コールセンターのAHT計測で生産性UP!計算式から短縮のポイントまで
コールセンターは、数値目標をもって日々運営しています。
多くの企業のコールセンターの数値目標は、KPI(Key Performance Indicator)として設定されています。
代表的なKPIは応答率や放棄率(顧客からのお電話をどの程度応対できたのかを占める指標)です。
多くのコールセンターもこのKPI指標を改善する為の施策を最重要課題としています。
応答率・放棄率を改善するには、その構成要素となるサブKPIの見直しが重要となります。ここでは、AHT(平均応答時間)に注目し、そのKPIを最適化するための論点を整理した上で、それらを実現するシステムについてご紹介していきます。
コールセンターのKPI【AHT】(平均処理時間:Average Handling Time)とは?
このAHTというKPIは、(平均処理時間:Average Handling Time)の略で、1件のお客様からのお問い合わせなどの業務を処理するために、1名のオペレーターが費やす平均時間のことを指します。
この応対業務には、お客様との通話、調査のための保留、通話後に応対内容を記録するなどの後処理が含まれます。
【AHTの計算式】
- 受電業務の場合
(通話時間の総合計+保留時間の総合計+後処理時間の総合計)/総コール数
- 架電業務の場合
(前処理時間の総合計+通話時間の総合計+保留時間の総合計+後処理時間の総合計)/総コール数
CPHとの違いは?
AHTに近いKPIとして、CPH(Call Per Hour)というKPI指標があります。1名のオペレーターが1時間当たり応対した数を示す指標で、数値が高いほど効率がよいコールセンターという評価になります。
例えば、オペレーターが勤務時間8時間の間に20本の応対をした場合、CPHは2.5となります。(1時間当たり2.5本のコール対応)。
CPHはオペレータの実績評価基準として多く用いられているKPI指標です。
一方で、AHTは、1業務に掛かる所要時間であり、通話時間・保留時間・後処理時間の3つの時間から構成されるため、業務の生産性を分析そして改善するための指標として利用されます。
AHTでわかることは生産性!
AHTは、多くの電話を捌けるかの生産性を確認する上で利用されるKPIです。
例えばAHTが300秒(5分)であれば、1時間に12件電話を取ることが出来ます。
先のCPHは12となります。AHTの300秒を240秒に減らすことが出来ればCPHは15件となり、AHTは短ければ短いほど生産性が高い、少ない人数で多くの入電に対応できるといえます。
AHTを計測する際の注意点
上記でAHTが短い方が生産性が高くなるとと申し上げましたが、それだけを追求すると、顧客満足度が低下するリスクがあります。
お客様に案内すべきことを省略したり、早口で喋ってしまうなど、結果としてお客様が理解できず、繰り返し説明する結果となるなど、さまざまなリスクが発生するのです。
また、後処理の応対履歴についても入力時間を短縮する意識から、必要十分な情報を残しておらず、後からの確認の際にお客様とのトラブルが発生するリスクがあります。
このように時間短縮だけを意識しすぎて品質低下を招いては、コールセンター全体の目標である、お客様の満足度を低下させることになりかねません。
コールセンター管理者は、品質を維持しつつ、時間短縮の施策を検討し、両立させるバランス感覚が求められることになります。
コールセンターのAHT短縮のポイント
AHTを短縮するためには、構成要素となる3つの稼働時間(通話時間、保留時間、後処理時間)の全て、またはいづれかの時間を短くする生産性向上の対策が必要です。
3つの稼働時間それぞれの業務内容が異なりますので対応策についても、それぞれの特徴を踏まえた上で検討します。
フェーズを細分化し改善可能な課題を見つける
まずは、3つの稼働時間それぞれの時間をさらにフェーズに細分化して、それぞれに改善課題を検討します。
例えば通話時間であれば
お客様へのご挨拶→お客様のご要件確認→お客様本人確認→要件内容の詳細ヒアリング→回答→クロージングのご挨拶
といった流れになりますが、それらの通話内容ごとに課題が無いのかを振り返ってみます。
定期的なモニタリング/フィードバックを実施する
通話内容はモニタリングが必須です。
お客様との通話内容について、上記のフェーズを分けた時に通話内容が最適なのか、通話内容を管理者が聞いて、簡略化できる改善点が無いのか確認していきます。評価ポイントは、フェーズ毎に予め決めておくことで各オペレーターに対して同じ基準での評価を行い、その結果を各オペレータに面談を通じてフィードバックします。
