チャットボットの種類を1から徹底解説!種類別導入事例や費用を紹介

昨今、様々な業種でチャットボットが採用されている時代となりました。TwitterやLINEのような日常で目にするものから、コールセンターの中核を担う業務レベルで導入されるものまで、その用途は多岐にわたり、その種類も国内外で何十社も存在します。今回の記事では、そのチャットボットの解説、選び方をご紹介します。


チャットボットは2種類に分けることができる

チャットボットはすべてAIだと思われている方も多いですが、「シナリオ(ルールベース)型」、「AI(搭載)型」の2種類があります。シナリオ型はAIが搭載されておらず、あらかじめ設定したシナリオ通りにツリー状に会話が展開されて行きます。それぞれ特徴を抑えて理解しましょう。

シナリオ(ルールベース)型

シナリオ型のチャットボットはRPGゲームのように選択肢が予め用意されており、そこで選択した質問から目的の情報へたどり着くように設定されているものです。このタイプのチャットボットは、会話自体を認識しているのではなく、登録した言葉やテンプレートを参照し、会話を展開していく方式です。

使用例としては、パソコンなど、機械トラブルに対する質疑応答など、質問の幅が狭い分野で良く利用されています。比較的導入コストが低く、手間も少ないのがメリットです。

AI型

AI型は、人工知能が搭載されているので、シナリオ型のような選択肢以外の事柄にも、過去の会話から学習して回答を提案できるタイプです。より複雑な質問にも答えることが可能で、ハイエンドのサービスになると、人間のオペレーターよりもエラーの少ない回答を得ることができるものもあります。

ECサイトなどで使われることが多く、ユーザーの探している商品を過去のデータから見つけ出し、柔軟に回答することが可能です。

また、シナリオ型とのハイブリット型もあり、こちらはシナリオ型の上位互換と考えることができます。

チャットボットの仕組みは主に5種類

ここまで、チャットボットの大きく2種類にご理解いただけたかと思いますが、運用の仕組みによってさらに5種類に分けることができます。

ここからは実際の運用方法もイメージしつつご覧ください。

ログ型

過去の会話のログを蓄積し、そのデータベースを活用して、より自然な会話をすることができるタイプで、いわゆる機械学習型、AI型のチャットボットです。

運用すればするほど、データが蓄積されていくので、より精度の高い会話をすることが可能です。その反面で、初期状態だとデータ量が少ないので、あらかじめチューニングをする必要があります。サポート体制が充実しているチャットボットサービスではチューニング代行サービスもありますので、はじめての導入を検討されている方はこちらを利用されるとスムーズです。

選択肢型

最も多く目にするのがおそらく選択肢型チャットボットで、先程紹介したシナリオ型のチャットボットの典型例です。選択肢型チャットポットのメリットは、リアルタイムで自分が質問したいことに関して、スムーズに目的にたどり着くという点です。アンケート形式で会話が展開されていくので、ユーザーが分野に対するリテラシーがなくとも、状況に応じて質疑応答することが可能です。質問の分岐を設定していると、想定外の質問でなければ、ユーザーの求めている情報に素早く回答することが出来ます。

辞書(ハッシュ)型

辞書型チャットボットは、あらかじめ辞書に単語や会話のテンプレートを登録し、それを参考に会話をするタイプです。LINEの通訳がこれに当てはまります。ユーザーが任意の単語を書き込むと、それに対する答えが得られますが、登録されていない単語が使われると対応できません。限定された分野、範囲内では実際の会話のような受け答えをすることができます。

選択肢&辞書型

選択肢型と辞書型の機能、どちらも併せ持つ優れたチャットボットです。選択肢の会話に加え、データベースから辞書型の機能も使い分ける事ができるので、回答の精度が高いことがメリットです。ただ、両方のタイプのデメリットもあり、シナリオ通りに誘導する選択肢型の特徴として、柔軟性に欠けている面があります。また、辞書型の特徴として、キーワードを登録するための手間・コストが発生します。

Eliza型

Eliza型チャットボットは、人類初のチャットボット「イライザ」を元に作られています。医療分野で使われており、セラピストのように診断シミュレーションの用途で活躍しています。基本的には聞き役のボットで、会話に相槌を打ったり、言葉を要約し、聞き返すなどの会話を得意とします。特定のキーワードが見つからない場合は、的確な回答を得ることが出来ないというデメリットがあります。1966年から登場し、現在のチャットボットの原型となったとされています。

