PBX(電話交換機)とは?ビジネスフォンとの違いやPBXの仕組み・種類をご紹介

今やビジネスの世界では導入が必須となっているPBXですが、その仕組みどうなっているのか、ご存知の方は意外と少ないのではないでしょうか?
今回は、よく比較されるビジネスフォンとは何が違うのかなど、会社で電話を使う際の要となるPBXについて細かいところまで 実際に運用する上で知っておかなくてはならない知識についてまとめてみました。
PBX(電話交換機)とは?
PBXとは、Private Branch eXchangeの略語であり、日本語ではよく「構内交換機」と呼ばれます。
簡単にまとめると、電話網を構築する機械のことです。
例えば会社の中同士で通話をするための内線を設置するときは、このPBXがよく用いられます。
また、会社にかかってきた電話に代表として出る際にもこのPBXが利用されています。
かかってきた電話にPBXが反応して、その電話を担当者に内線として転送し外部とつなぐというようにも利用されています。
さらに、大企業などにおいてはより複雑な電話網の構築にもPBXが用いられている場合があります。
例えば東京に本社を持ち、大阪に支社を持つような企業では、その2つの拠点をPBXで接続し、専用回線を敷いて大規模な内線網を構築していることがあります。
PBXの装置さえ導入してしまえば、多くの電話機をそれぞれの会社にあった形で連携させることができるため、今やほとんどの企業がなんらかの形でPBXを導入しているといっても過言ではありません。
一昔前までは、電話といえばアナログ回線が主流でしたが、現在ではインターネット接続を利用した通話であるVoIP、いわゆるIP電話も導入されてきています。
VoIPはインターネット上での通信規格であるIPを用いているため、サーバーコンピュータでPBXの機能を代用できるのがメリットの1つです。
さらに最近では、従来のPBX装置の機能をクラウド化した仮想的なPBXである「クラウドPBX」というサービスも登場しました。
従来はオンプレミス型といって、会社の隅に設置された機械がPBXの役割を担っていましたが、クラウド上にその機能を移行することによりスペースを取られない、資金の節約になるなどさまざまなメリットが存在します。
IP-PBXやクラウドPBXについては後ほど細かく解説しますが、いずれにせよPBXは近年さまざまな方向で進化を遂げているというのは押さえておきたいポイントの1つです。
PBXの種類
近年はさまざまな企業がPBXサービスを提供しており、一言に「PBX」といってもその機能は多種多様です。
使用する通信技術が今までとは異なるIP-PBXや、機械の設置の必要がなくなるクラウドPBXなどそれぞれが持つ特徴を、従来のPBXであるオンプレミスPBXなどとの比較も交えながら細かくみていきましょう。
IP-PBX
IP-PBXとは、IP電話版のPBXのことを指します。
IPとはインターネットプロトコルの略であり、インターネット上で用いられる通信規格を利用した電話に、PBXの機能を持たせたものがIP-PBXであるといえます。
電話用の専用回線をつながずに、LAN回線と統合した通信網が利用可能なため、配線のためのコストや、電話機を設置するために必要となるコストなどを削減することが可能です。
さらに、いくつもの営業拠点を持つ大企業であっても、IP-PBXのシステムを1つ導入するだけで全ての拠点間を接続することができるため、これも大きなメリットといえるでしょう。
IP-PBXには大きく分けて「ハードウェアタイプ」と「ソフトウェアタイプ」の2つの種類があります。
1つ目のハードウェアタイプでは、従来までのPBXと同じように機械を会社の中に設置してIP-PBXの機能を利用する形になります。
オフィス内に物理的な機械を設置することになるため、セキュリティ面での信頼感があり、安定して稼働させることが可能です。
2つ目のソフトウェアタイプは、オフィスにあるサーバーにPBXをインストールして稼働させるタイプのIP-PBXを指します。
社外でも利用できるため、ハードウェアタイプに比べてセキュリティ面では多少劣りますが、契約数の更新などに柔軟に対応できるというメリットがあります。
機械を設置しないため、コスト面においても有利で、これからの成長が見込めるような小規模な事業所向けといえます。
クラウドPBX
クラウドPBXとは、従来までのPBXの機能をクラウド上に移行して利用する、仮想的なPBX装置のことをいいます。
物理的な環境を構築する必要がなくなるため、PBXを設置する際に必要となる初期費用が安く抑えられる、オフィス内でスペースを取ることなくPBXを利用できるなどの利点があります。
また、クラウドPBXが持つ大きな特徴の1つとして、インターネットに接続可能なさまざまなデバイスから、社内電話であるかのように利用できるという点が挙げられます。
よりきめ細やかな着信、あるいは発信のルールを設定することができるというのもクラウドPBXを導入する利点であるといえます。
外線からの着信に対して、まずは〇〇部の電話を鳴らし、出ないようであれば担当部署の電話を一斉に鳴らす、といった対応が可能です。
電話機の設置や回線の工事にかかるコストが浮くという利点を生かして、近年ではホテルなどでも導入が進んでいます。
大量の客室にいちいち従来の固定電話を設置せず、タブレット端末で電話をかけてもらう、といったようなことが可能になるからです。
