2020/08/26
PBX/CTI
テレワークにおけるCTI導入のメリットとは?
コールセンターはテレワークと相性のいい仕事ですが、残念なことにテレワーク導入はあまり進んでいません。
この記事では、コールセンターのテレワーク導入状況をご紹介したうえで、
・コールセンターでテレワーク導入をするにあたって何が支障になるのか
・どのような技術を導入すればテレワーク化を容易に進められるか
などわかりやすくご紹介していきます。
目次
CTIとは?
CTIとは、電話機とPCを統合することで、コールセンターに多くの機能を追加できる重要なシステムです。
かつては顧客からの電話があると、オペレーターが手動で顧客情報を照合するのが普通でした。
しかし、CTIシステムを使用すると、顧客の電話番号から自動的に顧客情報を画面に表示できるため、より迅速に対応することが可能になります。
さらに、オペレーターのスキルや稼働状況に応じて、着信を割り振る機能も装備しています。
関連記事:CTIシステムとは?メリット・デメリット、機能や導入事例を紹介
CTIシステムの主な機能
CTIはコールセンターでよく使用され、顧客からの問い合わせ対応に利用されます。
主な機能には、ポップアップ機能(CRMと連携し顧客情報を自動表示)、自動音声応答(IVR)機能、ACD機能(コールの自動振り分け)があります。
また、オートコール機能(システムによる自動発信)、プレディクティブコール機能(複数回線を利用した同時発信)、クリック発信機能(1コールずつクリックして発信)などもあります。
さらには、モニタリング機能(オペレーターと顧客の会話を管理者が聞く)、通話録音機能、トークスクリプト機能(業務ごとのトークスクリプトの自動ポップアップ)、レポート機能(コールの統計データ取得)などがあります。
これらの機能は、業務効率化、顧客満足度向上、オペレーターの負担軽減に寄与します。
最近では、録音した音声を自動でテキスト化し、AIによる分析でマーケティング戦略に活用する企業も増えています。
CTIを導入するメリットとは?
CTIを導入することによるメリットは多岐にわたります。以下に4つの主要なメリットを詳しく説明します。
業務効率化
CTIは、顧客からの問い合わせに対する対応を自動化することで、業務の効率化を実現します。
例えば、自動音声応答(IVR)機能は、顧客の要望に合う適切なオペレーターへ電話を割り振るために流れる自動音声アナウンスのことで、24時間顧客からの電話受付が可能になります。
また、オートコール機能でシステムが自動的に発信し、お客様が電話に出たら、オペレーターに繋がる仕組みで、オペレーターは通話に集中することができます。
顧客満足度の向上
CTIは、顧客の問い合わせに対する対応時間を短縮し、顧客満足度を向上させることができます。
着信ポップアップ機能は、顧客からの着信の際にPC上に顧客などの情報が自動的に表示される機能で、情報検索のための保留時間が削減されます。
また、ACD機能は、新人のオペレーターに多く電話を取らせるように、前回の通話から一番時間が経過しているオペレーターに着信させる、といったコールを着信前に振り分けることができます。
オペレーターの負担軽減
CTIは、オペレーターの負担を軽減する機能を提供します。
ACD機能は、一人のオペレーターへ着信が集中しないように、他のオペレーターへ均等に振り分ける機能で、オペレーターへの負荷を分散することができます。
また、通話録音機能は、オペレーターが対応した通話内容の聞き漏らし防止や、内容を聞き漏らしてしまうかもしれないというオペレーターの精神的な負担軽減などの効果があります。
マーケティング戦略の強化
CTIは、録音した音声を自動でテキスト化し、AIによる分析でマーケティング戦略に活用することが可能です。
これにより、今まで気づくことのなかったキーワードを抽出し、それを基に新たなマーケティング戦略を立案することができます。
たとえば顧客が興味関心をひいたキーワードを発見し、そのキーワードを用いたスクリプトや広告を作成するといった方法が考えられます。
これは、CTIシステムが提供する最も革新的な機能の一つであり、企業の競争力を向上させる可能性があります。
テレワークにおけるCTI導入のメリット
テレワーク環境におけるCTIシステムの導入は、多くのメリットをもたらします。以下に5つの主要なメリットを詳しく説明します。
場所の制約をなくす
CTIシステムは、インターネット接続があればどこからでもアクセス可能です。
これにより、オペレーターはオフィスにいなくても顧客対応が可能となり、テレワークを実現します。
災害や感染症の影響で拠点での業務が困難になる非常事態では、顧客からの問い合わせが増え、コールセンターが混雑し業務の継続が困難になります。
この課題に対処する方法として、テレワークは有効な手段になりえます。
コスト削減
オフィススペースや通勤費用など、物理的なオフィスに関連するコストを削減することができます。
大規模コールセンターの拠点を構築するには、十分なスペースと座席が必要であり、それには初期費用がかかります。
