コールセンター運営をテレワーク化させるメリットとは?導入の課題も解説

コールセンターはテレワークと相性のいい仕事ですが、残念なことにテレワーク導入はあまり進んでいません。
この記事では、コールセンターのテレワーク導入状況をご紹介したうえで、
・コールセンターでテレワーク導入をするにあたって何が支障になるのか
・どのような技術を導入すればテレワーク化を容易に進められるか
などわかりやすくご紹介していきます。
コールセンターをテレワーク化するメリット
昨今の新型コロナウイルス情勢下で様々な企業・業種のテレワーク化が進んでいます。
コールセンター業務においてもテレワーク化を実現したいと考える企業も非常に多いでしょう。
実は、コールセンターというのは比較的テレワークを導入しやすい業種です。
対面で顧客とやり取りすることが必須の業態であればなかなかテレワークを進めることは難しいでしょう。
また、非常に高度なシステムを扱う仕事など、出社しなければ業務をこなせないという仕事もあります。
ですが、コールセンターの場合は基本的にオペレーターと顧客での一対一のやり取りで業務が進みます。
コールセンター業務において使用するのもパソコンや電話だけですので、コールセンター業務は在宅勤務を活用することが充分可能なのです。
また、テレワークには新型コロナウイルス対策だけではなく、各種メリットがあります。
まず、オフィスの光熱費やオペレーターの通勤費等を節約できるため、企業のコストカットにつながります。
さらに、2020年8月現在、政府はテレワークを進める企業に助成金等の援助を行っており、テレワーク導入にあたって必要な機材を購入するための資金を一部補助してくれます。
つまり、通常の状況に比べて低コストでテレワークへのシフトが可能です。
そのうえ、労働者もテレワークが可能な企業を選択したいという意向を持っていることが多く、テレワークの選択肢を提供していれば、優秀な人材を確保できる可能性が高まります。
このように、コールセンターがテレワークを導入することには数多くのメリットがあるのです。
コールセンターにおけるテレワークの現状
コールセンター業務とテレワークの相性は良いということをすでにご紹介しました。
では、数多くのコールセンターにおいてテレワークがすでに導入されているのでしょうか。
残念ながら実のところテレワークを導入しているコールセンターは多いとはいえません。
一般社団法人日本コールセンター協会の「2019年度コールセンター企業 実態調査※」によると、約7割の企業がコールセンターにおいてテレワークを導入する予定がないと回答しています。
またすでにテレワークを導入しているコールセンターは全体のたった5%程度です。
※参照元:一般社団法人日本コールセンター協会|2019年度コールセンター企業 実態調査
新型コロナウイルス以前の統計で、現在は少し数値が変わっていることも考えられますが、やはり依然として大半のコールセンターでテレワークを導入できていないと考えるのが妥当です。
つまり、テレワークを導入することに多くのメリットがあり、実際に導入することが可能であるにも関わらず、大半のコールセンターではテレワークが導入されておらず、オペレーターは毎日オフィスに出勤して業務を行っているのです。
実際にコールセンターがテレワークを導入していないことの影響は、日常生活で目にすることがあります。
例えば、新型コロナウイルス情勢下では数多くのコールセンターが閉鎖され、様々なサービスについて顧客からの問い合わせを受けることができませんでした。
本来であればコールセンターはテレワークで対応可能なので、オフィスに出勤できない状況でも顧客応対は可能ですが、テレワークができていないばかりに応対ができず、充分なフォローができなかったのです。
新型コロナウイルス情勢下では、顧客にとっても不安が多く、コールセンターの需要は高まっています。
そのような状況下でコールセンターが対応できない現状は大変問題な事態だといえるでしょう。
多くのコールセンターがテレワークを導入できない理由
コールセンターがテレワークを導入するうえで何が支障になるのでしょうか。
まず、セキュリティ対策が重要になります。オペレーターは顧客の個人情報に触れることが多く、自宅でオペレーターがそのような情報を扱うことに企業としては不安感が強いのが実情です。
機器面においても、各オペレーターのマインド面においてもしっかりしたセキュリティ対策をせずにテレワークを許してしまうと、情報流出事故等につながりうるため危険です。
また、テレワークでは他人の目がないため、オペレーターのパフォーマンスを不安視する声もあります。
監視する上司がいないのでオペレーターの生産性が下がるリスクがないわけではありません。
加えて、新米オペレーターについて何か困ったことがあっても周囲に気軽に相談できず、抱え込んでしまうのではないかという懸念もあります。
コールセンターは定型的な内容が多いものの、顧客との対応方法はやはり実戦を通じて学んでいくものです。
新米オペレーターはリーダー的なオペレーターに学びながら成長していくことが多いですが、いきなりテレワークとなると周囲から学んでいくことができず、詰まってしまうのではないかという懸念があるのです。
このように、コールセンターがテレワークを導入する場合、主にセキュリティとコミュニケーションがネックになりがちなのです。
裏を返せば、セキュリティとコミュニケーションの課題を突破できれば充分にコールセンターでのテレワーク導入は可能です。
コールセンターにテレワークをスムーズに導入する方法
コールセンターにおいてテレワークをスムーズに導入するにあたってどのような方法が考えられるでしょうか。
現場の意識を徐々に改革していく、といった対策も必要ですが、やはりツールを導入してある程度強引に環境を変えることも重要になってきます。
チャットボットやFAQを設置する
顧客向けにチャットボットやFAQを設定することはコールセンターのテレワーク化を進めるポイントとなります。
チャットボットはAI技術を活用して顧客からの問いに対して適切と思われる内容の返答を行う機能で、コールセンターの役割を果たしてくれます。
複雑な内容には対応できず、完全にコールセンターの代替になるわけではありませんが、簡単な問い合わせであれば充分対応可能です。
また、FAQはよくある問い合わせの内容を公式ホームページ上等にまとめて公開することで、顧客が疑問を自己解決できるようにするものです。
テレワーク導入の初期段階では、コールセンターの稼働が通常よりも落ちてしまうことが考えられますが、チャットボットやFAQを設置し、顧客からの問い合わせ件数自体を削減することで、スムーズな展開が可能になります。
有人のチャットを導入する
コールセンターのテレワーク化には、テキストチャットの導入も効果的です。
先ほどご紹介したチャットボットはAIでコールセンター業務を実施でき、省力化につながりますが、複雑な質問には答えられず、顧客の問題解決にはつながらないケースが多いです。
チャットでのやり取りは、最初だけチャットボットが対応し、どのような質問か交通整理を行ったうえで、有人チャットに切り替え、オペレーターが顧客に適切な回答を行うというのも効果的です。
質問の明確化までAIが担うことで時間を削減でき、テレワーク初期から効率的に業務を処理することができます。
このように、様々な技術をコールセンター業務にうまく取り入れることで、コールセンター業務の効率化を図ることができ、テレワークの推進にもつながります。
まとめ
この記事では、コールセンターとテレワークの相性の良さや、多くのコールセンターでテレワークを導入できていないことをご紹介しました。
そして、コールセンターでテレワークを導入するうえで、活用するべきポイントをご紹介しました。
まだテレワークを導入できていないコールセンターの運営者様は、ぜひこの記事を参考にテレワーク導入を前向きに検討してみてください。
この記事の執筆者
コラボスブログ編集部
株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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