コールセンターマニュアルの作り方。運用のポイントも丸ごと紹介

コールセンターの仕事に欠かせないのが応対方法などをまとめたコールセンターマニュアルです。

完成度次第でサービスの質が決まるといってもいいほど重要なマニュアルですが学習用の教科書のように一般販売されているものではないための自社で作り上げる必要があります。

質の高いサービスにつながるマニュアルを完成させるにはどのように作成すればいいのでしょうか。

この記事ではコールセンターのマニュアルの作り方についてわかりやすく解説していきます。


コールセンターマニュアルとは?

コールセンターマニュアルとはコールセンター業務についてまとめられた業務マニュアルです。

業務の円滑な遂行にマニュアルは重要な役割を果たします。

多くのオペレーターが働くコールセンターで一定のサービス水準を提供するためには下支えとしてのマニュアルが欠かせません。

マニュアルには会社として提供したい顧客対応サービスの内容と品質がこめられています。

もしマニュアルがなければオペレーターはそれぞれバラバラに業務を遂行することになります。

そうなれば人によってサービス品質にばらつきが発生し、顧客満足度の低下につながります。

的確なサービスを効率よく提供するためにはコールセンターマニュアルの存在が欠かせません。

 

コールセンターマニュアルはあるべき業務内容をオペレーターに提示する役割も担っています。

文字通り業務における教科書のようなものなのでその作成には最新の注意が必要です。

各企業はマニュアルの作成に多くの資本と労力を投じています。

必要な情報や詰め込むだけではなく一般的なビジネスマナーから例外的なケースへの対応まで、充実したマニュアルの作成を通じてサービス品質の向上を目指します。

コールセンターマニュアルの作り方①基礎編

良いコールセンターマニュアル作りの第一歩として働くオペレーターに必要な基本情報を盛り込むことから始めます。

マニュアルの内容は顧客対応だけではありません。会社概要や職場のルール、ビジネスマナーなどスタッフに対して働く上で必要な情報を提供します。

会社概要

コールセンターマニュアルに欠かせないのが「会社概要」です。

会社概要は会社案内のパンフレットやホームペーにも記載されている会社そのものを示す説明文です。

一般的に会社内容にそこまで詳しく目を通す人は少数ですが、コールセンターに寄せられる問い合わせの中には会社そのものについての質問が少なくありません。

自分の会社の設立年度や資本金、社長の氏名や本社住所などを会社概要として一覧にまとめて記載しておくことで会社についての問い合わせにも的確に回答できます。

会社概要が記載されているマニュアルを目にすることでオペレーターの中に会社に対する帰属意識が生まれる効果も期待できます。

プライドを持って働くことにもつながるので必ず会社概要は記載しておきましょう。

商品・サービス情報

企業が提供する商品やサービスに関する情報はもっとも重要な記載内容です。

コールセンターに寄せられる問い合わせの大半は商品やサービスに関連する内容です。

自社の取り扱っている製品については基本的に全て記載しておくことが望まれます。

業務効率をあげるためには問い合わせの多い商品やサービスの記載内容を充実させておきましょう。人気商品や新製品は特に問い合わせが集中します。

定番サービスやロングセラー商品なども一定数の問い合わせが見込まれます。

過去の問い合わせ事例を参考に素早く回答できるよう情報を充実させることが求められます。

ツールの仕様・操作方法

オペレーターが業務で使用するツールの操作方法や仕様に関しても記載が必要です。

コールセンター向けツールは日々高性能化、高機能化が進んでいます。

インターフェースも洗練が進んでおり初めての人でも直感的な操作が可能になっている一方でオペレーターのツールトラブルにより業務が遅延するケースも少なくありません。

オペレーターがツールを使いこなせなければ業務効率は低下してしまいます。

業務ツールの使い方をまとめて記載しておけば操作に戸惑ったときもすぐに使い方を確認できるので業務が滞ることがありません。

ビジネスマナー・社則

マニュアルにぜひ盛り込みたいのがビジネスマナーについての記載です。