チャットボットの機能は4種類に分けられる

ここからはチャットボットの機能について細かく解説していきます。業務の効率化、生産性向上のため、何の機能を導入するのか、サービスを選ぶのに重要なファクターとなります。

FAQ型

FAQ型チャットボットは、事前に用意したデータベースから、顧客から受けた質問内容に対して適切な回答見つけ出し、返信するチャットボットです。顧客向けの利用が多いですが、社内FAQとして応用する事例も増えてきており、効率化を目的に導入される割合が大きくなっています。また、すでに利用されているFAQシステムがあれば、チャットボットのシナリオに使うことが可能で、既存のシステムと連携させる方法があります。新規にチャットボットを作るよりも既存のシステムがあると導入コストは少なく済むことが多いです。

処理代行型

処理代行型チャットボットは、ユーザーとの会話の中で得たデータを元に、システム処理を代行してくれるチャットボットです。

Slackなどで利用されている方も多く、利用者のスケジュールを確認し、会議の設定をしたり、シフトの作成することが可能です。最近では宅配サービスの受注業務を行うサービスも増え、オペレーターの負担を削減することが期待されています。

配信型

配信型チャットボットはこれまで紹介してきたものとは異なり、顧客との会話が目的ではなく、あらかじめ設定した時間に情報を発信するチャットボットです。

ダイレクトメールでやっていた内容をチャットにするだけですが、こちらの方が、人と会話しているような感覚を持ちやすく、多くのユーザーを獲得することが容易で発信力の向上を目的に利用される方が多くなっています。またTO DOリストのピックアップやアラート機能にも活用されています。

雑談型

雑談型チャットボットは、情報を得ることを目的とせず、ユーザーとの会話することに特化したチャットボットです。Siriのユニークな会話などで利用された方は多いのではないでしょうか。直接的な利益を生むツールというよりも、ブランドイメージの向上を目的に活用される企業が増えてきました。

シナリオ型とAI型のチャットボットの費用相場

実際の相場を見ていきましょう。

初期費用が無料のサービスや、使う機能によっては月額1,000円台から始められるサービスなど、かなり大きなコスト幅があるだけに、適したチャットボットを選ぶ必要があります。また、チャットボットツールの中には無料トライアル期間が設けられているものもあります。10〜30日利用できるので、最大限活用しましょう。

シナリオ型

AI型よりも機能面では劣る分、比較的安価で導入しやすくメンテナンスも最初にしっかり設定しておけば、更新する内容は少なくなります。ただ、シナリオ作成の代行の費用がかかりますが、自ら作成することも可能です。費用を抑えたい場合や、すでにFAQなどのサービスが充実している企業では自作する方が安価で導入することができます。初期費用は10万円ほど、月額は5万円ほどで済むツールから30万円ほどが現在の相場となっています。

AI型

シナリオ型よりも多機能なので、学習データの入力などでコストが掛かります。初期費用で20〜100万円ほど、月額の利用料は5~30万円ほどの企業が多いです。割高に感じられるかと思われますが、実際の運用になると、削減される他のコストも多いので、検討の際には機能やオプションの組み合わせによる見積もりを出してみることをおすすめします。

チャットボット導入のメリット

チャットボットは企業だけでなく、ユーザーにもメリットがあるツールです。

営業日や人件費に関わらず、対応することができるチャットボットの魅力を見ていきましょう。

時間や日にちを問わずに対応が可能

昼間に働いている方は、休日にしか買い物に出かけることが出来ず、深夜にショッピングサイトを利用されるケースが多いでしょう。また、住宅や家電などのトラブルは予期せぬタイミングで起きるものです。

こういった有人のカスタマーサービスが営業時間外の問い合わせも多い中、24時間365日対応できるチャットボットの需要は年々拡大してきています。企業の対応時間が増えることにより、顧客満足度も向上が期待できます。

業務効率化および人件費削減が可能に

コールセンターでオペレーターに繋がらず、クレームに発展する、といったケースはよく耳にします。チャットボットを利用すれば、人件費を削減した上で、より多くの顧客に同時に対応することが出来ます。また、チャットボットは柔軟に対応することが出来ない、というデメリットを裏返せば、回答がぶれないということです。スタッフによって対応が違うといったこともなくなり、やりとりのログも表示できるので、顧客側もIDなど必要なデータがチャットからすぐ調べられるというメリットもあります。

メッセージ履歴をマーケティングに利用できる

メッセージのログが自動で残るのも大きなメリットになります。チャットボットで行われたやりとりを分析することで、将来の見込み客や、離れていった顧客への新たなマーケティング戦略へ繋げることが可能です。また、電話やメールよりも気楽に行動できる傾向にあるチャットなら、より多くのユーザーのアクセスが期待でき、導入以前よりも幅広いターゲットのデータを得ることが出来ます。

企業の導入事例

近年、通販業界、金融・保険業界、飲食業界など、多くの業界で利用されています。気軽にチャットで情報を得られることから「問い合わせ獲得」「問い合わせ削減」という点でチャットボットを使う企業が増えてきています。ここからは実際の導入例を見ていきましょう。

コールセンターでのお問い合わせに!

