クラウドPBXとは?メリットや目的別の選び方を徹底解説

目次

現在PBXの導入形態は、オンプレミス型からクラウド型へシフトしつつあります。

しかし、今までオンプレミス型のPBXを利用していた方にとって、主装置の設置が不要なPBXは、若干の不安や疑問を感じるかもしれません。

この記事では、クラウドPBXの問題点を中心に、その特徴と課題の解決策を紹介していきます。

これからPBXを導入しようと考えている方はもちろん、オンプレミス型からのリプレイスをお考えの方もぜひ、ご参考にしてください。

クラウドPBXとは何か

まずは、クラウドPBXの概要からみていきましょう。

そもそも「PBX」とは「電話交換機」のことで、企業にある複数の電話回線を一つにつなぐことのできる電話ネットワークシステムのことを指します。

PBXはかなり昔からあるシステムですが、今ではクラウド上で複数の電話回線をつなぐことができるクラウド型PBXがあります。

一般的なPBXの場合には社内に電話交換機の主装置を設置する必要がありますが、クラウドPBXの場合にはインターネットによってクラウド上で複数の電話回線を一つにつなげておくことができます。

クラウドPBXは一般的なPBXとは違いさまざまなメリットがありますが、実は問題点がいくつかあります。

ここからはクラウドPBXのデメリットについてご紹介していきます。

クラウドPBXの特徴(機能)やできること

クラウドPBXの特徴は、「安価」「短納期」「場所を選ばない」などが主に挙げられます。
クラウドPBXは自社に電話交換機(PBX)を設置する必要がないため、初期コストを大幅に削減することができます。また上記理由に付随して、構築にかかる納期も短納期で済ませることができるため、急な構築にも柔軟に対応することが可能です。また、昨今のコロナ禍の影響で、テレワーク業務を推奨する企業が増えておりますが、クラウドPBXであれば、場所を問わずに在宅でも電話業務を行うことが可能となっております。

クラウドPBXのメリット

クラウドPBXの問題点やデメリットはいくつかありますが、事前に対策や対処しておくことでそれらのデメリットを解消することができます。

また、クラウドPBXは機器を設置する必要がないため「初期費用を大幅に抑えられ、素早い導入が可能」というメリットがあります。

それ以外にも、クラウドPBXにはさまざまなメリットがあり、主に下記のようなものが挙げられます。

従来のPBXに比べ導入費用が安い

クラウドPBXの大きな特徴として、「導入費用が安い」といったメリットが挙げられます。

一般的な機器を設置するPBXの場合には、機器本体の代金や工事費用などが発生してしまうため、千万円単位の初期費用が発生するケースがあります。

一方、クラウドPBXの場合にはそれらの初期費用や導入費用などは安価に抑えることができ、導入規模に応じた月額費用がランニングコストとして発生します。

短納期で構築が可能

社内のサーバー上にシステムを構築するオンプレミス型は、発注から運用開始までに半年から1年以上の期間がかかります。

しかし、クラウド型のPBXであれば、1ヶ月から3ヶ月程度と短期間での導入が可能です。

PBXの導入を検討するコールセンターの多くは、何か課題を抱えていることがほとんどでしょう。

クラウド型PBXの導入は、課題の早期解決策としても有効的な手段といえるでしょう。

外部システムとの連携が容易

その他にも「外部システムとの連携が容易である」ということも、クラウドPBXの大きなメリットの1つです。

コールセンターや営業部署の効率的な運営に必須ともいえるCRM(顧客管理ツール)とCTI連携することで、顧客情報の入力や検索の時間を大幅に削減することが可能です。

ただし、導入するクラウド型PBXによって連携可能なツールが異なるため、導入前に必ず連携性について確認することをおすすめします。

アップデートに別途コストが発生しない

オンプレミス型PBXを利用する場合、定期的なメンテナンスが必要なうえ、機能のアップデートには大きなコストが発生します。

クラウドPBXの場合、月額費用のなかに保守管理費用や、アップデート費用が含まれているため、無駄な手間やコストをかけずに運用することが可能です。

拠点の増減に柔軟に対応できる

一般的なPBXにはオンプレミス型PBXやIP-PBXなどがありますが、そのなかでも事業所や拠点の増減に柔軟に対応できるのは、やはりクラウドPBXです。

社内の電話回線が全てクラウド上でつながっているため、日本のどの場所に事業所や支店などを設置したとしても簡単に回線をつなげることができます。

また、機器の設置が必要なPBXの場合には事務所や支店といった拠点ごとに機器を設置する必要がありますが、クラウドPBXであれば工事の必要ななくそれぞれの電話回線を速やかにクラウド上でつなげることが可能です。