オペレーターに基本的なビジネスマナーが身についていないと顧客対応で企業の印象を下げてしまう恐れがあります。

「ビジネスマナーなんて社会常識として身についていて当たり前」と考えてはいけません。

人の入れ替わりの激しいコールセンター業界でオペレーターのマナーレベルを維持するのはマニュアルを提供する管理者の責任です。

電話のとり方や敬語の使い方、メールの文章例といった顧客対応に関わるマナーだけでなく社内でのマナーも記載しておきましょう。

コールセンターの運営に大きく関わる社則、つまりルールに関しても必ず記載してください。

コールセンター業務では機密情報やノウハウなど外部に守らせない情報も扱います。

情報の取り扱い以外にも就業時間や服務規程、残業や各種手当など働く上で知っておくべきルールや社内規則を記載し確認を徹底させましょう。

コールセンターマニュアルの作り方②トークスクリプト編

コールセンターの主力業務である電話対応についてまとめたものが「トークスクリプト」と呼ばれる応答マニュアルです。

顧客からの問い合わせに対しどのように受け答えするかをまとめたトークスクリプトがあれば新人オペレーターでも質の高い顧客対応が可能になります。

ペルソナを設定する

トークスクリプト作成はペルソナの設定からスタートします。

ペルソナとは企業が想定する顧客モデルを意味するマーケティング用語です。

トークスクリプトの作成におけるペルソナはコールセンターに問い合わせをしてくる典型的なユーザー像を想定します。

例えば、若者向け化粧品なら20代女性が、老眼鏡なら50代以上の男女が典型的なユーザー像としてペルソナに設定されます。

仮想の問い合わせ相手としてペルソナを設定することで、より現場のイメージに近い実践的なトークスクリプトが作成できます。

ペルソナが抱える課題を複数想定する

年齢や性別、職業などを決めてペルソナを設定した後はペルソナが抱える課題を複数想定します。

コールセンターに問い合わせをしてくる顧客は必ず何らかの課題を抱えています。

製品の使い方がわからない、サービスのコースを変更したい、正しく機能しないなど内容はさまざまですが、問い合わせは基本的に抱える課題に対する回答を求めて寄せられます。

ペルソナが抱える課題を複数想定することでケースに応じた対応マニュアルを作成できます。

過去の問い合わせ内容から抽出したよくある質問を参考にして課題を複数想定してください。

フローチャートを作る

トークスクリプトのかなめとなるのがフローチャートの作成です。

フローチャートとはプロセスの流れをステップごとに箱と矢印で表す図解のことです。

コールセンターの問い合わせ内容はさまざまですがフローチャート化することでパターン対応が可能になります。

 

「製品やサービスのトラブルに関するご相談ですか?」「電源ランプは付きますか?」「作動音は聞こえますか?」など問い合わせ対応をYES/NOで回答できる質問で結び、フローチャート化することで顧客の求める問い合わせ内容を的確に理解し最適な回答へと導きます。

フローチャートにはここのオペレーターの能力とは無関係に一定の対応力を実現するというメリットがあります。

新人でもフローチャートに従って業務を行えばベテランと遜色ない業務が可能になります。

人の入れ替わりの激しいコールセンター業界において人材育成の早期化は大きなメリットです。

柔軟な対応をするにはマニュアルはないほうがいい?

マニュアルという言葉にたいして「決まりきった対応しかしない」「融通が利かない」といったネガティブなイメージを持つ方もいらっしゃるでしょう。

マニュアルの存在が柔軟な対応の妨げになっていると指摘する人もいますが、はっきりいってそれは大間違いです。

コールセンターに限らない話ですが、マニュアルとは能力にばらつきがある人員の中で一定水準のサービスを提供するための業務ツールです。

もしマニュアルがなければ、提供されるサービス品質はオペレーター個人の能力に依存することになります。

ベテランオペレーターに当たれば柔軟な対応が実現するかもしれません。

その代わり未熟なスタッフに当たると最低限のサービス品質さえ期待できない、粗末な対応をされるリスクが発生します。

 