問い合わせ件数の多い銀行や鉄道会社などで共通している課題は「オペレーターの負担が大きい」、「対応品質の向上」という点でした。顧客を待たせることなく、問い合わせに回答でき、またリアルタイムでオペレーターに提示することができるので、顧客対応の応対品質を向上させることに成功しました。また、オペレーターの負担が減少することで勤務環境の改善が実現されました。

加えて、ログが残ることから新人オペレーターへの教育ツールとしても活用されています。

社内でのバックオフィス業務

在宅業務が増えてきている現在では、従業員からの社内外からの問い合わせに場所や時間を選ばないフレキシブルに対応できる環境が求められています。また人的なミスが起きにくいチャットボットでは回答の内容がブレないので正確な情報を従業員に提示することができます。ここで蓄積された問い合わせ内容は、社員からの意見として捉えることもでき、社内マーケティングに転用することで、業務内容の見直しにも寄与します。

自治体での総合窓口として

地方自治体では慢性的な人手不足問題に発展しているところも少なくありません。これまでは窓口対応、電話対応が主流でしたがチャットボットの登場でFAQサービスの充実や利便性の向上に繋がり、自治体ならではの繁忙期の問い合わせ件数は激減し、職員の業務効率化が実現しました。また多言語対応のチャットボットにより、インバウンド需要にも対応することが可能となりました。

チャットボット選びのポイント

2020年現在、国内外多数のチャットボットサービスがあり、業者を選ぶのが大変難しくなっています。

費用面、機能面も幅広く、各社の特徴も様々で担当者を悩ませる業者選びについてポイントを絞って以下に簡単にまとめました。

目的に合った機能が搭載されているか

FAQシステムやSNSとの連携など、実際に必要な機能が実装されているか、多くの業者ではオプションとして機能が用意されています。HTMLの知識なしに公開可能になるなど、利便性の高いサービスも増えています。

これまで直接電話やメールで受け付けていたトラブル対応の方法もFAQシステムの導入で解決し、業務効率化に繋がった事例もあります。インバウンド需要に対する多言語対応や有人対応可能かどうかも必要かどうか比較した上で選ぶポイントとなります。慎重に小規模からスタートし全社展開できると判断した段階で投資するなどの使い方もあります。目的を明確に持ってサービスを吟味しましょう。

費用対効果に見合うかどうか

導入目的やFAQ登録件数などによっては、シナリオ型でも十分対応可能な場合があります。反対に予算をケチってシナリオ型を導入してもAI型よりも結果を残せないケースもあるのでチャットボットの運用イメージはしっかり持った上で選ぶことで高いコストパフォーマンスを発揮します。一つのチャットボットの導入で複数のサイトの対応をしているところもあるので、しっかり調べましょう。また、無料トライアル期間が用意されているサービスは試しに導入して使用感を確認するのも重要です。

サポートは充実しているか

機能の比較は大切ですが、運用後のチャットボットの急なトラブルに素早く対応してくれるか、またチャットボットのメンテナンスやFAQ追加など運用担当者の疑問に答えてくれる窓口があるかなども重要です。事前に確認しておいたほうが良いでしょう。

チャットボット導入を悩んでいる方には「Challbo」がおすすめ!

Challbo(チャルボ)では、1つのチャットボットで様々な状況で利用できる豊富な機能をご用意しています。複数のチャットボットを導入しなければ実現できなかった機能を1つに集約しています。コラボスでは自社でFAQサービスのCollasQも提供しています。また、無料トライアル期間も設けていますのでお手軽にチャットボットの有効性・効果を感じていただけるはずです。

チャットボットのことや、その他コールセンターシステムなら、ぜひコラボスまでお問い合わせください。

この記事の執筆者

    コラボスブログ編集部

    株式会社コラボスは、2001年に設立。現在、東京・大阪にオフィスを構えており、
    960拠点以上のお客様へクラウドサービスを使ったCTIシステムを提供。
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