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2023/04/19

マネジメント

コールセンターの稼働率とは?その重要性と計算方法を徹底解説!

「コールセンター」の業務改善をご検討中の方へ

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コールセンターにとって重要な指標の一つに「稼働率」があります。
この稼働率を適正な水準に保つことは、コールセンターの運営における重要な目標の一つです。
この記事では、コールセンターにおける稼働率とは何か、その意味と指標とすることのメリット、さらに適正値に近づけるためのさまざまな方法を紹介します!

コールセンターにおける稼働率とは?

「稼働率」とは、コールセンターにおいてオペレーターが勤務時間中に業務にどの程度の時間を充てているかを示す指標です。

オペレーターは顧客対応を主な業務としていますが、勤務時間のすべてを顧客対応に充てているわけではありません。顧客データの入力や業務上のミーティングなど、顧客対応以外の業務もこなしています。また、問い合わせの電話がかかってこない場合は待機時間となります。オペレーターが顧客対応に当たる時間を「生産時間」と呼び、顧客対応以外の業務に当たる時間を「非生産時間」と称します。

稼働率は、生産時間と待機時間の合計が勤務時間中にどの程度の割合を占めているかを示す計算式から導き出される数字であり、オペレーターがどれだけ効率的に顧客対応を行っているかを知るための指標として活用されます。Excelや他のツールで解析することで、稼働率の向上策やオペレーターの負担軽減を目指すことができます。

稼働率と可動率は何が違うのか

稼働率とは、「生産できる量(生産能力)のうち実際に生産された量の割合」を示す指標で、製造業などの生産現場の管理においてよく利用されるツールです。
稼働率の計算式は次の通りです:

    稼働率の計算式

  • 稼働率(%)=実際の生産量÷生産能力×100

また、可動率は、本来稼働すべき時間に対して実際に稼働した時間の割合を示す指標であり、次のような計算式で求められます:

    稼働率の計算式

  • 可働率(%)=実際の稼働時間÷本来稼働すべき時間×100

可動率は、稼働率と混同されがちですが、それぞれが示す内容は異なります。
例えば、ある工場が通常1か月で車を100台製造できる能力を持つ場合、その月に70台の生産にとどまった場合、その工場のその月の稼働率は70%となります。
一方、機械設備が1か月フル稼働したはずの時間からメンテナンスや停止時間を差し引き、実際に稼働した時間が80%であれば、それがその期間の可動率となります。

稼働率が100%付近で推移していれば「効率良く生産ができている」と判断されますが、可動率も合わせて把握することで、さらに詳細な生産状況を分析できるようになります。

稼働率の計算方法の例

ここからは稼働率の計算方法について、計算式及び計算方法の例をいくつかご紹介いたします。

コールセンターでの稼働率の計算方法の例①

例えば、コールセンターで働くAさんの1日を例に計算してみます。
Aさんは今日、8時間勤務し、休憩は1時間でした。
通話時間は4時間30分、保留時間は15分、後処理時間は1時間、待機時間は15分でした。
この場合の稼働率は、以下のように計算されます:

  • 稼働率 = (通話4時間30分 + 保留15分 + 後処理1時間 + 待機15分) ÷ 7時間 × 100

上記の計算結果から、稼働率は86%となりました(小数点以下四捨五入)。
稼働率の観点から見ると、コールセンターで適正な人員配置が行われており、効率向上に寄与していると考えられます。

稼働率の計算方法の例②

2つ目の例として、Bさんを挙げます。
Bさんは3時間勤務し、休憩なしで作業を行いました。
通話時間は2時間30分、保留時間は5分、後処理に費やした時間は10分で、待機時間は全くありませんでした。
この場合の稼働率は、以下のように計算されます:

  • 稼働率 = (通話2時間30分 + 保留5分 + 後処理10分) ÷ 3時間 × 100

結果として稼働率の計算では92%となります。
稼働率の適正値から見ると、Bさんは業務に逼迫しているように見受けられます。
このことから、人員が不足しているか、Bさんに対する仕事の負担が大きくなりすぎている可能性があります。

