2023/01/31
PBX/CTI
クラウドPBXとは?仕組みやメリット・デメリット、料金について解説
現在PBXの導入形態は、オンプレミス型からクラウド型へシフトしつつあります。
しかし、今までオンプレミス型のPBXを利用していた方にとって、主装置の設置が不要なPBXは、若干の不安や疑問を感じるかもしれません。
この記事では、クラウドPBXの問題点を中心に、その特徴と課題の解決策を紹介していきます。
これからPBXを導入しようと考えている方はもちろん、オンプレミス型からのリプレイスをお考えの方もぜひ、ご参考にしてください。
目次
クラウドPBXとは何か
まずは、クラウドPBXの概要からみていきましょう。
そもそも「PBX」とは「電話交換機」のことで、企業にある複数の電話回線を一つにつなぐことのできる電話ネットワークシステムのことを指します。
PBXはかなり昔からあるシステムですが、今ではクラウド上で複数の電話回線をつなぐことができるクラウド型PBXがあります。
一般的なPBXの場合には社内に電話交換機の主装置を設置する必要がありますが、クラウドPBXの場合にはインターネットによってクラウド上で複数の電話回線を一つにつなげておくことができます。
クラウドPBXは一般的なPBXとは違いさまざまなメリットがありますが、実は問題点がいくつかあります。
ここからはクラウドPBXのデメリットについてご紹介していきます。
- 関連記事:PBXとは
クラウドPBXの特徴
クラウドPBXの特徴は、「安価」「短納期」「場所を選ばない」などが主に挙げられます。
クラウドPBXは自社に電話交換機(PBX)を設置する必要がないため、初期コストを大幅に削減することができます。また上記理由に付随して、構築にかかる納期も短納期で済ませることができるため、急な構築にも柔軟に対応することが可能です。また、昨今のコロナ禍の影響で、テレワーク業務を推奨する企業が増えておりますが、クラウドPBXであれば、場所を問わずに在宅でも電話業務を行うことが可能となっております。
クラウドPBXの主な機能
クラウドPBXには、様々な機能があります。ここでは主な特徴を4つに分けてご説明していきます。
通話の録音
基本的に、どのクラウドPBXも通話の録音機能が搭載されています。お問合せ窓口に電話をかけると通話の開始前に「この通話はあらかじめ録音されております」というアナウンスが流れる事はよくあると思います。
コールセンターにおいて、通話録音を聴くタイミングは、トラブル発生時がほとんどで「言った言っていない」の問題を解決するために聴くことが多いのではないでしょうか。
もう一歩ステップアップした使い方としては、通話録音をテキスト化・要約し、オペレータが通話後に入力作業をしなくてもよいようにするということも可能です。
受付対応
企業のオフィスに訪問すると、受付に電話がおいてあり、一次受けとしてバックオフィスにつながり、「〇〇さんいますか?」といった形で担当者につないでいただくことがほとんどです。
ですが、クラウドPBXで全社員が内線をもち、受付のタブレットやスマホのシステムから呼び出すと、直接会いたい社員へ通知がいく、という機能の実装が可能です。一時受けが不要になり、会いたい社員へよりスムーズにつながります。
インターネットFAX
FAXの利用は、年々減少してきていますが、FAXでのやりとりが必須な業界や企業は存在します。しかし、FAXだけのために大きな機械を社内に置くことに抵抗がある場合、クラウドPBXでFAXを受け取る機能を使うことをおすすめします。
機械を置く必要がない上に、メールでFAXを受け取れるサービスもあります。
ビジネスチャット
企業において、社内チャット機能はほぼ不可欠といっても異論はないでしょう。
クラウドPBXにはチャット機能を有しているものもあります。個人間のチャットはもちろん、チームごとにグループをつくって、チーム内でのやり取りも可能です。
クラウドPBXを利用できる3つの端末
クラウドPBXを利用できる端末には①IP電話機、②スマートフォン、③PCの3つが存在します。
利用用途により適切な端末は異なりますので、下記の解説をふまえてご利用いただければと思います。
IP電話機
IP電話機は、インターネットプロトコル(IP)を使用して音声通信を行う電話機です。
クラウドPBXと組み合わせて使用すると、従来の電話回線を必要とせずに電話通話が可能になります。
IP電話機を使用するには、まず電話機をパソコンなどに接続するLANケーブルを使用しインターネットに接続します。