そこで、ソフトフォン機能を利用すれば、専用の電話機を設置する必要がなく、設備投資を抑えることが可能です。
フレキシブルな働き方の実現
CTIシステムは、オペレーターが自分のライフスタイルに合わせて働くことを可能にします。
例えば、子育て中の親や介護を必要とする家族を持つ人々も、自宅で働くことができます。
また、テレワーク化により、地域を問わずオペレーターを募り、スキルを基準に採用できます。
地方在住者の雇用も可能で、人件費を都市部より抑えられます。
また、突然の人材不足にも対応でき、求める人材を迅速に確保できます。
業務の透明性の向上
CTIシステムは、通話録音機能やレポート機能を通じて、業務の透明性を向上させます。
これらの機能により、リモートで働くオペレーターのパフォーマンス管理が容易になり、業務の透明性が大幅に向上します。
また、マネージャーはリモートで働くオペレーターのパフォーマンスを評価し、必要なフィードバックを提供することができます。
これは、テレワークが一般化する現代において、非常に重要な機能です。
顧客サービスの質の向上
CTIシステムは、顧客からの電話を自動的に適切な担当者にルーティングすることが可能です。
顧客は待ち時間を大幅に削減でき、問題解決までの時間も短縮されます。
また、CTIは、顧客情報をリアルタイムで表示するため、担当者は顧客の問題に対して迅速かつ適切に対応することができます。
さらに、CTIは、通話履歴や顧客の行動履歴などのデータを収集し、分析することができます。
これにより、サービスの改善点を見つけ出し、より良い顧客体験を提供することが可能となります。
コールセンターをテレワーク化するメリット
昨今の新型コロナウイルス情勢下で様々な企業・業種のテレワーク化が進んでいます。
コールセンター業務においてもテレワーク化を実現したいと考える企業も非常に多いでしょう。
実は、コールセンターというのは比較的テレワークを導入しやすい業種です。
対面で顧客とやり取りすることが必須の業態であればなかなかテレワークを進めることは難しいでしょう。
また、非常に高度なシステムを扱う仕事など、出社しなければ業務をこなせないという仕事もあります。
ですが、コールセンターの場合は基本的にオペレーターと顧客での一対一のやり取りで業務が進みます。
コールセンター業務において使用するのもパソコンや電話だけですので、コールセンター業務は在宅勤務を活用することが充分可能なのです。
また、テレワークには新型コロナウイルス対策だけではなく、各種メリットがあります。
まず、オフィスの光熱費やオペレーターの通勤費等を節約できるため、企業のコストカットにつながります。
さらに、2020年8月現在、政府はテレワークを進める企業に助成金等の援助を行っており、テレワーク導入にあたって必要な機材を購入するための資金を一部補助してくれます。
つまり、通常の状況に比べて低コストでテレワークへのシフトが可能です。
そのうえ、労働者もテレワークが可能な企業を選択したいという意向を持っていることが多く、テレワークの選択肢を提供していれば、優秀な人材を確保できる可能性が高まります。
このように、コールセンターがテレワークを導入することには数多くのメリットがあるのです。
コールセンターにおけるテレワークの現状
コールセンター業務とテレワークの相性は良いということをすでにご紹介しました。
では、数多くのコールセンターにおいてテレワークがすでに導入されているのでしょうか。
残念ながら実のところテレワークを導入しているコールセンターは多いとはいえません。
一般社団法人日本コールセンター協会の「2019年度コールセンター企業 実態調査※」によると、約7割の企業がコールセンターにおいてテレワークを導入する予定がないと回答しています。
またすでにテレワークを導入しているコールセンターは全体のたった5%程度です。
※参照元:一般社団法人日本コールセンター協会|2019年度コールセンター企業 実態調査
新型コロナウイルス以前の統計で、現在は少し数値が変わっていることも考えられますが、やはり依然として大半のコールセンターでテレワークを導入できていないと考えるのが妥当です。
つまり、テレワークを導入することに多くのメリットがあり、実際に導入することが可能であるにも関わらず、大半のコールセンターではテレワークが導入されておらず、オペレーターは毎日オフィスに出勤して業務を行っているのです。
実際にコールセンターがテレワークを導入していないことの影響は、日常生活で目にすることがあります。
例えば、新型コロナウイルス情勢下では数多くのコールセンターが閉鎖され、様々なサービスについて顧客からの問い合わせを受けることができませんでした。
本来であればコールセンターはテレワークで対応可能なので、オフィスに出勤できない状況でも顧客応対は可能ですが、テレワークができていないばかりに応対ができず、充分なフォローができなかったのです。
新型コロナウイルス情勢下では、顧客にとっても不安が多く、コールセンターの需要は高まっています。
そのような状況下でコールセンターが対応できない現状は大変問題な事態だといえるでしょう。
多くのコールセンターがテレワークを導入できない理由
