールセンターシステムの機能の一部です。
実際には無料トライアルなどを実際に使ってみて、よく使う機能とあまり使わない機能を書き出しておくことをおすすめします。
④必要なアカウント(ID)数の把握する
コールセンターシステムを選ぶ際は、必要なアカウント数にも注目しておく必要があるでしょう。
例えば、お問い合わせが多い時間帯は人数を増やすことでスムーズな対応が可能です。待たせることなく解決できるため、お客様の満足度は高くなるでしょう。
では、お問い合わせが少ない時間帯はどうでしょうか。待機しているオペレーターが多くなり、運用コストが非常に高くなってしまいます。
ここで重要となってくるのが、必要最低限となるアカウント数の把握なのです。
決める際のポイントは、どのくらいの頻度でコールセンターシステムを利用するかどうかです。
例えばキャンペーンや期間限定、希少商品への対応等ではアカウント数を多くする必要があります。
一方、定期的な問い合わせ、電話が集中する可能性が低いと考えられる場合はアカウント数が少なくても良いでしょう。
もし、今後事業拡大を視野に入れている場合は、アカウント数の拡張を視野に入れてシステムを選ぶ必要があります。
コールセンターシステムを選ぶ際に注目したい7つの比較ポイント
導入するシステム選びポイントを4つ取り上げて紹介してきましたが、次に問題となるのがどのベンダーのシステムを利用するかでしょう。
そこで、導入するコールセンターシステムを決める際に基準としたい、7つの比較ポイントを紹介していきます。
①機能性
上記のコールセンターシステム選びのポイントで紹介しましたが、導入しようとしているシステムの機能性は必ずチェックしておくことをおすすめします。
とはいえ、初めてコールセンターシステムを導入する場合、最低限必要な機能は何なのか、どこまで機能性や利便性を求めていいものか、わからないことが多いでしょう。
このような場合は、いくつかの会社をピックアップし、提供してもらえる機能性を比較してみてください。
比較することで、必要な機能・必要のない機能をハッキリ分けることができるでしょう。
②オンプレミス型かクラウド型か
コールセンターシステムの提供形態にはオンプレミス型とクラウド型があり、提供する会社によってどちらか一方しかサービスを提供していないケースがあります。
2つの形態について簡単に紹介しておきましょう。
オンプレミス型は、コールセンターシステムのライセンスを購入して自社サーバーにインストールして利用する方法です。
自社サーバーを利用するため、セキュリティ面に配慮して利用できるメリットがあります。
クラウド型は、システム提供会社が発行するアカウントを使ってインターネット経由でシステムを利用する方法です。
自社サーバーにインストールして環境を構築する必要がないため、簡単かつ低コストで利用できるメリットがあります。
③インバウンド型かアウトバウンド型か
コールセンターシステムの業務形態にはインバウンド型向けとアウトバウンド型向けがあり、業務内容によって適した型を利用する必要があります。
インバウンド型のシステムは、顧客対応の効率化をはかるためのACD機能や自動音声によって対応できるIVR機能などが備わっています。
アウトバウンド型のシステムは、自動的に電話でかけるオートコール機能や、つながる番号のみ対応するプレディクティブダイアリング機能、PC上のデータから電話がかけられるクリックトゥコール機能などが備わっています。
④コストは自社にあっているか
コールセンターシステムを導入するにあたり、かかってくるコストにも重点を置いておく必要があります。
あらかじめシステム導入にかけられる費用はどれほどかを算出しておき、まずは予算内で構築できるよう話を進めていきましょう。
ちなみに、予算を立てた場合、システム導入にすべてを使ってはいけません。
例えば人件費やオペレーターの採用、教育にかかるコストなども予算に組み込む必要があります。
予算内でどのシステムまで導入できるか、検討することをおすすめします。
⑤他のシステムとの連携は可能か
コールセンターシステムを選ぶ際、他のシステムと連携できるかどうかも確認しておきたいポイントです。
その一例としてあげられるのが、CTIシステムによるPBXとCRMの連携です。この2つの機能を連携させることにより、顧客の情報を瞬時に把握できるとともに、問い合わせ内容に対して適切な対応ができるオペレーターへつなぐことなども可能となります。
