2023/01/4
PBX/CTI
CTIとは?機能や導入メリットについてわかりやすく解説
コールセンターが設置されている企業では、顧客満足度の向上や売り上げアップのために迅速かつ的確なアドバイスを行えるようになることが課題となっているはずです。
しかし、コールセンター業務において、顧客からの着信量やお問い合わせ内容によっては、的確な対応を行うのは非常に困難になる場面も多いでしょう。
そのため、現在コールセンターにCTIを導入している企業が増えてきています。
今回はCTIをご存じではない方や、名前は知っているけど詳しくは分からないといった方に向け、コールセンター業務で活躍するCTIについて、機能や活用事例をご紹介していきたいと思います。
目次
コールセンターシステムのCTIとは
CTI(Computer Telephony Integration)は、電話とコンピューターを連動させたシステムの事を指しています。コールセンターシステムにおけるCTIは、データベースと連携させることで顧客情報を確認しながら電話を受けたり、クリック発信ができたりなど現在の業務を効率化も見込めます。
- 関連記事:いまさら聞けない!CTI連携とは?
PBXとCTIの違い
よく、電話業務の関連でPBXという言葉も耳にしますが、CTIとは意味合いが異なってきます。CTIはコンピューターと電話を連携させる技術の事をさします。一方で、PBXは電話交換機のことを指しており、電話機を使用する際に企業で設置する必要があります。
CTIの種類
ここではCTIの種類と、それぞれのメリット・デメリットをご説明いたします。
ご提供の種類
①オンプレミス型
オンプレミス型の場合、自社でサーバーを保有することになるので、初期費用等は高額になる場合が多いのですが、その分自社の運用にマッチしたカスタマイズがしやすいことがメリットになります。
②クラウド型
クラウド型の場合、自社サーバーを保有する必要がないため、初期費用を安く抑えることができます。また、注文をしてからだいたい1~2週間という短納期で、運用が開始できる部分も大きなメリットになります。
CTIの主な機能
CTIの機能は、コールセンターなどで使用されるケースが多く、顧客から企業への問い合わせなどで利用されます。
ここからはコールセンターにCTIを導入することで、どういった機能が使えるのかを説明していきます。
インバウンド型の主な機能
ポップアップ機能
ポップアップ機能は、顧客からの着信の際にPC上に顧客などの情報が自動的に表示される、CTIシステムの基本的な機能です。
着信時に自動表示される項目としては、着信リストや電話ステータスから顧客情報の詳細などが挙げられます。
顧客情報では主に、氏名・性別・来店回数・会社名・部署などの情報が表示されます。
情報検索のための保留時間が削減されるため、顧客満足度の向上が期待できます。
自動音声応答(IVR)機能
IVRは、コールセンターに電話をかけた際に、顧客の要望に合う適切なオペレーターへ電話を割り振るために流れる自動音声アナウンスのことです。
自動音声により24時間顧客からの電話受付が可能になる自動応答が可能となることや、顧客の要件ごとに自動音声アナウンスが適切なオペレーターへ繋いだり、要望解決のため内容への対応を自動的に行うため、業務の効率化およびオペレーターの負担を軽減させることが可能です。
着信呼自動分配装置(ACD)機能
例えば、一般的なビジネスフォンを契約すると、1つの電話番号に電話がかかってくると、その周辺の席の電話機全てが一斉に鳴ります。しかし、ACD機能は自動振り分け機能と呼ばれており、新人のオペレーターに多く電話を取らせるように、前回の通話から一番時間が経過しているオペレーターに着信させる、といったコールを着信前に振り分けることができます。オペレーターにスキルを割り当て、業務ごとに着信先をわけることもでき、顧客満足度向上に繋がるでしょう。
アウトバウンド型の主な機能
電話制御機能
電話制御機能は、一人のおオペレーターへ着信が集中しないように、他のオペレーターへ均等に振り分ける機能となります。オペレーターへの負荷を分散することができるため、業務効率化や、負担軽減が望めます。
オートコール機能
オートコール機能は、システムが自動的に発信し、お客様が電話に出たら、オペレーターに繋がる仕組みです。また、〇秒以上お客様が電話に出なかったら、次のお客様へ自動発信する、といった機能もあります。
プレディクティブコール機能
プレディクティブコールは、登録されたリストから、複数回線を利用して同時に発信し、つながったらオペレーターにつなぐ、という仕組みです。つながったコールにのみ対応すればよいので、オペレーターは通話に集中することができます。toCなど、通電率が悪い業務にはおすすめのコール方法です。
クリック発信機能
1コールずつクリックして発信する方法です。手打ちで架電先の電話番号を入力しなくてもよいため、効率があがります。ただ、プレディクティブと比較すると、効率は下がりますので、toBなど、通電率のよい業務におすすめのコール方法といえるでしょう。
インバウンド型・アウトバウンド型共通の機能
モニタリング機能
モニタリング機能は、センターの管理者向けの機能となります。オペレーターとお客様との会話を、第三者の立場で聞くことができます。主に、新人オペレーターの教育や、クレーム対応の際などで活用できる機能となります。