次に、クラウドPBXプロバイダーから提供される設定情報(ユーザー名、パスワードなど)を電話機に入力します。
以上をふまえて、電話機はクラウドPBXと通信でき、電話番号を割り当てられ、通話が可能になります。
スマートフォン
スマートフォンでは、クラウドPBXプロバイダーが提供する専用のアプリをインストールすることで、クラウドPBXを利用できます。そのため新規に社用スマホを購入いただく必要はありません。
アプリを開き、提供された設定情報を入力することで、スマートフォンが内線電話として機能します。
基本的にはスマホで利用しているキャリアの縛りはなく、どんな端末でも利用が可能です。
これにより、オフィス内の他の内線や外線への通話、またはオフィスからの着信をスマートフォンで対応することができます。
PC
PCでもクラウドPBXを利用することが可能です。
専用のソフトウェア(ソフトフォン)をインストールし、設定情報を入力することで、PCが電話機として機能します。
なお、ソフトフォンのインストールが不要で、Webブラウザ経由で利用できるクラウドPBXも近年は増加しております。
ヘッドセットを接続すれば、PCから直接通話を行うことができます。
また、ソフトフォンには通話録音や通話履歴の管理など、電話機にはない便利な機能が多く含まれています。
クラウドPBXとIP-PBXの違いは?
先ほど少し出てきたIP-PBXですが、クラウドPBXとはどのような違いがあるのでしょうか。
「IP-PBX」の「IP」とはインターネットプロトコルの意味で、インターネット回線を使った電話回線、いわゆるIP電話がそれにあたります。
IP電話をPBXの機器によって複数の電話回線をつなげたものが「IP-PBX」です。
クラウドPBXとIP-PBXのどちらもインターネットの回線を利用しているという共通点はありますが、IP-PBXの場合はメインの拠点にPBXを設置する必要があります。
クラウドPBXの場合はクラウド上のPBXを利用するため、装置を設置する必要はありません。
そのため、IP-PBXとクラウド型PBXの大きな違いは「クラウド」をプラットフォームにしているか、していないか、といえるでしょう。
クラウドPBXのメリット
クラウドPBXの問題点やデメリットはいくつかありますが、事前に対策や対処しておくことでそれらのデメリットを解消することができます。
また、クラウドPBXは機器を設置する必要がないため「初期費用を大幅に抑えられ、素早い導入が可能」というメリットがあります。
それ以外にも、クラウドPBXにはさまざまなメリットがあり、主に下記のようなものが挙げられます。
従来のPBXに比べ導入費用が安い
クラウドPBXの大きな特徴として、「導入費用が安い」といったメリットが挙げられます。
一般的な機器を設置するPBXの場合には、機器本体の代金や工事費用などが発生してしまうため、千万円単位の初期費用が発生するケースがあります。
一方、クラウドPBXの場合にはそれらの初期費用や導入費用などは安価に抑えることができ、導入規模に応じた月額費用がランニングコストとして発生します。
短納期で構築が可能
社内のサーバー上にシステムを構築するオンプレミス型は、発注から運用開始までに半年から1年以上の期間がかかります。
しかし、クラウド型のPBXであれば、1ヶ月から3ヶ月程度と短期間での導入が可能です。
PBXの導入を検討するコールセンターの多くは、何か課題を抱えていることがほとんどでしょう。
クラウド型PBXの導入は、課題の早期解決策としても有効的な手段といえるでしょう。
外部システムとの連携が容易
その他にも「外部システムとの連携が容易である」ということも、クラウドPBXの大きなメリットの1つです。
コールセンターや営業部署の効率的な運営に必須ともいえるCRM(顧客管理ツール)とCTI連携することで、顧客情報の入力や検索の時間を大幅に削減することが可能です。
ただし、導入するクラウド型PBXによって連携可能なツールが異なるため、導入前に必ず連携性について確認することをおすすめします。
アップデートに別途コストが発生しない
オンプレミス型PBXを利用する場合、定期的なメンテナンスが必要なうえ、機能のアップデートには大きなコストが発生します。
クラウドPBXの場合、月額費用のなかに保守管理費用や、アップデート費用が含まれているため、無駄な手間やコストをかけずに運用することが可能です。
拠点の増減に柔軟に対応できる
一般的なPBXにはオンプレミス型PBXやIP-PBXなどがありますが、そのなかでも事業所や拠点の増減に柔軟に対応できるのは、やはりクラウドPBXです。
