クレーム対応の基本!手順や上手な話し方、コツ、NGポイントを解説
コールセンターの業務の中でも重要なのがクレーム対応です。コールセンターといえばクレームというイメージが一般化するほど深い関わりがありますが、実際にどれだけ上手にクレーム対応できるかによってコールセンターの評判が決まるといっても過言ではありません。今回はクレーム対応の基本とクラウドサービスを活用してクレームを減らす方法について紹介します。
クレーム対応の基本とは
クレーム対応は、お客様のお声、ご意見をしっかりお聞きし、謝罪をするということが基本的なポイントです。
謝罪を行うことで、お互いに落ち着いた状態で詳細な確認を行うことができ、解決策を見出すことができます。謝罪をせず、よく話を聞く前にお客様をクレーマー扱いして話を聞き流したり、不誠実だと思われるような対応を取ってしまうと、よりトラブルが大きくなる可能性があります。そのためクレーム対応を行う際は、真摯に向き合う姿勢と丁寧な受け答えを意識しましょう。
また、クレーム対応を行う際には自分自身が組織、企業を代表しているという意識を持たなければなりません。
クレームは主に個人ではなく、組織や企業に対して寄せられるものです。担当外のクレームに当たってしまったとしても、「自分は担当者ではないから」「自分のせいではないから」などの無責任な対応をしてはなりません。組織の代表であることを意識し、冷静な対応を心がけましょう。
良いクレーム対応の例
良いクレーム対応とは、問い合わせ内容に対して淡々とやり取りを進めるのではなく、お客様の事情や心情を読み取り、寄り添い、お詫びをすることが重要です。また、以下の流れに沿うことで、うまくクレームを収めることができる可能性が高いと言われています。
- お客様の心情を理解し、お詫びする
- 事象が発生した原因、および事実確認を行う
- 事象に対する代替案、解決策を提示する
- 改めてお詫び、感謝の旨をお伝えする
クレームの場合、お客様の怒りの感情に触れた際に、どうしても委縮してしまう傾向にありますが、そこで手順を省いてしまったり、早く収めようとしてしまうと、相手の心情を読み取ることができなくなり、さらにクレームが大きくなる可能性もあるため、落ち着いて冷静に対応する必要があります。
クレームが発生する原因・種類
クレームが発生する原因は、主に対象の商品やサービス、または担当者の対応がそのお客様が求める水準を大きく下回ったときに発生します。ただその水準はお客様それぞれなので、すべてのお客様に合う商品やサービスの提供をおこない、クレーム防ぐことは不可能に近いです。
またクレームの種類にも一般的なクレームから悪意のあるクレーム、「高い手数料を払いたくない」などの的外れなクレームまで様々です。商品やサービスの質を高めることは勿論ですが、クレームに対して適切な対応ができる体制作りも重要になってきます。
クレーム客の心情・心理
クレーム対応において、お客様の立場や、気持ちになって考えることはとても重要といえます。ここでは、クレーム客の心情や心理について、ご説明していきます。
謝罪や問題の解決をもとめる表情(困っている、怒っている)
「届いた商品が破損していた」「商品がまだ届かない」など、何かに怒っていたり困っているときに多くのクレームが発生します。そのような場合にはお客様に対し共感を示しつつ、詳細を聞き取ることが重要です。
また、このような場合、お客様は謝罪と問題解決、どちらも求めているので、謝罪すべき点について謝罪し、同時に具体的な解決方法をしめす必要があります。
他のお客様との待遇差に関する不快感
「自分たちよりも他のお客のほうが優遇されている」など、サービスに対し不公平さを感じたときクレームが発生します。勿論、サービス提供者にそのように差をつけるような意図はないと思いますが、「同料金を支払っているのに差があることが許せない」と不快に感じる方がいることも事実です。しっかりとお客様の心情を汲み取り、丁寧に謝罪しましょう。
また、実際に業務フローに問題がある可能性もあるので、同じようなクレームを今後生まないようにするなどの対策を考える必要があります。
正義感、親切心