コールセンターがテレワークを導入するうえで何が支障になるのでしょうか。
まず、セキュリティ対策が重要になります。オペレーターは顧客の個人情報に触れることが多く、自宅でオペレーターがそのような情報を扱うことに企業としては不安感が強いのが実情です。
機器面においても、各オペレーターのマインド面においてもしっかりしたセキュリティ対策をせずにテレワークを許してしまうと、情報流出事故等につながりうるため危険です。
また、テレワークでは他人の目がないため、オペレーターのパフォーマンスを不安視する声もあります。
監視する上司がいないのでオペレーターの生産性が下がるリスクがないわけではありません。
加えて、新米オペレーターについて何か困ったことがあっても周囲に気軽に相談できず、抱え込んでしまうのではないかという懸念もあります。
コールセンターは定型的な内容が多いものの、顧客との対応方法はやはり実戦を通じて学んでいくものです。
新米オペレーターはリーダー的なオペレーターに学びながら成長していくことが多いですが、いきなりテレワークとなると周囲から学んでいくことができず、詰まってしまうのではないかという懸念があるのです。
このように、コールセンターがテレワークを導入する場合、主にセキュリティとコミュニケーションがネックになりがちなのです。
裏を返せば、セキュリティとコミュニケーションの課題を突破できれば充分にコールセンターでのテレワーク導入は可能です。
関連記事:テレワーク化できないコールセンターが抱える共通の課題とは?
コールセンターにテレワークをスムーズに導入する方法
コールセンターにおいてテレワークをスムーズに導入するにあたってどのような方法が考えられるでしょうか。
現場の意識を徐々に改革していく、といった対策も必要ですが、やはりツールを導入してある程度強引に環境を変えることも重要になってきます。
チャットボットやFAQを設置する
顧客向けにチャットボットやFAQを設定することはコールセンターのテレワーク化を進めるポイントとなります。
チャットボットはAI技術を活用して顧客からの問いに対して適切と思われる内容の返答を行う機能で、コールセンターの役割を果たしてくれます。
複雑な内容には対応できず、完全にコールセンターの代替になるわけではありませんが、簡単な問い合わせであれば充分対応可能です。
また、FAQはよくある問い合わせの内容を公式ホームページ上等にまとめて公開することで、顧客が疑問を自己解決できるようにするものです。
テレワーク導入の初期段階では、コールセンターの稼働が通常よりも落ちてしまうことが考えられますが、チャットボットやFAQを設置し、顧客からの問い合わせ件数自体を削減することで、スムーズな展開が可能になります。
有人のチャットを導入する
コールセンターのテレワーク化には、テキストチャットの導入も効果的です。
先ほどご紹介したチャットボットはAIでコールセンター業務を実施でき、省力化につながりますが、複雑な質問には答えられず、顧客の問題解決にはつながらないケースが多いです。
チャットでのやり取りは、最初だけチャットボットが対応し、どのような質問か交通整理を行ったうえで、有人チャットに切り替え、オペレーターが顧客に適切な回答を行うというのも効果的です。
質問の明確化までAIが担うことで時間を削減でき、テレワーク初期から効率的に業務を処理することができます。
このように、様々な技術をコールセンター業務にうまく取り入れることで、コールセンター業務の効率化を図ることができ、テレワークの推進にもつながります。
CTI導入ならコラボスにお任せください
コールセンターのテレワーク化は、セキュリティとコミュニケーションの課題を克服することで可能となります。そのためには、適切なツールの導入が不可欠です。
しかし、これらのツールを適切に導入し、最大限に活用するためには、専門的な知識と経験が必要です。そこで、コラボスがサポートします。
コラボスでは2001年からクラウド型PBXのパイオニアとして、750拠点以上のコールセンターにシステムを導入してきました。
長年の経験で培ったノウハウを集約させたVLOOMであれば、音声認識や自動要約などの先進的な機能がご利用いただけます。
また、スマートフォン対応やテキストチャット機能により、柔軟な対応が可能となり、テレワーク環境でもコールセンターの業務をよりスムーズに行うことができます。
CTIシステムについて、疑問や不安をお抱えの方はぜひ、コラボスまで一度お問い合わせください。
まとめ
この記事では、コールセンターとテレワークの相性の良さや、多くのコールセンターでテレワークを導入できていないことをご紹介しました。
そして、コールセンターでテレワークを導入するうえで、活用するべきポイントをご紹介しました。
まだテレワークを導入できていないコールセンターの運営者様は、ぜひこの記事を参考にテレワーク導入を前向きに検討してみてください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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