コールセンターでの稼働率と占有率の違いと計算方法

稼働率と並んでコールセンターで用いられる指標として「占有率」というものがあります。稼働率と占有率は混同されやすいものの、それぞれ異なる指標です。
稼働率が示すのは、オペレーターの勤務時間における顧客対応業務が占める割合です。
オペレーターの勤務時間、つまり給与支払いの対象となる時間には、顧客対応をしている時間だけでなく、電話の待機時間やデータ入力・記録整理などの後処理業務の時間、ミーティングなどの業務、休憩時間も含まれます。
稼働率は「労働時間中に占める顧客対応と待機時間を合計した時間の効率的割合」を示すものであり、計算式を用いて効率が向上するかどうかの判断基準としても重要です。

それに対して占有率は、「顧客対応時間と電話待機時間を合わせた時間における顧客対応時間の割合」を示します。

稼働率と占有率の計算方法をまとめると、以下のようになります。稼働率とは、「対応時間※1+待機時間」を労働時間で割ったものです。

    稼働率・占有率の計算方法まとめ

  • 稼働率=(対応時間※1+待機時間)÷労働時間
  • 占有率=対応時間※1÷(待機時間+対応時間※1)

※1通話時間+保留時間+後処理時間を含みます

占有率は、顧客対応を目的とした時間内で実際にどの程度顧客対応が行われているのかを示す指標として機能します。

稼働率と応答率の関係性

コールセンターでは応答率という指標も存在します。

応答率とは、コールセンターでの問い合わせ電話において、オペレーターが対応した割合を示す数値です。
応答率が100%であればすべての電話に、50%であれば半数の電話に対応したことを意味します。応答率が高いほど、問い合わせ電話がつながりやすいコールセンターといえます。

    応答率=「オペレーターが対応できたコール数」÷「コールセンターに掛かってきたコール数」

稼働率と応答率はそれぞれ強く影響し合いますが、直接的な関係性はありません。
同じ稼働率でも待機時間が長ければ応答率を向上させる余地があります。
しかし、人員をぎりぎりまで活用し、対応時間が多くを占めている場合、さらなる応答率の向上は難しいです。
それぞれの数値が示す意味を的確に理解しないと、現状を正確に把握できないため注意が必要です。

稼働率の適正値は?

稼働率とは、業務の効率に直結する重要な指標であり、高すぎても低すぎても問題があります。
稼働率が適正値を超えている場合や満たしていない場合は、業務の最適化が達成されていないことを意味します。
単に稼働率を上げたり下げたりするのではなく、適正な水準を目指すことが業務効率の向上およびオペレーターの負担軽減につながります。

一般的には、コールセンターにおける稼働率の適正な値は80%が目標とされています。
この稼働率が80%前後であれば、業務効率を確保しつつ、オペレーターに過度な負担を与えない適正な運営が実現可能となります。
85%までは非常に優秀な実績とされますが、85%を超えるとオペレーターの負担が重くなり、90%を超えた場合は危険な水準と考えられます。

稼働率は常に変動しますので、一定期間の平均的な稼働率を計算し、適正な時間と方法で業務を見直すことが必要です。

稼働率を算出したらチェックしたい項目

稼働率を計算した後は、コールセンター全体の見直しを行いましょう。確認すべき主要なポイントは以下の通りです。

  • コールに対して人員配置が適切かどうか
  • 全体と比較して極端に稼働率が低い、または高いオペレーターがいるかどうか

稼働率は顧客満足度(応対品質)との両立が重要!