「この商品はこうしたほうがいい」「会社はこのようにあるべきだ」など、サービスや商品に不満を感じた際に、より良くしてあげたい、指摘してあげたほうがいいのでは?という考えからクレームが発生することがあります。このような場合はお客様のお声に耳を傾け、謝罪すべき部分ではしっかりと謝罪し、貴重なご意見をいただいたこと、改善点を教えてくださったことについて感謝の気持ちをお伝えしましょう。
金銭の要求を目的とし、不当な言いがかりをつける
先に述べたような3つの心理とは別で、最初から明確な悪意が含まれたクレームもあります。的外れな言いがかりをつけられ、金銭などを要求するような内容に対しては相手に飲み込まれないよう対応していく必要があります。また対応が難しい場合は、上司などに相談し会社として解決したり、クレームに精通している弁護士に相談することも検討する必要があります。
基本的なクレーム対応の手順
それではここからは、基本的なクレーム対応の手順を以下の4つに分けてご説明します。クレームにも様々な種類がありますが、この手順であればほとんどの場合スムーズに対応できます。
- 手順①お客様の話をよく聞いて心情を理解し、迅速に行動する
- 手順②問題となっていることは何なのか、事実確認を行う
- 手順③問題に対する解決策を提示する
- 手順④改めて謝罪と感謝の気持ちを伝える
手順①お客様の話をよく聞いて心情を理解し、迅速に行動する
まずお客様に対し、不快な思いをさせてしまったことを謝罪します。また謝罪の言葉だけでなく、お話をお伺いしたい旨を伝えるなど、心情を理解した上での謝罪をすることが大切です。そして、お客様のお話をよく聞き、心情をしっかり理解したうえで、気持ち静め、更に迅速に対応する必要があります。忙しかったり、お客様がお怒りですと、早く解決しなくてはという気持ちばかりが先行してしまいがちです。しかし、そのような考えがお客様に伝わりさらにクレームが大きくなることもあります。まずはお客様の話を聴き、感情を理解することが重要です。
また、対応時の環境作りも重要で、相槌やクッション言葉、間の取り方などを使いこなす必要があります。電話ですと自分の聞く姿勢が相手に伝わりにくいため、声に出して相槌や頷きを表現する必要があります。
第一印象が重要
クレーム対応における第一印象はとても重要です。クレームの場合、お客様は怒りの感情のままお話しされることが多いですが、冷静に対応しお客様のお声に耳を傾けることが大切です。こちらが冷静に相手の心情に寄り添うことで、お客様にも冷静になっていただける可能性が高まります。最初の第一印象で、より大きなクレームにつながってしまう可能性もありますので、十分に注意する必要があります。
お客様と落ち着いて話せる環境づくりをする
お客様が冷静に、落ち着いてお話しいただけるような環境を作ることも重要です。落ち着いて話ができる場所を選ぶことも重要です。直接お越しいただいている場合は、人目の付く場所よりもなるべく別室へご案内し、お客様にも落ち着いてお話しいただける環境を用意する必要があります。
手順②問題となっていることは何なのか、事実確認を行う
クレームを解決するためには、事実を集め、整理し記録していく必要があります。お客様との会話で得た内容は、小さなことであっても記録しておきましょう。そしてその内容をもとに事実関係を把握し、整理していきます。
また、事実を整理していくうえで業務知識や一般常識も不可欠な知識となります。事実確認を行う上で正確な業務知識がなければ、確認を行うことはできません。そのため日ごろから、自らが関わる業務に関する知識を身に着けておく必要があります。
お客様の話をよく聞き、「要約」して返す
クレーム対応の基本は「お客様の話に耳を傾けること」から始まります。
コールセンターにクレームの電話をかけてくるお客様は、「怒りをぶつけたい」「文句を言いたい」と感じがちですが、本質はそうではありません。
お客様が本当に望んでいるのは「心に生まれた不満やもやもやを誰かに聞いてもらいたい」という思いです。不満を抱くお客様の本心は自分の気持ちを誰かに聞いてもらいたい、自分の気持ちを誰かに理解してもらいたいと考えています。お客様の話を聞くことが相手の気持ちを理解し心に寄り添っているということになるので、まずはお客様の話をよく聞きましょう。
クレームをしっかり聞いたら話を理解したことを証明するために内容を的確に要約して返してください。「つまりこういうことですね」という形で要約して返答することでお客様は自分を理解してもらえたと感じます。
