CRM導入前に知っておきたい!比較するべき7つ基準

既存顧客の重要度が高まってきている現在、CRMはビジネスにおいて必須といっても過言ではありません。
しかし、CRMシステムはさまざまな業者からリリースされており、何をどう比較すればいいかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、CRM導入をご検討中の方に向けて、選ぶ際の比較するべきポイントや、おすすめのCRMシステムをご紹介いたします。
CRMとは?
CRMとは顧客の情報を集積・管理し、顧客一人一人に対して適切な対応を行うことで顧客満足度を向上させ、商機や売上につなげることを目的としたビジネスツールです。
収集した顧客情報は多角的に利用可能なデータであり、顧客情報を見える化することで、ニーズの把握、商品やサービスにおける問題点の発見、コールセンターや営業を始めとした業務の効率化、果ては経営戦略の組み立てまで、さまざまな部門や場面で役立ちます。
MA/SFAとの違いは?
MAやSFAも顧客情報を利用するシステムであり、CRMと引き合いに出されがちです。
MAは見込み顧客の情報を利用して、新規顧客の開拓や優良顧客への育成を目的としたツール、SFAは顧客情報を利用し、営業活動を支援するツールを指します。
CRMと比べるとそれぞれの分野では上回ることもありますが、主だった機能はCRMにも含まれており、CRMで十分というケースも多いでしょう。
CRMを比較するための7つの基準
CRMはどのような業界にも必要不可欠なツールであるため、それぞれの分野に専門のCRMも作られているため莫大な数があり、比較基準も多岐にわたります。
主なポイントはコストと機能、導入形態ですが、それ以外の点も可能な限り比較して選ぶべきでしょう。
ここからはCRMを比較する際に必ず抑えておきたい7つのポイントをご紹介していきます。
①コスト面(価格)
CRMはコストも千差万別です。
コストには契約自体の料金、工事費やサーバー代といった初期費用もあれば、月々1席いくらか、オプションの利用料金、サポートや保守運用にかかる費用といったランニングコストもかかります。
CRMは必然的に長期利用するものであり、初期費用が安くてもランニングコストが高いと結局割高になるケースもあります。
②機能面
CRMの機能は大きく分けると以下の3つに分類でき、それぞれどのような機能が充実しているかが違います。
・CRMの中核ともいる顧客のプロフィールや購買履歴、問い合わせ内容といった情報を管理し、閲覧・運用するための機能。
・MAやSFAのような、顧客情報を利用し営業やマーケティングを支援する機能。
・顧客情報の一番大きな情報源であるカスタマーサポートセンターを支援する機能。
また電話を業務利用する上で、インバウンドに特化したもの、アウトバウンドに特化したものなどもある点も注意が必要でしょう。
これらの項目と企業の業務を加味し、重要な機能が揃っているかを比較すると良いでしょう。
③カスタマーサポートセンター支援機能
顧客情報を収集するための情報源としても、顧客満足度を向上させるための業務担当としても、カスタマーサポートセンターは最も重要な部門といっても過言ではありません。
その業務を効率化できるか否かで、十分な顧客情報の収集や、ほかの業務を効率化できるかどうかにまで影響があります。
回答支援機能や、チーム内でのコミュニケーション支援機能などどのようなカスタマーサポートセンター支援機能があるかは、特に重視するべきポイントです。
④サポート・保守運用
CRMは導入から定着までにさまざまなトラブルが起こり得ます。CRMシステムの構築やサーバーの設置といった環境面での問題や、導入はしたものの中々定着しないといった問題はつきものです。
また使用し続ける上で何らかのエラーや故障が起こる可能性もあるでしょう。
これらについてどれだけ丁寧にフォローやサポートを行ってくれるかも、比較のポイントです。
また、コールセンターでは、1日稼働できないだけでも大きな損失を生んでしまう恐れがあります。システムの不具合によって稼働できない状況を作らないためにも、24時間365日サポートを行っている業者を選ぶことも重要なポイントです。
⑤ほかシステムとの連携性
CRMはほかのシステムと連携することで活用の幅を非常に広げることが可能です。
例えば、CTIを使ってPBXと連携することで、着信のタイミングで自動的に顧客情報が画面上に表示されるポップアップ機能や、後処理入力作業の自動化機能などが利用できるようになります。
今不要であっても後々連携する必要が出てくる可能性もあるため、ほかシステムと連携しやすいかどうかは必ず確認しておきましょう。
⑥セキュリティ性
CRMは性質上顧客の個人情報も集積されることが多く、そのような情報の流出のリスクは最低限に納めたいところです。
CRIセキュリティが万全か否か、どのような対策をとっているかは入念に確認しましょう。
セキュリティ対策は最低限でそれほど重要視していないCRMは、機能や費用面が優れていてもリスクが高すぎるので避けるのが無難です。
⑦導入形態
CRMはどのように導入するか、どのように利用するか、ものによって違います。
クラウド型とオンプレミス型、どちらを選ぶかでメリット・デメリットが変わるので、その形態も注意しましょう。
クラウドCRMとオンプレミス型の違いは?