社内の電話回線が全てクラウド上でつながっているため、日本のどの場所に事業所や支店などを設置したとしても簡単に回線をつなげることができます。
また、機器の設置が必要なPBXの場合には事務所や支店といった拠点ごとに機器を設置する必要がありますが、クラウドPBXであれば工事の必要ななくそれぞれの電話回線を速やかにクラウド上でつなげることが可能です。
テレワークの実現が可能
昨今のコロナ禍の影響で、コールセンター業務も各オペレーターの在宅環境での実施を検討される企業が増えてきています。クラウドPBXであれば、場所を選ばず、電話業務を行うことが可能です。
通話料金の削減につながる
最近のクラウドPBXでは、通話料金プランに秒課金プランのご用意があるなど、無駄な通話料金を削減できるようになっております。そのためお客様のご業務や、平均的な通話時間などに合わせた適切なプランのご提案が可能となっています。
電話の転送や取次などが効率化できる
クラウドPBXでも通常の電話と同様、保留にしたうえで他のオペレーターへ転送することが可能ですので、適切な対応者へ問い合わせを割り振ることができます。
通話の録音機能でトラブルを回避できる
クラウドPBXには通話録音の機能が、ほぼ基本機能として搭載されています。この機能を使用することで、例えばクレーム対応の「言った、言わない」問題の解消、またオペレーターの教育や評価に活用いただくことも可能となっております。
クラウドPBXの問題点・デメリット
クラウドPBXの主な問題点やデメリットは以下のものが挙げられます。
- ランニングコストの発生
- 音声の劣化
- セキュリティのリスク
- 停電時の利用困難
- 特殊番号への発着不可
クラウドPBXはオンプレミス型PBXとは異なり、システムをクラウド化していることによる問題点やデメリットがいくつか存在するのです。
それぞれのデメリットについて詳しくご紹介していきましょう。
ランニングコストがかかる
クラウドPBXの最大のデメリットともいえるのはランニングコストとして月額利用料が発生する点です。
初期費用の安いクラウドPBXですが、ランニングコストが盲点となっており、導入を再検討する企業も少なくありません。
ただ、クラウドPBXのサービスはさまざまあり、自社に必要な機能と不必要な機能を取捨選択することで、コストランニングのデメリットを一部解消することができます。
音声の品質が下がる
クラウドPBXは一般的なPBXよりも音声の品質はやや不安定といわれています。
社内で直接ケーブルをつないでいる訳ではなく、インターネットによって複数の電話回線を一つにつなげているため、ネット回線が重くなっていたり回線トラブルが起こっていると電話の音声がうまく伝達できない場合があります。
そのため、インターネットの環境に左右されやすいことがクラウドPBXの弱点といえるでしょう。
セキュリティのリスクがある
今ではさまざまなクラウドサービスがありますが、主なデメリットとしては情報流出といったセキュリティ面での危機管理です。
電話回線をクラウド上でつなげているクラウドPBXの危機管理も同様で、オンプレミス型のPBXとは違い音声の流出や傍受ができる環境にあるため、セキュリティ面についてはオンプレミス型には劣るといわれています。
また、クラウドPBXは在宅勤務にも対応できるシステムもあるため、情報漏洩のリスクも高まるといえるでしょう。
そのため、クラウドPBXを導入する場合には、アクセスログの保存機能や、アクセス元IPアドレスによるアクセス制限機能や複数回のログイン失敗によるロック機能など、セキュリティ対策をしっかりと行っているベンダーを選ぶ必要があります。
停電時に利用ができない
停電時に利用できないこともクラウドPBXのデメリットといえます。
PBXには停電時でも通話できるように内部バッテリーが実装されてあるものがありますが、クラウドPBXの場合には停電してしまうとインターネット回線そのものが使えなくなってしまい通話することができません。
ただ、クラウドPBXでは拠点の分散が容易に行えます。
予め別の拠点を用意しておくことで、万が一1つの拠点が機能しなくなった場合でも、運営を継続することが可能になります。
特殊番号に発信できない可能性がある
火事や救急の際の110番や119番といったいわゆる特殊番号は、クラウドPBXでは発信できないものがほとんどです。
IP電話などのインターネットプロトコルを使用した電話システムなども、110番や119番といった特殊番号への発信はできませんが、クラウドPBXでも同様に発信することができません。