通話録音機能
コールセンターで通話録音機能が必要とされる理由として、まずオペレーターが対応した通話内容の聞き漏らし防止が挙げられます。
コールセンターでは、さまざまな内容のお問い合わせが多くかかって来るので、内容を聞き漏らす可能性があり、また、内容を聞き漏らしてしまうかもしれないというオペレーターの精神的な負担軽減などの効果があります。
そのほかにも、トラブル時の証拠として利用したり、自動音声応答の記録をもとにしたオペレーター教育や通話の録音をしていることを事前に顧客に伝えることで、クレーム対策にも役立ちます。
また、最近では音声認識の技術が向上してきており、録音した音声を自動でテキスト化するシステムも登場しています。
テキスト化した文章をAIによって分析することで、今まで気づくことのなかったキーワードを抽出し、マーケティング戦略に活用する企業も増えてきています。
トークスクリプト機能
複数業務を1人のオペレーターが兼任している場合、電話を受けた時に最初の「名乗り」が業務数存在するでしょう。「お電話ありがとうございます。〇〇コールセンターでございます。」といったものです。ただ、窓口の名前を名乗るだけならともかく、複雑なトークがある場合、それを全て記憶し、瞬時に使い分けることは難しいです。
CTI連携することで、A業務にかかってきたらAトークスクリプト、BにかかってきたらB、という具合に、自動でカンニングペーパーをポップアップする機能です。
レポート機能
電話のシステムには、レポート機能があります。これは管理者向けの機能で、1日や一定の時間内にどのくらいのコールがあったのか、どの業務にどのくらいコールがあったのか。また、どのくらいのコールを取りこぼしているのか、といったデータが取得できます。システムによっては、リアルタイムのレポートもあります。状況を把握し、シフト管理などに役立てましょう。
ソフトフォン機能
ソフトフォンとは、一般的に電話機などの実機を置かずに、パソコンのみで電話ができるソフト(アプリケーション)のことを指します。多くのソフトフォンは、パソコンとインターネット、ヘッドセットがあれば使える、という手軽さが魅力です。在宅ワークでも利用できるため、近年人気のタイプです。
コールセンター のCTI活用事例
実際にコールセンターへCTIを導入したことにより業務効率化に成功した例や、導入時と導入後の事例をご紹介したいと思います。
株式会社かいげつ
導入時の課題
- 電話が繋がりづらいため、呼損が増加し機会損失が発生している。
- 電話対応における履歴を記録していないため、過去の問い合わせ内容を把握することができず、再入電時に聞き返すなどしてしまい、お客様に負担を与えている。
- 質問内容のデータ化を行っていないため、電話対応が属人化している。
- 電話対応が多く、オペレーターの研修や教育をする時間が確保できない。
導入時の改善効果
- 時間帯ごとの入電数の傾向を明確化されたので、適切な人員配置を行うことができたので、呼損が減るとともに応答率が90%を超えた。
- 顧客からの着信時に、ポップアップ機能によって、名前や過去のお問い合わせ内容を見ながら対応できたので、オペレーターが顧客応対をする際の負担が軽減できた。
- 問い合わせ内容の一元管理が可能になったので、よくある質問のデータ化を利用して、オペレーターの属人化解消に成功。
- 各時間帯ごとの入電数の傾向が把握できるようになったので、オペレーターの研修・教育の時間を確保できるようになった。
株式会社ママスクエア
導入時の課題
- 新システム導入によるオペレーターの負担を減らすためなるべくシンプルな操作方法が望ましい
- オペレーター研修などの教育システムの確立
- 保守管理による工数および費用の発生、またコールセンター責任者のエリアマネージャーへの負担
導入時の改善効果
- サービスの導入・構築・運用に関わる手厚いサポートによる、円滑なシステム移行
- 通話録音機能を利用した、オペレーターによる相互教育システムが確立された
- コールセンターシステムの保守管理全般をコラボスが対応してくれたため、エリアマネージャーがマネジメント業務に集中して取り組める環境を実現できた。
関連記事:CTI導入でどう変わる?業種別コールセンター導入成功事例をご紹介
CTIシステムの料金相場
CTIシステムの料金相場は、提供企業によって様々ではありますが、初期費用は0円~300万円ほど、オンプレミス型ですとさらに費用が発生する可能性があります。また月額費用としてもシステム利用料や、通話料金が発生します。さらに運用方法によっては、オプション機能の契約も必要となるので、自社センターの課題や運用に合わせて、システム契約をする必要があります。
CTIシステムの導入メリット
CTIシステムの導入における、メリットについて説明します。せっかく導入しても、想像していたシステムと違う、というようなことは避けたいので事前にメリットを確認しましょう。
コストの削減
コスト削減の観点から、CTIシステム導入のメリットについて考えます。