クラウド型のCRMとオンプレミス型のCRMの違いは、主にカスタマイズ性・セキュリティ・利用環境・コスト・導入にかかる期間の5点あります。
簡単に説明してしまうと、カスタマイズ性が悪くセキュリティはサービス運営者依存なものの、安く導入が楽なクラウド型。
逆にカスタマイズ性は高くセキュリティも強いけれど、コストが高く導入が難しいのがオンプレミス型です。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
---|---|---|
カスタマイズ性 | △ | ◎ |
セキュリティ性 | ◯ | ◎ |
利用環境 | オンライン | 社内サーバー |
コスト | 初期費用:0円〜100万円程度
月額費用:数万円単位 |
初期費用:50万円〜数千万円
月額費用:保守運用費用 |
導入スピード | 1ヶ月~3ヶ月程度 | 6ヶ月~1年程度 |
それぞれの特徴について詳しく比較していきましょう。
カスタマイズ性
オンプレミス型のCRMでは、システム自体に手を加えて機能を追加したり、見やすさや使いやすさを向上させるなどのカスタマイズが可能です。
クラウド型のCRMの場合は、機能がパッケージ化されており、自由に機能を追加することはできません。
ただし、最近では業種に特化した機能が搭載されているクラウド型CRMも登場しており、専門的な機能が必要な業界でもクラウド型のCRMを導入する企業が増えてきています。
セキュリティ
オンプレミス型は完全に自社内で完結しており、外部からのアクセスを受けることが基本的にないので、セキュリティ面でもオンプレミス型が勝っています。
クラウド型はサービスを提供している運営者がどれだけセキュリティに高い意識を持っているかに左右され、利用者が取れる対策がほぼありません。
とにかくセキュリティ面を最重要視するならオンプレミス型がいいでしょう。
また、クラウド型のCRMを選ぶ場合には、アクセスログの保存や、アクセス元IPアドレスによるアクセス制限機能や複数回のログイン失敗によるロック機能などのセキュリティ対策が採用されているツールを選ぶことをおすすめします。
利用環境
クラウド型はクラウド上に構築されたシステムをインターネット経由で利用する形で、オンプレミス型は自社内にサーバーを設置し、それを社内で使う形になります。
クラウド型であれば設置工事が不要なため、インターネットと端末拠点の拡大や移転にも柔軟に対応できます。
一方オンプレミス型はインターネットの通信障害に関するリスクはありませんが、環境を構築するのに工事や機材の購入が必要になるなど、環境を用意すること自体にコストがかかりがちなのが難点でしょう。
コスト
導入・運用コストはクラウド型が圧倒的に安いといえます。
初期費用 | ランニングコスト | |
---|---|---|
クラウド型 | 10万円以下のサービスもある | 月額/ID1万円〜3万円程度
|
オンプレミス型 | 50万円〜数千万円単位 | 保守運用費(初期費用の15%程度) |
クラウド型の場合、導入費用としては0円〜100万円程度、月額費用として毎月に数万円のコストがかかります。
一方オンプレミス型の場合は導入費用に50万円〜数千万円、ランニングコストとして保守運用費用がかかります。
コスト面を考えると圧倒的にクラウド型が有利といえるでしょう。
導入から運用開始までのスピード
導入から運用開始までのスピードは、クラウド型が圧倒的に早いです。
クラウド型の場合、問い合わせから、導入までにかかる期間は1〜3ヶ月程度です。
しかしオンプレミス型の場合、システムの構築に数ヶ月かかることも多く、それとは別に導入に伴い工事が必要になることも多々あります。
契約から運用開始まで半年近くかかることもあれば、運用開始に1年かかったということも珍しくありません。
無料のCRMツールは実務で活用可能?製品版との比較ポイント
CRMツールの中には初期費用・ランニングコスト0円の、文字通り完全無料のツールもあります。
ただし安かろう悪かろうという言葉通り、実務で使うには大きなデメリットを抱えているものです。
