ヤマハ株式会社/株式会社ヤマハミュージックジャパン
「お客様コミュニケーションセンター」の
コンタクトセンター用システムとして導入
会社概要
ヤマハグループは、音・音楽を原点に培った技術と感性で新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづけることを表す「感動を・ともに・創る」をコーポレート・スローガンとして掲げ、楽器、AV機器、
PA機器、半導体、ネットワーク周辺機器など音・音楽に関連する領域を中心に幅広い事業をグローバルに展開している。
当時、ヤマハ株式会社では、旧システムの保守期間満了に伴い、(旧名称)「楽器インフォメーションセンター」で利用していたコールセンター・システムのリプレースを検討。
2008年11月下旬にクラウド型インバウンドコールセンター向け電話系システム『@nyplace (エニプレイス)』(以下、「エニプレイス」)、クラウド通話録音システム『パケットフォルダー Packet Folder』(以下、「パケットフォルダー」)、クラウド型コールセンター向けCRMソフト『COLLABOS CRM』 (以下、「コラボスCRM」)の採用を決定。段階的に導入を行い、2010年2月下旬には全サービスの導入を完了。 初期投資と共に通常は年間10~20%かかる保守管理費を削減し、同様の機能を搭載したシステム購入時と比べ、約5,000万円のトータルコストの削減に成功した。また、他事業部門での追加導入や検討を行っていた複数拠点での展開など、同社の業務改革に即応できるシステムの構築を実現した。
選定
「旧システムのハードウェア保守期間が満了に近づき、次の段階では、拠点複数化等の今後の業務改革を見据えたシステム導入が必要だと考えておりました。」と、ご担当者様は語る。
楽器、音楽教室、AV機器、半導体、ネットワーク周辺機器など音・音楽に関連する領域を中心に、世界各国で事業を展開する同社。日本を代表する楽器メーカーである同社のファンは多く、「感動を・ともに・創る」をコーポレート・スローガンに掲げ、CS(顧客満足)の向上にも積極的に取り組んでいる。
お問い合わせ窓口の組織にも、それが顕著に現れている。顧客の利便性やサービス品質の観点から、専門性を高めるために製品・サービスごとにお問い合わせ対応窓口を開設し、購入前の問い合わせと購入後のサポートや修理に関して案内を行っているのだ。
その窓口の一つである(旧名称)「楽器インフォメーションセンター」で利用していた旧CTIシステムの保守期間満了に伴い、2007年よりリプレースの検討を開始。同社では経費節減が全社的な課題となっており、同センターのリプレースでも“必要最低限のコストでのサービス品質の維持”が重要なポイントだった。
「CTIとCRM、どちらもリプレースを検討していましたが、CTIシステムの方が急務でした。旧システムは社内構築型でしたので設備購入を検討しましたが、今後のBCP対策を含む多拠点化対応やグローバル展開を視野に入れていましたので、構築後の自社運用が難しくなってくるのではないかと考え、クラウド/SaaS型が検討案として浮かんできました。」(ご担当者様)
「(同センターは)旧システム導入時から増席を続けており、システム面でのキャパシティを目一杯に使っていましたので、何か問題が起こったりしますと土日の作業が発生するような状況でした。今後も拡大する事が予測されましたし、複数拠点化も考えますと、自社でのシステム運用は厳しいと感じました。」(ご担当者様)
自社運用で問題が発生した場合、緊急対応だけでなく、問題の抽出と解決にもエネルギーが必要になる。
「管理面では、拡張性や柔軟性が高く、システム運用も任せられるクラウドサービスの利用は、大きなメリットがあると思いました。何か起きた時の急場の対応と同時に、発生事象を追いきれる技術者が待機している事は大変心強いですから。特に『エニプレイス』は、信頼性が高いAVAYA社のシステムがベースである事も選定の大きなポイントとなりましたね。」(ご担当者様)