また、顧客情報の入力も一部自動化できるため、コールセンター運営の効率化に大きく貢献するでしょう。
お客様にとって満足いくサービスを提供できるだけでなく、オペレーターにとっても応対の効率化をはかることができ、全体的にコールセンターの業務を改善することができます。
導入時・導入後の連携がうまくいくか、柔軟性にも注目して選ぶことをおすすめします。
⑥操作性は充分か
提供会社では、コールセンターの機能を向上させるためさまざまなシステムを提供しています。もちろん、使いやすさを追求されたものばかりですが、その機能が企業・オペレーターに必ずしも合致し、最適だとは限りません。
さまざまな機能を備えたシステムの方が万能に対応できたとしても、操作するまでの教育に時間がかかる、限られた人しか扱えないようでは、効率よくシステムを使いこなすことは不可能でしょう。
システムの操作性を確認し、導入後の流れもシミュレーションしながら選ぶことをおすすめします。
⑦サポートは充実しているか
コールセンターシステムを選ぶ際、機能性や利便性を重視するのもポイントですが、システム提供会社のサポート体制も確認しておくことが必要です。
コールセンターシステムを導入した場合、システムに不具合が発生すると、最悪コールセンターの受付を停止する可能性があるのです。
コールセンターシステムのトラブルは早急な対応が必要となるため、システム提供会社からも24時間サポートしてもらえないと大きなトラブルになりかねません。
予想外のことが起きることを想定するなら、24時間相談できる・手厚いサポートをしてくれる提供会社を選ぶことをおすすめします。
種類別!コールセンターシステムの選びの予備知識
コールセンター選びのコツと選ぶ際に注目したいポイントを紹介してきました。
ここからは、ここまで把握しておくと決めやすい!という情報をシステムごとに紹介していきましょう。
CTI/PBXの選び方
CTI/PBX選びで参考になる予備知識として、導入する際にかかる費用の相場と選ぶ際に確認しておきたい、備わっている機能を紹介していきます。
それどれについて詳しく紹介しましょう。
導入費用相場
コールセンターシステムのライセンスを購入して自社サーバーにインストールして利用するオンプレミス型の場合、数百万円〜千万円単位の初期費用がかかるケースがあります。
また、初期費用の15%程度の年間保守運用費が毎年発生します。
システム提供会社が発行するアカウントを使いインターネット経由でシステムを利用するクラウド型の費用相場は、初期費用で数十万円、月額基本料として数千円〜数万円/ID程度のランニングコストが発生します。
コールセンターシステムの導入費用はメーカーや規模によってピンキリです。
利用してみたいシステムを見つけたら、まずは見積もりを出して費用感を確認することをおすすめします。
CTI/PBXの機能一覧
コールセンターシステムを構築するにあたり、さまざまなシステムの土台になるともいえるのがCTI/PBXです。
導入するCTI/PBXによって利用できる機能が異なるため、あらかじめどのような機能を必要としているかを把握し、備わっているシステムを選べる知識が必要です。
上記で紹介し他機能に加えて重宝されている主な機能は、
・企業内の内線接続を可能とし対応の効率化をはかれるPBX機能
・音声自動応答のIVR機能
・オペレータースキルに合わせて着信を振り分けるACD機能
・CRMと連携するCTI連携機能
などが挙げられます。
CTIを選ぶ際は、上記のような機能が使えるか、どこまで必要なのか等を確認してから選ぶことをおすすめします。
CRM
CRM選びで参考になる予備知識として、導入する際にかかる費用の相場とCTIと連携できるかどうかの重要性について紹介していきます。
導入費用相場
CMRシステムのオンプレミス型の費用相場は、50人規模のコールセンターの場合、初期費用で1,500万円程度+サーバー構築費&工事費用が発生します。
ります。オンプレミス型は自社サーバーにインストールして利用するタイプなので、サーバー設置代や年間のメンテナンス費用が高く、比較的高額になる傾向があります。
一方、クラウド型の費用相場はアカウントを発行してもらうだけなので、初期費用が無料~数十万円程度と安く済むのが魅力となっています。月額料金は、数千円〜数万円/IDでご利用いただけます。
CRMはCTI連携が重要!