コールセンター業務では、スマホなどの私物を持ち込み禁止しているケースがほとんどですので、万が一に備え、オペレーターには事前に特殊番号への発信ができない旨を伝えておきましょう。
FAXが使えないケースがある
FAX通信は、アナログの通信を利用していることが殆どのため、クラウドPBXの利用に切り替えたことで利用できなくなるという場合がございます。FAXが利用できない際の解決策としては、①アナログデータをデジタルデータに変換可能な専用アダプターをつける、②FAX番号だけをアナログ回線に戻す、③インターネット回線を利用したFAX機能を使うという方法がございます。
クラウドPBXの失敗しない選び方【目的別】
クラウドPBXを選定する際に重要視されることの一つとして、自社センターの運用に合ったクラウドPBXを導入する、ということが挙げられます。自社に合ったPBXを選定するためには、「何のためにシステム導入を行うのか」という目的を明確にすることが重要です。一般的に導入目的は大きく4つに分けられます。
- 電話業務を在宅環境で行いたい
- 新しく電話環境を設立したい
- インバウンド業務を効率化したい
- BCP対策として導入したい
上記目的について一つずつ解説していきます。
電話業務を在宅環境で行いたい
テレアポ業務を行っていたり、ヘルプデスクやサポートセンターを設置し、電話業務を行っている場合、その他業務と同様に在宅環境へ移行しようとすると、在宅環境で使用できる電話機やスマートフォンの手配、転送の流れなどを組んだりする必要があります。そうなると、高額な費用が発生したり、在宅環境への移行に時間がかかる可能性もあります。また、転送フローなどを新しく設けることで、トラブルが発生する場合もあります。
そのため、現在の受付フローを変更しなくともそのまま在宅環境へ移行できるCTIシステムを導入することで、トラブルを防ぐことができます。また費用や納期の面でも、CITシステム導入の場合は、比較的安価かつ、短納期での対応が可能なシステムがほとんどのため、より効率的に移行可能と考えられます。また在宅環境はインターネット環境が不安定になる可能性が高いため、安定性を重要視しているシステムをという点も、選定のポイントになります。
新しく電話環境を設立したい
2点目として考えられるのは、新拠点への移転や増床にあわせて、電話環境を新しく設立しなければいけない場合です。また、合わせてコストを抑え、なるべく短納期で構築したい、在宅環境での利用も検討したい場合等が考えられます。
比較のポイントとしては、新設に必要な規模数に対して、費用面、機能面共に自社に合っているか、また、将来の拡張の可能性がある場合、柔軟に対応できるシステムかどうか等が挙げられます。
インバウンド業務を効率化したい
3点目として考えられるのは、インバウンドの業務を効率化させたいという目的です。例えばサポートセンターやヘルプデスクなどの場合、着信があった際に、お客様の情報をポップアップさせるCTI連携の機能や、問い合わせ内容やオペレーターごとに入電を割り振りたい場合に利用できるIVR機能などを導入することで、オペレーターの業務効率化を実現し、顧客満足度の向上を望めます。
BCP対策として導入したい
4点目として挙げられるのは、BCPの対策として考える場合です。この場合、導入するにあたり、データのバックアップ体制や、冗長化対策など検討、比較する必要があります。
クラウドPBXの料金相場
クラウドPBXの通話料金の相場は3分8円程度となっており、一般的な固定電話の通話料金とさほど変わりません。
しかし、最近では秒単位の課金により、無駄な通話料金を抑えられるプランを提供している業者も存在します。
3分以内の通話が多いアウトバウンのコールセンターでは、そういったプランを用意している業者に相談することでコストを削減できる場合があります。
パーク保留ボタンがないケースが多い
クラウドPBXの場合、基本的にパーク保留のボタンは存在しません。パーク保留ボタンが存在しない場合は、直接内線番号を打ち込んで保留転送を行うなどの方法があります。
環境によって不安定になる
クラウドPBXの場合、場合によっては通信が不安定になり音声不良などのトラブルが発生することがあります。他のアプリやシステムを利用してインターネット回線が重くなってしまったり、自宅のネット環境が弱い場合に起こる傾向にあります。
クラウドPBXとIP-PBXの比較表
クラウドPBX | IP-PBX | |
---|---|---|
PBXの種類 | インターネットを介してサービス利用可能なクラウド型 | 自社構築が必要なオンプレミス型 |
