【2024年最新】CRMの選び方を解説!顧客管理のための重要なポイントをご紹介
CRM(顧客管理システム)は、企業が顧客情報を効率的に管理し、ビジネスプロセスを最適化するための重要なツールです。この記事では、CRMの基本的な概念から導入前のポイントまでを解説します。
CRM(顧客管理システム)とは?
CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、顧客との関係を管理する手法です。
具体的には、新規顧客の獲得や優良顧客の維持を目指し、顧客との関係性に焦点を当てた営業手法を指します。
企業は、顧客情報やコミュニケーションの記録を一元管理することで顧客との良好な関係を築くことを目指します。
顧客と良好な関係を築くためには、顧客の年齢、地域、性別、職業などの情報を管理し、適切なコミュニケーションを行うことが重要です。
CRMの目的は、そういった適切なコミュニケーションを行う手助けを行い、顧客満足度と忠誠度を高め、企業の成長と利益を最大化することです。
CRMが注目される背景
顧客管理システムが注目されている理由は以下の3つがあります。
- 市場の縮小と競争の激化
高度成長期から市場が成熟し飽和状態になり、グローバル化が進展したことで、消費者のニーズを満たさない商品・サービスは選ばれなくなりました。これにより、企業は消費者の声に耳を傾けて改善する必要性が生じました。 - 顧客ニーズの多様化
インターネットの普及により、顧客のニーズは価格や機能だけでなく、購入段階から発生するようになりました。顧客との接点が多様化している今日、企業は顧客の状況を深く把握し、個別対応を可能にするための手段として、顧客管理システムを導入することが求められています。 - 業務効率改善のため
働き方改革が進む中、業務効率の向上やテレワークの推進が求められています。顧客管理システムを活用することで、顧客情報を一元管理し、過去の履歴から現在の基本情報まで迅速にアクセスできるため、業務の効率化が図られます。
CRMとSFA(営業支援システム)の違い
CRMとは、顧客関係管理を意味し、しばしば「SFA(Sales Force Automation、営業支援システム)」と混同されます。
SFAは、営業の生産性向上と業務効率化を目的として設計され、個々の営業担当者が顧客情報や案件の進捗などを管理するためのシステムです。SFAには営業日報の作成やタスク管理、見積書・契約書の作成、売上予測などの機能が含まれています。
CRMとSFAは、両者とも営業部門で広く導入されており、顧客情報の管理を行う共通点がありますが、CRMは顧客関係管理に特化した機能をより多く備えています。
最近では、SFAとCRMの機能が統合されたサービスも増えており、より包括的なソリューションが市場に提供されています。
顧客管理にExcelは不向き?
エクセルで顧客管理を行う際のデメリットについて詳しく説明します。
- 同時編集ができない:
エクセルは複数人で同時に更新できないため、顧客情報を入力する際に順番待ちが発生する恐れがあります。また、多人数で更新していると誤った上書き保存やデータの破損、消失が起こることもあります。 - 保存データに限界がある(動作が重くなる):
保存しているデータが増えるとエクセルの動作が重くなります。大きなデータではファイルを開くのが難しくなることもあります。 - 履歴を残せない:
エクセルでは誰がどのデータを変更したかや前回のデータの履歴を残せません。誤ってデータを消してしまった場合、履歴を遡って見ることが難しく、消えたデータは再入力する必要があります。 - データ流出のリスクがある:
エクセルのデータは誰でも見ることができる設定にできるため、コピー&ペーストが容易です。個人情報を扱う場合、データの流出リスクがあります。 - 高度な分析には知識とスキルが必要:
高度な分析を行うには関数や計算式の知識とスキルが必要です。エクセルでは限界があり、専門的な知識を持つ人しかデータを扱えません。 - 外出先からの作業に不向き:
在宅勤務が増えている今、エクセルでは外出先での顧客情報の入力や閲覧が難しいです。自宅のPCのバージョンによる差分もあり、連携も難しいため、データの追加や更新が滞り、情報が古くなることもあります。
CRMのメリット・デメリット
CRM(顧客管理システム)の導入には、さまざまなメリットとデメリットがあります。以下に詳しく説明いたします。
- CRMのメリット:
- 顧客管理を一元化できる:
顧客情報を営業、マーケティング、カスタマーサポートなどの部署で一元管理できます。必要な情報はいつでも瞬時に把握でき、業務効率が向上します。 - 部署間の情報共有がシームレスにできる:
CRMツールを使うことで、部署間で顧客情報を簡単に共有できます。作業効率が向上し、顧客満足度も高まります。 - 既存顧客へのアプローチができる:
