株式会社 Too
おなじみの株式会社Too
クラウド型への移行で年間経費を
半分以下へ削減
導入前の課題
- コールセンターシステムの設定や管理が煩雑
- 業務終了後の夜間に設定変更やメンテナンスを行わなければならず、作業人員の確保や労働時間の負担が大きくなっていた
- オンプレミス型のシステムを利用していたので、「運用のサポート費用」、「機器の年間保守契約費用」、「リース料金」などのコストが高かった
導入の決め手
- 大幅なコスト削減が実現できるため
導入後の効果
- 年間費用を半額以下に抑えることができた
- 従業員の負担やコストを減らすことができた
- 設定や管理の煩雑さからも解放された
会社概要
2019年、創業100年を迎えた株式会社Too(以下「Too」)は、デザイン・クリエイティブ製品全般を取り扱う総合商社です。Apple 製品の正規取扱店として、「Mac」や「iPad」などを販売するほか、複合機やプリンター、ネットワーク機器などのハードウェアから、「Adobe Illustrator」や「Adobe Photoshop」などのソフトウェア、ファイル共有ソフト「Box」などのクラウドサービス、Tooオリジナル製品であるカラーマーカー「コピック」などのデザイン用品まで、非常に多種多様な製品を販売しています。また、映画や4TVドラマのCG・画像処理などの制作協力もしています。
今回、オンプレミス型からクラウド型へコールセンターシステムを移行された経緯について、サポートビジネス部 ユーザーサポート課のマネージャー 萩原 崇氏と、主任 石井 豊氏にお話を伺いました。(※2020年2月現在)
ご担当者様の業務内容についてお聞かせください。
萩原氏:私はサポートセンターの責任者をしております。当社のサポートセンターは、「Mac」や「iPad」、複合機などのハードウェアから、ソフトウェア、アプリケーションなど様々な製品の「総合問合せ受付窓口」です。そのため様々なお問い合わせがあります。お客様からのお問い合わせに対して、操作案内の説明や、不具合時の対応が主な役割となります。不具合の改善が見られない場合には、保守の契約の有無を確認し、お客様先に行き修理作業を行う「システムサポート課」、お客様から送付いただいた機械を修理する「オフサイトサポート課」に対して、技術者の手配や、代替機器を送付するなどの依頼をおこなっています。
特に多い問い合わせ内容についてお聞かせください。
石井氏:特に多い問い合わせは、「Mac」「Adobe」「Microsoft」などの操作内容に関する質問が多いです。あとは、ハードウェアの修理依頼などですね。当社サポートセンターは、当社が販売している保守契約商品「Too CARE」を軸に、お客様のトラブルや疑問をより短時間で解決へ導くために、当社で販売した製品を当社でアフターフォローをしています。各メーカー様のコールセンターとは異なり、各製品の組み合わせによって起きる分野のフォローや、細やかなサポートを実現しています。もちろん当社だけでは対応できない内容もありますので、メーカー様に問い合わせることもあります。
問い合わせの種別で言うと、電話での問い合わせが7割、メールの問い合わせが3割程度あり、合わせて月1,000件程度の問い合わせがあります。修理の受付であれば1コール当たりにかける対応時間は少ないですが、操作内容の説明となると非常に長くなる場合もあります。
様々な製品の問い合わせがあると思いますが、オペレータへどのように教育されていますか。
萩原氏:確かに当社はハードウェアから、ソフトウェア、アプリケーションなど様々な製品の問い合わせがあります。そのため、メーカーと情報交換を頻繁に行ったり、社内勉強会を開いたりしています。基本的にはマニュアルを読みこんでも、マニュアルに記載がある事柄に沿ったご相談ばかりではありません。問い合わせ内容はある程度パターン化される傾向にあるので、まずは電話を受け、数の多い問い合わせについては、FAQサイトを利用して都度情報共有をしています。また、オペレータ同士のチャットでの情報共有も実施しており、あるオペレータが問い合わせを受けて回答が見つからない場合、チャットで「こういう問い合わせがありました。何かよい回答例ありますか?」という質問を投げて、回答をもっているオペレータがそれを伝えるなど、オペレータ同士で助け合いをしています。
導入経緯
システム導入経緯についてお聞かせください。
萩原氏:当社がサポートセンターを立ち上げたのは今から23年前で、コールセンターシステムと言えばオンプレミスが主流でした。そのため当初は、大手通信事業者様のオンプレミス型のコールセンターシステムを導入し運用していました。
その後、当社CRMもアップグレードを何回かしておりますので、そのタイミングでクラウド型のCTIも検討対象に上がったこともありました。2009年頃にはクラウドも少しずつ普及してきていたのですが、インフラが整備されていないのか、実際に某クラウドシステムのショールームで体験したところ、音声の遅延が発生するなど問題がありました。そのためその時には、まだクラウドは採用していませんでした。
しかし、2017年8月に当時利用していたオンプレミス型のCTIの更新時期があり、その頃には、クラウドベースで提供する企業もかなり増えてきており、音声遅延などもなく安定しておりました。私共のセンターは席数規模も多少増減はありましたが、さほど大きくなく、カスタマイズなどもそれほど必要でなかったため、オンプレミスでは少しオーバースペックな部分もあり、よりリーズナブルなクラウドへ切り替えを検討しました。
2017年のベンダー選定時は、何社程度比較しましたか。
石井氏: 3社です。既にオンプレミス型で使用していた大手通信事業者様のクラウド版と、他の大手通信事業者様のクラウドシステム、そしてコラボスの3社でした。費用は抑えつつ、機能やサービス品質は維持したいという思いがあり、コラボスは他と比べて費用対効果が高く、機能がシンプルであった点が飛び抜けておりました。
導入前の課題と導入後の効果
導入前の課題は何ですか?