適正な稼働率の達成は重要な課題です。しかし、前提として応対品質を維持する必要があります。
稼働率ばかりを重視して応対品質が低下すれば、顧客満足度が損なわれます。適正な稼働率を達成しつつ、応対品質を維持できて初めて業務効率の向上が実現します。

両立のために必要なのは、業務の最適化です。

稼働率を上げるだけの施策では、応対品質に問題が生じるリスクが高まります。
オペレーターの労働環境や電話回線の数、さらにはインターネットやFAXなど、電話以外のツールの拡充、コールセンターシステムの更新などによって作業効率を向上させ、全体的な改革を通じて稼働率と顧客満足度の両立を目指しましょう。

稼働率を向上させるメリット・デメリット

メリット

稼働率を適正値である85%程度に維持することは、顧客満足度の向上、人員の健康維持、そして効率的なコスト管理に貢献します。迅速な顧客対応が可能となり、スタッフの負担を軽減し、無駄なコストを抑えることができます。

デメリット

コールセンターにおいて稼働率を無理に上げる(85%を超える適正値を維持しようとする)と、オペレーターの業務量が増え、スタッフに過大な負担がかかります。その結果、過労やストレスが増加し、長期的には離職率の上昇やサービス品質の低下につながる可能性があります。このように必要以上に稼働率を向上させることを目指すと、効率が悪化し、コスト増加の原因ともなり得ます。

稼働率を無理に高めた場合のリスク

稼働率を無理に高めることを要求すると、オペレーターや設備に過度な負荷がかかり、さまざまな悪影響が生じることがあります。
例えば、コールセンターの場合、顧客満足度の低下やオペレーターの離職などがよく見られる問題の一例です。

生産性や応対品質の低下

稼働率を無理に高めると、休憩時間や必要な研修、面談、情報共有の時間が不足することにつながります。
限られた休憩時間ではオペレーターのミスが増加し、研修や面談の時間が不十分だと、オペレーターの適切な作業効率やサービス品質が低下する恐れがあります。
その結果、お客様に与える印象が悪化し、顧客満足度が低下し、企業やブランドのイメージが悪化する可能性があります。

適正な稼働率を維持することは、コールセンターの効率を高め、オペレーターの離職を防ぎ、顧客満足度を維持するために非常に重要です。
最適な人員配置や稼働率の計算式を用いた効率的な運用方法を検討することが求められます。場合によっては、Excelなどの適切なツールを活用することが有効です。

離職率の上昇

コールセンターのオペレーターは、通常でも心理的ストレスが高い業務であると言われています。
前述のとおり、無理に稼働率を高めると、休憩時間やスーパーバイザーへの相談、研修の時間が十分に取れず、精神的ストレスの増加につながります。
このため、より良い労働環境や職場環境を求めてオペレーターが退職することが増え、離職率の上昇につながる事態が懸念されます。

コールセンターの稼働率を改善するためのポイント

コールセンターの稼働率を適正な値で保つためにはどうすればよいのでしょうか。さまざまな要因で変化する稼働率は、適正水準を維持するために継続的な努力が求められます。

重要なのは、コールセンター全体としての業務効率の改善です。オペレーターの勤務状況や問い合わせ対応状況を常にチェックし、問題点を改善するためのツールや方法を活用しましょう。

適切な人員配置が必要

稼働率の適正化で最も重要なのが、適切な人員配置です。
稼働率に直接影響するのはオペレーターの人数です。オペレーターの人数が増えるほど電話対応力は強化され、稼働率や応答率は向上します。

しかし、人員が多すぎると待機時間の割合が増え、占有率が低下して業務効率が下がります。
適切な人員配置を目指すためには、WFMツールの導入をおすすめします。また、これらを補助するためにExcelを活用した計算式や分析も有効な方法です。

WFMとはWorkforce Managementの略であり、サービスを維持しながら適正な人員配置を戦略的に行う考え方です。
オペレーターのスキルや稼働状況、問い合わせが増加する時間帯など、多くのデータを活用し、適正な配置を目指すことで、コールセンターの稼働率を最適化し向上させることができます。