人は理解者に対して仲間意識やシンパシーを感じるものです。オペレーターのことを敵ではなく味方だと思ってもらえればクレーム対応の大部分は解決したも同然です。
クッション言葉やあいづちなどを使いこなす
クッション言葉や相槌などを使いこなすことも重要です。相槌を行うことは、相手の話をしっかりと聞いている、承認しているということを表す行為になります。ただし頷きすぎることは逆効果になりますので注意が必要です。
クッション言葉は、相手が受け止めやすくするクッションの役目を果たす言葉をさします。クレーム対応の際は、こちらが意図していなくとも、お客様にご不快な思いをさせてしまことがあります。このような場合は、お客様の心情に寄り添うことなく、一方的に説明などを行ってしまったことが原因であることが多いです。このような事態を防ぐためには、お客様に共感し、お客様のペースに合わせて対応していくことが重要です。
- クッション言葉の例
「恐れ入りますが」「誠に申し訳ございませんが」「かしこまりました」「誠に遺憾に存じております」など
また、「間」を意識して会話することで、お客様の注意をひきつけたり、考える時間を提供することができます。さらに、声や態度にも注意を払うことで、よりスムーズに対応することができるようになります。電話で対応する場合は、表情や姿勢が相手に伝わらないため、声色や言葉遣いなどで誠実な態度を表すことが重要となります。
手順③問題に対する解決策を提示する
事実確認が完了したら、お客様へ解決策を提示する必要があります。解決策を提示する際には、お客様からの信頼をいただけるよう、誠意を見せることが重要です。ただし、行き過ぎた対応を行ってはいけません。社会通念や法令に基づいて対応を行う必要があります。
また自社に非があった場合は、お詫びしたうえで解決策を提示、自社に非がない場合は、お客様の要望をお断りする必要がありますが、専門用語を用いるのではなく、伝わりやすい言葉に言い換えて、ご説明することが重要です。
お客様の求めていることに対応する
お客様が一体何を求めているのか、要望を的確にすくい上げて対応すると問題は迅速に解決します。
クレームの内容はいろいろありますが、同じような内容であってもお客様が求めていることが同じとは限りません。例えば購入した製品が破損していたというクレームの場合、新品に交換して欲しいのかそれとも修理して欲しいのか、あるいは今後同じようなトラブルが内容再発防止対策を徹底して欲しいのかまたは原因を調査して報告して欲しいのか、同じ問題であっても求めていることはお客様によって異なります。
どんなに素晴らしい解決策を提示しても、お客様が求めていることとズレていれば不満は解消されません。お客様が一体何を求めているのかをやりとりの中から探り出し納得してもらえる形でクレーム対応してください。
手順④改めて謝罪と感謝の気持ちを伝える
解決策を提示した後は、そこで終わりとするのではなく、改めて丁寧に謝罪をすることが重要です。クレームがあったということは、会社に対するそのお客様の信頼は下がってしまっている状況です。その信頼を取り戻すために、クレーム対応を丁寧にこなすことが重要といえます。
また謝罪の言葉だけでなく、感謝の気持ちを伝えることも重要です。クレームの内容がサービスや業務の改善につながる場合もあります。貴重なご意見をいただけたことに対し、感謝の気持ちを伝えましょう。
お断りの際は丁重に伝える
クレーム対応において「お断り」を行う場合は、さらなるクレームにつながらないように、注意する必要があります。「会社の決まりで」「法令、条例に基づいているので」といった言葉は現金です。また自社の弁護を行うような言動もNGとなります。お客様の信条に寄り添った対応、言葉選びを心がけましょう。
和解の際には「和解書」もしくは「示談書」を
クレームに対応を行った結果、金銭の支出が発生する際には「和解書」「示談書」などを取り交わす必要があります。このように書面を締結することによって、今度同じようなクレームが発生したりすることを防ぐことができます。
また和解の際にはお詫び状を持っていく必要があります。お詫び状には、事実関係と自社の落ち度や責任の所在を明記し、謝罪の旨を記載しましょう。さらに今後の対応策や、今後二度同じことが起きないような対策を説明することも重要です。
クレーム対応のコツとは?