マニュアルとは「やっていいこと」や「やるべきこと」を定めた指示書です。

柔軟な対応がないのはマニュアルがあるからではなくルールに外れた対応を求めているからに過ぎません。

マニュアルにないケースに関しては必ず個別の対応が取られます。

柔軟な対応とは、マニュアルがない範囲を補完しているものなのです。

コールセンターのマニュアルを使う時のポイント

苦労して素晴らしいコールセンターマニュアルが完成しても運用がまずければ台無しです。

マニュアルは完成したら終わりではありません。業務に活用できて初めてマニュアルは意味を持ちます。マニュアルを十分に活用するためにも適切な使い方が重要です。

定期的な更新が重要

コールセンターのマニュアルは定期的な更新が必要です。

作成時点では最新の情報や知識が集められたマニュアルも時が経つと共にだんだんと内容は古くなってしまいます。

新製品や新サービスの情報については早期の実装が求められます。マニュアルが更新されないまま、新製品や新サービスが発表されてしまうとコールセンターが満足に対応できず顧客サービスの深刻な低下を招きます。

 

製品やサービス以外にも会社情報や社会常識の変化についても定期的な対応が必要です。

会社概要が更新されないと間違った案内をすることになりますし、廃れたマナーを続けていると時代に取り残されてしまいます。

マニュアルの内容は定期的にチェックしてください。

案内する内容が変わったときはいち早くマニュアルを更新し、最新の情報で対応することが大切です。

使いやすさも重要

マニュアルはコールセンター業務の実用書です。単なるシンボルではないのでたくさんの内容を盛り込んだだけでも満足してはいけません。

現場での実務で重要なのは充実度と使いやすさです。

 

マニュアルの内容が優れていても必要な情報がどこにあるのかわかりにくく検索に時間がかかるようでは業務を遅らせる原因になります。

必要なときにほしい情報に素早くアクセスできるのが理想のマニュアルの姿です。

マニュアルを現場で使うオペレーターの声も取り入れて使いやすく適切なマニュアルを作り上げてください。

ベテラン社員の実際の録音も教材に加える

現場での実例はなによりも参考になる教材です。

過去にベテラン社員が実際に顧客対応した際の録音を、モデルケースとして教材に加えると理解が深まります。

オペレーターの対応は内容だけでなく、話し方や言葉遣いも顧客満足度に大きく影響します。

ベテラン社員はどんな話し方をしているのか、どのように会話を導いているかなど、マニュアルを読むだけではわかりにくい細かなニュアンスも録音を聞くことで理解が進みます。

 

トークスクリプトと照らし合わせながらどのように実際のやりとりが行われているかを研修に盛り込むことで優秀な人材育成につながります。

対応品質の底上げならコールセンターシステムがおすすめ

コールセンターのサービス品質はマニュアル次第と言っても過言ではありません。

充実したマニュアル作りはコールセンター構築の第一歩です。今回の記事を参考に内容の充実度とあわせて使いやすさも考慮したマニュアルを完成させましょう。

 

また、コールセンターの運営に欠かせないのが便利なツールです。

高品質のサービスを低コストで実現したい方はぜひ、コラボスが提供する専用ツール「AmiVoice Communication Suite provided by コラボス」をご利用ください。

このツールはAI技術によるリアルタイム音声認識ソリューションを活用したコールセンター向けシステムです。

ツールの導入により通話はリアルタイムで可視化され、コール内容そのものが見える化されます。

それにより1コールあたりの対応時間が従来よりも大幅に短縮可能。業務全体の効率改善を実現します。

録音による聞き漏らし防止や通話聞き起こしの効率化などオペレーターの負担も軽減します。

月額料金制で利用できるので業務量の変動にあわせて契約席数を変更可能です。

保守管理費用も込みの料金なのでメンテナンスやバージョンアップ経費がかからずコストを抑えてコールセンター能力を増強できます。

この記事の執筆者

    コラボスブログ編集部

    株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
    960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
    本ブログ記事サイトでは、様々なニーズを抱えたお客様のお役に立てるような情報を日々発信。
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