オペレーターのスキルを同質にする
通話内容を改善する上で広く用いられる方法が、ハイパフォーマー、つまりCPHやAHTのKPIが優れているオペレーターの音声をモデルとして、その音声をトレーニング素材として解説し、自身の通話内容と比較するという手段です。
その後、1対1でのロールプレイングを強化する流れが多いようです。新人オペレーターが経験豊富なオペレーターと組み、さまざまなパターンの質問を投げかけてもらって、その質問を解決へ導いていきます。
システムを見直す
オペレーターは業務担当のスキルを保有していますが、特定業務毎の窓口が決まっています。
お客様が問合せしたい内容とオペレーターが保有しているスキルが不一致になると、回答までに時間を要したり、他の窓口に転送して改めて応対をやり直すことになり、AHTが伸びてしまいます。
PBX/CTIのACD機能では、オペレーターの保有スキルに応じて、入電の振分けを行うことが可能です。
お客様のニーズに合わせてオペレーターを振分けることで、最適なマッチングが行われ、ATHの改善に役立ちます。
AHTを短縮できるおすすめコールセンターシステム3選
AHTの短縮にはコールセンターシステムの導入をおすすめします。
例えば、入電の際にどのお客様からの電話であるか事前に理解できていれば、顧客の情報確認の時間が短縮できます。
また、前回、その顧客から、どの様な問合せを受けていたのか直ぐに確認できれば、スムースな会話が可能となり、どちら通話の品質を高めつつ、確認の通話時間を短縮することができます。
ここからはこういった機能を利用できるおすすめのコールセンターシステムをご紹介していきます。
CRM
CRMというと一般的にはマーケティング活動全般の事を指しますが、コールセンターシステムにおいてCRMは、顧客管理システムを指します。
CRMはお客様の基礎情報、属性、そしてお客様とのコンタクト履歴などをデータとして蓄積し、センター内に共有するデータベースシステムです。
CRMシステムがあることで、お客様と前回どの様なやり取りをしたのか、注意事項があるのかなどをすぐに確認することができるため、各オペレーターが応対する上でのサービスレベル向上や業務効率化を実現します。
CTI
CTI(Computer Telephony Integration)とは、PCと電話の機能を統合するシステムのことを指します。
お客様からの入電が入った際に、PC上のCRMと連携し、着信したお客様の顧客情報や購入履歴、過去の応対履歴等をPC画面に表示させる機能などがあります。
これによって、入電時にどのお客様からのお電話なのか直ぐに特定することが可能となり、本人確認時間を短縮することが可能となります。
その他にも、着信を自動的に振り分けるACD機能や、自動応答を行うIVR機能なども利用できるため、コールセンターの運営に欠かせないシステムともいえるでしょう。
顧客分析ツール
お客様への商品提案を行う際(アウトバウンドコール・インバウンドコール時の提案)には、お客様ごとの購買商品、頻度、金額などを確認した上で、適切と思われるアップセル、クロスセルの提案を行う必要があります。
しかしながら、その様な分析を行うためには一定以上の分析スキルが必要となり、人の手では膨大な時間がかかります。
顧客分析ツールでは、その分析をAIなどで行い、角度の高い見込顧客を効率的に抽出することが可能です。
これによって、誤った商品提案、見込が薄い顧客への商品提案の通話が削減され、結果としてAHTの短縮化に大きく寄与します。
AHTを短縮!コールセンターシステムならコラボス!
コラボスではコールセンターシステムで最も高いシェアを誇るAvaya社のPBXを使ったクラウド型コールセンターシステム「@nyplace」を提供しています。
@nyplaceでは正確なAHTのレポートを確認することが可能です。
AHTをフェーズ毎に分解した上で、各フェーズを短縮化するシステムをご提供しています。
また「COLLABOS CRM」は@nyplaceとのCTI連携が実現可能です。
蓄積した顧客データをAIアルゴリズムを用いた顧客分析ツールである「GoldenList」で分析することで、既存の顧客から優良顧客を発掘することが可能です。
クラウド型なので低コスト・スピード導入が可能。コールセンターのAHT改善を目指すならぜひ、コラボスまでお問い合わせください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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