CTIシステムを導入することで、対応を一部自動化できたり、対応工数を削減して効率的に業務を行うことができます。またクラウド型のシステムだった場合、月額の利用料を大幅に削減できる可能性があります。このようにあらゆる面でのコスト削減を見込むことができるのです。
業務効率化
業務効率化の観点から、CTIシステム導入のメリットについて考えます。
着信ポップアップ機能を利用することで、同一顧客から電話がかかってきたときに、過去の問合せデータをポップアップすることができます。そのため、電話がかかってきたときに、顧客データを探す手間を省くことができます。
顧客満足度向上
顧客満足度向上の観点から、CTIシステム導入のメリットについて考えます。
通話録音機能や、モニタリング機能を利用し、実際の対応品質の確認、また実際の録音音声をケーススタディにし、オペレータ育成のための研修などでも活用ができます。オペレータの対応品質が上がれば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
CTIシステムの選び方・比較ポイント
ではCTIシステムの選び方や比較のポイントはどこにあるのでしょうか。いくつかポイントを絞ってご紹介します。
その他のシステムとの連携が可能か
CTIシステムは他システムと連携することで、業務効率化や応対品質向上などより導入効果を発揮できる可能性があります。そのため、すでに自社で使用しているシステムと連携することができるかなど、事前に確認の上選定、導入することが重要になります。
セキュリティ対策は万全か
CTIシステムは、顧客管理システムと連携したり、お客様との会話内容を録音機能を用いてデータ保存する場合がほとんどです。そのため、セキュリティ対策が十分であるか、そもそも自社のセキュリティレベルとマッチしているかどうかも含めて、確認が必要となります。
サポート体制が十分か
導入してからしばらくの間や、何かシステムトラブル発生した時に、社内に知見のある担当者がいない場合、CTIシステム提供ベンダーのサポート体制が充分であるかどうかが重要なポイントとなってきます。24時間365日対応しているか、電話のみでなくメールでも対応してもらえるかなど、自社の運用状況に合わせて事前に確認しましょう。
自社の運用に沿った機能が搭載されているか
コールセンターでは受電を専門としたインバウンド業務や、架電を中心としたアウトバウンド業務など様々な業務体系があります。またその内容に沿って、特定の業務に特化しているCTIや、マルチで対応できるCTI等様々あります。そのため自社の運用を今一度整理して、運用にあったシステムの導入が必要となります。
CTI連携におすすめのコールセンターシステム
クラウドPBX
コラボスのVLOOM(ヴルーム)は、音声認識機能など搭載されているのクラウドPBXであり、もちろんCRMとの連携も可能です。
有している機能の一部をご紹介します。
受発信/通話録音/発信番号通知/IVR/コールフロー設定/モニタリング/ACD/シートマップ/通話録音/API連携
API連携機能を利用することにより、外部システムであるCRMと連携し、様々な機能が使えるようになります。
CRM(顧客管理システム)
PBXとCRMをCTI連携することによって利用できる機能を紹介します。
①着信ポップアップ機能
過去に同じ電話番号から電話がかかってきている場合、顧客の過去の入力データを自動でポップアップします。顧客との会話の中で、前回の通話の話が出てきたときに、スムーズに対応できます。
②クリック発信
CRM上の電話番号をクリックすると、電話番号情報をPBXに連携し、PBXを触ることなく発信することができます。
コラボスの提供しているCRMに、GROWCE(グロース)というものがあり、こちらはPBXであるVLOOM(ヴルーム)と連携し、上記のような機能が利用できます。
CTIシステムなら@nyplaceがおすすめ
コールセンターへのCTI導入をご検討中の方はぜひ、コラボスの@nyplaceもご覧ください。
@nyplaceはAVAYA社製IP電話交換機システムを低価格、短納期で利用できる、クラウド型のCTIシステムです。
PBX機能、着信振り分け機能など基本的な機能はもちろん、通話録音機能やCRM連携なども可能なため、コールセンター業務の効率化が期待できます。
また、通常のCTIシステムでは、発注から導入完了まで平均半年〜1年の期間がかかりますが、@nyplaxeなら発注から1〜2ヶ月で運用をスタートすることが可能です。
また、業務の規模や量に合わせて月額料金をフレキシブルに変更可能なため、大幅なコストダウンも期待できます。
コールセンターへCTIを導入する際はぜひ、@nyplaceをご利用ください。
まとめ
ここまで、CTIシステムの違いや選定のポイントなどご紹介してきました。ますは一度、自社のコールセンターの運用を見直し、改善点や課題感が見つかりましたら、是非一度CTIシステムの導入を検討してみてください。
貴社業務の効率化や顧客満足度の向上など、様々な効果を期待できるかもしれません。また選定に関してお困りごとがございましたら、当社コラボスへお気軽にご相談ください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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