これも、クラウドPBXが持つ利点が最大限に発揮された事例であるといえます。
オンプレミスPBX
「オンプレミス」とは「敷地内」あるいは「施設内」という意味で、オンプレミスPBXはその名の通り会社の施設内にPBXを設置して、社内の連絡網を構築するタイプのPBXを指します。
オンプレミスPBXは、導入時に回線の工事が必要となり、PBX装置の設置や設定にも手間がかかるため、クラウドPBXなどに比べて、高額な初期投資が必要となる場合が多いです。
また、契約数の増減も容易には対応できないため、柔軟な対応が難しいというデメリットも抱えています。
しかし、PBX機器を自社内に設置するために、安定な運用が可能となるというのはオンプレミスPBXの利点であるといえるでしょう。
さらに、クラウドPBXにおいて未だに不安が残るといわれているセキュリティ面についても、オンプレミスPBXなら基本的には問題ありません。
社内での管理になるため、比較的安心して運用することができます。
さらに、オンプレミスPBXを導入していれば、社内の独自回線を用いた通信が可能であるため、社員が会社のサーバーにアクセスすることができるというメリットもあります。
ただし、社内に管理者が必要になるため、人的コストが高いというデメリットもあるため注意が必要です。
PBXはクラウドPBXなどに比べて長い間、多くの企業で採用されてきたということもあり、数多くのサービスが提供されています。
選択の幅が広いことも魅力の1つなので、オンプレミスPBXを導入する際はぜひ自社の規模や事業形態にあったPBXを慎重に選ぶことをお勧めします。
PBXとビジネスフォンの違い
よく比較されるPBXとビジネスフォンですが、両者は何が違うのでしょうか。
まず、両者の機能には大幅な差があります。
PBXの中には、パソコンやスマートフォンを社内用の電話として使うことができるようになるものがありますが、ビジネスフォンにはそれができません。
あくまでも内線に出られるのは専用の機械のみで、スマートフォンと内線を一体化することは不可能です。
また、離れた距離にある複数の拠点同士を内線でつなぐこともビジネスフォンでは不可能です。
インターネット回線を利用したIP-PBXやクラウドPBXであれば、会社の携帯に合わせた柔軟な内線構築が可能です。
特に、ビジネスフォンでは複数階にまたがるオフィスでの使用が困難という特徴があります。
PBXはオフィスの形態によらず接続が可能であるという点で有利でしょう。
また、運用の際の安定性の面でも大きな違いがあります。
ビジネスフォンの場合、1度システムがダウンしてしまうとそのシステムを復旧させない限り使用することができなくなってしまいます。
一方、PBXは複数のシステムを用意することが可能です。
したがって、PBXは例え1つの回線が落ちてもまた別の回線で対応する、ということが可能になるため、ビジネスフォンと比べて安定した運用が可能であるといえます。
しかし、ビジネスフォンには何よりも導入コストが安いという利点があります。
PBXの導入の際には、数百万円を超えるコストがかかることが一般的です。
一方ビジネスフォンで必要な製品は高くても百万〜数百万程度と、PBXに比べて気軽に導入することが可能です。
サポート面ではややPBXに劣るビジネスフォンですが、PBXにはない利点を持っているということも知っておきましょう。
PBX(電話交換機)ならコラボス!
今回は、社内で連絡を取り合う際には必須ともいえるPBXについて、その機能やサービスの種類などさまざまな観点から解説しました。
PBXといってもその形態はさまざまですし、よく混同される「ビジネスフォン」とも似て非なるものです。
最近ではIP-PBXやクラウドPBXの登場でPBXの種類はますます増えてきています。
自分の会社にぴったりなPBXサービスを導入するためにも、今のうちにPBXについての知識や理解を深めておきましょう。
また、コールセンターへPBXを導入しようとご検討されている方はぜひ、コラボスのサービスをご覧ください。
コラボスのPBXサービス「@nyplace」はクラウドPBXであるため、PBX機器を社内に導入する必要がありません。
したがって、工事費や機器の購入費用はかからず、低コストを抑えてPBXシステムを運用することができます。
また、IVRと呼ばれる、自動音声を再生する機能も搭載されていおり、これによって営業時間外にかかってきた電話に対して「本日の営業は終了いたしました。恐れ入りますが、翌日の○時以降におかけ直しくださいませ。」と自動音声で応答する、といった自動対応が可能になります。
そのほかにも@nyplaceには通話のモニタリング機能、かかってきた通話の数や時間帯、発信源を分析する「Call Management System」、着信を最適なオペレーターに自動で振り分けることのできる「ACD」などコールセンターの業務に必要な機能が搭載されています。
また、クラウドPBX「COLLABOS PHONE」は、パソコンに専用のアプリケーションをダウンロードすることによってインターネット経由で通話ができるようになるという特徴を持っています。
また、先ほどの@nyplaceに比べて安価での導入が可能という点も魅力の1つです。
機能面では@nyplaceとほぼ同等の機能が利用できるため、コストを抑えたい方はぜひ、ご検討ください。
24時間対応の窓口を設置したいけれど予算で困っている、そんな方はぜひ導入をご検討ください。