コールセンターの仕事はクレーム対応に始まりクレーム対応に終わる、といわれるほどクレーム対応が重要な業務となっています。気持ちが高ぶるお客様を相手にするのはかなりストレスの大きな仕事です。対応を謝れば余計にトラブルをこじらせてしまう恐れもあります。クレーム対応の基本とコツをおさえて上手に対応してください。
- お客様の話をよく聞き、「要約」して返す
- 「自分が怒られているのではない」と思うことが大切
- 最後にはお詫びの言葉と感謝の言葉を添える
- お客様の求めていることに対応する
- NGワードに気を付ける
- 第一印象が重要
- お客様と落ち着いて話せる環境づくりをする
- クッション言葉やあいづちなどを使いこなす
- 業務知識や一般常識も身に付けておく
- お断りの際は丁重に伝える
- 和解の際には「和解書」もしくは「示談書」を
「自分が怒られているのではない」と思うことが大切
クレーム電話に対応すると誰でも強いストレスを感じます。誰かから敵意をぶつけられるというのはそれだけで神経をすり減らすものです。興奮状態が多いクレーム対応ではむき出しの敵意をぶつけられることもしばしばです。クレーム対応がつらく、退職する人も大勢います。
クレーム対応でストレスを溜めないコツは「自分が怒られているのではない」と思うことが大切です。クレーム対応は業務のひとつです。お客様のクレームの矛先は企業や提供されるサービスや製品であってオペレーターではありません。たまたまコールセンターが窓口となってオペレーターが対応していますが本来クレームに対して責任を感じる立場ではなく、自分が怒られているのではないと少し他人ごとのようなスタンスで対応するくらいで十分です。
まじめな人ほどクレームの電話にまじめに向き合ってしまいがちですが、責任を感じる必要はありません。顧客の声をしっかりと受け止め、顧客の不満を解決させることがクレーム対応の仕事です。
最後にはお詫びの言葉と感謝の言葉を添える
クレームの内容はさまざまです。スジの通ったためになる意見もあれば八つ当たりのような理不尽な内容もあります。どんな内容であっても必ず最後にはお詫びの言葉と感謝の言葉を添えましょう。
たとえ理不尽な内容であっても時間と労力を割いてまで連絡してきたのは事実です。負担をかけさせてしまったことに対して真摯にお詫びし、それほどまでに考えてくださったことに対して感謝の言葉を述べましょう。
どんな人でも正面からお詫びと感謝の言葉を向けられて嫌な気持ちになる人はいません。電話対応が完璧でも最後の最後で対応を失敗すればお客様は離れてしまいます。クレームの連絡をいれた甲斐があった、いい気持ちで電話を切ってもらうためにも丁寧にお詫びと感謝を伝えてください。
NGワードに気を付ける
コールセンターのクレーム対応ではオペレーターが口に出してはいけないNGワードというものがあります。ついうっかりNGワードを口にしてしまうとそれまでうまくいっていた対応が台無しになってしまいます。場合によっては深刻なトラブルのきっかけにもなりかねません。NGワードを常に意識し絶対に口に出さないようにしてください。
業種によっても違いますが基本的にはお客様の機嫌を損ねる言葉がNGワードに指定されています。
「お言葉ですが」「そうおっしゃられましても」などのように相手を否定するフレーズは使ってはいけません。「こちらの事情で」「前例がないので」など言い訳ととられかねない言葉もNGワードです。口答えのように聞こえる「でも」「だって」「ですから」などもトラブルのもとです。
業務知識や一般常識も身に付けておく
クレーム対応を行う場合、正確に事実確認を行う必要がありますが、そのためには基本的な業務知識と、一般常識が不可欠となります。普段から業務を行う上で、自身のかかわるサービスや商品に関する知識を身に着けられるようにしておきましょう。
クレーム対応でやってはいけないNGポイント
ここまではクレーム対応で心がけるべき事柄を説明していきましたが、ここからはクレーム対応におけるNGポイントをご説明していきます。
- 顧客の発言を否定する
- 話を遮る
- たらい回しにする
顧客の発言を否定する
お客様の発言を否定するような言動は、クレーム対応においてはNGとなります。クレームの内容に対し「本当にそうですか?」などといった疑いを向けるような言葉はお客様の気分を害し、さらにクレームが大きくなる可能性があります。言葉だけでなく、相槌を打つ場合も肯定的な相槌(そうですね、よくわかります、など)を選ぶように気をつけましょう。