テレワークの実現が可能

昨今のコロナ禍の影響で、コールセンター業務も各オペレーターの在宅環境での実施を検討される企業が増えてきています。クラウドPBXであれば、場所を選ばず、電話業務を行うことが可能です。

通話料金の削減につながる

最近のクラウドPBXでは、通話料金プランに秒課金プランのご用意があるなど、無駄な通話料金を削減できるようになっております。そのためお客様のご業務や、平均的な通話時間などに合わせた適切なプランのご提案が可能となっています。

電話の転送や取次などが効率化できる

クラウドPBXでも通常の電話と同様、保留にしたうえで他のオペレーターへ転送することが可能ですので、適切な対応者へ問い合わせを割り振ることができます。

通話の録音機能でトラブルを回避できる

クラウドPBXには通話録音の機能が、ほぼ基本機能として搭載されています。この機能を使用することで、例えばクレーム対応の「言った、言わない」問題の解消、またオペレーターの教育や評価に活用いただくことも可能となっております。

クラウドPBXの問題点・デメリット

クラウドPBXの主な問題点やデメリットは以下のものが挙げられます。

  • ランニングコストの発生
  • 音声の劣化
  • セキュリティのリスク
  • 停電時の利用困難
  • 特殊番号への発着不可

クラウドPBXはオンプレミス型PBXとは異なり、システムをクラウド化していることによる問題点やデメリットがいくつか存在するのです。

それぞれのデメリットについて詳しくご紹介していきましょう。

ランニングコストがかかる

クラウドPBXの最大のデメリットともいえるのはランニングコストとして月額利用料が発生する点です。

初期費用の安いクラウドPBXですが、ランニングコストが盲点となっており、導入を再検討する企業も少なくありません。

ただ、クラウドPBXのサービスはさまざまあり、自社に必要な機能と不必要な機能を取捨選択することで、コストランニングのデメリットを一部解消することができます。

音声の品質が下がる

クラウドPBXは一般的なPBXよりも音声の品質はやや不安定といわれています。

社内で直接ケーブルをつないでいる訳ではなく、インターネットによって複数の電話回線を一つにつなげているため、ネット回線が重くなっていたり回線トラブルが起こっていると電話の音声がうまく伝達できない場合があります。

そのため、インターネットの環境に左右されやすいことがクラウドPBXの弱点といえるでしょう。

セキュリティのリスクがある

今ではさまざまなクラウドサービスがありますが、主なデメリットとしては情報流出といったセキュリティ面での危機管理です。

電話回線をクラウド上でつなげているクラウドPBXの危機管理も同様で、オンプレミス型のPBXとは違い音声の流出や傍受ができる環境にあるため、セキュリティ面についてはオンプレミス型には劣るといわれています。

また、クラウドPBXは在宅勤務にも対応できるシステムもあるため、情報漏洩のリスクも高まるといえるでしょう。

そのため、クラウドPBXを導入する場合には、アクセスログの保存機能や、アクセス元IPアドレスによるアクセス制限機能や複数回のログイン失敗によるロック機能など、セキュリティ対策をしっかりと行っているベンダーを選ぶ必要があります。

停電時に利用ができない

停電時に利用できないこともクラウドPBXのデメリットといえます。

PBXには停電時でも通話できるように内部バッテリーが実装されてあるものがありますが、クラウドPBXの場合には停電してしまうとインターネット回線そのものが使えなくなってしまい通話することができません。

ただ、クラウドPBXでは拠点の分散が容易に行えます。

予め別の拠点を用意しておくことで、万が一1つの拠点が機能しなくなった場合でも、運営を継続することが可能になります。

特殊番号に発信できない可能性がある

火事や救急の際の110番や119番といったいわゆる特殊番号は、クラウドPBXでは発信できないものがほとんどです。

IP電話などのインターネットプロトコルを使用した電話システムなども、110番や119番といった特殊番号への発信はできませんが、クラウドPBXでも同様に発信することができません。