石井氏:オンプレミスでしたので、サーバを自社で資産として保持しているため「運用人員の確保」「部品経年劣化への対応」「定期的な機器更新・メンテナンス」が必要であり、その分の運用コスト、人員確保が必要という点が大きな課題でした。あとは設定や管理も煩雑で、もっとシンプルにしたいという思いもありました。毎月夜間に及ぶ点検作業も必要で、20時までサポートセンターは営業しているので、受付終了の20時を回った後から、22時頃まで点検作業を毎月実施しており、従業員の負担も大きくなっていました。また、コストについても「運用のサポート費用」、「機器の年間保守契約費用」、システム本体やネットワーク機器を資産として保持しているのでその「リース料金」なども多くかかっておりました。「運用サポート費用」だけでも現在のコラボスフォン全体の運用コストより高かったので、大幅なコスト削減が実現できました。
COLLABOS PHONE (以下、「コラボスフォン」)導入後の効果についてお聞かせください。
萩原氏:オンプレミスからクラウドへシステムを変更することによって、まずコストの面では、年間費用を半額以下に抑えることができました。また、人件費の部分では毎月の夜間の点検作業もなくなり、従業員の負担やコストを減らすことができました。またコラボスフォンは、自ら設定を画面上で行うことができるのですが、機能がシンプルで分かりやすく、設定や管理の煩雑さからも解放されました。
利用した感想
コラボスフォン導入後のサポート体制はいかがでしたか。
萩原氏:導入後、操作・機能についての不明点については、コラボスのコールセンターへ問い合わせをしていました。この支援が非常に適切であり、理解しやすかったです。コラボスフォンは、自分で設定を画面上で行うのですが、導入当初は正直よくわからない部分もありました。しかし、コラボスのコールセンターのサポート支援が電話でもメールでも受けられるので、急いでいるときは電話で、複雑な話はメールでなど、臨機応変に対応でき、また質問に対しての回答も非常に適切であり、すぐに理解することができました。
貴社コールセンター独自の取り組み
「貴社サポートセンター独自の取り組み」があればご教示ください。
萩原氏:毎年1回、サポートセンター内で一番「お客様対応の件数」が多かった担当者を表彰するミニイベントを行っています。実は、今でこそ私はサポートセンターの責任者をしておりますが、昔はサポートセンターのオペレータとして働いており、現場の大変さも、面白味も経験しました。パソコンの前でヘッドセットをつけてたくさんのお問い合わせに対応するという面では、景色が変わらないという側面がありますよね。そこで、何か少しでも面白いことをしたいということで、小さなことですが発案し実施しています。
表彰基準の「お客様の対応件数」はどのようにカウントされていますか。
萩原氏:「お客様対応の件数」は、メールの問い合わせと電話の問い合わせの両方をカウントしているので、コラボスフォンだけでなく、当社で利用しているCRM(顧客情報管理システム)に記録されている件数をベースとしています。
「対応件数」ではなく、「顧客満足度」などをベースに表彰することも検討していきたいのですが、電話やメールサポートの満足度をKPIとして設定する必要があります。メールでの問い合わせについては、後に「今回のサービスの評価はいかがでしたか?」というアンケートをお客様にお願いしています。こちらにできるだけ回答していただけるようにするなども含め、今後、私たちもチャレンジを続けていきたいと思っています。
今後の展望
貴社サポートセンターの今後の構想、展望についてご教示ください。
萩原氏:現在当サポートセンターのコールの応答率は8割程度ですが、当社で取り扱う製品やアプリケーション、サービスは今後も増えていくことが決定しております。そのため、できるだけ多くのお客様をお待たせしないためにも、応答率をあげる必要があると認識しております。そのため、コール終了後の対応履歴を入力する際の後処理時間の短縮ができるよう新しいシステムの検討も続けており、それによって1コール当たりの平均対応時間を削減し、応答率の改善と呼損率の削減を目指したいと考えております。
またこれまでの当社サポートセンターは、お客様からの問い合わせ受付に徹することを主眼に置いていましたが、プロフィットセンターとして、売上にも貢献していきたいと考えております。今後はこのような導入事例含め、外部に発信することを企図したFAQサイトの充実やメールマガジン、お客様とのユーザー会の開催を通じて、弊社の保守サービスを広く伝え、お客様に愛される Too となることを目指します。
インタビューへのご協力、ありがとうございました。
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