初期費用 | 自社構築のものと比較的安価 | カスタマイズ等にも影響を受け変動はあるが、基本的には数百万規模 |
月額利用料 | システム利用料、実費(通話料等)が発生 | システム利用料は無し、実費(通話料金等)のみ |
導入納期 | 導入納期は3週間から3カ月ほど。回線の敷設有無によって左右される | 半年以上かかる場合がほとんど |
機器メンテナンス | システムの貸し出し利用のような形態のため、メンテナンスフリー | メンテナンスは自社対応が必要で、保守期限が定まっている |
クラウドPBXを導入する際の比較ポイント
ここまでクラウドPBXについてご説明してきましたが、結局どのサービスを導入したらいいのかわからない、、という方に、導入する際の比較ポイントを改めてご説明いたします。
導入規模は自社に合っているか
クラウドPBXは企業によって、対応できる規模数が異なります(基本的には少人数~中規模程度が主流にはなります)。また規模によって価格やプランが変わってくる可能性もあるため、自社センターを運営するのに必要な規模はどれほどなのか、またその規模に対応できるサービスであるか、確認する必要があります。
電話環境の拡張性や柔軟性はどうか
導入当初は小規模スタートで問題ないものの、ゆくゆくは席数を増やしセンターの規模を拡大していく予定がある場合や、時期によって席数や電話番号の変動が激しい場合は、自社の業務の状況に合わせて柔軟に拡張、変更ができるかどうかを確認しておく必要があります。
通話以外にも必要な機能が揃っているか
通話機能は勿論のこと、プラスアルファでどのような機能が付随しているかも比較の対象になります。例えばメールやチャット、FAXなども管理できる機能など、自社の業務に合わせてどこまでの機能が揃っているとより便利か、確認しておく必要があります。
音声の品質や安定性はどうか
クラウドPBXはオペレーターの業務環境に依存する可能性が高く、インターネット環境があまり整っていない場合、音声に不具合が生じる可能性があります。サービスによっては通話品質の高さを特徴とするものもありますので、比較して見ることが必要です。
API連携は可能かどうか
クラウドPBXと外部のシステムをAPI連携させることで、より業務の効率化やデータの管理がしやすくなるケースがあります。そのためAPI連携可能なサービスかどうかも比較対象として重要な指標となります。
オペレーターのスキルアップ支援に役立てるかどうか
全通話録音機能や文字起こし機能、管理者が会話を確認できるモニタリング機能やコーチ機能など、オペレーターのスキルアップ支援に役立つ機能があるかどうかも重要な比較ポイントです。今まで手動で行わなければいけなかった部分や、対応できていなかった部分をシステムで自動化できる可能性があります。\
導入・運用のサポートを受けられるかどうか
クラウドPBXの導入は頻繁に行うものではないという点で、社内に専門の担当者がいるということは珍しい場合が多いです。そのため、導入時は勿論、アフターフォローについても手厚いサポートを受けられるシステムを導入することは非常に重要な選定ポイントになります。クラウドPBXを導入しても使い方が分からなくて使えない、であったりトラブルの対処方法が分からないとなってしまうと、直接的にインシデントに直結する場合もありますので、きちんとサポートを受けることが可能なサービスを選んだ方が良いでしょう。
セキュリティ対策はできているかどうか
セキュリティレベルの高さでシステムの選定を行うといった選定方法もあります。クラウドPBXのセキュリティは、システム提供業者に依存します。クラウドPBXの場合、PBXはクラウドといった共有空間にあるため、ユーザー側でコントロールすることは難しいのです。クラウドサービスとはそもそも、インターネットを介して利用するサービスのため、適切なセキュリティ環境がなければ不正アクセス等の危険性があります。そのため、セキュリティの高さも選定ポイントであり、各社のセキュリティ要件を事前に理解した上でシステムの選定を行う必要があると言えます。
クラウドPBXの導入手順4ステップ
ここでは、クラウドPBXの導入においての導入ステップをご提示します。導入時には、特に下記ステップを意識して選定を進めると良いのではないでしょうか。
ステップ1