既存顧客との関係性を保ち、アップセルや新サービスの提案を効率的に行えます。 - 経営戦略に役立つ:
営業成果だけでなく、組織全体の成果や実績をデータ化できます。データの可視化や分析は経営戦略に有効です。
- 顧客管理を一元化できる:
- CRMのデメリット:
- システム導入・運用にはコストがかかる:
CRM導入にはシステムの導入費用や教育コストが発生します。 - 効果が現れるまでに時間がかかる:
即効性はなく、効果を実感するまでに時間がかかることがあります。
- システム導入・運用にはコストがかかる:
CRMを導入する前のポイント
CRM導入前にどのような準備が必要になるのでしょうか。以下ではそのポイントを解説します。
自社の現状を把握する
自社が顧客管理システム(CRM)を導入する目的を明確にしましょう。一般的な目的としては、顧客との関係強化・満足度向上、顧客単価の増加、顧客管理業務の効率化があります。
目的が決まったら、現在の社内リソースでそれを実現するのが難しいかどうかを再確認します。
例えば、関係強化に重点を置くなら、顧客データの分析機能が優れている製品を選ぶ必要があります。業務効率化を目指す場合は、使いやすい操作性の製品を選ぶことが重要です。
目的を明確にする
CRMを選定する際には、以下のステップを考慮することが重要です。
- 自社の現状を確認する: 自社の経営状況や課題を洗い出し、CRM選びを始めましょう。例えば、「リピーターの獲得」が課題であれば、明確にしておくことが重要です。
- 導入目的を確認する: 一般的な導入目的としては、顧客との関係性強化・満足度向上、顧客単価の向上、顧客管理業務の効率化があります。目的に応じて、顧客データ分析機能や操作性の優れた製品を選びましょう。
- 必要な機能を洗い出す: 目的から逆算して、必要な機能をリストアップしましょう。売上アップが目的なら、顧客の購買行動を分析する機能が必須です。
どのポイントもCRM製品によって異なりますが、適切な選定を行えば、売上向上や業績改善に大きく寄与することでしょう。
KPIの設定を行う
CRMを導入する際には、KPI(Key Performance Indicators、主要業績評価指標)の設定も忘れずに行いましょう。
適切な数値を指標にすることで実績を正確に評価できるようになります。
①継続率
継続率は、新規顧客が何度も再度購入してくれた割合を示す重要な数値です。どんな商品やサービスでも、売り上げを支えるのは偶然その商品を買った人ではなく、何度も購入してくれるリピーターです。
リピーターが多いということは、顧客満足度が高いことを示す大事な指標でもあります。
このことから高い継続率は、顧客満足度の向上やロイヤルティの強化を示し、低い継続率は、改善の余地があることを示します。
②客単価
客単価は、一人の顧客がどれだけの金額を使ってくれたかを示す指標です。高い客単価は、LTVを向上させる一因となります。
既存顧客に対しては、以下の方法が有効です。
- 平均購入点数を増やす: 顧客がより頻繁に購入するよう促す。
- 高額な商品を提案する: 高額な商品やアップセル商品を提案する。
ただし、過度な営業を行うと、顧客が不快に感じるため注意が必要です。顧客データを適切に活用しつつ、バランスを保ちましょう。
③解約率
解約率は、全顧客のうち解約を選んだ顧客の割合を示します。解約率が高いと顧客満足度が低いことを意味し、迅速な改善が必要です。
また、解約時には、顧客から解約の理由をフィードバックしてもらう仕組みを設けることも重要です。たとえば、解約ページにアンケートを設置し、「なぜ解約するのか」を尋ねる等の対策を行いましょう。
アンケート項目としては、「サービスの内容が不満」「料金が高い」「他社製品のほうが良い」などを設定しましょう。これらの顧客の声を活用すれば、さらなる品質向上につながるかもしれません。
社員からの理解を得る
CRMの導入には、社員がデータを入力する手間がかかるというデメリットもありますが、他の部署との情報共有が容易になるという大きな利点もあります。社員には一時的な負担がかかるかもしれませんが、長期的には非常に有益なシステムであることを理解してもらうことが肝要です。
基本的に多くの仕事は単一の部署だけで完結することはなく、さまざまな部署との連携が必要になります。しかし、顧客情報や案件に関する情報が部門ごとに分かれて管理されてしまうと、情報共有に課題が生じることがあります。
そのため、顧客管理システム(CRM)を活用することで、部門間の連携を強化にもつながります。
情報を統合することで、情報のアクセスや管理が効率化され、複数の部門で情報共有がスムーズに行えるようになります。
このように、CRMの導入によるメリットとデメリットをしっかりと説明し、社員が共通の目標に向けて協力できるようにすることが重要です。
現場の声を聴く
CRMを導入する際には、現場のニーズを把握するためにヒアリングを行いましょう。