ここからは製品版と比較して無料のCRMも実務レベルで利用できるのかどうかを解説していきます。
機能が少なく拡張性も低い
無料のツールでは機能がほとんど制限されており、使える機能はとても少なく、最低限の機能すら不足していることもあります。
ほかシステムとの連携もしにくく、ほかのツールとの併用で機能の不足を補うのも難しいでしょう。
また、オープンソースの無料CRMツールであれば機能の追加も可能ですが、開発の手間と人件費的なコストが非常に大きいです。
期間が有限のものが多い
無料のCRMツールには、期間が限定されているものも多いです。
有料版と無料版がある場合、無料版は有料版のお試し的な立ち位置として、ほとんどのケースで期限が設定されているでしょう。
CRMが有用性を発揮するには運用開始から中々時間がかかるので、期間が有限のツールは有用性が必然的に低くなります。
サポートをほとんど受けられない
運営側からするとサポートを行うのにもコストがかかるので、収入が得られない無料のCRMツールに関しては、一切サポートを行わないということも珍しくありません。
何らかの理由で問い合わせをしたとしても、数日数週間かかっても返事がくればまだマシで、いつまで待っても何の音沙汰もないこともあるでしょう。
無料のCRMツールを使うなら、サポートは基本的に期待できないでしょう。
CRM導入の際のポイント
CRMを導入するに際して、重要なポイントは3つあります。
何を目的としてCRMを導入するのか明確にすること、定着させるために使いやすさも重視して選ぶこと、そして導入前にこういうものを導入するという情報を共有することです。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
CRM導入の目的を明確化する
CRMを導入する前に、何を目的として導入するかを明確にしておくことは、比較と選定の前提といます。
コールセンター業務を効率化させたいのか、営業で新規顧客を開拓したいのか、顧客満足度を上げて上客を増やしたいのか…どのような目的で導入するのかを明確にして、それに合わせたシステムを導入することが、CRMで成果を出すための必須事項です。
機能性だけでなく使いやすさも重要
CRMツールを導入して失敗した事例で一番多いケースは、導入後現場に定着しなかったというものです。
たとえ多機能なCRMシステムであっても、社内に定着し使用されなければ、意味がありません。
システムの画面は見やすく各情報を把握しやすいか、操作性がよく必要な機能にアクセスしやすいか、顧客情報は簡単に入力できるか…など、充分な機能があるだけでなくそれらが使いやすいかも加味した上で、CRMツールを選ぶ必要があるでしょう。
導入前に社内で情報を共有する
いきなりCRMを導入しても、現場ですぐに使いこなせるというわけではありません。
事前にどのような目的でCRMを導入し、どのようなルールで利用していくのかを、社内で共有しておく必要があります。
業者の中にはサポートの一環として、定着させるためのフォローやアドバイスを行ってくれる業者もあります。それらに従いマニュアルを作って配布するのも、CRMシステムの定着に役立つでしょう。
クラウド型CRMシステムならコラボスへ
コールセンター業務を効率化させるためのクラウド型CRMをお探しなら、ぜひCOLLABOS CRMをお試しください。
コールセンター業務に特化しているだけに、カスタマーサポートセンターの支援機能はオールインワンで備わっています。
また、コラボスの提供するコールセンターシステムとも連携可能なので、クラウド型のカスタマイズ性の低さも充分フォロー可能です。
クラウド型のCRMでコールセンター業務を効率化し業務コストの削減を目指す方は、ぜひコラボスまでお問い合わせください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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