CRMシステムのみを導入しても、電話業務の効率化に直接つなげることはできません。ここで連携しておきたいのがCTIシステムです。
CTIシステムによって利用可能となるさまざまな機能をプラスすることで、顧客満足度だけでなく、オペレーター業務の効率化を実現でき、より質の高いコールセンターサービスを提供できるようになるのです。
細かくいえば、顧客のニーズに応えられるような対応経験のあるオペレーターにつなぐことができたり、社内での顧客管理が一貫されることで連絡の重複や連絡ミスをなくすことができる、といったことがあげられます。
そのため、CRMシステムを選ぶ際はCTIシステムと連携できるかを必ず確認しておくことをおすすめします。
FAQツール
FAQツール選びで参考になる予備知識として、導入する際にかかる費用の相場を紹介しましょう。
導入費用相場
FAQシステムの導入にかかる費用も、初期費用と月額費用の2種類となります。
利用プランによって価格が上下しますが、初期費用の相場は無料~100万円となっています。
月額料金の費用相場は、月額5~30万円ほどとなります。
わかりやすいコンテンツやカテゴリを作りたい、自由にカスタムしてオリジナル性を追求したいとなると、初期費用200~400万円、月額料金10万円~かかるハイスペックなFAQシステムサービスを選ぶこともできます。
音声認識システム
音声認識システム選びで参考になる予備知識として、導入する際にかかる費用の相場とおすすめしたい機能が備わったシステムを紹介しましょう。
導入費用相場
コールセンターに導入される音声認識システムは、備わっている性能の違いによって導入費用が異なります。
まず、AI機能を備えていない低価格な音声認識システムなら月額10万円以下で利用可能です。
音声認識システムの機能性に少しこだわって選ぶとなると、10~30万円程度の月額利用料金がかかるでしょう。
認識率を高めるならAI型がおすすめ
音声認識システムをコールセンターに導入するのであれば、やはりAIに音声を認識させるAI機能搭載型の音声認識システムがおすすめです。
音声によるやり取りがリアルタイムでテキスト化されるシステムの場合、対応内容の入力時間を短縮できるほか、聞き間違え等の人的ミスを減らすことができます。
また、会話の中で出てきた単語から自動的に関連資料を表示したり、NGワードを発した際にアラートがでる機能が搭載されているシステムもあるため、応対品質の向上が期待できるでしょう。
業務の効率化、オペレーターの負担を軽減できるのはもちろんのこと、顧客の満足度向上も期待できるでしょう。
コールセンターシステム選びならご相談ください
コールセンターシステムの導入・コールセンター業務の効率化や改善を求めるなら、さまざまな視点を持って最適なシステムを選ぶ必要があります。
とはいえ、それぞれを単体で評価して導入するのはおすすめできません。
機能性やコスト、操作性、サポートが充実しているかを確認するほか、オンプレミス型・クラウド型がいいのか、インバウンド型・アウトバウンド型で利用するのか等を判断する必要もあります。
このほか、コスト面や細かい機能性も気になることでしょう。
また、現在コールセンターシステム提供会社を選びで迷われている方は、ぜひコラボスへご相談ください。
中小企業から大企業まで、クラウド型システム導入実績750拠点以上。企業価値や顧客満足度の向上・コスト削減・生産性アップなどを実現するコールセンターシステムをご提供しています。
システム導入をご検討中のご担当者様は、ぜひコラボスまでお問い合わせください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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