まず最初のステップは、「クラウドPBXを利用する環境と目的を理解する」という点があります。クラウドPBXというのは、提供しているベンダーそれぞれに特徴があり、また各方面において強みを持っていることが多くあります。例えば、システムの堅牢性が高く、大規模センターに特化したシステムであったり、コストカットを実現した最低限の機能が備わったシステム等、様々あります。そのため、自社では何人程利用し、内線の数はどの程度必要なのか、またセンターでは受電業務に特化したい、アウトバウンド業務を効率化したい、等、利用する環境と目的を理解することが大切です。
ステップ2
導入環境と目的が理解出来たら、続いては自社に合った業者の選定とプランの選択をします。単純にいうと、PBX利用の環境と目的に当てはまる業者を探すことが大切です。クラウドPBXは、初期導入時の初期費用と月額利用料がかかるといったサービス形態になりますので、初期費用は安く抑えられていても月額利用料がかさむといったシステムもあります。そのため、自社の必要な環境と目的に合致したシステムについて、数社見積を取得し、比較検討することも重要なステップだといえるでしょう。
ステップ3
続いては、選定したシステムのデモや無料トライアルの実施です。クラウドPBXのサービスは乗り換えに多大な工数がかかることが殆どなので、契約も結ぶ前にデモやトライアルの実施を行い、実際に自社で運用イメージが湧くかの確認をする事が大切です。また、業者によってはあくまでもシステム提供のみのご提案であったり、その他の回線提案まで行ったり、業者によって提案可能な範囲も異なります。導入後に実際の運用イメージと違ったといった問題を抱えることの無いよう、契約前にデモやトライアルで通話品質や機能面の確認を行うことが大切です。
ステップ4
最後に、デモ・無料トライアルで問題が無ければ、選定したクラウドPBX業者と契約を結び、構築を行います。構築時については、契約後に基本的には初期設定を行うための手順説明がありますので、必要な初期設定を行うことでクラウドPBXの構築完了、運用スタートとなります。なお、初期設定が不明なあ場合は前述した通り各業者のサポートを受けることも可能です。
クラウドPBXの導入が成功した事例
ここでは、クラウドPBXを導入して成功した事例を2件ご紹介いたします。
クラウドPBXの導入事例「@nyplace」
1社目は、弊社@nyplaceをご導入いただいております「株式会社プロトソリューション」様の事例をご紹介します。導入効果として、オンプレミス型からのリプレイスで約50%のコスト削減が実現したとのお声を頂いております。
- 関連リンク:株式会社プロトソリューション様
クラウドPBXの導入事例「COLLABOS PHONE」
2社目は、弊社COLLABOS PHONEをご導入いただいております、「株式会社かいげつ」様の事例となります。導入効果としては、「呼損の削減」「電話対応能力の向上」「属人化解消」「オペレータ能力強化の時間確保」が挙げられています。
- 関連リンク:株式会社かいげつ様
コールセンターの問題を解決!クラウドPBXならコラボス!
コラボスが提供する「@nyplace(エニプレイス)」は世界・国内シェア率No.1のAVAYA社製の交換機をクラウド上で利用することができるコールセンターでの利用に特化したクラウドPBXです。
保守管理費用などは全て月額料金に含まれているので、電話料金によるランニングコストなどを大幅に削減することができます。
また、コストを抑えてクラウド型PBXを導入したい場合は「COLLABOS PHONE(コラボスフォン)」をご利用ください。
「COLLABOS PHONE(コラボスフォン)」の大きな特徴は、1秒ごとに課金される秒単位でのプランで、通話料金を大幅に削減できる可能性があることです。
両システムとも工事費なども発生することなく、申し込みからシステム構築までは、「@nyplace(エニプレイス)」では2~2.5ヶ月、「COLLABOS PHONE(コラボスフォン)」では約3週間で導入可能です。
クラウドPBXの問題点について、不安や疑問をお抱えの方はぜひ、お気軽にコラボスまでお問い合わせください。
まとめ
本記事では、クラウドPBXの概要から、クラウドPBXで解決できること、選定のポイントなどを纏めさせていただきました。クラウドPBXをうまく活用することで、自社のコールセンター運用をより効率的、生産的なものにしていくことができるかもしれません。まずは自社のコールセンターの課題がどこにあるのか、検討してみませんか?
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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