話を遮る
お客様の話を遮ることもNGとなります。まずは一通り話を聞く姿勢をとることが重要です。話の途中に反論したい場合でも、まずはお客様の不満を吐き出していただき、怒りを少しでも落ち着けていただくことが重要です。途中で話を遮ってしまうと、さらにクレームが大きくなる可能性があるので、こちらも注意が必要です。
たらい回しにする
お客様をたらい回しにすることもNGとなります。自分が担当ではないので、ほかに連絡してくださいといった対応は、自社都合でさらにお客様をお待たせしたり、適切にエスカレーションできていなかったりすることで、さらなるクレームにつながる可能性があります。他部署などへ引き継ぐ必要がある場合は、まずしっかりお客様のお話をお伺いし、取りまとめたうえでエスカレーションすることが重要です。
クレームを減らすための予防方法
クレーム対応の品質向上もいいですが、もっと大切なのはクレームそのものを減らす努力です。クレーム対応はコールセンターの仕事とはいえクレームが少なくなるに越したことはありません。サービス品質向上をめざす以上、すべてのお客様に満足していただきクレームがゼロになるのが理想です。
まずはコールセンター全体の業務のあり方を見直し、不満の出るポイントをチェックしましょう。時間はかかりますが問題のある箇所をひとつひとつ丁寧に改善していく積み重ねがクレームを減らす近道です。
顧客を待たせない
多くのお客様がコールセンターに感じている不満が待ち時間の長さです。
厳しい景気状況が続く中、ほとんどのコールセンターは人手不足の状態で業務を行っています。効率化といえば聞こえはいいですが、実態は必要最低限の人数で業務にあたっているのが現実です。コールセンターは問い合わせが集中する時間帯とそうでない時間帯の差が大きいこともあり、特定の時間帯に連絡が集中してしまうと長い待ち時間が発生することが頻発しています。コールセンター側からすればたった1分でも待たされる側からすれば1分「も」待たされたと感じます。
いくらかけてもつながらないコールセンターほどイライラするものはありません。逆にいえば待ち時間なくスムーズに対応できればクレームを大幅に減らすことができます。顧客をいかに待たせないようにするかがクレーム削減のキーポイントです。
トークスクリプトの刷新
コールセンターにはオペレーターの対応をまとめたトークスクリプトというものがあります。トークスクリプトとは言わばオペレーターの業務マニュアルです。トークスクリプトには顧客との会話のために必要な例文や適切な言葉遣い、使ってはいけないNGワードなどがまとめられています。
トークスクリプトがあることでオペレーター間のばらつきをなくし一定の対応品質を提供することができます。逆に言うとトークスクリプトの品質が低いとすべてのオペレーターのサービス品質が低下してしまうということです。トークスクリプトに完璧はありません。サービス品質を維持するにはトークスクリプトを常に改善しアップデートを重ねる努力が不可欠です。
事例やケーススタディを重ねてトークスクリプトを刷新することで顧客の不満に適切に対応できるようになります。不満が少なくなれば自動的にクレームも減少します。
オペレーターの教育をする
クレームの削減に欠かせないのがオペレーターの教育です。
機材やマニュアルを更新しても実際に顧客と話をするオペレーターのレベルが低ければクレームが減ることはありません。話している内容は正しくても言葉遣いや、オペレーターの態度がクレームのきっかけになるのはよくある話です。最前線で顧客と向き合うオペレーターを教育し人材の底上げなくしてクレームの削減はありえません。
オペレーター教育はクレームの削減だけではなく、すべてのサービス品質向上にもつながる重要な施策です。お客様の気持ちに寄り添い不満を適切にすくい上げるにはマニュアルやトークスクリプトだけでは不完全で、オペレーター個人の能力が大きく影響します。
ミーティングや研修など時間と費用はかかりますが教育への投資は必ず成果となって返ってきます。
顧客が自己解決できるようにする
顧客がコールセンターにクレームを入れるのはなにか不満があるからです。ではその不満はなにに由来しているのでしょうか?