CRMには様々な機能があり、システムごとに異なる特徴があります。そのため、現場の声を十分に聞かずに導入すると、必要な機能が不足していたり、使いにくかったりすることがあります。
導入したシステムが現場で定着するためには、現場のニーズに合った機能が提供されていることが重要です。そのためには、管理部門だけでなく、現場の声もしっかりと反映させることが必要です。
担当者を決めておく
システムを導入する際には、担当者を明確にしておくことが推奨されます。初めてのシステム導入では、「どうやってデータを入力すればいいのか分からない」「入力したデータをどう活用すればいいのか不安」といった疑問が生じることがよくあります。
担当者が定まっていないと、誰に相談すればいいのかわからず、混乱する可能性があります。
質問に答えられる担当者を指定しておくことで、システム導入をスムーズに進めることができます。
CRMの選び方や比較ポイント
CRMの選び方にも様々なポイントが存在します。ここからは何を意識して選定すべきかをご紹介します。
クラウド型・オンプレミス型を基準にする
CRMを選定する際には、クラウド型とオンプレミス型の両方を考慮する必要があります。
オンプレミス型は、システムを購入して自社内に設置し、運用していくタイプです。自社でのカスタマイズが可能で柔軟性が高い一方、メンテナンスが必要で設置に時間がかかるというデメリットがあります。
一方、クラウド型はインターネット経由でサーバーを利用するタイプで、すぐに運用を開始できることや初期費用が低いこと、メンテナンスが不要である利点があります。しかし、柔軟なカスタマイズが難しいというデメリットもあります。
入力が簡単なものを選ぶ
CRMを選ぶ際には、情報の入力が容易で、情報が見やすいシステムを選ぶことが重要です。情報入力が煩雑なシステムを導入すると、社員の負担が増える可能性があります。負担が大きいシステムは、定着せずに導入が失敗する恐れもあります。
また、スマートフォンやタブレットなど複数のデバイスで利用できるシステムであることも重要です。いつでもどこでも簡単に顧客情報を入力し、共有できれば業務効率が向上します。
無料トライアルの有無で選ぶ
CRMを導入する前に、まずは無料トライアルで操作性やインターフェースを確認することが重要です。
導入後は実際に使用する担当者が使いやすいものを選ぶことで運用がスムーズになります。無料トライアル期間中は機能が制限されている場合もあるので、製品ごとに注意深く確認しましょう。
他システムと連携がしやすいものを選ぶ
既存のITシステムを使用している場合は、それと連携可能なCRMを選ぶことがおすすめです。
連携が可能な場合、片方にデータを入力すればシステムがリアルタイムでデータを取り込んでくれるため、入力作業が省け、業務効率が向上します。
たとえば、クラウドPBXを導入している場合はCRMとCTI連携させることで、着信時に顧客との過去の応対履歴を検索する手間が省けます。
その他にもCRMから電話番号をクリックして発信することができたりするなど便利な機能が搭載されているケールもありますので、連携可否の観点でシステム選定を行うことも重要なポイントの1つです。
サポート体制で選ぶ
CRMを導入した直後は、操作に不安を感じることが少なくありません。このような場合、疑問や問題に迅速に対応してくれる手厚いサポート体制があれば、安心してシステムを運用できます。各ベンダーのサポート体制は異なるため、保証期間の長さやサポートの迅速さを考慮しながら製品を選定しましょう。
企業によっては夜間帯が最もシステム利用が活発になることもあるかもしれません。そのときに、サポート対応時間が平日日中帯のみ対応する契約の場合、一番重要な業務をおこなっているときに痒い所に手が届かない事象が発生します。
そうならないためにも、サポート体制も選定時に着目するようにしておくのがおすすめです。
CRMの導入をお考えならコラボスへ
ご導入事例で紹介させて頂きました3つのサービスについて、詳しくは下記サービスサイトをご確認頂けますと幸いです。
- インバウンド特化型CRM:COLLABOS CRMのご紹介
- アウトバウンド特化型CRM:COLLABOS CRM Outbound Editionのご紹介
- 統合型CRM:GROWCE(グロース)ご紹介
まとめ
CRMの導入は、社員に負荷をかける一方で、部署間の連携を強化し、長期的には大きなメリットをもたらすシステムです。自社の現状を把握し、目的を明確にし、KPIを設定することで、効果的なCRMの選定が可能です。クラウド型やオンプレミス型などの比較ポイントを考慮し、適切なCRMを導入しましょう。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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