「お客様のニーズにお応えするために、オペレーションだけでなく、組織や拠点も変えていきますので、システムという仕組みに縛られてはなりません。そういう意味でも、短期間で拡大・縮小や新規構築ができるクラウドサービスは当社の要望にマッチしました。」(ご担当者様)
CRMシステムについても、別途、検討がなされた。RFPを作成して募集をかけ、多くのCRMシステムを検討しコストパフォーマンスを最優先にした結果、『コラボスCRM』に決定。
トータルコスト面でも、設備という固定資産を持たず、経費として会計処理が可能なクラウドサービスに軍配が上がった。同社では、4年間の1席あたりのコストをシミュレーションした結果、クラウドサービスの方がROI(費用対効果)が高いと判断した。
「同様の機能を搭載したシステム購入時と比べて、初期費用が10分の一、トータルコストでは約5,000万円の削減につながると試算しました。」(ご担当者様)
利用開始
約5ヶ月で準備を行い、2009年5月に導入を開始。「エニプレイス」「パケットフォルダー」については、2009年11月までの期間で、(お客様対応窓口チームを)3段階に分けて導入を行った。同時に他事業部門でのクラウドサービスの活用の話も平行して進み、そちらも2010年2月末には導入を完了した。
「新システムへの切替えにはリスクが伴いますので、3段階のステップを踏んで導入しましたが、導入準備をはじめてからは全てが非常にスムーズに運びましたね。
他事業部門での導入も同時進行し、決定から構築、稼動までの時間が短縮できるというメリットを充分に感じました。現在も、他の部門での導入を準備中です。」 (ご担当者様)
「コラボス社は、ISMSとPマークの認証を取得していますが、情報セキュリティ面で言えば、認証基準の取得等、どのように取り組んでいるのかがチェックポイントといえますね。」(ご担当者様)
「コラボスCRM」については、旧システムと「エニプレイス」との連携モジュールを開発し、旧システムの利用を継続しながらの移行が行われた。機能面でも、旧システムと同様にスムーズな利用できるよう、サービス利用料とは別途費用で、操作性を重視したカスタマイズが行われた。「コラボスCRM」は、各種データ項目定義や権限設定等の機能が搭載されており、自由度が高く自社内で設定変更が可能なため、導入後のデータや画面の構成、操作手順の改善も容易だという。
「シンプルで判りやすく、誰でも同じルールで使えるシステムにする事を第一に考えました。実際(コラボスのクラウドサービスを利用してみて)、サービスレベルが高く、非常に満足しています。」(ご担当者様)
2013年には、同社グループ全体でCRMシステムを切り替えることとなった。コラボスは他社CRMとの連携実績も豊富であったため、「コラボスCRM」と同様に運用できるよう、他社CRMシステムと「エニプレイス」との連携モジュールを新たに開発した。連携モジュールの導入により、システムの切り替え後もスムーズに利用ができ、業務改革に即応することができた。
さらなる進化
導入後はコラボス社と定例会を持ち、常時改善案を検討・実施し、業務改革に即応できるよう計画した、複数拠点化も無事完了することができた。導入時より、同社はアウトプット情報の活用について積極的に取り組んでいる。
「システムは導入するだけでは意味がありません。(同センターの)運営レポートを全社CS(顧客満足)連絡会で報告・共有をしておりますが、より沢山のアクションを起こすヒントとなるデータを収集し、サービスや製品に反映しエンドユーザー様へ還元して行くためのアウトプットデータを取得できる機能やシステムの充実を図りたいと考えております。」(ご担当者様)
同社では、いつの時代にも高品質な商品、サービスを継続して提供していくことが、企業の存在価値の源泉となる“CS”につながり、新たなユーザーと出会える道だと捉えている。これからも、先進と伝統に培われた技術を活かし、豊かな感性と創造性をもとに、顧客の期待を超える感動を創り続けて行く。
インタビューへのご協力、ありがとうございました。
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