完璧な製品やサービスがありえない以上、顧客の不満をゼロにするのは無理な話です。使い方がわからない、正常に動作しない、期待した効果が発揮されないなどといった不満を顧客が感じたときにまず最初に試すのは自分自身の力による解決です。説明書を読んだりホームページを見ても問題が解決されないときに初めて顧客はコールセンターにクレームをいれます。つまり、顧客が自分の力で自己解決できればコールセンターへのクレームは減少するのです。
企業として顧客の自己解決を後押ししましょう。ホームページに「よくある質問」を掲載したりAIチャットを導入したりといった方法がクレームの減少につながります。
商品の不備がないようにする
まずは、大前提として、提供している商品・サービスに不備がないようにしましょう。不備や不具合が少ないサービスであれば、問合せを確実に減らすことができます。不備や不具合が多いと、その分問合せが増えてしまい、クレーム・問合せ対応に工数をとられてしまいます。よって、サービスのリリース前はもちろん、サービスリリース後も保守・メンテナンスは、サービス提供者として必要な作業といえるでしょう。
よくあるクレームの対処法をチェックしておく
商品やサービスに関して、同じようなクレームが複数顧客から問合せがあることがあります。クレーム対応はどんなオペレーターも緊張してしまうと思いますので、あらかじめ、「よくあるクレームと対応方法」として共有しておくことがよいでしょう。事前に対応方法を頭にインプットしておくことで、いざクレームが発生したときに、落ち着いて対応できるようになります。
クレーム対応に有効なコールセンターシステム
クレーム対応にはコールセンターシステムそのものの見直しも重要です。コールセンターシステムの機能の中にはクレーム対応に大きな効果を発揮するものがあります。便利な機能を使うことで顧客サービスの品質を向上しクレームを減らすことができます。必要な設備投資を適切に行い有効な機能を活用することでクレームを減らしコールセンターの業務効率を改善できます。
PBX/CTI
コールセンターシステムの機能の中でクレーム対応に有効なのがPBX/CTIです。PBX/CTIとは顧客からの着信をオペレーターの熟練度によって適切に振り分けることができるシステムです。
過去に寄せられた着信記録をデータ化すると顧客ごとの傾向がわかります。高度な技術問題を問いかけてくる顧客やサービスの細かいことまで質問してくる顧客など、データから判別された特徴的な顧客からの着信は熟練オペレーターに、比較的対応が容易な着信は新人にと振り分けることでクレーム対応における人的リソースの最適化が実現します。顧客情報をすぐに呼び出せるので待たせることがなく対応にあてる時間も短縮化されます。
音声録音システム
音声録音システムは通話内容をそのまま記録できる機能です。
クレーム対応では話の流れで言った言わないでトラブルになるケースが少なくありません。興奮状態にあるお客様は話の内容が前後したりコロコロ変わったりすることがよくあり、そのことでさらに話がこじれることもしばしばです。通話が録音されていれば言った言わないでもめることが無くなりオペレーターを守ることができます。
さらに特定のキーワードに反応するキーワードアラート機能があれば深刻なトラブルを未然に防止する効果も期待できます。
CRM
CRMはCustomer Relationship Managementの略で、顧客情報を集約した顧客管理システムです。顧客の個人情報や過去のコンタクト履歴、製品やサービスの購入実績やクレームの内容など個人に関わるあらゆる情報を集約し一元管理します。過去のトラブル歴を参考にして個人ごとにNGワードを設定したり、どういった回答を求めているのか傾向を把握したりと個人に合わせた対応ができるのでクレーム削減に役立ちます。
CTIとCRMを連携させることで、オペレーターは着信があった顧客情報を瞬時に呼び出すことができます。過去の履歴や記録を参考にして対応できるので対応品質向上に効果をもたらします。
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コールセンターシステムならコラボスがおすすめ
クレーム対応に効果を発揮するコールセンターシステムの導入を検討しているなら、コラボスが提供するクラウド型顧客情報管理システム「COLLABOS CRM」がオススメです。
「COLLABOS CRM」はクラウド型の強みを活かして導入決定から1~2ヶ月で構築、運用スタートまで早期導入が可能です。コールセンター業務に特化した機能性によりクレーム対応に最適化が可能、オペレーターの負担を軽減し業務効率を向上させます。サポートもLINE連携のAIチャットサポート実装で自己解決を促進。スムーズなトラブル解決で人件費を削減します。
コールセンターシステムのご要望がございましたら、ぜひコラボスまでお問い合わせください。
まとめ
本記事ではクレーム対応における基本の手順や注意すべきポイントについて解説いたしました。もしクレームを受けた場合は、手順や注意点を思い出し冷静に、お客様に寄り添う対応を心がけるといいでしょう。また、システムを導入することによって、よりスムーズにミスなく対応できるようになる可能性がありますので、この機会に是非ご検討ください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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