待機時間の有効活用

稼働率には応対時間だけでなく、電話を待つ待機時間も含まれます。
極端に言えば、電話が一本もかかってこず、すべてのオペレーターが待機している状態でも稼働率にカウントされます。
このため、見た目上稼働率が高くても、実際の効率が低ければ業務の実質的な効率は低下します。
待機時間を有効活用することができれば、コールセンターの業務効率はさらに改善するでしょう。

待機時間が多い場合は、研修や教育の時間として活用する方法があります。
非生産的な時間をスキルアップのために有効活用すれば、オペレーターの能力が向上し、全体としての稼働率も適正値に近づきます。これにより、業務全体の効率も向上します。

オペレーターのステータス管理

稼働率は、顧客対応時間と電話待機時間を合わせた指標として示されます。
効率的な運営のためには、オペレーターの業務ごとの時間配分を把握するステータス管理が重要です。
Excelなどのツールを活用することで、オペレーターの業務状況を可視化し、負担をバランスよく分散させることが可能となります。
これにより、稼働率を効率的に最適化することができます。
待機時間についても、コールセンターでは着信待ち、応答後の後処理、離席、研修、または作業確認などの作業が含まれるため、さらに細かく分類して分析することで、より正確な稼働率を把握できるようになります。
この分析結果を活用することで効率的な運営と適正な人員配置が実現できます。

ステータスの見える化

オペレーターのステータス管理を進化させる方法には、ステータスの見える化があります。
ステータスを分かりやすく数値化して可視化することで、管理効率の向上が期待できます。また、この過程を通じて稼働率への理解が深まります。

CRMのレポーティング機能は、ステータスの見える化に役立つツールです。
CRMは顧客情報を一元化し、必要なデータを抽出してレポートを自動生成するシステムです。
これにより、日々のデータを活用してオペレーターのステータスをリアルタイムで把握できるようになります。

さらに、作成したレポートをもとに業務改善を進めることで、適切な人員配置が可能となり、稼働率の適正化が実現します。
効率的なツールの導入により、負担軽減やExcelを使用した計算プロセスの簡略化も可能です。

オペレーターのメンタルケア

コールセンターのオペレーターは、お客様から無理難題を言われたり、時には罵声を浴びせられることもあり、精神的な負担を感じる場面も少なくありません。
そこで、オペレーターの稼働率向上を図ることも重要ですが、監視だけでなくメンタルケアを行い、コールセンターの適正な稼働率を維持・運営するための効率的な対応も必要です。
具体的には、以下の方法を実施するとよいでしょう。

  • よい行いをしたオペレーターを評価し褒めること
  • 定期的な面談を行い、オペレーターの状況に変化を感じた際には速やかに面談を実施すること

オペレーターのステータス管理ならコラボス

オペレーターのステータス管理には、コラボスが提供するコールセンター向けのクラウド型CTI「VLOOM」や顧客情報管理システム「GROWCE」をご利用ください。
VLOOMでは、オペレータの今のステータス(通話中・後処理中・離席中等)のリアルタイムモニターや、日次・月次のレポートを集計できます。
GROWCEは顧客応対に関する情報を統合的に処理し、Excelで簡単に扱えるよう顧客情報を自動で紐付けることが可能です。

記録された情報から稼働率を算出するレポーティング機能を活用すれば、オペレーターの稼働率が何かを理解するとともに、リアルタイムで状況を把握し、稼働率の適正値を維持するのに役立ちます。

まとめ

コールセンターの稼働率とはオペレーターが勤務時間中にどの程度の時間を業務に当てていかを示す数字です。
稼働率は高くても低くても問題があり、適切な稼働率を維持にはコールセンター全体視点での継続的な業務改善が必要です。

その第一歩は現状の適切な把握、数値化となります。稼働率の適正化にお悩みならぜひコラボスまでお問い合わせください。

この記事の執筆者

コラボスブログ編集部

株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
会社情報について詳しくはこちら

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コラボスブログ編集部

株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、1,000拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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