コールセンター業務では、スマホなどの私物を持ち込み禁止しているケースがほとんどですので、万が一に備え、オペレーターには事前に特殊番号への発信ができない旨を伝えておきましょう。

通話料金の削減につながる場合がある

クラウドPBXの通話料金の相場は3分8円程度となっており、一般的な固定電話の通話料金とさほど変わりません。

しかし、最近では秒単位の課金により、無駄な通話料金を抑えられるプランを提供している業者も存在します。

3分以内の通話が多いアウトバウンのコールセンターでは、そういったプランを用意している業者に相談することでコストを削減できる場合があります。

パーク保留ボタンがないケースが多い

クラウドPBXの場合、基本的にパーク保留のボタンは存在しません。パーク保留ボタンが存在しない場合は、直接内線番号を打ち込んで保留転送を行うなどの方法があります。

環境によって不安定になる

クラウドPBXの場合、場合によっては通信が不安定になり音声不良などのトラブルが発生することがあります。他のアプリやシステムを利用してインターネット回線が重くなってしまったり、自宅のネット環境が弱い場合に起こる傾向にあります。

クラウドPBXとIP-PBXの違いは?

先ほど少し出てきたIP-PBXですが、クラウドPBXとはどのような違いがあるのでしょうか。

「IP-PBX」の「IP」とはインターネットプロトコルの意味で、インターネット回線を使った電話回線、いわゆるIP電話がそれにあたります。

IP電話をPBXの機器によって複数の電話回線をつなげたものが「IP-PBX」です。

クラウドPBXとIP-PBXのどちらもインターネットの回線を利用しているという共通点はありますが、IP-PBXの場合はメインの拠点にPBXを設置する必要があります。

クラウドPBXの場合はクラウド上のPBXを利用するため、装置を設置する必要はありません。

そのため、IP-PBXとクラウド型PBXの大きな違いは「クラウド」をプラットフォームにしているか、していないか、といえるでしょう。

クラウドPBXの失敗しない選び方【目的別】

クラウドPBXを選定する際に重要視されることの一つとして、自社センターの運用に合ったクラウドPBXを導入する、ということが挙げられます。自社に合ったPBXを選定するためには、「何のためにシステム導入を行うのか」という目的を明確にすることが重要です。一般的に導入目的は大きく4つに分けられます。

  • 電話業務を在宅環境で行いたい
  • 新しく電話環境を設立したい
  • インバウンド業務を効率化したい
  • BCP対策として導入したい

上記目的について一つずつ解説していきます。

電話業務を在宅環境で行いたい

テレアポ業務を行っていたり、ヘルプデスクやサポートセンターを設置し、電話業務を行っている場合、その他業務と同様に在宅環境へ移行しようとすると、在宅環境で使用できる電話機やスマートフォンの手配、転送の流れなどを組んだりする必要があります。そうなると、高額な費用が発生したり、在宅環境への移行に時間がかかる可能性もあります。また、転送フローなどを新しく設けることで、トラブルが発生する場合もあります。
そのため、現在の受付フローを変更しなくともそのまま在宅環境へ移行できるCTIシステムを導入することで、トラブルを防ぐことができます。また費用や納期の面でも、CITシステム導入の場合は、比較的安価かつ、短納期での対応が可能なシステムがほとんどのため、より効率的に移行可能と考えられます。また在宅環境はインターネット環境が不安定になる可能性が高いため、安定性を重要視しているシステムをという点も、選定のポイントになります。

新しく電話環境を設立したい

2点目として考えられるのは、新拠点への移転や増床にあわせて、電話環境を新しく設立しなければいけない場合です。また、合わせてコストを抑え、なるべく短納期で構築したい、在宅環境での利用も検討したい場合等が考えられます。
比較のポイントとしては、新設に必要な規模数に対して、費用面、機能面共に自社に合っているか、また、将来の拡張の可能性がある場合、柔軟に対応できるシステムかどうか等が挙げられます。

インバウンド業務を効率化したい

3点目として考えられるのは、インバウンドの業務を効率化させたいという目的です。例えばサポートセンターやヘルプデスクなどの場合、着信があった際に、お客様の情報をポップアップさせるCTI連携の機能や、問い合わせ内容やオペレーターごとに入電を割り振りたい場合に利用できるIVR機能などを導入することで、オペレーターの業務効率化を実現し、顧客満足度の向上を望めます。

BCP対策として導入したい

4点目として挙げられるのは、BCPの対策として考える場合です。この場合、導入するにあたり、データのバックアップ体制や、冗長化対策など検討、比較する必要があります。

クラウドPBXを導入する際の比較ポイント

ここまでクラウドPBXについてご説明してきましたが、結局どのサービスを導入したらいいのかわからない、、という方に、導入する際の比較ポイントを改めてご説明いたします。

導入規模は自社に合っているか

クラウドPBXは企業によって、対応できる規模数が異なります(基本的には少人数~中規模程度が主流にはなります)。また規模によって価格やプランが変わってくる可能性もあるため、自社センターを運営するのに必要な規模はどれほどなのか、またその規模に対応できるサービスであるか、確認する必要があります。

電話環境の拡張性や柔軟性はどうか

導入当初は小規模スタートで問題ないものの、ゆくゆくは席数を増やしセンターの規模を拡大していく予定がある場合や、時期によって席数や電話番号の変動が激しい場合は、自社の業務の状況に合わせて柔軟に拡張、変更ができるかどうかを確認しておく必要があります。

通話以外にも必要な機能が揃っているか

通話機能は勿論のこと、プラスアルファでどのような機能が付随しているかも比較の対象になります。例えばメールやチャット、FAXなども管理できる機能など、自社の業務に合わせてどこまでの機能が揃っているとより便利か、確認しておく必要があります。

音声の品質や安定性はどうか

クラウドPBXはオペレーターの業務環境に依存する可能性が高く、インターネット環境があまり整っていない場合、音声に不具合が生じる可能性があります。サービスによっては通話品質の高さを特徴とするものもありますので、比較して見ることが必要です。

API連携は可能かどうか

クラウドPBXと外部のシステムをAPI連携させることで、より業務の効率化やデータの管理がしやすくなるケースがあります。そのためAPI連携可能なサービスかどうかも比較対象として重要な指標となります。

オペレーターのスキルアップ支援に役立てるかどうか

全通話録音機能や文字起こし機能、管理者が会話を確認できるモニタリング機能やコーチ機能など、オペレーターのスキルアップ支援に役立つ機能があるかどうかも重要な比較ポイントです。今まで手動で行わなければいけなかった部分や、対応できていなかった部分をシステムで自動化できる可能性があります。\

コールセンターの問題を解決!クラウドPBXならコラボス!

コラボスが提供する「@nyplace(エニプレイス)」は世界・国内シェア率No.1のAVAYA社製の交換機をクラウド上で利用することができるコールセンターでの利用に特化したクラウドPBXです。

1席月額2万円からサービスを利用することができ、保守管理費用などは全て月額料金に含まれているので、電話料金によるランニングコストなどを大幅に削減することができます。

また、コストを抑えてクラウド型PBXを導入したい場合は「COLLABOS PHONE(コラボスフォン)」をご利用ください。

「COLLABOS PHONE(コラボスフォン)」の大きな特徴は、1秒ごとに課金される秒単位でのプランで、通話料金を大幅に削減できる可能性があることです。

両システムとも工事費なども発生することなく、申し込みからシステム構築までは、「@nyplace(エニプレイス)」では2~2.5ヶ月、「COLLABOS PHONE(コラボスフォン)」では約3週間で導入可能です。

クラウドPBXの問題点について、不安や疑問をお抱えの方はぜひ、お気軽にコラボスまでお問い合わせください。

まとめ

本記事では、クラウドPBXの概要から、クラウドPBXで解決できること、選定のポイントなどを纏めさせていただきました。クラウドPBXをうまく活用することで、自社のコールセンター運用をより効率的、生産的なものにしていくことができるかもしれません。まずは自社のコールセンターの課題がどこにあるのか、検討してみませんか?

PBX/CTI 関連サービス

顧客情報管理(CRM)関連サービス

データ分析・活用関連サービス

回答支援・自己解決関連サービス

導入のご検討・ご相談は
こちらから

  1. DOWNLOAD
    資料ダウンロード
    導入を検討されている方のために
    PDF資料をご用意しています
  2. MAIL FORM
    問い合わせ・導入のご相談
    お見積もりなど詳しいご相談は
    お問い合わせフォームをご活用ください
  3. TEL
    03-6738-8707
    平日 09:15~18:15
    (年末年始・祝日を除く)